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2006年2月 2日 (木)

もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング

以前「ゲームでも疲れるのはどうか」などと否定的だったこのシリーズ、あれよあれよという間に前作はミリオンを突破し、「おいでよどうぶつの森(以下ぶつ森)」に次いでDSソフト売上第二位に。似たような方向性の「やわらかあたま塾」も猛烈に売れていて、件の「もっと」は発売1ヶ月で80万本を突破。DS本体はどこもかしこも売り切れで、ヤフオクでは25000円で取引されたとかされないとか。よもやこんなところに「鉱脈」が眠っていようとは、世の中分からないものであるなぁっていうかよく考えると「ゲーム脳」とか言って否定的だった連中が「そんなことないかも」と寝返ったんじゃないかとも思ったり。

任天堂は昔(ポパイの算数教室とか)教育ソフトを作った経験はある。しかし今回はアプローチが全く異なる。見た目で「PSPより子供っぽい」という評はどこへやら。明らかに買っているのは大人が多いはずだ。でなければここまで品薄にはならない。もう少し掘り下げると、、、

DS爆発の牽引力は紛れもなく「ぶつ森」だが、このタイトルのプレイヤーは実はそれほど低年齢層だけではない。ファンシーなキャラクターとプリミティブでわかりやすい操作体系、コミュニケーションツールとしてのポテンシャルは、OLだけでなく、たまごっちや携帯メール世代の女子中高生にも十分に訴求すると思われる。初代64ぶつ森が出た当初小学生だった女の子が、たまたま「おいでよ」の存在を知り、彼氏と一緒に始めるというのはそれほど突拍子もない話ではないと思う。

そして「ニンテンドッグス」やこの「大人のDSトレーニング」など対象をもっとずっとグローバルに捉えたアイテムの後押しがあったことは言うまでもない。

任天堂は来る3月2日にDSの後継機を発売すると急遽発表した。輝度を上げ、大きさを小さくし、価格が16800円と少々割高になったこの機種のターゲットは、間違いなく「子供」ではない。野暮ったいDSの風体や視力の弱い高齢者、評判の今ひとつだった十字キーなどを改善し、全国区での品薄の追い風を受けて一気に加速する「大型戦略商品」だ。

「タッチジェネレーション」で獲得したパイはこれまで取り合っていた皿とは全く別の皿のものだ。だからこそこれまでと同じ味付けでは決して追加オーダーはもらえない。また、中身だけでなく売り方も広告展開、例えばCM枠も変わってくるだろうし、広告を載せる雑誌も違うだろう。

 「なんだか面白そうだな」

唐突に思った。それまでゲームらしさの薄い教育ソフトという位置づけだったのが、「エポックメイキング」な大人のオモチャなのかもしれない。ついにこないだの日曜日に購入を決意し、ショップに足を運んだ。

一店目では2580円で「もっと」は売り切れ。「無印」は同価格で在庫はあったが、とりあえずもう一店へ。次に行ったヤマダは最近の僕の注目株で、新品では圧倒的に安い。具体的に言えば、定価の15%OFFに加えて5%ポイント還元+入り口の機械で100ポイント来店するたびにもらえる。現金に換算すると2161円。割引率はおよそ23%だ。

閑話休題

果たしてヤマダには「もっと」も「無印」も置いてあった。僕はいろいろ考えた末「もっと」を購入することにした。理由は裏面に「グーチョキパーなどの・・・」という娘でも遊べそうな言葉が書いてあったから。

 そしていざプレイ。

最初からDSを縦に持たせる画面表示になり、ちょっぴり焦る。でも持った感じは結構違和感がなく、まるでちょっと重たい小説を開いているような感じだ。

左側にポリゴンで出来たオヤジが表示され、なにやら偉そうなことを言ってる(正確には表示している)ようだがまぁんなこたぁオレにはどうでもいい。そもそも自分自身に関して言えば「頭を良くしたくて」これを買ったわけではないのだ。

