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2006年9月26日 (火)

今更のFF11とPSUの今

賛否両論あったかも知れないが、僕は正直言ってファイナルファンタジーXI(以下11)が大好きだった。やんごとない事情で止めざるを得なくなったが、その世界観、そのバランス、そのシステムが大好きだった。PSUをやっていてその想いはより強く、濃くなってきた。

今の11がどういう状況なのかは正直僕にはわからない。だからもしかしたら今ここで僕が書く話は、とんでもなく昔の、現状とは似ても似つかぬ話になってしまっているかも知れない。予めご了承されたし。

11がどんなゲームだったのかを一言で表現するならば、「ひとりでは遊べない」ゲームだったと思う。とにかく敵が強くて、自分が少し強くなったと思えば同じ敵からは経験値がもらえなくなって、ひとりで戦っていてはいつまでも最初の街周辺から抜け出せない。それに弱い敵を選んで戦っているつもりでも、ちょっとした油断で複数の敵を同時に相手にせねばならなくなったり、自分の死角から分不相応な相手が不意打ちしてくることなど日常茶飯事。そんなとき、通りすがりの勇者がまるで当たり前のように、瀕死の僕に回復魔法を掛けてくれたり、強敵を一刀両断にしてくれたりする。

武器も防具も誰かのお古だし、普通に戦うための冒険費用を捻出するのも敵からの素材を買ってくれる「どこかの誰か」がいてくれるからこそ。一つレベルが上がるのにものすごく時間と労力が払われるのに、死んでしまうとその苦労がごっそり無駄になる厳しいチューニング。一人より二人、二人より三人で行動した方がより安全に戦うことが出来るのなら、そりゃ協力もするし、結束だって固くなる。

そう、11は「敵が怖いゲーム」だった。敵が手強いでも賢いでも嫌らしいでもない。アルゴリズムが不規則で戦いづらいから嫌いとか、倒したくてもすぐ逃げるとか、とにかくHPが多くて長期戦になるから嫌いとかそういうんじゃない。死ぬことに恐怖があるチューンが、厳格に強敵を恐怖の対象に昇華させていたのだ。

ある街まで移動したい。でもその途中には一撃でこちらに致命傷を負わせるほどの強力な敵がウヨウヨしている。出来るなら会わずになんとか次の街までたどり着きたい。パーティは1列に最も安全で最も早いルートを辿る。とても強い友人がいればそこでの護衛を頼むことも出来るが、強い友人にしてみればその敵は経験値にならない無価値な存在である場合が多く、となればおいそれと周辺で出会うこともないのだ。大地はあまりにも広く仲の良い友人であっても駆けつけるのに1時間以上掛かることも珍しくない。それにいくら強いとは言っても数で押されてしまってはどうにもならないこともある。1対1なら余裕であっても4対1、5対1となれば状況も変わってくる。それに同時に敵を倒す術があれば良いが、そうでない場合、倒したそばから敵が復活してくることさえあるのだ。

そしてその恐怖と強者の恩恵が世界をより深くリアリティのあるものへと組み上げていく。

レベルの似通ったパーティでなければ、経験値が上手く入らないというのもいいシステムだ。メンバーに強い人が一人いるだけで、その人に引きずられて他のメンバーも取得経験値が大幅に少なくなってしまう。だからパーティは常に緊張感のある戦いを余儀なくされるし、常に新たなコミュニケーション相手を見つけつつ冒険せざるを得なくもなる。その一方でクラスチェンジによる「複数種のレベルを同時に持つ」ことが出来る点も上手い。メインの戦士は高レベルまで育ってしまったが、黒魔導士はまだ新しい友人のレベルとほとんど差がない、という状況は、より多くの友人達と楽しい時を過ごす手助けとなるのだ。

ここで少しPSU~ファンタシースターユニバース~に視点を移してみる。こちらは基本的に取得経験値が下がらない為、自分が強くなっても単純に次のレベルまでが遠くならない。当然必要となる経験値は増えるが、自分が強くなった分だけ敵も早く倒せるため、時間的な負担が激増することがない。それは、当然のように敵が怖くないゲームになるし、敵が怖くなければ助けも必要ない。効率を考えればパーティを組む方が良い場合も多いが、11と比べてそのメリットは非常に希薄だ。
※体感で言えば11がフルパーティ20匹2時間でレベルが上がるのに対して、ソロだと20時間1000匹も倒さなければならない感じ。対してPSUは3人6周2時間で上がるのに対して、ソロ5周3時間で上がる程度の差しかない。それほどPSUは強敵と雑魚敵の取得経験値の差が少なく、かつソロでも十分に稼げてしまうのだ。

