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2006年5月31日 (水)

尾崎豊の思い出

Yutaka みなさんは彼にどんな印象があるだろうか。若くして他界した教祖と呼ばれたミュージシャン。覚醒剤で捕まったアーティスト。名前くらいしか知らない10年以上前の歌手・・・。

彼がメジャーでビューして他界するまでというのは僕で言えば中学から高校卒業して2、3年というある意味最も多感な、そしてある意味最も音楽に対する距離が短くなる頃。一生の間でわずかしか聞いた覚えのない深夜のラジオから流れるアルバムのCM。「FORGET ME NOT」を聞いたのが僕と尾崎との初めての出会いだった。

音楽というのはまずメロディありきだと思う。いくら歌詞がいいとか声がいいとか言っても曲調が演歌やムード歌謡ではとてもじゃないがハートに響いては来ない。当初から多くの若者の支持を集めた彼の声と詩だが、僕の中での尾崎は、

 心地いい曲を書くアーティスト

という印象の方が強い。

音楽の持つ魅力、メロディの持つ響きを感じるというのは、再三書いているように経験に裏打ちされたものだ。それまでに聞いて培ってきたスキルの上に始めて「良い悪い」という判断が生まれ、「好き嫌い」という答えが出る。

西城秀樹やピンクレディーから入った歌謡曲、たのきんや松田聖子、中森明菜やチェッカーズのアイドル全盛を経験して、尾崎のメロディは僕にとても強く染みこんできた。

当時仲の良かった友人が「○○(僕の名前)は『SEVENTEEN'S MAP』とかがいいんじゃねぇの?」と僕にアルバムを貸してくれた。まぁ当時はアイドルに毛が生えた程度のアーティスト志向だったから、その判断が間違っているとは思わないが、いざ聞いてみると僕の心に最も届いた「FORGET ME NOT」は入っていない。

続けて2枚目の「回帰線」も借りたがそれにも入っていず、結局最後に彼がとても大事にしていると言いつつしぶしぶ貸してくれた三枚目にその曲は入っていた。

尾崎豊というと10人中9人が「I LOVE YOU」を挙げるだろう。代名詞と呼んでいい認知度で「尾崎の曲」として有名な曲だが、ファンを自称する友人知人の中でこの曲を一番に挙げる人は皆無だ。別に「I LOVE YOU」が悪い曲だというつもりは全くないが、1枚目2枚目と聞いていくと、尾崎にはもっといい曲がたくさんあることに気付くのだ。

音楽を楽しむためにはいろんなスキルが必要と書いてきたが、こうした「ロックンロール」を楽しむためにも必要なスキルは存在する。それはぶっちゃけ「ドライになっちゃダメだ」ってことだ。反社会的なメロディ=ロックンロールだが、そうした言うなればアウトロー的な位置に立つ若者を否定的な気持ちで距離を置いてしまうと、尾崎のメロディやフレーズは心に届きにくくなってしまう。

別に僕だって「窓ガラスを割りたくて」曲を聴いていたわけでも「バイクを盗みたくて」「15の夜」を好きになったわけでもない。共感だけが曲を評価する材料になっているわけじゃあないのだ。

歌というのはその詩の意味もとても重要だが、口ずさんでみて、何度もリフレインして聴いてみて、メロディとの相乗効果でより気持ちが入っていくケースが少なくない。別に恋をしていなければ失恋の歌が楽しめないわけじゃないし、もっと言えば常に好きな女の子を思い浮かべながら歌を歌ったり聞いたりしているわけじゃないはずだ。

だから変な先入観や印象だけで尾崎の曲にレッテルを貼られるのが、ファンとしては一番つらい。別にかっこつけて歌ってるわけじゃないのだ。彼はなんだかんだ言って歌が好きで、みんなに聞いて欲しくて気持ちを込めた曲を書き、たまたまそれを支持する者達が「教祖」だのなんだのと祭り上げたに過ぎないのだ。

僕の好きな尾崎豊。僕の好きな彼の曲(一部分)を少しだけ紹介したい。
※好きな順というわけじゃないし、全ての曲が全ての人に訴求出来るなんておこがましいことは思っていないので、ある程度大目に見てやって下さいませ(^^;)。

・15の夜「THE_NIGHT.mp3」をダウンロード

彼の起点を感じさせる曲。でもその印象はそのイントロと透明感のあるそれでいて鮮明に風景が目に浮かぶ描写。音程が低いから男でも歌いやすい。僕が一番好きな曲です。

・存在「existence.mp3」をダウンロード

アップテンポでバラードの印象が強い人には少し違和感があるかも知れないけど、とてもメロディアスで僕の中での「当時聞いていた音楽の印象」が強く残る。懐かしい。

・ダンスホール「DANCEHOLE.mp3」をダウンロード

柔らかなメロディに情景が浮かぶ歌詞。でも言葉の一つ一つにとても洗練さを感じる。大事に歌っているし、気持ちも乗っている感じ。

・路上のルール「ROJONORULE.mp3」をダウンロード

バラードで一番好きなのが「15の夜」ならアップテンポな曲で一番好きなのがこの曲。とにかく歌って気持ちがいい。口に出して歌ってこそ良さがわかる気がする。

・FORGET ME NOT「FORGETMENOT.mp3」をダウンロード

タイトルで損してる気がしないでもない。だって分かりづらいもんね~わすれな草~。路上のルールと同じアルバムとは思えないほどのゆったりしたメロディだけと声にこもる気持ちの強さは負けてない。

