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2005年9月18日 (日)

一番好きなゲーム

「魂の叫び」を買うとき、一緒に買おうか迷って結局見送ってしまった「ゲームの話をしよう3」。その巻末の方のページをパラパラとめくっていたら、編集部で聞いて回った「一番好きなゲームは?」。どの編集者も「時間をくれ」「後回しに・・・」と懇願するが、「じゃぁ聞かない」の一言に一蹴され、泣く泣くタイトルを挙げる。そう言うときに無理に出したタイトルが後々覆されることは十分考えられるが、そのタイトルそのものが無価値であろうはずもなく、ふむふむと興味深く行を進めた。そしてふと自らに問いかける。「一番好きなゲームは?」と。

そこでもし時間が与えられるとしたら、各ハード各ジャンル別にお気に入りをリストアップしたり、年表やカタログを首っ引きでチェックを入れることだろう。しかし、「即答!」と問われた場合はどうか。何もかも忘れて「好きだ」という気持ちに正直にスッと一本名前を口にするとしたらどうか。自分は、たぶん

 「ゼルダの伝説」ディスクシステム版

を挙げる。王者ファミコンが頂点を極めようかというまだまだ右肩上がりの時期に発表されたスーパーな周辺機器。正直容量や音源に関する魅力はそれほど僕には訴求せず、記録出来るという側面すら「パスワードも悪くない」と考えていたのでさほどでもなかった。しかし、その「世界」が僕を虜にした。

それまでは横スクロール、縦スクロールのアクションやSTGが多く、フィールド移動出来るものはごくごく一部。強いて言えばバンゲリングベイがそうであったが、あのタイトルのネームバリューがどういう意味を持っていたのかは、当時を知る者なら改めて解説することもあるまい。ゼルダの伝説は「構築された世界」で冒険をする、初めてのソフトだったのだ。

紙面を飾る画面写真はどれも輝いていた。剣を振るリンク、ビームを出すリンク、いくつもの首を持つグリオーク、ミステリアスな泉、砂漠、墓場、オリジナリティあふれるボスモンスターは単なる絵ではなく、立ちはだかる強力なモンスターとして僕らの想像をかき立て、これから始まるだろう大冒険に思いを馳せさせる。画面いっぱいに表示されたタイトル写真を見た瞬間にもう心を奪われていたのかも知れない。

買ってきた瞬間のこともよく覚えている。行きつけのおもちゃ屋では既に包装されていて、家に帰って包みを破るとそこからは半透明のプラスチックケースに分厚い説明書。モンスターの絵や模型で作られたマップ、「これが新時代のゲームだ!」と言わんばかりの風体に、はやる心を抑えながら接続をし、電源を入れ、ディスクをスロットに差し込む。起動画面がブラックアウトして、

 ジー・カシャカシャカシャ

と読み込みが行われ、タイトルが表示された。流れるメロディ、輝くロゴ、「琴線をかき鳴らされる」とはこういうことを言うのだろう。胸がドキドキする、心がワクワクするというのは、今この瞬間を指すのだろう。画面が切り替わり、アイテムの説明がスクロールしていく。ドルアーガにも似たアイテム達。でもきっとそれらはもっと世界と深い繋がりを持っているのだろう。僕はメインテーマを2ループを聞いてから、スタートを押した。

ゲームが始まってからもその冒険の質の高さは別次元だった。とにかく自分の意志で歩く感覚。ちょっとした川を見ても「おっ川だ!」、スタート地点からわずか10画面ほど移動しただけで「遠出したなぁ」、いきなり「ジー、カシャカシャ」などと言おうものなら、「えぇぇぇぇ、ここにダンジョンがぁぁぁ!」である。くまなく世界を歩き、何もない画面なんか逆に余計怪しく感じたりして僕はメガネ岩に足を踏み入れるのだが、その辺りは以前書いたので今回は省略。

僕は苦労に苦労を重ね、ついにガノンをしとめることに成功する。淡々としたメロディに乗せて流れるエンディング。鳥肌が立つ。気持ちが高ぶる。僕は大きな達成感に包まれた。画面が切り替わって、エントリー画面には剣を携えたリンク、そしてハートはわずか三つになっていた。僕は感動醒めやらぬまま、今一度リンクと一緒に世界を歩いてみたくなってスタートボタンを押す。いつもと変わらぬ画面が表示される。

僕がその後どうなるのか、賢明な読者諸氏にはおわかりでしょう。ゼルダは最後の最後まで僕の期待を超える出来だったんですよ。「初代ゼルダが一番だ!」。

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