なんつかクリスらしくないタイトル。PSバイオハザードが怖くて一人じゃ出来なくなったクリスらしくないタイトル。GCのバイオハザードが怖くてみんなと一緒でも見てられなかったクリスらしくないタイトル。ホラー映画は生まれてこの方一本も最後まで見た試しがないクリスらしくないタイトル。
ファミ通のコラムで「本体買ってまでやる価値がある」と称された本作は、果たしてその言葉通りの出来なのか。僕だったらそんな表現をおいそれとは使わない。少なくとも相手の好みのタイトルもわからずに軽はずみなことは言えないと思うし、特に対象世代の広いファミ通誌上で言うからには相応の覚悟が必要だと思うからだ。
が、逆に相応の覚悟を持ってしてなおオススメするというケースも十分考えられる。折しも地球防衛軍3の為とはいえ我が家に360が舞い込んできて早々の話である。「ならば」と一歩踏み出すのもそれほど不思議な話じゃあるまい。
ちなみに僕がこのタイトルを買おうと思ったのにはもう一つ大きな理由がある。それはデッドライジングに「成長要素」があるということだ。がんばってがんばって死んでしまってゲームオーバーになっても、そのレベルデータを引き継いで最初から始めることが出来るという。外面はいかにもアメリカンな風体だが、作っているのは紛れもない日本人だし、難度の調整には腐心されているだろう。僕がバイオが怖いのは、「僕が弱い」からだ。僕が強ければゾンビだろうとモンスターだろうとNO問題なはずなのである。
※ちなみにこのタイトル、日本版の他に北米版とアジア版があるご様子。特に北米版はレーティングの関係か日本のものよりかなりバイオレンスになっているらしい。例えば具体的に飛び散る血の量が多かったりエロネタが豊富だったりするらしい。でもさすがに英語で遊ぶ根性はないので、まずは日本版を購入した次第。もしクリアするほどやり込んだとしたら、その時点で改めて北米版の購入を検討すればいいやと思った次第だ。
で、まずは電源を入れてスタート、、、するはずが
「このソフトは本体を更新しないと起動できねぇんだよ!」
の表示が。つか更新するってファームウェア?つかそれ更新するとエミュとか出来なくなっちゃうの?こわいこわい。。。と思いつつそれじゃあこのゲームが始められないので、0.2秒ほどで諦めて更新することに決定。。。したものの更新の仕方がわからない!(マジで)つか360はこういうところがスゲェおざなりというかわかりづらいんだよな。ここだけはPSPのクロスメニューを見習って欲しいと思うぜ。
で、思案しつつも無事更新し、起動。つかオープニングは怖そうなのでスルー。つかこれからもっと怖そうなゲームをやろうってぇのにしょっぱなからスルーしてどうするって気もしないでもないけどまぁしょうがない。怖いんだから。
気付くとどうやら主人公らしい男がヘリにのって眼下を見下ろしている。こいつはフォトジャーナリストといういわゆるスクープを狙うカメラマンらしく、なんだかいかがわしい事態になってるらしいとある街に乗り込んできたというわけ。最初よくわからないと思いつつボーっと画面を見ていると、
「あいつ、歩き方おかしくねぇ?」
って感じの男が道路をノタノタと歩いている。いったいあいつは何物!!!!?っていうかゾンビに決まってるのだ。いくらなんでもこのゲームがゾンビのゲームだと知らずに買うヤツはいねぇ。っていうかもしそんなヤツがいるとしたらある意味そいつのがスゲェ。っていうかそういうヤツはきっとポケモンとFFの区別も付かないんだろうな。って書いててそれも幸せかもと思ったり。
視点を動かしつつそれっぽい被写体をカメラに納めていると、結構派手な爆発やら襲われて建物の屋上から飛び降りたりするやらのシーンが見える。まぁカメラに納めるわけだけど。
で、ほどなくしてヘリはとあるショッピングモールの屋上付近で「軍っぽい」ヘリにあおられ、運転手が「オレは帰る。3日後に気が向いたら来るよ」と言い残しつつ主人公を放り出して去っていく。
基本的に雰囲気はバイオに酷似している。操作はラジコンではなく行きたい方向だし、いつでも見たい方へ視点を向けることも出来るが、基本的にファイナルファイトのようにジャンプしてパンチして物を拾って
※この辺りはファイナルファイトというよりアンダーカバーコップスかな。
ゾンビを倒しつつ写真を撮り生存者を捜して事件の真相を探るバイオ。なんつかグラフィックの「手ざわり」が特にそう感じさせるのかも知れない。
このゲームのウリ、このゲームの何がそんなに凄くて新しいのかと問えば、それはもう単純明快に「グラフィックの質とゾンビの量」だと言っていいと思う。とにかく序盤からかなりの量のゾンビに出くわすし、実写とはいかないまでも登場人物のモデリングはかなりのレベルだと思う。
※強いて言えばアドベントチルドレン「じゃない方」のFFムービークラス?
