ガンプラの話~その2~
生まれて初めて色を塗って作ったガンプラは、小学4年くらいで1/144のズゴックでした。地色を活かす方向で濃緑色とコバルトブルーと白かなんかを買ったのかな(黒はマジックで!)。3色で済むから安上がりってこともあったんですが(ガンダムだともっと使うから)、当時からゴッグやズゴックが猛烈に好きだったんですよ。
まぁなにぶん小学生ですから、「換気に注意して」などと書かれていれば、「家で一番換気がいいところというと・・・玄関かな!」なんて土間に新聞敷いて、筆はオレンジの柄の1本20円のもの。薄め液にお金使うのも勿体なくて、色を替えるときはティッシュで拭いまくったあと、次の色を試し塗りしまくって色替えしていました。
当時はランナーに直接塗装されたパーツ図がプリントされていたので、それを見ながら自分に出来る限界まで慎重に慎重に。もちろん初めての塗装ですから、ムラは出るワはみ出すワで手も塗料だらけ。とりあえずそれでもがんばって塗っていって、一通り塗りおえる頃には、もう当然ガキですから作りたくてウズウズしているわけです。ハイもうすぐ爪切りでパーツを切り始め、どんどん組んでいきました。それこそ塗った時間の10分の1くらいの時間で組上がったような、「あっという間」だったようにも思います。
それがホントにかっこよくてね。
今まで白単色のガンダムやピンク単色のシャアザクしか見ていなかった自分には、そのズゴックが「異次元のクオリティ」に見えて枕元に置いて寝ました。
その後はもう塗らずに作るってことはほとんどなくなりました(ちなみにランナーに付けたまま塗るっていうのは今でもやってたりしますが(^^;))が、ガンダムだけは鬼門でした。とにかくあの顔が塗れない。どうにも手強くて失敗したら大損じゃないですか!そんな時友達の一人がついにその鬼門をくぐり抜けて生還してきたんですよ。
「スゲェスゲェスゲェよく塗れたね!」
「まぁね」
まさしく小学生並みのやりとりなのですが、その勢いで僕は彼に「僕のも塗ってよ」と頼んでしまいました。しかし数日後、彼からは以前見せて貰った「彼の」ガンダムを手渡されました。
「それ欲しい?」
「うんそりゃ欲しいけど、、、いいの?」
「あげるよそれ」
「失敗しちゃったのかな」って思いましたが、結局はっきりとは聞けず、うやむやのままに僕は彼にとっても宝物であったと思われるガンダムを貰いました。僕はそれ以来、ガンダムの顔をどんなに失敗してもがんばって塗るようになりました。ガンダムって顔が塗れるとホントかっこよくなるんだよね。
※写真はHGUSを相変わらずランナーのまま筆で塗ってラインも消してない拙作。まぁこれについてはどうこう言わないでくれ。
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