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2006年9月22日 (金)

セガと任天堂

僕はかなり前、ニフティをやっていた頃こういうポリシーを掲げていた。

 「ソフトハウスによってそのソフトの善し悪しを変化させない」

要するに「セガだから面白い」とか「○○さんが作っているのだから面白いはずだ」というような作り手を盲信するような価値観がとにかく許せなかった。その頃から既にセガ信者も任天堂贔屓もいたし、確執がなかったとは言わないけど、僕からすれば何を馬鹿なことを、、という思いが強かった。ソフトは面白ければそれ単体で評価されるべきなのだ。
※まぁ逆につまらないソフトに関しては、作り手依存ってのはあるけどね。「元気の作るソフトが面白いわけねぇ」とか。まぁ思いこみと価値観の上の被害妄想かもしれないけど。

ただ、実際には許せないと言ってもネバーランドの「エッグモンスターヒーロー」や老中枡田の「ネクストキング」「我が竜を見よ」なんかにだまされちゃってはいるから、まだまだ甘いなぁと言わざるを得ないんだけど、ことセガと任天堂に関してはやっぱり思うところがある。

僕は今でこそ任天堂ファンとブログ読者様に認識されているかも知れないけど、実際昔からずっとそうだったワケじゃあない。具体的に言うと「レア社」と組んでいた頃の任天堂の作品は、はっきり言って評価したことも面白いと思ったこともない。もっと言えば「64は負けるべくして負けた」とも思っているのだ。

当時の任天堂が口を酸っぱくして言っていたのは「面白いゲームを作れば振り向いてもらえる」と、「面白いゲームが売れないようになった」の二つ。要するに面白いはずの自分たちの作品が、実のないPSタイトルには負けるわけがないというある意味過剰とも言える自信を顕した言葉だった。

でも僕は思ったんだよね。「今の任天堂のゲームは面白くない」って。別に全部が全部じゃない。第一弾のマリオ64やゼルダ2作品、スマブラは言うに及ばず十分に面白いと呼べるタイトルも少なくない。でも面白くないタイトルもまた少なくなかった。

ポリゴンにおんぶにだっこのアクションアドベンチャーが幅を効かせ、やれ自由度だやれコレクションだというゲーム性。今でも思うけどアナログ操作の3Dフィールドってのはちっとも自由じゃないし、ちっとも凄くない。要するに初心者には情報が多すぎて、入って行くにはハードルが高すぎるんだよ。かと言って「任天堂カラー」の作風(例えばバンジョーカズーイとかスターフォックスとか)は本来それらのゲーム性をよしとする層には悪い意味でガキっぽく映るんだよね。

僕が任天堂が変わったと感じたのはやはり「ピクミン」を見たときだった。クセはあるが興味をそそる風体と、個性爆発のライトなテーマソングに乗せたCM展開。触ってみるとことのほかシンプルで、子供にもわかるひらがな表記あり、残酷な場面を残酷に見せない演出ありで、現実にありそうなリアルでリアルじゃない世界をこれ以上ないくらい巧く構築していた。その上奥も非常に深かったし。

こういうソフトは本当にセンスが求められる。ゲームばかり作ってる人たちから生まれるのは奇跡のような気すらする。だって今までの文法がほとんど通じないんだもの。面白さを誰かに伝えるのに「○○のような」って表現が使えないゲームほど難しいことはないと思うもの。

とにかく軽薄短小、とにかくマニア否定、とにかくゲームをゲームに取り戻す努力。NEWスーマリはスゲェと思ったよ。だって今更2Dベルトスクロールアクションだぜ?ポリゴン数億の世の中にキノコで1upするゲームが売れるかっての!でも売れたんだよね、それも300万本確定するほどに。他のクリエイターはこの事実をもっとずっと真剣にかみ砕く必要があると思うんだ。今何が求められていて、自分たちがどうすべきなのかってことを。任天堂が旗持って先導してくれてるんだよ。サードパーティのない64で反省してWiiに広く門戸を開けてるんだもの。

ファミ通の浜村通信のコラムに「ゲームはやっぱ携帯機だよな」というような風評がまことしやかにささやかれていると載っていた。ここで言う「ゲーム」とは「ゲーム」なのだ。ここで言う「ゲーム」こそが「ゲーム」なのかも知れないと思う。気軽に遊べて楽しいオモチャ。だからスーマリだし、だから脳トレなんだと思う。だって冷静に考えてみて欲しい。モンスターハンター2がゲームショウで最長の180分の行列を作ったからと言って何本売れたと思う?FFとドラクエだけは別格だからそれだけのために久々にマシンに火を入れるユーザーもいるけど、それ以外で何がどれだけ売れる世の中だと思う?