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他にもイイ曲はいっぱいあります。有名な曲もまたいっぱいあります。好みを変えるのは生やさしいものではないから、嫌いな人に好きになれ、とは言いませんが、今回少しだけ聞いてみて「尾崎いいじゃん」って思って下さった方がいたら、ぜひアルバム買って欲しいです。なんつかファン心理なのかもしれませんが、死してなお応援したい気持ちが、やっぱり僕にはあるのです。

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コメント

堪能させていただきました、BlueTasuです。
つか、堪能した後でこう言うのもなんですが、こういうとこに貼っていいんでしょうかね(^^;)
版権とかそういう面倒なことは私は知らないんですけど。
まぁそれを言ったらイントロクイズもできませんが……。

尾崎はなんというか、安心感がありますね。
文中でも述べられている通り、心地いい曲が多く、路上の~や存在、15の夜なんかは車中で聴くことが多いです。
飲み物に例えるならサプリ系かな。
喉が渇いているときにスッと染み入る感じです。
いっしょにしないで、と言われるかもしれませんが私にとってのDEENもそんな感じです。

しかし、うちの中学では15の夜を聴いて学校の窓ガラスを全部割っちゃった馬鹿がいるんですよね……。
迷惑な話です。

投稿: BlueTasu | 2006年6月 1日 (木) 01時12分

どもですBlueTasuさん、クリスです。まいど(^^)。

>こういうとこに貼っていいんでしょうかね(^^;)

ずばりわかりません。というか少なくとも推奨されるってことはないでしょうね(^^;)。でも純粋に凄く純粋により多くの人に聴いて貰いたいという気持ちがあるのも本当ですし、その曲の一部を聴いて他にも聴きたくなったりすればきっとマイナスじゃないんじゃないかってのもありますし、クレームが来たらそそくさと削除する構えも当然ありますし、他のアーティストならともかく、豊に関してだけは僕が心の底からファンであることに嘘偽りはありませんから、甘ったれた考えと思われるかもしれませんが、

 情熱一点突破

という気持ちが本音です。

くだらない話と思われるかも知れませんが、添付イメージの顔写真もかなりたくさん撮った中からのチョイスですし、音楽配信サイトのサンプル部分だけでは豊の良さが伝わらないんじゃないかってこともありますよね。外側の人間からするときっと痛い部分なのでしょうけど(^^;)。

※最近つよきすやってて「外側」とか「内側」って単語がマイブームに(^^;。つか便利なんですよ、この表現は。

DEENがそうだっていうのはわかりますよ。コレは絶対そうだと思うことなのですが、音楽の善し悪しというのはその曲だけで帰結する物じゃないんです。例えば美空ひばりだろうと、ボンジョビだろうとその時その空気に隣にいた人たちと一緒に曲の価値は決まると思うんですよね。豊がこれほど評価されているのも、本人のポテンシャルはもちろんですけど、時代背景なくしては絶対語れないと思いますもの。

ある意味そういう歌い手と一人でもたくさん出会えることが、「音楽を楽しむ」ことになっていくのかもしれませんね(笑。

投稿: クリス | 2006年6月 1日 (木) 14時47分

私も尾崎の中では Forget me notが一番スキです。
ちょうど中学~高校卒業2・3年で尾崎が死んだのできっと同世代ですね。

死して尚 応援したい気持ち わかります。
心にはいつも 尾崎の曲があります。

ちなみに私のなかでは、尾崎を越える声の持ち主はまだいません。いいこえですよね。

投稿: べい | 2008年3月28日 (金) 23時27分

はじめましてべいさん、クリスです。コメントありがとうございます(^^。

Forget me notは中学3年の頃かな、受験でテレビはダメだけどラジオはOKって頃に、よくCMが流れていて、「スゲェいい!」って尾崎を知らなかった頃に感じた曲です。詩も声もメロディも良くて、、、ベスト5、いやベスト3には入る曲です。

ただ僕が15の夜をチョイスしたのは、やっぱ尾崎本人のデビュー曲で、ルーツだと思うから。本人が一番大切にしたいとか言ってた気もしますし、なんかこう、「この曲を一番好きにならなくてはいけないかもしれない」って思うんですよ。もちろん誰かに強いるのではなく、自分の中に。勝手な思いこみなんですけどね(^^;。

比較して欲しいわけではありませんが、篠原美也子という女性アーティストの1stと2ndアルバムは何か尾崎に通じるものを感じました。もし機会があったら聴いてみて欲しいです。僕らの世代にはかなり高確率で命中してますので・・・。

投稿: クリス | 2008年3月29日 (土) 02時42分

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