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2005年9月 2日 (金)

ウルティマの思い出

僕の中のウルティマというと「IVクエストオブアバター」と「アンダーワールド」の二つ。前者は高二の夏休みだったかに一ヶ月かけて凄まじい気合いを持ってクリアしました。「凄まじい気合い」とは、そのタイトルに向かい合う自分に出来ることは何なのか、自問自答の末実戦するということ。とどのつまり僕はこのタイトルに大きな期待を掛けていたし、それに見合う価値のある素晴らしいソフトでもあったのです。

「フィールドを全てマッピングする」。当時の僕は自らをマッパーだと自称するほどに「マッピング鬼」でした。確か一番最初にマッピングしたのはファミコンのゼルダの伝説だったと思いますが、ダンジョンだけでなく、フィールドまで「フルカラーで」マッピング。後日見ても結構な大作で友人諸氏の評判もすこぶるよく、結構気をよくして「マッピングした方が早くクリア出来る」タイプのものはおしなべてマップを書いていたように思います。

ちなみに余談すが、最初の頃は「3Dダンジョン」の概念が理解しきれていなかった。今でこそ笑い話ですが「ブラスティー」※のマップを書いたときは、とにかく壁がほとんどなくたまに小惑星帯があるだけだったので、完全に「フィールドのような」マップを書いていた。分かりづらいかもしれないけど、「このマスには隕石」という表記で「壁」を書いたわけ。当然そうするとマップは破綻しまくる。根性でかなりやったけど、結局クリア出来なかった苦い思い出が「ブラスティー」にはあったりするんです。※ちなみに僕が88で一番最初に買った2本のウチの一本。もう一本は「シーナ」。どちらもいいゲームだったよね。

ウィザードリィは攻略本やテクノポリスを大活用したけど、シャイニング&ざ・ダクネス、女神転生なんかは結構楽しんでマップも書いたりしました。ウィンキーの「ルーイン」は当時雑誌にもマップが載ってなくて完全に書ききった暁には友人から賞賛されたりもしました。そのマップ野郎のプライドと威信を懸けて、ウルティマのフィールドを完全マッピング。マスは確か256×256。B紙大の1mm方眼紙を買って完全に描ききったときの達成感たるや筆舌に尽くしがたい。座標を指定されて手に入れる魔法の素材「マンドレーク」や「ナイトシェード」に一直線で向かったときの爽快感は今でも忘れられません(両方とも座標だったかどうかは結構怪しいけど(^^;)。

クリアにキーワードが重要な意味を持つタイトルであったため、マップのみならず、人々のセリフまで全て書き出す力業。どこの街の誰が何を言ったか、全てチェックしたのはこれとドラクエ7くらい。僕はこのタイトルでキーボードの配置を完全に覚えてしまい、ブラインドタッチこそ運指がわからなかったから出来なかったものの、「タイピングオブザデッド」で言えば3級~2級クラスのタイプは出来るようになりました。※ちなみに正しい運指を覚えてからは、2日目でブラインドタッチを体得。完全に配置がわかっていたからでしょうけど、面白いように打てる自分がとっても愉快でした。

そんなウルティマIVはストーリーもとても壮大で、なんとラスボスなし!RPGなのに最後はなぞなぞ一つでおしまい!でもそのなぞなぞに答えるために世界を旅し、心と体を鍛え、情報を集め、分析し、マップやセリフを書いた果ての答えなのです。僕は本当に満ち足りた気持ちになって普段やったことのない画面写真を撮り、ポニーキャニオンに送りました。後日ロードブリティッシュのサインの入った全国で8番目の「アバタール認定書」が送られてきて僕のクエストは終わりを告げたのです。

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アンダーワールドは当時ではまだまだ珍しかったフルポリゴンの3DダンジョンRPG。今では当たり前のようなその風体も、当時まだそこそこ裕福だった実家援助で購入した「PC9821AP」のマシンパワーあってこそのスーパータイトルでした。スタート直後暗闇で灯りを探すところから始まって、既にその「異質な体験」に強烈な魅力を感じていて、「ポリゴンってここまで凄いのかっ!」と一人で唸っていました。のちにプレステに移植されたりもしますが、元祖はマップに手入力でメッセージを入力したり、魔法を使うにもキーボードやマウスを結構忙しく使ったりして、かなりテクニカルなゲーム性を実現していたので、正直評価の高くなかったプレステ版とは比べられません。

このゲームは僕は本当に好きで大きく評価もしているのですが、最大のポイントは終盤に近づくに連れどんどん自分が便利になっていくところ。最初は何にも(と言ってはいいすぎか)出来なかった主人公がハイジャンプが出来るようになったり、マップを俯瞰して見られるようになったり、アイテムに関しても、まるでゼルダのような広がりでどんどん行動半径が広がっていく。最後には空まで自由に飛べるようになっちゃって、「ある意味オマエがアバターだよ」と言いたくなった始末。グラフィックこそ多少洋物特有のバタ臭さがありますが、「未来」に触れた感触は今でも忘れられません。

余談ですが、世に出た最初のポリゴンゲーって皆さんご存じですか?アタリのハードドライビン?マーク・フリントのパソコンゲー?調べてみたら、「ミサイルコマンド」を作ったデイブなんとかって人の「アイ・ロボット」っていうのが1984年で最初なんだって。僕が中学生の頃・・・。まだ20年しか経ってないって思うのは僕だけでしょうかねぇ。

