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2006年3月19日 (日)

ケロロとゾロリ

先日見た映画の感想をば。

その日は娘の卒園式やらFF12の発売やらで午前0時から午後12時まで本当に忙しくあわただしくせわしない(全部同じ意味)一日でした。その中にあって、公開前から非常に親子共々行く気満々だった「超劇場版ケロロ軍曹」の上映時間を確認しようと新聞を開くと・・・。

なんと市内にある二つのシネコンではどちらも上映しておらず、載っている範囲全てを見渡しても2館のみ。それも一つは午前中のみという体たらく。

「こりゃあ上映終了するのも時間の問題かも・・・」

まだ始まって間もないとタカをくくり、見に行くとしても子供が春休みに入ってからかなぁなどと斜に構えていた衿を正すハメに。

しかしその日長男が帰宅するのは3時過ぎ。貧乏性な僕としてはファーストorレイトショー1000円以外で見る気にもなれず、いざ子供達に問いかける。

「帰ってくるのが遅くなっても見に行きたいかね?チミたち」

「行きたいなりぃ~!」※わずかに脚色

早めの晩飯を食い、アラームをセットし出かける準備をする。たわいのないテレビを見て時間をつぶし、さぁ出発という段になって異様なまでの轟音が地響きを立てて僕に襲いかかってきた。※少々脚色

「いったい何事?」

雷鳴がとどろき稲光が天を覆い尽くすと、「デイ・アフター・トゥモロー」にてシスコを襲ったくらい強い風と、「ジャイアントロボ・ジ・アニメーション」にて降り注いだ無数の矢のごとき大雨が行く手を遮った。※ぶっちゃけ脚色。

つか車に乗るまでの10mでびしょぬれである。

まぁオフザケはこれくらいにして、無事映画館に着くと、さすがにレイトショーだけあって店員は一人だけ、明かりの消えかけたロビーにはひっそりと並ぶケロログッズたちが。

「うーんこのぬりえは劇場限定かも知れないな!」

娘にぬりえ、長男に下敷き、僕にはトレカを買い、場内へ。

「シーン・・・」

静まりかえった場内は人っ子一人いない。僕たちだけ。映画開始が夜の8時半。タイトルは子供かオタクにしか訴求しないアニメ。明日は普通に学校があるし、外は大雨。「まぁそうだろうな」と思いつつも僕らだけなら静かに見る必要が無く、とても気持ちが大きくなる。

「貸し切りだから騒いでも大丈夫だからね」

ワクワクしながら待っていると、灯りが弱まり、ほどなくして予告やら諸注意やらが始まる。

ちなみに今回僕たちは「ケロロ」を目的にここに来ていた。もし先に上映されるのなら、それだけ見て帰るつもりだった(長男は明日も学校だし)。そんなわけなので、出来たら予告など「オヤスミの時間が遅くなる」だけの蛇足であり、全くもって腹立たしいだけの異物であったのだが、

 「しんちゃん面白そう!」

 前回は短編集のような劇場版で、ファンである僕らの心を大きく踏みにじったが、今年の「クレしん」はどうやら違うらしい。「伝説を呼ぶサンバでアミーゴ」だったかな。思いっきりチェキ!である。

 「ガメラもやるんだ!」

 僕は「グーニーズ」や「ジュブナイル」といった子供達ががんばる映画が大好きだ。予告を見る限りではどうもこの映画にはそんな「におい」が強くする。監督が誰なのか気になるが、「これは見に来なければなるまい」。気持ちを固めた。

他にも「アイスエイジ2」も悪くなく、何のことはない目的のケロロどころか予告までヤマモリ楽しんでいる僕である。

して、映画は予想通り「ゾロリ」からであった。そんなものである。

僕はゾロリを一度も見たことがない。声を聞くのも初めてであったし、「怪盗」ってことは「泥棒さん?」ってことくらいしか知識がない。そして劇場版もテレビ東京系列だからというわけでもなかろうが、今回がケロロと同じく初めて。期待しろという方が無理な要求だ。

 しかし、これが非常に面白かった!

