牙狼~第17話「水槽」~
アクション指数は低いものの、脚本が良かったのかなかなかに胸に残る話であった。ホラーテイストがかなり強く、グロテスクな描写も少なからずあったが、メインストーリーに絡むシーケンスがカオルに明かされてしまう下りと、その時のカオルのリアクションは個人的に◎。文章でドライに書くととてもそうは思われないかもしれないが、正直ちょっと切なくなっちゃったりした。
なんつーか割とマメに二人の接点を描写してきたから、鋼牙の方もカオルの方もとても自然に相手を思う気持ちが生まれていたと思えるし、実際それがわかるからこそヘタな演技は勘弁して欲しい場面だったが、今回ずっと続けてきて初めてかな、カオルのセリフと表情に引き込まれた。
もし自分だったら、もし鋼牙だったら、そんなことを何度も繰り返しながら画面を食い入るように見つめて、こぼれた言葉を素直に受け入れることが出来る、というのは実はそれほど多くない。気持ちのシンクロがよほど高くないと、どこかで「居心地の悪さ」を感じてしまうものなのだ。
ハルに関する描写やエピソードも、クリーチャーデザインが正直グロ過ぎることを除けば、かなりよかったと思う。ワンカットワンカットを丁寧に、かつ適切な長さで切り繋いであったからこそ話に入っていくことが出来る。まぁ正直牙狼になる必然は感じなかったけどさ。
※それでもわずかな変身シーンにリキの入ったCGフェイスを持ってくるあたり、「わかってるなぁ」と思わせるね。
残り9話。ハッピーエンドが大好きな僕としては、カオルも鋼牙も伶くんも幸せになって欲しいと思うのだけど、今のままではどう考えても無理。何とかならんもんかと思いつつ何とかなったらなったで興ざめしてしまう気も多分にする。うーむ。
余談だけど、せっかくだから超巨大な敵とも一度くらい戦って欲しいかも。話としては宙に浮いちゃうかもしれないけど、特撮ヒーローとしての牙狼もまた楽しみにしていたりするのです。
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