使える武器も非常に多く、バケツなら相手の頭にかぶせたり、ゴルフクラブやホッケーのスティックなら玉を打ち込む飛び道具になる。1m以上のクマのぬいぐるみがどれほどの殺傷力があるかわからないが、フライパンを火であぶってなぐるのはさすがに痛そうだ。普通に銃や鉄パイプ、トンファーやサバイバルナイフなんかも出てくるし、ゴミ箱だレジだベンチだテレビだ棚だなんだも武器としてガンガン殴れるし投げることも出来る。まだ多くは出てきてないが、たぶん乗り物もいくつかあるだろう。
※ちなみにスケボーは出てきた。けど怖くてすぐ降りちゃったし。
レベルが上がると主人公の体力や所持できる武器(同時に使えるわけじゃない)、移動速度なども増える。特にスキルと呼ばれる体術、手刀やジャイアントスイング、跳び蹴りなどが増えていくのもなかなかのモチベーターだ。高レベルになれば武器など必要なくなるらしいし。
「PP」と呼ばれる経験値は、ゾンビを倒してもわずかしか上がらない。
※具体的に1万で次のレベルまで上がるとしたら、50匹倒すごとに500しかもらえない。
メインは登場人物を助けたり、よりドラマティックなよりバイオレンスなよりエロティックな写真をよりたくさんの被写体をより近くで写真に収めることで貯まっていく。と言っても僕はそういうことに気付きにくい体質なので(^^;、バカの一つ覚えのようにゾンビを倒しては死ぬ毎日を送っていたりするんだけどさ。
ゲームの舞台となるショッピングモールにはおしゃれをする為のショップも多数ある。ブレザーにスラックスという出で立ちが気に入らなければ、例えサイズの合わない子供服だろうとほとんど裸!?みたいな格好だろうと出来る(らしい)。が、ぶっちゃけ今の僕には目の前のゾンビがまだまだ恐怖の対象なので、そんな余裕はない。つか靴を履き替えるメリットって何?みたいな。
つか僕はGTAの経験がほとんどないのでこういう自由度の伸ばし方に対する免疫があまりないのだけど、正直それほど凄いとは思わなかった。
ここから唐突に私的感想に入るが、現時点での僕の評価はそれほど高くない。まず「いろんなもので攻撃出来る」というのが僕を驚かせるほどに至ってない。スポーツショップにディスプレイされているテニスのラケットは取ることが出来ないし、アンティークショップのウィンドウにある昔の武器は入手した時点で全てバトルアックスになってしまう。不自然なところに角材が置いてあったり、「使えそうな物」があまりにも露骨なのだ。
またゾンビの数は確かに多いが、それがキャパを超えている。要するに「ポリゴンが育成される瞬間が見えてしまっている」。いくら大量に表示させるためとはいえ、唐突に現れるゾンビや店頭の品物は正直言って大きく興を削ぐ。ハイスペックを謳うならこんな旧世代の悪しき演出は皆無にしてもらいたかった。「数千匹」が表示されることよりずっと僕には重要に思えたけどね。世界から阻害されるような印象はこういった箱庭ゲーではタブーだと思うし。
システム周りの表示も非常に不親切だ。もっと言えばフォントやアイコンが小さすぎる。我が家のテレビは29インチでD4ではないがD1接続だ。これはもちろんハイデフではないがコンポジットやS端子接続などと比べたら遙かに良質な接続方法なはずだし、29インチという大きさは16:9の画面比で言えば24インチ程度にはなるだろう。その状況で文字がつぶれているというのはどうしたものか。プレイヤー全てがハイデフ環境、40インチオーバーのワイド画面モニターでやってるとでも思っているのだろうか。バカか!?バカなのか?
「高精細表示が出来る」というのと「高精細でなければゲームにならない」というのは大違いだ。アイコンが「LT」なのか「RT」なのかも全く視認できないような表示に誰がGOサインを出したのか。
プレイ中に掛かってくる携帯もうるさい。電話に出れば武器が使えず、かつその表示は早送り出来ない。
※ちなみに自動送りのみなので、のんびり読んでると読み終わる前に飛ばされる。バカか!?
気持ちよくプレイするための気配りがまだまだ甘い。甘いと言うよりむしろ出来てない。これがカプコンではなく二流三流のメーカーならいざ知らず、雰囲気作りを優先した小さなフォントや瞬間最大風速的なポリゴンの使い方、プレイヤーの予想内に収まってしまう自由度の高さなど、「こけおどし」的な印象がかなり強かった。正直ゾンビのモデリングやその「瞬間最大風速」を記録した時のビジュアルはかなりのものがあるが、僕の価値観ではそれらによって欠点が全て補われるほどには至っていない。要するに「凄くない」タイトルだと思う。
※DSポケモンの凄さを10とするなら2くらい。
だが、これもある意味致し方ない感想なのかも知れない。僕は三国無双シリーズや戦国BASARA、鬼武者などの「ザクゲー」がちっとも楽しいと思えないのだ。要するに経験値が入らない雑魚は時間の無駄だと思うから。
※デッドライジングでも同様。人一人助けて20000もらえるのに同じだけゾンビ倒してもらうためには2000匹も掛かるんだぜ?
だからああいうバッサバッサと倒していくタイプのゲームが好きな最近の人なら、かなり印象は変わってくると思う。それにレベルが上がってしまえば初心者=来客に勧めるまたとない派手接待ゲーになることも間違いない。とにかく数は圧倒的だし、見た目には派手なのだ。
そんな現状だが、雑魚を倒すのではないにしても経験値を稼ぐ方法があるというのは好みなので、しばらく続ける予定。強くなれば感想も変わってくるかも知れないし、より強い楽しさが見えてくるかも知れない。念を押すが好きな人には猛烈に訴求する可能性は捨てきれない。僕の評価は★★★だが、
※あれほど書いたのに関わらずこの評価はある。
好きな人なら欠点を十分無視できる作品として満点になるだろうな。
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