アニメとは「動画」のことであり、「動画」というからには「動きを見せて」ナンボである。口だけが不自然にパクパク動くだけでは、本当の意味でのアニメーションとは呼べない。躍動感のある作画と構図こそ、その昔手塚治虫が志したアニメ本来の魅力だと思う。

ゾロリはそもそもケロロより人気がないと思っていた。理由はケロロはゴールデンタイムに進出したが、ゾロリは相変わらず早朝だからという程度のものだが、実際アキバ系やフィギュア展開などのグッズを見渡しても、制作予算がケロロよりあるとは思えない。

 何を取り、何を捨てるのか

キャラクター商品としての訴求力が弱いということは、逆に言えばどんな話でも作りやすいとも言える。視聴者のイメージが定まっていたら、そうそう冒険はできまい。この作品はそれらの意味で非常に「作り手が楽しんで」作っているように見える。

とにかく原画の線の数を減らし、その分カット数と構図、動きに特化した作画。そんな中でもヒロインのアップには気合いを入れていたり、スタッフロールをかぶせてのプロローグ、エピローグなど、本当に限られた時間内で出来る限りのことを詰め込んだという気概に満ちている。見ていてイライラする場面は皆無。とにかく最初から最後まで思いっきり加速して見ることが出来る。

まじめな話僕はこの映画を誰か一人でもいいから、見に行って欲しいと本気で思っている。でも僕自身全く何も知らないでそれでも楽しかったので、内容に関してはこれっぽっちも書きたくない。そこで、もしかしたら感想は異なってしまうかも知れないけど、以下のような映画が好きならこの映画は「見るべき」ってのを挙げてみたいと思う。

・空飛ぶゆうれい船

・長靴をはいた猫

・クレヨンしんちゃん「嵐を呼ぶジャングル」
          「夕陽のカスカベボーイズ」

そして、「ルパン三世カリオストロの城」。

尺は短いし、宮崎駿ほど著名なアニメーターが作ってるわけでもないけど、期待してなかった分を差し引いても★★★★(4/5)はあげたい。ヘタしたらDVDを買っていまいそうなくらい僕には大満足の一本でした(^^)。

ゾロリ終了後そのままケロロが始まる。

ゾロリにも言えることだが、これらの作品は、「劇場版で初めて見る」人向には作られていない。それぞれのキャラクターは役どころをすでに「わかってっもらっている」ものとして一気に物語に入っていく。1時間弱という短い尺の中でそれは間違いなく正しい選択だと思う。いちいち自己紹介に時間を割いていたら、盛り上がる前に映画は終わってしまう。

あらすじとしてはこうだ、

ケロロと冬樹が仲良くガンプラ(MGジムスナイパーカスタムverKa.)を買いに行った帰り道、ひょんなことから異次元のほこらにまつられていたツボを壊し、「キルル」の封印を解いてしまう。キルルの影響で次々に険悪なムードに染まる町。そしてついには二人の仲も・・・。

つかなんだか普通に紹介だし。まぁケロロが好きなら見ても損はないと思います。ゾロリがあまりに良かったので、僕的には★★★☆(3.5/5)。ってところですけどね。エンディングではついホロリとしてしまいましたし。

ああでもホント誰か見に行ってくれないかな~。ゾロリは絶対見てもいいアニメだと思うんだけどな。特に大きなスクリーンならなおのこと。でも逆に期待され過ぎちゃうとキツイかなぁとも言えるんだよなぁ。まぁ「ゾロリ600円ケロロ400」分楽しめればいいや、とファーストやレイトショーで見に行くのが吉かも。それだったら間違いないと思いますよ(^^)。作品が好きな子供と一緒ならなおヨシ!です(^^)。

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コメント

毎度そろそろおなじみ? かも。
いつも更新、ご苦労様です。

これが好きなら見るべき、で挙げた映画のうち、3本が好きですね。
見たほうがいいのだろうか……。
しかし1人で行くのは抵抗があるし、一緒に行けるような彼女もいないし、家族――特に姉なんぞ誘ったら首をへし折られそうです。
ケロロもゾロリも知らないし、レンタルショップに並んだら借りる、ではダメでしょうか?w
やっぱりスクリーンで見たほうが良い、というのはわかっているんですが……。

投稿: BlueTasu | 2006年3月20日 (月) 00時45分

詳しくは明日書くことになると思いますが、FF、詰まってしまいました・・・(号泣。
なんというか・・これも運命というものなのかも知れぬな・・・
って感じです(^^;

さて、コメントありがとうございます。ゾロリはビデオでもたぶん楽しめる作品だと思われます。方向性はまさに先に挙げさせて頂いたタイトルと同じで、ドタバタありのハッピーエンド大冒険。特に近いのは「長靴をはいた猫」でしょうか。僕なんかは結婚してようと映画を一人でいくことはしょっちゅうなのですが、さすがに抵抗がある方も多いのでしょうね(^^)。でも見て後悔する映画じゃ、ホントないと思いますよ(^^)。

