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2006年3月23日 (木)

軽い自慢話

自慢話というのは聞いても読んでも根本的に面白くない。だからそれを承知で書くということは自己満足以外の何物でもないということになり、感想は「ふーん、ヨカッタネ」である。「そんな内容なら書くなよ」と思われそうだが、それでも書きたいのだからしかたがない。たまにはそういう時もある、と諦めて、譲歩して欲しいかなぁ~なんて思ったりもする。そもそもブログなんてものは本来の意味を離れ、自分の身の回りのことを中心につづる日記的意味合いが強くなってきている。だからその中に「ちょっと嬉しかったこと」が含まれるのは、何も不思議なことではない。「自慢話」と言うとイヤらしい響きがあるが、僕にとって「ちょっと嬉しかったこと」を書くことは、ブログの趣旨として何ら問題はないはずだ。それに常日頃から価値観をある程度重ねて下さる方々がこちらにお越し頂いている(長文が多い点も含めて)とするなら、僕の「ヨロコビ」にもしかしたら理解や共感を下さる可能性もゼロではない。が、しかしその内容に一つ大きなハードルがある事実も無視できない。なぜならそれは僕の長男の話であるからだ。「長男の話」というとさも親バカの子供自慢か?と取られる方もいるかもしれないがそれは早計というものだ。常日頃から子供には厳しく接してきてはいるが、所詮は自分の子供である。限界はたかが知れている。じゃあ何が自慢話なのか、ということになるが、それはやはり「僕自身」のことだ。「え?さっき長男の話って言ったじゃんか!」といぶかしげに思われる方もあろう。いやいやちょっと待ってくれたまえ、それはどちらも正しい。ある視点からすれば長男の話であり、視点を変えれば僕の話でもある。いやそれも少し語弊があるか。っていうかもしかして回りくどい話を僕はしているのではないかという気になってきたが、たぶん気のせいであろう。要するについ昨日あったちょっとした嬉しいこと、他の人からすれば「自慢かよっ」という話を書くから、寛大な心で許してやって欲しい、事前に念を押すことでやんわりと受け止めてもらいたいそういう事情でこうして言葉を厚くして話している次第なのだ。

さて、いつも通り少々前置きが長くなってしまったが、いざ本題を書く。

 「昨日長男が、僕のブログを読んで笑ってくれた」

これだけである。言いたいことはこれだけであり、これが僕の自慢話である。ん?もしかして「キョトン」としている人もいる?いやいやこれは凄く大きなことである。ここをご覧になって下さってらっしゃる方の多くはお子様がいないと思うが、あえてそれを想像しつつ聞いて欲しい。

子供から見て父親というのは年齢と共に存在価値が変わっていく。小さいときはとても大きな存在、絶対的な存在であって、徐々に化けの皮が剥がれていき、おいおい「オヤジなんて大したことない」という流れになるのがポピュラーであろう。中には終始偉大な父としての権威を維持しつつけることが出来る方もいるとは思うが、自分がいろんな経験を積み、成長していくことで相対的な「強さ」は薄れていくのが当たり前である。身長も体重も知識も経験もどんどんその差は縮まっていくはずなのだから。

そんな課程の中で、自らの創作物を子供が評価するケースというのは、どの程度の頻度で露見するものなのかを考えてみて欲しい。両親学級での工作で、子供を手伝い(というか主に自分で作り)仕上げた物が他の子供や先生から好評価を得ることはなくはないだろう。しかしそれは本当の意味での「父親の創作物」ではない。あくまでそれは助力であって、全くの無から有を作り出したわけはないはずだ。

絵画やプラモ、フィギュアなどの造形物を趣味とされる方も多いとは思う。しかしこれも子供に評価を貰うのは難しい。まず子供にとって親が好きで作っているものが同様に素晴らしい物であること自体がそもそも難しい。幼少期から少年期、青年期と経験を重ねて至る今の自分の価値観や美的感覚をいきなり理解させようというのはやはりよほどの「教育」をしてこない限りハードルの高い仕事だ。
また常日頃から「オヤジギャグ」で子供達のハートを掴んでいたとしても、それが本当に自らの創作物であるかと言えば微妙だろう。父の書いたもので子供の心を掴むというのは、かようにシビアなものなのだ。

僕の書くブログは正直一般的なブログとは一線を画していると思う。とにかく文章が長いし、言わなくてもいいような無駄な言い回しや繰り返し表現が多数見られる。小さい頃から本を読んできたような子供であるならともかく、マンガすら少ししか読まず、ゲームばかりやってきた小学四年生には、なかなか読み進めるだけでも「面倒」なものなんじゃないかと思う。

