文才のある人
僕がブログを書き始めたのは、いくつものタイミングが重なったからです。実際ほんの2ヶ月前まで「ブログ」の意味すら知らなかったのですから。
たまたまGTSさんのサイトからリンクされたバブシカさんのブログを読んでいた頃は、それがブログであるという意識はなく、「ああ、こうやって好きなことを書いていくのもありだよな~」程度に読んでいました。実際に「ブログとはなんぞや」という意志のもとに触れたのは、ゲーム雑誌コンティニューでメガネの眞鍋かをりちゃんを見てから。つか自分そんなに「メガネっ子」に萌えたりするタチではなかったのですが、これは殊の外ツボにはまってしまい、おもむろにそのブログも読むようになりました。
「なるほど確かに人気がありそうだな、アイドルの日記としてはかなり素直に書かれているし、『ブログの女王』というのもわからんでもないな」
最初はそんな風に見ていました。まぁそのサイトの脇にあったココログのバナーが実質的な引き金になって自分も書き始めたわけですが、昨日今日更新された彼女の最新ブログを読んで、はたと気づきました。
この人は文章が上手い。
アイドルが書いているとか、本音が暴露されているとか、有名だとか、トラックバックが多いとかそんなことは実際はどうでもいいことで、一番自分が見るべきはその文才だったのです。文章の上手いヘタは、いかに読み手を引き込むことが出来るか。読み始めからどんどん加速していって長さを感じさせずに読み終えさせることが出来るか。彼女は芸能人としてのスキル以上に、人を魅了する文才の持ち主だったのです。
僕は小学生の昔から文章を書くのがかなり好きな方で、別段小説とかには興味もなく、読んでもいませんでしたが、コラム的な、短いながらもつい終わりまで読ませてしまう文には一方ならぬ興味と魅力を感じていました。長い物語で魅せる面白さは、ディレクションとストーリーテリングの技術とセンスが求められますが、短文の上手さは、巧みな日本語と流れるようなテンポ、リズム感が求められると思っていたからです。リズミカルな文章は、読んでいて心地いい。
その心地よさを提案出来る才能は、僕が文字をあまり読まない暮らしをしていたからかもしれませんが、正直あまり大きく取りざたされたりしてこなかったのではないでしょうか。僕が大好きなライターに、現「ほぼ日」元ファミ通の永田泰大さんがいらっしゃいますが、氏のような才能は、ネットが普及して「軽く気持ちよく心地よく読める文章」が求められる今だからこそ大きく開花したのではないかと思うのです。
ブログという文化が加速度的に普及して、これまで日の目を見ることが少なかった才能が、きっとどんどん明るみに出ている真っ最中なんじゃないかと思います。眞鍋さんのブログが出版され、多くの人の目に触れたとき、今よりもっと加速して、そうした「気持ちのいい文章」が生み出されるようになるでしょう。これは結構楽しみなことだったりするのです。
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コメント
はじめまして!トラックバックさせていただきました。
永田”風のように”泰大さんの書く文章は本当にテンポいいですよね。いつも読んでて気持ち良いのは嫌味の感じられない内容のせいもありますが、やっぱりテンポと言葉選びのセンス!コレに尽きます。
『ほぼ日』に埋もれさせておくのは勿体無いないぐらいw
だから、氏の小説とか読みたいんですけどね~
投稿: ろっく幸せ | 2005年9月 7日 (水) 12時50分
はじめましてろっく幸せさん、未だにトラックバックの仕方がわからないクリスです(^^;。拙い文章にコメント&トラバTHANXです。
魂の叫び、ついに発売ですか。かなり楽しみにしていたので、明日にでも書店に行ってみます。あれはいかにも「投稿者」が面白いことを書いている風体を装っていますが、実際は永田さんのアレンジが絶妙に加味されての結果だろうと思いますね。ちょっとした一言でとっても心に「伝わりやすくする」のが
上手い人ですよね。
「ほぼ日」に埋もれさせる、とおっしゃいましたが、僕的にはあれは永田さんのスキルを最も活かせるお仕事なんじゃないかなぁと思ったりもしています。例えばこう考えてみてはいかがでしょうか。「ほぼ日」ならば過去ログが消失する可能性は少なく、氏の文章に触れることの出来る絶対数が、書籍よりも圧倒的に多い。オリンピックのときも、マザーのときも、甲子園の時も、スチャダラパーのときも、読めな語のときも、「永田さんだと知らずに」あの文章を楽しんでくれる人がいる、それだけでとっても大きなことだと思うんですよ。ファンとしては氏のコーナーの人気が出るっていうのは当然だと思うし(^^;、もっともっと活躍出来る人だと思いますです。僕的には長い連載が読みたいです。FFとかみたいに本になるような。タイトルがないかな。
投稿: クリス | 2005年9月 7日 (水) 21時20分