投稿: クリス | 2006年3月21日 (火) 02時23分

どうもはじめまして。
テレビアニメのかいけつゾロリの一年目はとてつもない質の高さでしたよ。
劇場版を超えるストーリーも見受けられます。
個人的なお薦めはDVDの15でしょうか。マジで泣けます。

「まじめにふまじめ」の副題がついた二年目三年目はイマイチかも・・・・。
でも三年目のDVDの14は個人的に好きです。
アニオタじゃなくても分かるパロディが多いのが特徴です。

投稿: 通りすがり | 2007年3月25日 (日) 09時14分

はじめまして。

「劇場版を超えるストーリー」という表現が逆説的に劇場版も評価してらっしゃると感じさせ、それによってそのストーリーがまた素晴らしいと感じさせますね(^^)。非常に興味が沸いてきました。

ゾロリは放映開始直後実はかなり周囲の空気が違っていて、「盛り上がる可能性は秘めているがマイナー」というタイトルでした。子供たちはかなり訴求されてるようでしたが、関連グッズが今ひとつ伸びきらなかったんですよ。それはどうやら「アニメとしての完成度」と「商品としてのバリュー」が同居してなかったんですね。今度借りてこようと思います(^^)。コメントありがとうございました~。

投稿: クリス | 2007年3月26日 (月) 02時47分

他のアニメと比べれば地味な作品なのでおもちゃはあまり売れなかったみたいですね。残念・・・。
おもちゃの宣伝みたいなアニメになるのも嫌だし、かといっておもちゃが売れないとバ○ダイに見放されるし(苦笑)
アニメ業界は子供向けでクリーンなイメージがありましたが綺麗な世界じゃないってことだけは分かりました。

投稿: 通りすがり | 2007年3月26日 (月) 19時39分

テレビ局がまずマイナーチャンネルだということ、ケロロのように訴求対象が広くないこと、絵柄自体が子供っぽく、ある種アンパンマンの偽物臭が漂ってしまったことが敗因かと思います。つかどの業界でもクリーンなところとそうじゃないところがあるのでは?

投稿: クリス | 2007年3月28日 (水) 01時59分

おもちゃはともかく放送が3年も続いたなら上出来とは思いますけどね。アンパンマンの偽物っぽいかもしれませんがゾロリは悪役側の視点から描いてるし見る人が見れば分かる作品だと思います。

投稿: 通りすがり | 2007年3月28日 (水) 04時14分

内容的にはたぶん凄く良い部類に入っていたんだろうと思いますね。何て言うかスタッフの心血注いでいい作品にしようという気概のようなものを劇場版から感じたりしましたし。

こういう作品は決して子供だましではないんですが、ガンダムやアンパンマン、キティのようなコンテンツとしてのバリューが成立するところまではなかなかたどり着けないもんです。いったんそこまで行っても決して安泰ではありませんし、キャラクター商売は難しいですね。

投稿: クリス | 2007年3月28日 (水) 21時10分

こんなの見つけました
良かったらどうぞ
http://www.youtube.com/watch?v=a6tSXIqi99c

http://www.youtube.com/watch?v=7ibytHWce68
http://www.youtube.com/watch?v=BrV346OFqUQ
http://www.youtube.com/watch?v=jahFCPUD0dc
http://www.youtube.com/watch?v=SKdduY-r_RI
http://www.youtube.com/watch?v=HIAxR3xCJ_M
http://www.youtube.com/watch?v=0Xx4zg-pndw

http://www.youtube.com/watch?v=n_qUlUAYFO4

投稿: 通りすがり | 2007年4月10日 (火) 02時27分

こんなの見つけました
良かったらどうぞ
http://www.youtube.com/watch?v=a6tSXIqi99c

http://www.youtube.com/watch?v=7ibytHWce68
http://www.youtube.com/watch?v=BrV346OFqUQ
http://www.youtube.com/watch?v=jahFCPUD0dc
http://www.youtube.com/watch?v=SKdduY-r_RI
http://www.youtube.com/watch?v=HIAxR3xCJ_M
http://www.youtube.com/watch?v=0Xx4zg-pndw

http://www.youtube.com/watch?v=n_qUlUAYFO4

投稿: 通りすがり | 2007年4月10日 (火) 02時28分

いくつか拝見しました。つかやっぱ質が高いですねぇ(^^)。つかケロロ同様に作り手の愛を感じます。最近借りに行かないですが、これはマジでチェキる必要がありそうですね(^^)。

投稿: クリス | 2007年4月10日 (火) 23時02分

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