時に僕自身が音読して読み聞かせしたことはあったが、それはやはり書き手がニュアンスを100%理解した上で抑揚を付け、笑い所や聞かせ所をしっかり絞って話したからこそ。ゲームのサイトですら自分から進んで見ることのない長男が、能動的に読み、笑ってくれたというのは親と子である関係以前に、とても嬉しいことだったのだ。だいたいが「世代ネタ」の多いブログである。ガンダムも見てない子供が楽しめるなんて、思っても見なかった。

しかしとなると逆に困ってくるのはこれからの身の振り方だ。威厳と尊厳とモラルある父親としては、決して見苦しいところは見せられない。「人間として最低だなっ!」などという烙印を押されてしまっては、これからの私生活をどう乗り切って行けよう。だが、ちょっと待て、本当の意味での父親というのはそんな内側すらさらけ出して行くべきなのではないか。子供にとって情けないところも頼れるところも含めて父親は形作られていくべきではないのか。そう考えれば何の問題もない。コレまで通り時には道化として、時にはクールなスナイパーとして(<そんなこと一度だってあったか?)歯に衣着せぬブログを続けていこうと思う。つかこんなに書く必要があったのかどうかは甚だ怪しいものであったな。真ん中へんの一行だけでよかったんじゃないかという気もしないでもない。つか今回はさすがに読んでもらえないかもしれないが、人生なんてそんなものである。NO問題だ。

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コメント

ふーん、ヨカッタネ

投稿: a | 2006年3月23日 (木) 20時48分

ども、BlueTasuです。
タイトルは「軽い自慢話」ですが、内容は深いですね。

クリスさんの子供が私には羨ましいです。
私は常に 『したくないこと』 を親から押し付けられて育った人間です。
今でこそ好きなゲームをこんなにもプレイして、あまつさえブログにまでしている自分ですが、幼い頃は高橋名人のいうゲームは1日1時間、すらできませんでした。
というか、ゲーム機すら家にはありませんでした。
好きなものなど買ってもらって記憶もないです。
それでもゲームが好きな私は、それを持っている友人宅へ毎日押しかけたものです。

以下は想像です。
今までのブログを読んで勝手に構築した前提の上に成り立つ想像です。
子供どころか結婚すらしていない (できない、の間違い) 私が父親像を語るなど、言語道断なのでサラっと流していただければありがたいです。

クリスさんの息子さんはゲームが好きなんでしょう?
それを父と一緒に楽しめる、つまり共有の趣味を持ち、共有の時間を過ごす、という今の状況はとても貴重なものだと思うのです。
子供が大きくなったとき、「お父さんってどんな人?」 と聞かれても、「よく一緒に遊んでくれた」 と思うでしょう。
マイナスイメージよりも、まずプラスイメージが強く思い浮かぶはずです。
私が思う良い父親像は、子供にとって父はどれだけ友達でありえたか、と思うのです。
良い友達でありえたほど、子供にとって父はプラスイメージになるハズです。
ブログを読んで笑ってくれた、のは父へのプラスイメージが強い証拠だと、私などは思います。
そう、つまり 「昨日長男が、僕のブログを読んで笑ってくれた」 たったこれだけ――とクリスさんは書いていますが、その一文には色々な意味がこめられているように感じました。

だから冒頭にもあるように、私も感想を言いましょう。
クリスさん、本当によかったですね。

投稿: BlueTasu | 2006年3月23日 (木) 21時21分

お手を煩わすと思いコメントは控えてますが毎日拝見してます。
僕には子供はいませんが、ほぼ毎日1才半になる甥っ子が遊びに来てくれます。勿論実子とは違う事は分かってますが、猫可愛がりせずにいつも良い手本になろうと思ってます。
甥っ子が妙な歩き方をした時は足が悪い僕のせいかと思い複雑な思いでした。人まねが成長の証とは分かるけど障害がある人を思いやるようにもなって欲しいしと。でもまだ時期尚早かと思うし、僕の後ろ向きな気持ちの表れかと思い、全て見せて分かるようになったらきちんと話そうと思いました。勿論親もいますしね。
共感というと語弊があるのかも知れませんが、時にはクールスナイパー様の自慢話、楽しく拝見しました。長々とすみません。

投稿: vreds | 2006年3月23日 (木) 21時45分

ズバリどの記事を読んで笑ったのかが気になるところ。
子供が笑うとなると・・ポケモンカードのところとか。

それにしても子供にまで見せているとは思いませんでした。
「家族には内緒だよ。」
体制で書いているものだとばかり。だって「PSPでエ○動画をなんたらかんたら・・・」とか書いてませんでしたっけ?これでは父親の威厳と尊厳とモラルが・・・なんていって、そんなところまで読まないのでNO問題?