メニューは「お試し版」「脳を鍛える」「通信」の3つ(うろ覚えなのでちょっと違うかも)。順に説明していく。

お試し版は極々簡単な例題といくつかの文字を書かせることで判定してくれる占いのようなメニューがある。プレイヤーを特定しないので誰にでもお手軽に遊べるが、例題そのものがとても少なく、やりごたえはない。

メインメニューの中には「脳年齢チェック」「トレーニング」「グラフ」「その他」があり、これもそれぞれ実際の設問内容以上にシステムがよく練られている。

前二つは一旦飛ばして「グラフ」。これは過去のプレイ実績がグラフで表示されるのだが、単純に良い記録が残るわけではない。「その日の一番最初にやったもの」だけが記録として計上されるのだ。要するに「本番」と練習がある。

メインにも絡むが、このソフトの素晴らしい点は、その「モチベーションに対する意識」の徹底した高さにある。例えばこの「グラフ」一つとっても、折れ線グラフや円グラフなど例題によって表示形式が異なり、画一化した印象がない。そしてそれぞれは全てその日最初の「本番」のものであるため、ただだらだらとやってたまたま残ったものではなく、言うなれば「公式記録」。見た目が同じでも持つ意味は大きく違うのだ。

「脳年齢チェック」はランダムに選ばれた三つの設問によって、文字通り脳年齢を判定するモード。最高で20歳。最低で80歳。その日最初にやったプレイだけが記録される。このモード、繰り返しやっても同じ問題が結構多く出たりして、「思いの外底が浅いか?」という懸念に見舞われたが、ここにも巧妙なテクニックが隠されている。

同じ問題が出るというのは、一般のクイズゲームにおいて決して良い印象ではない。明確にクリアを目指す場合は別だが、やはり知識や知恵を競い蓄えるのが目的であるなら、問題数は多ければ多いほどいいはずだ。

しかしこのソフトの目的は知識や知恵ではない。モードによっては純粋に漢字を学ぶものもあるが、目的はあくまで「脳を鍛える」ことなのだ。

同じ問題が出るということは、当然答えを知っているということになる。もちろん場合によってはわずかな間に忘れてしまったり、覚え切れていないこともあるが、基本的に「苦労」はしない。ただ「より早く文字を書く」というスタイルに「シフト」していく。

少し横にそれるが、このソフトはその「文字を書く」事に関しても、とても良くできている。どういうアルゴリズムで判定しているのか完全にはわからないが、「できあがりの形」以上に「書き順」を重視する傾向にある。要するに「変な形」になってしまっても、書き順を明確にしていればほぼ認識する。これはとどのつまり「丁寧に書く」より「早く書く」ことを優先しているチューニングといえる。要するに「ゲーム的」なのだ。

人には見せられないような雑な文字でも、機械が判別してくれさえすればよい。タッチペンでの触感は良く、例えて言うなら「水平になった黒板に、折れることも手が汚れることもないチョークで書く」ような音がする。これは純粋に気持ちがいい。同じ問題を解かされる一方で、気持ちよく加速感のあるプレイフィールが「繰り返し」の苦痛を大きく軽減する。これもモチベーションに対する意識の現れに他ならない。

トレーニングモードは最初3つの選択肢しかない。「漢字の書き取り」「算術記号」「ピアノの鍵盤」だ。これはどれも「脳年齢チェック」には出てこないが、
※やり続けていたら出てくるのかもしれない
単純に知識や計算能力のベースアップにはもってこいのシステムとなっている。そして一つでもプレイすれば新たな選択肢が増える。しかし、一日に一つしか増えないのだ。いくらやる気があっても一気に増えすぎるのは決して良くない。結果的にどれも手つかずになってしまったり、それぞれの設問のルールを把握しきれなくなってしまうからだ。
※「一つずつ増える」は設問だけだとは限らない。「その他」のメニューが増えることもあった。