結局のところ「面白いゲーム」ならばいつの時代でもたくさん売れるんだと思う。ただそれがその時々で変化していることに気付きにくいだけで。

その点が一番セガにとって不幸だったと思う。セガはメガドライブ、セガサターンの時代まで多くの愛されるセガフリークに支えられてきた。そりゃ僕のようにPCエンジンだろうとネオジオだろうとゲーム機ならなんでも欲しいってヘビーユーザーもいるにはいるけど、SFCやPCに目もくれない熱烈なるファンも相当数いたのだ。

広報の竹崎氏のコラムがゲーム批評やコンティニュー誌に載っているが、あれを読むとその空気がよくわかる。どれだけファンに支えられ、そして作り手もどれだけセガを愛していたのか。そしてそれが「変えるべきもの」であったことが。

きっと大川総帥は随分前にそのことに気付いていたんじゃないかな。ネットワークを構築して世界に翼を広げようという思いも、そんな「閉じた空間」からの逸脱が本当の狙いだったんじゃないかと思う。だから劇的とも言える社長交代が執り行われたんだと思う。「変わるべきもの」が見えたから。

でもそうは言ってもそう簡単に変われるわけはないんだよね。だからセガはPS2陣営に入ってから、ある意味明確に得手不得手の力点を変えてきた。アーケードはアーケードならではのものを、家庭用、例えばそれはセガのこれまでのカラーに反するようなものでもニーズを第一に考える様なもの、そしてこれまでのファンもしっかりと大切にするセクション。セガには任天堂のように安定した顧客とそのマーチャンダイジングの蓄積がない。中高生は大人になっていくにつれてゲームをやらなくなるし、マニアはマニアでマニアックなものをいつまでも求め続けてしまうのだ。

だから僕は今のセガは嫌いじゃなかったりする。よくブログで「セガだから仕方ない」という愚痴っぽい表現をするが、それは諦めているわけじゃない。最初から出来ないところに期待するのが間違っている、セガに期待する内容が間違っていると思うわけだ。

セガはとにかくファンに囲われて育った箱入り娘だったのだから、世間のことはわからなくても仕方ない。だから好きな人が好きなゲームだけを招き入れればいいのだ。アベレージを求めちゃダメだ。今のセガに「セガのカラー」というものがあるとするなら、それはその人ごとに違って見えるはずなのだ。

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実際のところ大手で自社のカラーを持ち続けるというのは容易なことじゃない。それはつまり品質を管理するということだが、これほどの市場規模と開発費の増大が叫ばれるようになってはぶっちゃけ据え置き機での安定供給など出来るはずはないのだ。
※まぁ任天堂ぐらい?
だからこそ携帯機なのかな、とも思う。携帯機と言ってもPSPのスペックはPS2に迫るものであるし、実質それほど安易に作れるわけもないが、それでもDSという大きな福音は各メーカー「大切にしたい」という思いが生まれているのではないだろうか。

どこぞのクリエイターが「何でも出来る機械は逆に困る」という話をしていた。がんばるところがありすぎて、大切なところを見失ってしまうような感じだろうか。

ゲームはPS3やXBOX360である意味袋小路まで進化したと僕は思う。もちろんそれ以上のスペックになる必要がないと言うつもりはないが、「現状でクリエイターのスペックを追い越した」感はあるんじゃないかと思うのだ。だからここは一歩引いて、作り手が遊び手に向かい合えるところまでゲームを呼び戻すといいんじゃないか。メガドライブのスペックだってセガサターンのスペックだって面白いゲームはあったはずだ。スーファミが売れたのも勢いだけじゃない。プレイヤーとソフトの「バランス」あってのことだったはずだ。