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コメント

こんにちは、RPGに出てくるお姫様で1番好きなのは「ディープダンジョン」に登場する「エトナひめん」という、「魔王ルウ」も真っ青な、ぴちょんくんです。
「ウルティマ」といえば、一般的には「ウルティマオンライン」という事になると思いますが、自分にとってのウルティマとは、Ⅰ~Ⅵまでがすごく印象深いですね。
1番最初にプレイしたRPGが「ザ・ブラックオニキス」という事もあり、3Dダンジョン大好き人間な私にとってみれば、自然と「ウィザードリィ」に目が向いてしまいました。
当然のごとくハマりましたが、なにやら海外では「ウィザードリィ」と肩を並べるほど人気のある「ウルティマ」などというRPGがあることを知り、ちょっと興味を持った私は、何も考えずにスタークラフト版の「ウルティマⅡ」を購入しました。
しかし、何の予備知識も持たないままプレイしてしまったから、さあ大変!
まるで高い壁となって私に立ちはだかるそのソフトは、情け容赦なく次々と自分の分身であるキャラを葬り去るのです。
結局、「ウルティマ」の醍醐味も理解できぬまま、そのソフトをプレイする事自体、無くなっていきました。
次に挑戦したのが「ウルティマⅢ」でして、あんな酷い目にあったにもかかわらず、購入してしまいました。(なぜかは未だに不明です)
4人パーティ制という事で簡単なキャラメイクを経て、いざプレイ開始!
Ⅱほど酷い難易度ではなかった事もあり、いろいろと謎解きに苦労もしましたが、1年ほどかけてクリアできました。
これで、やっと「ウルティマ」の面白さを感じとる事ができたかと思います。
当然、今までにないゲーム性という事で話題になった「ウルティマⅣ」も発売日に購入し、会話をノートに書き込みつつ情報収集し、ゲームクリアまでに至りました。
ゲームを解いていくスキルをある程度身につけていたおかげか、それほど謎解きに苦労することなくクリアできましたね。
クリア後には、ディスク内のデータ解析までしてしまったほどにお気に入りなソフトです。
自分にとってのトラウマとして記憶に残っているのが「ウルティマⅤ」です。
なにせ、プレイしたくても、ソフトを動かすハードが無いわけですからね。
ちょうど、パソコンが8ビット~16ビットへ移行していた時期でもあり、雑誌の記事を保存したり「ウルティマⅤ クルーブック」などを購入して、いつかプレイしてやると固く誓いました。
そして、あれから15年ほど過ぎた現在、「ウルティマコレクション」を購入して、コツコツと少しづつではありますが、当時の悔しさを晴らすべくプレイしています。
「ウルティマⅥ」はSFC版でプレイしました。
どんなものかなと思い、なんとなく購入してみたのですが、今までプレイしたシリーズ中で文句なしに1番だと思います。
パソコン版を経験してみると分かるのですが、家庭用ゲーム機に移植された海外版ゲームの中でもトップクラスのアレンジ具合だと思います。
面倒な操作を省略しつつ、物語を進める上での鍵となる会話方法を単語を選択する方式にしてあるため、最低限の操作で「ウルティマ」の奥深さを味わえる名作といえるのではないでしょうか。
「ウルティマ」の思い出という事で、長々と書き連ねてみましたが、最初に受けた印象は最悪でしたね。
ある意味、最高な印象を受けた「ウィザードリィ」と比べると、ここまでゲーム性が拡がっていくとは思いもしませんでした。

投稿: ぴちょんくん | 2005年9月10日 (土) 08時30分

RPGというと洋物パッケージにいる女性が「自キャラ」なのか「親玉」なのか区別が付かないクリスです。ども!


かなりウルティマを堪能なさってらっしゃるようですね。正直言って洋ゲーに限らずパソコンでのゲームというのは当時のマシンポテンシャルを把握した上で「楽しめる」もしくは「綺麗」という感性を刺激するように作られているように思います。時には創造力を刺激したり、時には容赦ないハードルを設定したり。


でも時代がそうであれば、僕らにもそれを乗り越える術が備わっていくわけで、「その時」に触れることが出来たのは紛れもないラッキーだったと思います。


僕も実はSFCVIは持っていますが、やはりタイミングを逸してしまったというか、Vをスルーしてしまったことでストーリー内の疎外感を感じることになってしまいました。確かに特定の固有名詞(例えばイオロとか、ブラックソーンとか、スカラブレイとか)が出ることで既存のファンはより思い入れを濃くすることも可能なはずなのですが、作品ごとのインターバルが避けられない実情においては、前作をプレイしていてさえ忘却の彼方、赤の他人におちてしまうことすらあったわけです。


ウルティマはオーソドックスなコマンドRPGの見た目とは裏腹にウィザードリィ以上の敷居の高さがある。しかしその中にはまぎれもない「もう一つの世界」があって、はるかな昔から時がずっと今に至るまで時が流れている。そんな気がします。一見さんではなく、その街の住人としてシリーズを楽しめるぴちょんくんは凄くラッキーだし、羨ましいことですよ(^^)。

投稿: クリス | 2005年9月10日 (土) 21時10分

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