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2005年11月 7日 (月)

吉田聡

この名前ですぐピンと来る人は結構少なくなってしまったのかもしれないけど、僕らの世代(いやもしかしたら僕の周りだけだったのかも)では「湘南爆走族」を知らないヤツはいなかった。キレのあるギャグ、圧倒的な強さに裏付けされたカリスマ性、ロックもバラードも演歌もこなすレパートリーの広さと、作者の思いがぶつけられた上で構築された最高の物語。

今読み返すと意外と「うる星やつら」との共通点が見える。毎回テーマが変わりつつも根底に流れるメンバーの協調性。当時は腹を抱えて笑った話は今でも懐かしく読み返せる。

やっぱりジョークだけじゃダメなんだろうと思う。心に刻まれる漫画ってのはそこの方に「確かなもの」があって、そのステージで踊るから安心して楽しめるし、彼らも暴れることができる。

シリアス一辺倒でも疲れてしまう。もちろんそういう作品も多いが、氏の作風には正直それは似合わない。人をバカにする性格は裏付けに強さや自信が不可欠だ。そこに信頼と裏切りがミックスされてジョークにもシリアスにも姿を変える。主人公江口洋介のつかみ所のなさは、周りのメンバーがしっかりと支えてるからこそ自由に単車を転がせるんだと思う。

時々キザなセリフ、シーンを書く氏の作風は、もしかしたら自分と価値観が近いのかもしれないと思うことがある。かっこわるいやつにかっこいいセリフ。空回りする情熱。かけがえのないもの。

ここまで書いてなぜタイトルが湘南爆走族ではなく、吉田聡なのか。それは僕が一番好きな作品が別にあるからだ。そのタイトルは「スローニン」。4冊完結で結構前の作品なので古本屋なら1000円くらいで手に入るかもしれない。僕はこの作品の中で主人公が言う

 「どうにもならないことなんてない。大抵の場合はどうしていいかわからなくなっているだけだ」

というセリフが大好き。ホントにそう思う。些細なことで行き詰まったり、重い荷物を持ち上げられなくて「ううっ」となったときでも、この言葉がアタマに浮かんでくる。「どうすればいいのか、どうすればいいのか」と呪文のように繰り返す。ホントに大抵どっかに道があって、正解に近づくことが出来る。吉田作品は面白いのが多いけど、まず手に取るならこれをオススメしたい。

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