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2006年7月31日 (月)

LEGO#8868

My8868_1 日本ではクレーントラック、海外ではAirtech Claw Rigと称される957エレメンツで構成される1992年製のテクニック最初の大箱。岡崎に出来たトイザらスに初めて訪れたとき、テクニックのテの字も知らない僕が目の当たりにした子供の時のレゴとは全く異質なパーツ群・・・。モーターやギア、その上シリンダーまで使ったそのメカニズムは、

 「もはや子供のオモチャじゃない・・・」

という鮮烈な印象を残した。がしかしさすがにボロボロな箱とは言え1万円近い「初めてのオモチャ」に決断は鈍り、僕はセカンドベストとも言うべき↓こちらを購入した。

8062manual ※ちなみにこのセットも非常に素晴らしいセットで、「LEGOテクニック」という新たな娯楽の価値を僕に刷り込むには十分な内容だった。というか当時はまだレゴが毎年のように新作が発売され、そのたびに古いセットが絶版となっていくということを知らなかったから、まさか先日の未開封クレーンが今生の別れとは思いも寄らなかったのだ。

その後僕はいくつかのセットを購入し、ひとしきり盛り上がったのち、一度レゴから離れてしまう。たぶんモチベーションの低下以外にも「やるゲームが出来た」とか「ポケモンカードにハマった」とかその程度の理由だとは思うが。

その後数年経って風の噂に「コンピュータで制御するレゴ」の話を耳にする。「マインドストーム」と称されたそれは、まさに大人のオモチャ。テクニックを一段進化させ、簡単ながらも言語体系とプログラムという概念を持った、「大いなる一歩」と呼べるものだった。

しかし国内ではまだまだ取り扱っている店も少なく、価格も非常に高かった。正直大阪で取り扱っていると呼ばれる店まで出向いたこともあったが、現物に巡り会うこともなく、悔しい思いを数ヶ月続けることとなる。

そしてある日、妹がハワイに旅行に行くと聞きつける。

 「頼むから買ってきてくれ!」

価格にして3万はくだらないが、僕の胸は高鳴った。そして妹が家に戻って一言、

 「死ぬほど重かった」

床には無造作に置かれたマインドストームの箱があった。

マインドストームは基本レゴテクニックのパーツで構成されている。メインの中枢となるRISと呼ばれるプログラムユニットを除けば、テクニックシリーズを持っている量がそのままマインドストームの組み立てに役立つのだ。僕は今一度レゴテクニックに足を踏み入れることとなった。

しかし今度は数年前とは事情が大いに違う。既にインターネットというものが身近に存在していたし、行きつけのサイトではオススメのキットやら海外通販のサイトやらの情報もあった。僕はわずか2、3ヶ月の間にかなりの額を投資して、めぼしい大箱をどんどん集めていった。

中には数年前たまたま近所の店先で見かけた黒いテストカーの姿もあったし、希代の名作と呼ばれるスペースシャトルもあった。タイミング的にはまさにラストギリギリ滑り込みセーフという趣で、多くの未開封セットを手に入れることが出来たのだ。
※今思い出してもホント奇跡だったと思う。当時のテクニック仲間の間でもその年は「奇跡の年」と言われるほど海外のデッドストックが発見された年だったのです。

しかしそんな中にあってもクレーントラックは手に入らなかった。数年後いくつかのテクニックセットが再販されるに至っても、このクレーントラックだけはオークションに掛かっていても結構な値が付いたし、もちろん中古が当たり前という状況だったのだ。

そんな中で僕が落札した品ももちろん中古、それも箱ナシでセカンドモデルは制作出来るかわからないという。しかし今回悩みに悩んで気合いの入札をすることにした。

 「16000円までなら出せる」

送り主は北海道で、品物は「完成状態での発送」とあった。完成状態というのは、一見「組み立てる楽しさ」を目減りさせ、かつバラす苦労を負わされるデメリットのようにも見えるが、こと中古品の場合は、破損ブロックや欠品がないある意味安心できる状態とも言える。僕は過去にとんでもない欠品数のレゴを購入したことがあるから余計そう思うのかもしれないが。