・・・自分だけ、ふざけた感想、すいません(^^;

投稿: 竜駆 | 2006年3月23日 (木) 23時44分

>aさん

ヨカッタッスよ(^^)

>Blue Tasuさん

どもです。まぁスパルタな側面はほとんど書いておりませんので、それほど息子にとって「プラスイメージ」なのかはやや微妙かなぁとは思いますが(^^;)、コミュニケーションや価値観の共有という面においては、そこそこ平均点以上かなぁと。まぁそれこそこういうことを思いっきり肯定してしまうようでは、むしろ「かっこわるい」というか、子供をなめていると取られそうですしね(^^;)。親バカなのは認めますが、イコール盲目であるつもりはないです。

自分は高卒なのですが、その学歴自体に不満はありません。高校自体はそこそこまともなところに行けましたし、僕を理解した上で僕をバカにするような人は正直片手で数えられるくらいしかいませんでしたし。だからというワケではないかも知れませんが、長男にも僕程度の知識や知恵は蓄えて欲しいとは思います。どんな事象に対して何らかのリアクションが取れるような、「はぁ」なんて気の抜けたリアクションだけは取って欲しくないというか、自分はこうなんだ!っていうアクの強さみたいなものを大切にしたいというか。

自分は一皮むけばコンプレックスの塊なはずなのですが、そうならずに済んでいるのはやはり知識と知恵の鎧の為だと思うんですよね。それはもちろん学歴だというつもりはなく、花や星や魚や虫や岩、ひらめきや計算や漢字、ゲームや音楽やアニメ。なんだかよくわかんないレスになってしまっておりますが(^^;)、やっぱり単なる親バカなのかもしれませんね。

>vredsさん

「お手を煩わす」ということはないです(^^)。むしろコメントが全くない時は「ああこの内容ではダメだったのかなぁ」と思うくらいで。もちろん自分のスタイル、スタンスが「普通」だなんてコレっぽっちも思っていませんので、「コメントが付きやすい内容」にシフトするつもりもないのですけどね(^^;)。

「良い手本」とはなかなか難しいものです。少なくとも僕は子供に「自分のようにやれ」とは思いませんし、実際出来ないと思いますから。えらそうなことを言っていると思われるかも知れませんが、自分の子供に限らず、まだ明確に自我に目覚めていない子供というのは、大人が思っているより子供じゃないし、大人が思っているより大人じゃないと僕は常に考えています。子供は子供の世界と価値観があるし、大人には大人のソレがある。だからその境目を分け入ってコメントをするということは、相応の「正義」と「自信」がいることだと思ってるってことくらいですかね。

僕は子供の失敗に対して明確に「この失敗は問題ない」と、「学習しろ!」という二つのリアクションを取ります。トライアルな失敗はいくらやっても、例えそれが「良い大人」に反することであっても、そこから何かを学べばいい。むしろ何度も同じ失敗を繰り返す時に怒ります。

父ちゃんは完璧ではないし、君(息子)も完璧じゃない。それを理解させつつ、より正しい判断とは何なのかを教えていきたいですね。スゲェ偉そうなこと書いてスミマセン(^^;)。またコメント寄せて下さいね。

>竜駆さん

笑いどころはそう大したモンじゃないですよ(^^)。ポケカの話は僕が読み聞かせてしまったので、そこそこ楽しんではいたようですが、本人が能動的に触れたのはやはり今やっているFFの話ですね。普段しゃべりたくてしかたがない長男に僕が珍しく「かん口伶を解いて」興味を示したのが直接のきっかけだったのかも知れません。

最初は別に読ませるつもりもなかったのですが、まぁ僕はこういう性格ですので(^^;)自分で上手く書けたな、って内容で、かつその内容に抵抗がない(例えば件のタイトルをプレイしている)ような場合には、やっぱり相手が誰であれ読んで欲しいと思ってしまうんですよね。

以前書いたかもしれませんが、僕は仕事でも広告にこうした文章を毎回載せているのです。結構なお客様から「楽しみにしているよ」とか「必ず読んでるよ」とか言って頂けるのですが、やはりそれは素直に嬉しいじゃないですか。読み手があってこその文章ですから。僕は僕のスタイルを曲げてまでブログを書くつもりはないので、そこで誰かに「長すぎるから止めろ」と言われようと気にしませんが、自分で読んでつまらないと思った時は、やっぱり多少なり後悔しますね。ちと寝ぼけ掛けてるからなんだか文章がヘンですね(^^;)。まぁ今後とも長文にヨロロです(^^)。

投稿: クリス | 2006年3月24日 (金) 03時13分

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