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2006年4月15日 (土)

ケロロ軍曹~2度目の最終回~

Ss_000000 これまでも何度かこの作品について触れたことがあったが、それをふまえてもなお今一度書かなければならない。この作品の持つ「エネルギー量」について。

ケロロ軍曹はコナミのツインビーで有名?な吉崎観音(「みね」って読むんだよ~知ってた?)が、少年エースにて連載している漫画を原作としたテレビ東京系列のアニメ作品。先日劇場版が公開されたり、アニメも3年目に突入したりで、バックボーンのないアニメ作品としては異例のヒットとなっている。内容は一見低年齢向けの風体を装っているが、掲載誌からもわかるようにそのメインターゲットは

 「ガンダム世代」

そこかしこに、僕ら30代にジャストミートする作品のパロディが「これでもか」とちりばめられ、スタッフのこだわりや情熱と相まって通常では考えられないようなディティールを見せる。基本的に続き物ではないスラップスティックなので、牙狼のような大きなうねりは全くと言ってよいほどないが、一つ一つの話の完成度が高いため、一見死んだ魚の目のようにしか見えないケロン人たちですら話数を重ねていくウチにどんどん愛着が沸いていく。つか同じ「ガンプラを愛する者同士」、親近感が沸かないわけはないとも言えるか。

ケロロ軍曹は、サザエさんやしんちゃんよろしく通常は時事ネタを中心に話が展開する。夏はプールや海だったり、冬はお正月やクリスマス、秋なら運動会といった感じだ。それらは正直ベタではあるのだが、やはり経験のシンクロが間口を広げ、よりすんなりと話に入って行くには好都合。そうして登場人物たちと一緒に過ごす「もう一つの1年」はそれ相応の重さとなって心に残っていくのだ。

ケロロ軍曹は2度時間帯が変わっている。当初は土曜の朝であったのが、先日までは金曜夜6時、今は同5時半からの放送となっている。その度に主題歌が変わったり、大きな節目となるストーリーを織り込んだりしているのだが、

 これが凄くイイ

のだ。先ほども書いたように一緒に過ごしてきた1年というのは相応の「重さ」を伴う。悲喜こもごもに流れた時間の蓄積が、作品やキャラクター、風景により深い愛情を募らせ、その終焉には一方ならぬものが去来する。

 それが凄くニクイ

みなさんは何か一つの連続TV作品で、最初から最後まで見通したものはあるだろうか。途中打ち切りになったものはともかく(ガンダムやエヴァはある意味別格(^^;)、1年、もしくは半年という長い時間の終わりというのは、それなりの寂寥と感銘があるもの。しかしそれはその演出に大きく依存するのも事実。

 それがケロロはマジ上手い

みなさんはドラえもんの最終回を見たことがあるだろうか。USO800を飲む話は有名だが、あれはあくまでこじつけに過ぎない。実際は本当の最終回たるべき回でジャイアンに勝利したのび太は、ドラえもんから卒業する資格を得、強く生きていく自信と誓いを立てる。もし本当にドラえもんが帰ってこなくても物語としてしっかりとケジメが付けられていたのだ。

しかし、僕はあまりにも早く流れる時の中で、ドラえもんとの別れを噛みしめる間もなく再開を果たしてしまった。

それまでの思い出・・・、冒険の思い出、失敗の思い出、怒ったり笑ったり泣いたり(これはしょっちゅうか)したドラえもんとのたくさん、本当にたくさんの思い出が集約され、ジャイアンに勝利するのび太。のび太のドラえもんとの別れは、イコール僕たちのドラえもんとの別れに他ならない。夢や希望やドキドキやワクワクを思いっきりくれたドラえもんとの別れ・・・。

 そこに涙がないはずがないのだ。

 あまりにもあっさりと通り過ぎてしまったが、「ドラえもんが帰ってきた」というウソは本当にのび太にとってひどい、まさに許せないほどだったに違いない。僕らはそれを瞬く間に読み進めてしまうが、彼にとってのその喜びと落胆は本当なら僕たちも一緒に体験し、怒りに肩を振るわせてもなんら不思議はなかったはずなのだ。

 それが演出ということなのだ。

本当ならのび太と一緒に喜び、涙を流し、怒りに肩を振るわせることが出来たはずなのに、出来なかった。それがその時の僕たちに見せられた演出なのだ。

 ケロロは違う。

ケロロ軍曹の放送枠改変に伴う2度の最終回は、それをしっかりと噛みしめさせてくれた。思い出や切なさ、あふれ出る感情を止めようのないほど上手く見せてくれた。

最初の最終回は普通の30分枠で収まる話であったが、2度目の最終回は、都合3回に渡るビッグスケールで展開した。映画ですら1時間であるから、これは本当に大きな話と言える。大塚明夫演じるガルル率いる新たな侵略軍との戦い。1度目にやった「別れ」と同じことをやってもダメだろう。ましてや劇場版でも「友情」を強くアピールし、ずっとケロロを見続けてきた僕たちの心をかき鳴らした。

本気で見て欲しいので詳しくは書かないが、個人的には「牙狼」の最終回以上、劇場版以上の感動があった。作画も映画並、スタッフもこれで終わりにする気概を持って臨んだのは間違いないところだろう。そうじゃなきゃあそこまでの絵は描けないし、僕はこんなにも涙を流したりはしないはずだ。

ケロロ軍曹は、僕ら「アニメが熱かった」季節を知る者にこそ真価がわかる作品だ。

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