今プレイヤーが望むソフト、アプローチの仕方は違えど、今の任天堂とセガならばきっと作れるはずだ。

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コメント

とても良い内容ですね。
オタクと呼ばれる層に噛み締めて呼んで欲しい記事だと思います。

投稿: バブシカ | 2006年9月22日 (金) 07時10分

ども。お久しぶり~のfurakutaruです^^


>現状でクリエイターのスペックを追い越した

僕もそう思いますね。ゲームというものはまず第一に面白くなくてはダメだと思います。ハードのスペックというのはどんどん向上されているようですが、ゲームを面白くするのはハードのスペックではなくクリエイターのスペックだと僕は思います(もっとも、クリエイターがそれを活かしてくれて、グラフィックもよくて面白いものができれば最高なのですが・・・)

それはそうと、PS3の下位機種の価格が49,980円(税込)に値下げされたようですね。HDMI端子も搭載しているらしいのですが、そういうことに詳しくない僕は、搭載しているからどうなの?という感じです。
まあ、それでもまだ高いかなぁと思うのですが。。。

僕はやっぱりwii買おうかなと思っています。PS3に比べて安価ですし、VCで昔のゲームもやりたいですし。両方買うのはかなり金銭的にキツイのでPS3がもう少し値下げするのをゆっくり待つつもりです。

>冒険少年

購入しました^^
個人的に「送信」が大好きです。というか全部好きです。というかあだち充さんが好きです(マテ
やっぱり「冒険少年」にはあだち充さん独特の感じがにじみ出ていますね♪
ドラ○もんが登場していたのには驚きましたw


それでは~

投稿: furakutaru | 2006年9月22日 (金) 19時45分

DSのFFIIIで経験値稼ぎの楽しさを思い出した、RPG食わず嫌いの、ぴちょんくんです。
いよいよ次世代機も出揃ってきましたね。
個人的には、ハードのスペック競争の愚かさに気がついた、任天堂のWiiを応援したいです。
作り手がハードの性能を持て余すようでは、良いゲームは作れないかなと思う昨今、昔の8ビットパソコン時代やファミコン時代を思い返すと、不可能を可能にするようなプログラム技術により、名作と呼ばれるゲームが誕生してきました。
32KBや64KBのROMカートリッジにデータを詰め込むために苦労したり、フロッピーの読み込みをなるべく早くしようとデータの配置を工夫したりと・・・。
制約があれば、その分作り手側の工夫が光を放つ良き時代でもありました。
以前の次世代機競争ではセガの脱落やPS2の躍進がありましたが、今回はどうなる事やら。
1985年からの10年間が任天堂の時代、1995年からの10年間をソニーの時代とすれば、2005年からは再度任天堂の時代に向かいつつあるのでは?なんて考えています。
勝手に業界トップシェア10年説なんて唱えてみましたが、適当な考えなので軽く流してください。

投稿: ぴちょんくん | 2006年9月22日 (金) 21時03分

バブシカさん、frakutaruさん、ぴちょんくんレスサンクスです。最近PSUばっかですみません。見捨てられないように精進しますので、今後ともなにとぞよしなに・・・。

>バブシカさん

ストレートに褒められていい気になってるクリスです(^^;。ありがとうございました。つかこんな返信じゃ何も生み出さないのでちょっとだけ補足。

今ってこういう話が出来る板とかってあるんですかね。2ちゃんねるは頭の悪いヤジばかりが目に付くし、Yahooの掲示板とか全然熱くなくて抜けちゃったりしたし。まぁブログでこうして書くのは楽しいからいいんですけど、なんつか「議論?」みたいなのもしたいと思うことも結構あったりするんですよねぇ。mixiは逆にライトすぎる気もするんだけど、そりゃ僕が覗いてるトコロだけかなぁ。

>frakutaruさん

スペックに関しては別にどんどん進化していっていいとは思うんですけどね。元発言で触れなかったのですが、進化する方向としてはもっとネットワークとかコミュニケーションとかのインフラ方面にまだまだ可能性が残されている気もします。DSのWi-Fiとかスゲェ便利でお気軽なんですけど、ルーターからの距離が壁アリ5mも効かなかったり、速度的な不安、何よりプログラマが絶対的に不足してるんだとか。同じような機能で例えば僕がポケモンをやりながらfurakutaruさんがドラクエをやっていてもボイスチャットが気軽に出来るような進化だったら、ホントに大歓迎だし、ゲームの新しい地平みたいなのも見える気がしますね。