パーティプレイの醍醐味とは一言では言い顕せない。協力して強敵を倒すこともあるだろうし、他愛のないお喋りで過ごす時間もあるだろう。時には自分の知らない稼ぎの穴場や、オークション品の相場、使える武具などの情報だってあるだろう。しかしその全ては同じベクトルを示している必要があるはずなのだ。「より強く、より先へ」。そしてその為に踏む轍がいかに自然であるかどうかが重要なのだ。

11でレベルが上がりづらいということはそれだけ行動半径を縛られると言うことでもある。倒せる範囲の強い敵と簡単に戦えるのなら、何も無理して実入りの少ない敵と戦うことはない。そこでも11とPSUの差が出ている。PSUは大したフィールド移動もなく、敵の強さだけを選択して戦うことが出来る。誰かに引率してもらって良質な狩り場を目指す必要もなければ、例え死んでしまっても経験値やお金が減るわけでもないから、どんどん強い敵より効率のいい稼ぎを自分一人で探すことが出来る。

これは快適である一方諸刃の剣だとも言える。要するに自分のステータスが育てられる限界にあっさりと到達してしまう。プレイヤーのレベル、職業のレベル、技のレベル、それぞれが100時間ほどのプレイ時間で上限に達してしまう、それもほとんどソロだけのプレイでというのは、正直ネットゲーとして奥行きが浅いと言わねばならない。確かに気持ちよく倒せるし、どんどんレベルが上がって強くなる楽しさはあるが、達成感や緊張感はほとんどない。それでもGC版PSOのように常に先へ先へと目標とする指標が明示されていれば良かったのだが、先ほども書いたように今のPSUにはそれすらもないのだ。

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多くのネットゲーが「プレイ時間の長さがモノを言う」点を良くないとする風評が立ったことがあった。確かに数千時間もプレイしている人に対して昨日今日のにわかプレイヤーが同じ楽しさを共有出来るとは言い難い。しかし、せっかく複数のプレイヤーが同時に一つの世界を共有することが出来るのだ。強い人がいて弱い人がいてどちらも楽しい世界を目指すのが何よりの正解じゃないのか。

11にも言えることだが、多人数参加型RPGで「少しでも人が少ない時の方が安定しているし楽しい」などという感想は本末転倒としか言いようがない。だったらプレイヤーキャラが全てNPCで、オフラインを快適に遊べる庭を用意してくれた方がずっといいはずだ。
※それがまぁGC版PSOだったわけだけど。
※まぁこれは極論で「丁度良く多い」のが一番いいのもわかるけど。

 PSUは現状オンの良さもオフの良さも殺してしまってはいないか。

とは言っても11にもリアルマネートレードの増長によるすさんだプレイ環境が幅をきかせてしまって僕がやっていた頃の楽しさとは随分趣が違うという話も聞く。逆に今後PSUがどんどん洗練されていって、DC版に対するGC版のような変貌を遂げる可能性だってゼロじゃない。ネットゲーは人と人が作り上げていくゲームだから、スタンドアローンのような安易な正解は見つからないんだろうとは思う。
※その為にはHDD対応にして大幅なパッチも当てられる仕様にして欲しかったのが本音だが。
でもまぁ正直な話

 こんなに次のレベルまであっさりと上がるとは思ってなかったな

ってのがPSUの感想なんだよな(^^;。ただいま42。レベルキャップ50まであとわずか。プレイ時間はまだたぶん50時間くらいだぜ?いいの?これで。

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コメント

いつも楽しみに読ませて頂いています。
ちょっと休憩だそうで、さびしいです。早く帰ってきて、新たな攻略方法を伝授してください。

 PSUは手軽にオンラインできて、パーティも組めて、ライトユーザにとっては、やりやすいと思っていました。

 私は、FFは経験が無く、信オンからの移籍組みですが、今の状態を見ると、奥が浅いというか、やりこみ度が少ないなあって思います。

 ただ、まだ始まったばかりですし、上記のやりやすいゲームとして、改善されることを、切望します。

 そこで、どんな感じになれば、やりこみ度が増すか考えてみました。(かなり、ディアブロⅡの影響を受けています)

 1.死んだらキャラ消去の、ハードモードワールドの実装。

 2.または、死んだ場合に経験値を減らして、80レベル以上から徐々に、取得経験値を少なくする。(MAXレベル100)

 3.PA?の上限レベルを極めて上げて、実質的に2個か3個のPA強化しかできなくする。併せてドロップ装備の特性を上げて、セット装備の概念(ディアブロⅡ)をいれ、ドロップ品の重要度を増す。(自分の強化したPA用のセットを集める要素を追加する)