そしてトレーニングを一度やることで「ハンコ」を押すことも出来る。カレンダーに「ポン」とタッチするだけの動作なのだが、これが結構気持ちいい。まだ二日しか過ぎていないが、これが1週間1ヶ月と蓄積していく様は、想像しただけで楽しくなってくる。朝のラジオ体操でハンコを貰った世代というのはむしろ中高年にこそ多いだろう。

これらの側面もまた、ターゲットに合わせたとても上手いチューニングだと思う。「人間は生まれながらにして知ることを欲する」とはどこぞの番組のオープニングであったか。年を取っても自分の知恵や知識が増えていく感覚というのは楽しいものなのだ。いや、楽しいもの「だった」のだ。要はその引き出しの開け方に誰も気づかなかっただけなのだ。

通信では対戦モードと「お試し版配布」が可能となっている。お試し版は一旦相手にダウンロードさせれば、電源を切るまでお手軽に雰囲気を味わうことが可能。対戦は設問によって勝敗のルールは変わってくるが、基本的に大人が対象であるため、それほどこちらに対するウェイトは割かれていない。あくまでおまけ程度というところだろう。

それから土曜と日曜に限ったことなのかも知れないが、川柳やお題を貰ってのお絵かきなどのイベントもある。起動して最初にプレイした人に絵を描かせ、次のプレイヤーにそれが何なのか当てさせる。ちょっとしたコミュニケーションのきっかけとなる「遊び心」もきっと子供より大人に訴求するスタイルだろう。

 まとめ

とにかく「大人が楽しむ娯楽」として、非常に完成度が高く、新鮮なものだというのが一番の印象だ。ペンの触感や徐々に増える問題、毎日続けさせるための施策など、どれも一朝一夕に構築されたものではなく、これまでの任天堂のノウハウあったればこそだと思う。これは本当に凄いことで、コアなゲームファンにこそ「気づかれない」動きではあるものの、昨今の低迷しているゲーム業界に対してかなり大きな好機となるに違いないと僕は思う。新DS+ソフト税込19600円(定価)。定年を迎える両親へのプレゼントとしても面白く、決して安くはないが手が届かないほど高くもない。小さなこいつが投げかけた波紋が、レボリューションで大きな津波となることを期待したい。

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コメント

このシリーズ、まさに爆発的という言葉が相応しいくらい売れていますね。DSの品切れは田舎である私の地域でも現実化しています。先週、ゲーム屋でソフトをレジに持っていったにも関わらず、あっさり「本体は売り切れです」と店員に言われたおじいさんを見かけました。他人事ながら残念。

「もっと~」はサイトの情報を見て、私もかなり購入意欲をそそられました。また、勤めている会社の営業部長が絶賛しておりまして、やはり賞賛の生の声を聞くと、無視できません。ホント、普段ゲームなどとは全く縁がない人なんですけどね。

さて、そうはいいながらも、根がひねくれている私は「英語漬け」を買いました。クリスさんもご指摘されていますが、文字認識能力がショッキングなほど素晴らしい。10年くらい前に電子手帳「ザウルス」を買い、その文字認識力にストレスを感じた体験があります。その体験から比較するとまさに衝撃。ザウルスは4つくらいあるセルの中に一文字ずつ書いて認識させる必要がありました。一方、DSでは一つのセル(下部画面)にいっぺんに「abc」と書いても、認識できる。しかも早い。おまけにペンでなく指で書いたのに(^^;。

とにかくハードの性能を存分に味わえるソフトは、据え置きゲームでもなかなか見られないもの。ましてそのソフトが示しているのはハードの終着点・限界ではなく、まだ先が見えぬ可能性。こりゃ凄いですわ。

ただし、この話のオチとして、私はまだ一回しか起動してなかったりするのでした(^^;;;。なんか、缶コーヒーにプリントされているような先生がどうにもこうにも盛り上がりに欠ける・・・。ここは偉そうでも角張った川島教授に軍配が上がると言えるでしょう。うーん、ハンコを押す習慣をつければ続くのかなぁ。

