こんなゲームをやりたい
「大人のDS」などをやっていて、「ああ面白いなぁ」と思う。でももっともっと面白くなりそうな予感もした。なんつーか「もっと絵が描けたらよかったのに」とか「もっといろんな漢字を死ぬほど憶えたい」とか「単純な計算問題を間違えるまでやり続けたい」とか。
亜流は所詮亜流ということもあるかもしれないけど、この素材に関して言えばもっともっと「化ける」ような気がする。とにかく「全ての事象がクイズたり得る」作りなのだ。漢字、数字、ひらがな、英語・・・。何でも書ける。何でも答えられる。当たり前のタッチペンなのに、ここまでのディープな「ゲーム性」をはらんだ物だとは正直予想だにしなかった。
例えば足し算一つとっても、
・繰り上がらない(合計が9以下になる)足し算
・繰り上がる一桁同士の足し算
・二桁と一桁の足し算だが、答えは19以下
・19以下同士の足し算
・答えが99以下の足し算
・二桁同士の足し算
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と難度を段階で分ければかなりの幅になる。もはや川島教授の監修は難しいかも知れないが、徐々に難度が上がっていき、ある難度まで行ったらいったんまた易しくなる、と言ったような「テトリスライクな難度係数」を導入すれば、ただの「足し算」が非常に面白いゲームに生まれ変わると思う。っていうか「大人のDS」やっていて「単純なやつをもっと高速に限界までやり続けたい」と思ったのは絶対僕だけじゃないはず。もっといろんなハイスコアを残したいとも。
漢字の読み書きもそう。コースとして10級から1級までの難度設定や、10問~1000問までの問題数設定、時間設定、読みづらい字や簡単な(画数の少ない)字なのに書きづらい字など、多岐に渡って「気持ちよくトライ出来る」環境が構築できるはず。いや、もっと言えば中学、高校、大学受験や各司法試験にも通じるような「本気の学習ソフト」すらこのシステムなら十分実用に足るものが出来るんじゃないか。「単語帳」の手軽さで、質と量を何十倍何百倍にも膨らませることが出来る。
そして重要なのがそれが「気持ちよくて楽しい」ということだ。
教科書のページをめくっても「ピロリロリン」などと効果音が鳴ることはない。鉛筆や消しゴム、ノートは全て消耗品で、手も汚れる。勉強することはそもそも苦痛を伴うと思われがちで、苦痛を伴う時間というのは通常よりゆっくりと流れるものだが、ゲームをする時間はあっという間だったりする。ストップウォッチを別に用意して使うのはかなりの煩わしさを伴うが、ゲームで「急かす」システムを折り込むことはそれほど難しいことじゃない。ごくごく自然に速記が身に付く。
「それは飛躍しすぎだろう」と思われるかも知れないが、内容次第では、「最強の受験勉強道具」になれるポテンシャルがある。今でこそそのような「色気」を出してはいないが、やればやるほど「勉強に活かせそう」なシステムが詰まっていると感じるのだ。何でもこなすマリオが、今度は塾の先生をやるだけの話なのだ。
「人は生まれながらにして知ることを欲する」。そして「成長する」楽しさを知っている。昨日倒せなかった敵が今日倒せる楽しさと、昨日書けなかった漢字が今日書ける楽しさ。このタイトルで初めて繋がったような気がする。
~少し雑談
今スゲェお金があったら、任天堂にそういう教育ソフトを作らせて、DSと一緒に学習塾に売り込みに行くね。実際効果が出るのは間違いないと思う。小学生とか中学生とか。場合によっちゃあもっと大きなタッチスクリーンを使ったものでもアリだし、学力低下が叫ばれる日本の中高生に向けて、とんでもなく大きな福音になる可能性だってあると思う。
「学力を鍛える子供のDSトレーニング」。自分の為に「大人のDSトレーニング」を買った親御さんなら、かなりの確率で子供にも買い与えると思うし、はっきりと目に見える結果が出るとも思う。少なくとも僕は絶対買うね。
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ちなみに「無印」が発売されてから「もっと」が発売されたんだけど、もっとは「もの凄い速度」で売れたよね。今だと多分90万本以上売れているんじゃないかと思う(先日行ったヤマダでは品切れだった)。これは単にシリーズもので売れた、という見方だけじゃなく、その中身と傾向が重要だと思う。
「無印」も「もっと」も同様だけど、プレイ開始時にはそれほど多くの設問があるわけじゃない。毎日少しずつプレイして少しずつ増えていく。もちろんそれにも終わりがある。そして重要なのはその「中毒性」にある。
「頭が良くなっていく」ことに飢え始める。今のままでもそれなりの上達が実感し続けられるが、もしかしたら他の設問であれば、もっと自分の中にある「隠れた能力」が引き出されるんじゃないか、次の問題をくれ!
最初の頃、このタイトルのモチベーションに対する意識の高さが素晴らしい、という話を書いた。それはとどのつまり「購入した人の多くがすぐに投げ出さないような作り」が成されていると言うことに他ならない。そして投げ出さずにやり続けた先に待つのは、「続きが欲しい」なのだ。
ざっくり「無印」が140万本、「もっと」が90万本売れているが、これは長いスパンで見るともっともっと近づいていくはずだ。なぜなら、(竜駆さんのオヤジさんのように(^^;))「まず買うなら最初の方かな」というユーザー、それもDS不足で欲しくても買えないユーザーが五万と(どころか五十万、コトによってはその何倍も)いて、供給が段階的という現実があるからだ。「無印」を終えるまでの「タイムラグ」が本数の差として出ているだけであって、DS本体と「もっと」が潤沢に供給され、「無印コンプリート」ユーザーの比率が高まっていけば、必然的に差は縮まってくる。「もっと」のミリオンも確実だろう。
きょうびミリオンを量産出来る可能性を持ったシリーズ、それもムービーやら声優やらの金食い虫じゃないライトバジェットな作りのソフトがどこにある?
以前「凄いソフト」だと称したが、今また思う。そんな表現では生ぬるかったのかもしれない、と。ソフトは一本2800円。定価ベースで言えばシンプル1500やTheBESTなどのローコストシリーズを除けばほぼ最安値と言っていいと思う。しかし、このタイトルはまだまだ先が長い。山内会長ならきっとこう言ったに違いない。
「このソフトを作ったのがウチで良かった」
と。
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