8042manual そしてその品物は「送料を出品者が負担」してくれると言い、加えて#8042というセットも(これも箱ナシながら)おまけしてくれるという。僕の中での価値観で言えばそれぞれに3000円程度の価値を見出せるようなものであったので、実質「1万円」までなら出してもいい、と思ったわけだ。

僕が入札すると当然高値更新されるかと思いきや、「あなたが最高入札者」の文字が画面に表示された。

「おおっ!?」

このまま16000円での落札となればこちらとしては願ったり叶ったりである。時間は残り5分を切り、ジリジリと時計が針を刻む。

しかし無情にも高値更新が為されてしまう!

表示された金額は16500円。入札単位は500円なので、僕が買うチャンスを得る為には最低でも17000円の入札をしなければならない。自分的に出せる額を超えての入札・・・。正直スゲェ悩んだ。でも

 「誰かに16500円で買われるのはどうしても許せない!」

もしその競っていた相手が17500円で買うというのなら僕も諦めがつく。意を決して僕は入札17000円に同意した。

するとどうでしょう。高値更新がされません。こうなると逆になんだか焦ってきてしまうからおかしなものですが、正直な、あくまで正直な感想として、

 「オレはもしかしてWii貯金に手を付けてしまったんじゃなかろうか!?」

という気がしてきた。が、そう思っても後の祭りである。時計は無情にも終了時刻を告げ、僕は晴れて「落札者」となった。つかヤフオクで買うときは最近めっきり「希望落札」ばかりだったので、こうして競って買ったのはホントに久しぶり。やっぱ緊張するものだと妙に冷静な自分も発見したり・・・。

その後数回のやりとりをしつつ、配達時に不在であったため、本日郵便局に品物を取りに行った。梱包はこれ以上ないほど丁寧で、印刷物ではあるが誠意の感じられるお礼状も一緒に入っていた。そして何より嬉しかったのはその組まれたクレーンの状態。

 「自分で保管してたら絶対こんな綺麗なままじゃない」

My8868 そう感じるほどに各パーツは埃もなく、ゴムやモーターなどの経年劣化しやすいものも完全に機能してくれた。つか届いてすぐ動かして遊べるというのはやはり嬉しいモノよ。
※ちなみにおまけも超綺麗。つか正直「いい買い物」だったと思いましたよ。先日買ったクローラークレーンをバカにするわけではないけど、やっぱ昔のセットの方がモデル構築に対する志が遙かに高い。だってパッと見わからないけど、このクレーン、

 「フロントエンジンリア4輪駆動」

なんですよ!?わざわざ後輪までユニバーサルジョイント+シャフトで繋いでる。それぞれのシリンダーの制御も4カ所8方向の切り替えを使っていて、このセットの最大の特徴である「モーターで小シリンダーを回し空気を送り込むコンプレッサー」の仕組みが最大に生きる作りになっています。
※僕の知る限りこのコンプレッサーシステムを搭載したテクニックはこれだけ。

リフトアーム全盛の現代にはないビームまみれの無骨なフォルムと、特殊ではないあくまで基本的なパーツで構成されたクレーン部分。エアを使ったニューマティックの動きは正直スムーズとは言えないけど
※タンクがあるわけでもないし、シリンダーの仕組み上仕方ない部分でもあるから。

 「伊達に遙か昔自分の琴線をかき鳴らしただけのことはある」

名作に疑う余地はなかった。

このクラスの欲しかった大箱テクニックはたぶんこれで全て集めたと言っていいと思う。昨今のクレーンやコンボイも悪くはないが、やはり90年代の作品とは比較にならない。買って良かったと思いつつ、最初「転売すりゃいいや」と思っていた気持ちはスッキリさっぱり消え失せた。つかある意味Wiiよりも僕には大きな満足を与えてくれたと言ってもいいくらいなのだ。
※でも17000あれば2ギガのメモステが余裕で買えるよ!?それはそれでどうなの?って気もしないでもないね(^^;)。

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