投稿: トムニャット | 2006年2月 4日 (土) 02時32分

あれま。英語漬けはダメでしたか。実は次は僕もそこを狙っていたのですが(^^;;)。
ちなみにあれから毎日しっかりやっておりますが、二文字「転」と「細」の認識が甘く、かなりキレる羽目に。
前者はかなり「職」とご認識しやすく、後者は「紳」と認識されやすい感じ。あまりにも「わからずや」なので、任天堂に直談判しましたところ、かなり丁寧な口調で対応してくれて、最終的にはファックスで、書き方のコツを詳細に教えてくれました。


ただ、それでもやはりまだ完全に書けるようになったわけではなく、真剣に取り組めば取り組むほど(特にタイムが「自分の脳年齢の測定」に影響を及ぼすだけに)、苛立ちが募ります。「漢字記憶」というお題以外は、今のところその影響はないのですが、ホント致命的の一歩手前くらい大きな欠点だと、僕は思いました。


まぁそうは言っても良くできていることに変わりはありません。ある意味「認識しない文字」を探す方がずっと困難ですし、そこで相手が「機械」であることにむしろ安心感を抱くケースもあろうかとも思います。英語漬けにも言えることですが、文字認識はこのタイトルで大きく進化したのは間違いないんじゃないですかね。


ちなみに今お気に入りの設問は「聖徳太子」。主に二つから三つ同時に発声された3文字の単語を聞き取り、書くというもの。二つならかなりイケるのですが、三つとなるとなかなか。それでも回を重ねるごとに正解率が上がっていくのは楽しく、ある意味不思議な感じすらします。でもホントの聖徳太子さまは10人の声を聞き分けたとか。これやってると普通に「ウソだな」って思いますよ(^^)。

投稿: クリス | 2006年2月 4日 (土) 03時39分

自分はこのゲーム(ゲームではないかな?)買わないだろうなぁ・・・と何となく思っていたのですが、今日なんと親父が買ってきました。
今までゲームなどには全く興味を持たず、DS本体持っていないのに「これだけ(DSトレーニングのソフトだけ)を買えばプレイできると思っていた。」などと平気で言うほどゲームに関しては無知な親父がです。正直信じられませんでした。これは売れるはずです。


今や本体は売り切れ続出中なので、自分のDSを貸したのですが、いったいどれだけ続けるのか楽しみでもあるところ。
ちなみに買ってきたのは初代です。親父が言うには「二作目など所詮一作目の二番煎じだ。」らしいです。
・・・親父、分かってないよ。


自分も少しだけやったのですが、文字認識は言うまでもなく、音声認識も想像以上の認識率でした。でも声出してやるのは、なんとなく恥ずかしいですね。簡単な計算を20問解くやつが結構お気に入り。反対に記憶を必要とされる問題は自分でも愕然とするくらい覚えられない。
うーん、DSトレーニングやり続ければ、記憶力も上がるのですかね?

投稿: 竜駆 | 2006年2月 4日 (土) 23時33分

明日は朝が早いので少しだけで恐縮ですが(^^;)。


>これは売れるはずです。

全く持ってそう思いますね。つか「驚くほど」訴求してますよね。過去にない層へ。きっと話題に上ってこないだけで、かなりのご年配も買っていると思います。あと主婦とかOLとか。


ちなみに初代と二代目の違いを僕も正直把握しきれていないのですが、初代には「漢字を書く」設問はありますか?正直アレはツライ。やりこめばやり込むほどイライラするのは漢字です。わかっているのにご認識に次ぐご認識でタイムが加算されていく状況は、誠にやるせない。


「オレの実力はこんなもんじゃねぇんだ!!!!」


と声を荒げたくなります(^^;)。ちなみに「もっと」にある計算問題は、「3○6=9、○に入る文字を入れよ」みたいな「算術記号」ってやつがメインです。時々「・」書くだけで正解と認識されるのは、まぁご愛敬というところですかね(^^)。ぜひまたやり込んだご感想をお聞かせ下さいませ。結構イケルと思うよ~。

投稿: クリス | 2006年2月 5日 (日) 01時03分

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