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2006年2月13日 (月)

「はい」の美学

今日は仕事に関するお話。僕なんかは小売店という接客業に携わっておりますので、毎日のようにお客様と直接お話をいたします。商品に関する質問、挨拶、レジでの対応、まぁいろんな場面があるわけですが、常に僕が意識するのは、お客様のお返事が「はい」になるように心がけるということ。

「はい」とお客様に言って戴くとは、お客様の心理、心情をくみ取り、お客様の代わりにこれから口にしようとしている言葉をこちらからご提案するということです。
※もちろんお客様ご自身がこちらに伝えたい場合もございますので、そうした際は「いかに気持ちよく伝えられるか」を意識することになります。

日本人だけの感覚かもしれませんが、本来人は話をしている相手に対して、否定的なリアクションを取ることが心地よいという感性は持ち合わせていない、というのが僕の考えです。相手が嫌いな人や全く無関係な赤の他人、政治的意味合いのある場合はともかく、お互いが相手とのコミュニケーションを取ることに何の問題もない場合、相手を無げにはしたくない。

以前「ホスピタリティ、顧客満足度が高いホテルでは、お客様に『申し訳ございません』と言ってはならない、というポリシーがある」という話を聞いたことがあります。だったら「ごめんなさい」と言うのかというともちろんそんなことはなく、要するにお客様にお詫びするような事態を引き起こしてはならないというのです。お詫び申し上げるということは、お客様の期待を裏切るということ。それはとどのつまりお客様に否定的な感情を喚起させてしまうということです。

あとせっかちで効率主義の僕らしい側面も同時に書かせて戴くと、「はい」は二文字で、「いいえ」は3文字。「首を縦に振る」のは概ね1回で、「横に振る」のは2回以上という物理的な意味合いもあります。よりスムーズなコミュニケーションをよしとするのなら、こうしたことも無視できません。

具体的にどういった時に「はい」が発生するのかと申しますと、

・「商品を探していそうな」そぶりにお声を掛ける

 →でもそこで「何かお探しですか?」という質問では、「いいえ」の可能性もはらんでしまいます。ここは「もし何かお探しでしたら遠慮無くおっしゃって下さいね」、が正解だと思っています。それなら探していても探していなくても、答えは「はい」になります。

・レジで細かな小銭を探すそぶりを見つけたら

 →お客様の空気をギリギリまで読みます。もし「焦っていて早くしなくちゃ」という場合で、後ろにお並びになってらっしゃる方がいらっしゃらない場合は、「焦らなくても大丈夫ですよ」とお声を掛けたり、「探している小銭が見つかった」という空気を察知した瞬間に金額から想定される小銭、例えば970円のお買い物なら、「1070円でよろしかったですか?」と先回りする。小銭入れが重そうな気配を感じたら、「両替させていただきましょうか?」とお声をお掛けしたりする。

・もし領収証をお求めになられたら

 →お買い上げ品目によって、但し書きをご提案する。これは物が婦人の肌着や子供服であったとしても、「但し書きは作業着でよろしかったでしょうか」とご提案することを指します。本来あまり良いことではないのかも知れませんが、お客様のことを第一に考えたら、「口にしづらい部分をこちらからご提案する」ことで、とても気持ちよくお買い物が出来ることに繋がるのです。もちろんお客様のお仕事等を予め知識に蓄えておくに越したことはありません。

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相手のことを徹底的に気遣う先に、「はい」があるわけです。コンビニでの店員のリアクションひとつとっても、「マニュアル通り」のサービスと、一歩進んだ「感謝の心」を織り込んだサービスでは、全くこちらの受ける印象は違います。

スキル不足による「マニュアル通り」すらままならない店員であっても、誠意や感謝をしっかりと伝えてくれる対応であれば、こちらはとても気持ちよく買い物をすることが出来ます。

相手を見る。相手の気持ちになる。商売に限らずどんな場面でも「気配り」は有効なスキルと言えますよね。

※余談ですが、ヤフオクで取引最後のメールや評価を戴くとき、先方にステロタイプでない言葉を掛けてもらえると、とても嬉しい気持ちになります。毎日何十件というお取引をなさってらっしゃる方ではさすがにままなりませんが、個人対個人の売買であるなら、何とか「僕にだけの言葉」を引き出したい。ある意味これも「はいの美学」に通じる感性なのかもしれません。

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