 4.属性の影響度を上げて、(物理ダメージを受けない敵、ある属性魔法に対してはノーダメージの敵)、パーティを組まないと、上級クエは難しいよう様に調整する。(3.と併用するとより有効になると思う)

 5.上級クエのドロップ品の性能またはドロップ率を調整して、パーティを組む利点を増す。

 6.対人環境を追加する。

 1.はやりすぎと思いますが、2程度の死への恐怖は必要と思います。
 オンラインゲームですので、(ソロプレイは否定しませんが)、パーティを組んだ方が有利なようなバランス調整は必要と思います。

 6.は、最終的にはNPC相手は飽きると思いますので、(強さを調整しても攻略法は編み出されてしまうので)、対人要素があると、やりこみ度は増すと思います。

 ブログへの書き込みは初めてなもので、こんなことを書いていいのかも心配です。

 ただ、残念な経過も見られましたので、思っていることを書いてみました。

 本当に、PSUに戻ってきて、貴重な情報を発信してください。

投稿: QQQ | 2006年9月29日 (金) 02時01分

はじめまして、でしたっけね?クリスと申します。QQQさんこんにちは。PSU関係の話は序盤は接続で、中盤はボチボチ、終盤は今ひとつ盛り上がりに欠ける展開となってしまって恐縮です。ある意味PSOが僕にとって非常に「イイ意味で」期待を裏切ってくれた傑作であったため、PSUにそれと同等以上のものを求めてしまったのかもしれません。

書いて頂いた考察は一部マニアックかなぁ(^^;と思うものもありますが、結論今のPSUに足りないところというか「もっとこうして欲しい」ところがたくさんあるという意味でとても理解出来るし、共感出来ます。というか正直言うとディアブロからPSOに流れた時の僕の感想に凄く近いような(^^;。
※GC版をプレイしてようやっとPSOはディアブロとは違うカタルシスを目指していることに気づいたんですけどね。でもPSUはどこを目指してるのかが正直見えない気がします。なんつか中さんがどれほどの影響力を持ってPSO、PSUに携わってきたのかわかりませんが、手触りというか、流れてくるモノがどうもシンプル過ぎるきらいがあります。シンプルが悪いというわけじゃないんですが、、、。

とりあえず追加ディスクは買うつもりです。いろんな意味で面白く、楽しくなるといいですね(^^。

投稿: クリス | 2006年9月30日 (土) 03時13分

お返事ありがとうございます。

遅ればせながら、始めまして。^^;。

戻ってこられる予定だそうで、楽しみにしています。

今は、ポケモンの攻略がメインみたいなので、頑張ってください。

本当は、上記の書き込みの部分に、興味があるのですが、(それぞれのゲームで目指していたカタルシスとは、どんなものか等)、でも、それをすると文通になってしまうので、当分日記を拝見させていただきます。

では、また。

投稿: QQQ | 2006年9月30日 (土) 17時56分

レスどもですQQQさん、クリスです。いきなり余談ですが「QQQ」というのはいいハンドルですね(^^)。Qなら日本語変換で他の文字になることもないし、打ちやすく、連なっていて字面もいい。強いて言えばもし電話とかしたときに「きゅーきゅーきゅーですが」というのが少し滑稽かなぁというところでしょうか(笑。

さて、PSOとディアブロのカタルシスについてですが、少しだけ触れます。っていうかバカでもわかるようなさわり方で恐縮ですが、

PSOはアクション特化であってかつそのアクションの魅力を引き出す為のレアであり強力かつ見た目も個性的な武器こそが最大のモチベーターであったのに対して、ディアブロ2はどちらかと言うと「数値」に特化してる。強くなって楽しいんだけど、例えば剣の振り一つとっても「3フレーム速い」ことがどんな見た目より優先されたりする。敵もPSOよりはるかに多数を相手にするからアクション性より効率が重視される。。。

みたいな?ああなんだか普通ですね(^^;。でもそうなんですよね。PSOの楽しさとディアブロの楽しさはやっぱりそこが違うと思うんです。だからPSOにディアブロライクな楽しさを求めるのはお門違いだとも思ったりしたわけです。
※PSOのDC版の時に凄くそれをやった自分。

自分は基本的には数値重視だからPSOも見た目より威力と思っていましたが、フロシュやスプニなどの「特殊すぎる効果」というディアにないモチベーターにハートを撃ち抜かれて、「ああPSOも面白いんだなぁ」ということに気づいたってかんじですかね(^^;。

投稿: クリス | 2006年10月 1日 (日) 03時23分

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