PS3値下げ情報THANXです。でもまぁ最初からやれよ、って気もしますよね。以前大須に行ったとき店員に「どこそこがいくらと言われたらウチはそれに合わせるしかない。でも最初に価格を言わずに値段を出さないとフェアとは言えない」という話が凄く胸に残ってます。要するにPS3はユーザーをなめてたってことなんだろうなと。ほっといても売れる分は売れるし、売れない分は売れません。ただ正直しっかり公約を守ってリリースしてきたWiiの方が、企業としても信頼出来るのは(まぁ任天堂びいきの僕ですが)僕だけじゃないかなぁと思いますね。

>冒険少年

楽しんで貰えたようで何よりです。そうですよね(^^)あだち充好きなら、この本はホント全部楽しめる作品だと思います。ああいうマンガは現在他に書いてる人が全くいないような気がするのですが、
※藤子F不二雄さんのテイスト
やはり難しいんでしょうね。短い間にしっかりとストーリーとドラマを折り込むということが。ああ、でもこれってゲームとかにフィードバック出来ないセンスなんでしょうかね(笑。

>ぴちょんくん

FF3は面白いですか。元々のファミコン版は僕も大好きなのですが、ドラクエと言いFFと言いリメイクには今ひとつ食指が動かなかったというか、

 プレイアビリティが落ちてる気配

がどうしてもしちゃうんですよね。経験値を稼ぐにしてもマップを移動するにしても。まぁ僕の懸念かも知れませんけど、余計な人形劇やムービー、ダンジョンの無駄な拡大だけは勘弁して欲しいなぁと思います。あとエンカウントの増大も。まぁやったらやったで凄く面白いのかも知れませんけどね~(^^;)。

ロースペックで限界に挑戦する、というスタイルは案外Wiiにもあり得る話かも知れないなぁなんて読みながら思いました。なんつかPS3や360のようなソフトをWiiで動かすのはやっぱり限界ブレイクが必要かな、とか。

理想はそんな戦いは意味がなくなって、WiiはWiiでしかできない楽しさが突き詰められていくべき、とか言った方がいいのかなぁとも思いますが、一方で消費者の嗜好はそれほど単純じゃないから、やっぱりFFやモンハンも要るんだよなぁと思ったりもしますけどね。

今後の10年に関しては全く想像できませんが、せっかくなので書いておきます。

Wii、PS3、360が出揃いますが、ぶっちゃけそれほどゲームが盛り上がるってことはないというのがまずあります。岩田社長も言ってましたが、DSの人気がそのままWiiに飛び火するという考えはやっぱり甘いと思う。だからこのDSブームは在りし日のたまごっちのように、あと数年で沈静化してしまうというのが一つ。

じゃあやはり据え置きが盛り返すのかってことになると、これがまだよく分からないんですが、個人的には「携帯電話」と「PC」というキーワードは捨てきれないと思うんですよね。今度モンハンのPC版「モンスターハンターフロンティア」がリリースされますが、PSUでもPC版の方が品薄になったり、今の日本のネット絡みのコンテンツはある意味メーカーの試算の上を行ってる可能性がある。となれば、スカイプだとかメッセンジャーだとかを上手く取り込んで据え置き機と上手く連携させられた者が一番勝者に近いのかなぁという推論も出てくるんですよね。だってポケモンとかでもPCを介して大画面でもプレイ出来るし、終始ボイスチャットもメール転送も可能って方が絶対可能性が広がると思うもの。

まぁそうは言ってもだからといって「VISTA」が勝つというわけではないんですけどね(^^;。furakutaruさんのレスでも書きましたが、当面はWi-Fiのプログラマーをどれだけ任天堂が確保出来るか、それを活かしたコンテンツをどれだけ大量かつ高品質で用意出来るかが勝負かなぁ。

投稿: クリス | 2006年9月23日 (土) 15時03分

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