※途中で★ネタバレ★記述があるまではネタバレありません。
家族が全員出払っていたので、仕事が終わってから最寄りのワーナーマイカルへ。8時40分から吹き替え版、9時10分から字幕版のレイトショーということだったけど、吹き替えは結構早く席が埋まってしまうので、もしそちらがご覧になりたい場合はお早めに、とのことだった。
コンビニでおにぎりとスポーツドリンクを買い、シネコンロビーに入ると驚くほど人がいる。言っちゃなんだが、僕が映画を観るって時にこれほど人がいた試しがない。さすがにこれほどのビッグタイトルそれも公開3日目、それもゴールデンウィーク真っただ中ましてやレイトショーとあっては、混まない方がおかしいとも言えるけど、目の前で席が満席になる瞬間というのは初めて見ましたよ。映画離れが叫ばれていたのも懐かしい話というか、いくら画質が綺麗になって大画面がご家庭に浸透してきたからと言って、映画には映画館でしか感ずることが出来ない魅力があると、今更ながらみんな気づいたってことなのかも知れない。
結局そんなわけで僕が見たのは字幕版。幸いにも吹き替えから埋まっていったことで、僕の席は上段最前列のセンターから右に3席目。全部で300席くらいのホールだったから6番目にいい席、パーセントで言えば上位2%に入るような席で見ることが出来た。つかまぁ最初から字幕にするつもりだったから問題ないけど。つかこんなことをダラダラ書く必要があるかどうかはわかんないけど。
予告は、
「舞妓はん」
また柴咲コウか!と言いたくなるほど人気だよなぁっていうかこの娘は何本同時に撮影してんだよってくらい映画やドラマで見かけるけど、普通に順番なのだろうか。歌も歌ってアルバムも出してるし、顔だってクセはあるけど悪い顔じゃないし、スタイルも悪かないと思うし、密かに今一番スーパーマンに近い女の子かと思うんだがどうか。強いて言えばCMにあんま出ないけど、さすがにそんなヒマはないんだろうな。つかプライベートとか何してるのか微妙に気にならなくもないな。映画の方は別に興味なし。宮藤勘九郎(字違うかも)?よく知らないし。たぶんテレビでやっても見ない映画だな。
「バイオハザード3」
何の映画の予告か最初全然わからなかったけど、「ミラ・ジョボビッチ」の名前で即わかった。っていうか彼女=バイオって図式はいいかどうかは別として最近あんましない「映画の顔」って感じ。だってみんなもスパイダーマンの役者がトビー・マグワイアだとか知らないでしょ?あ、知ってる?あそう・・・。まぁいいや。映画はとりあえず1から2にそれなりの移行をした作品なので、ちょっぴり見たいかも。でも怖そうなので家のテレビで十分かも。つか専門用語とかたくさん出てきたりすると疲れるので吹き替えでいいかも。秋公開だそうですよ。
「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」
「ハリーがキスしてるっ!」ってのが予告で一番の衝撃でした。つか相手は顔がよく見えなかったんだけどやっぱハーマイオニー?まぁエマは1作目が一番かわいくてだんだん魅力が薄れてきちゃった感はあるけど、みんながみんな大人になっていくのは仕方ないんだろうなぁって思う。でも既に原作小説だけのイメージじゃなくなってる=ダニエルたちのイメージがハリーのイメージというすり込みも大きいと思うから、原作者もある程度その方向で書いてたりもするのかなぁと思ったり。結構怖いシーンがあるから実を言うと子供はハリーポッターむしろ好きじゃないんだよね。テレビとかで明るくしていつでも逃げられるような環境なら別なんだけど、映画館に行きたいとは言わないだろうな。7月公開だそうで。
「ダイハード4.0」
正確にはスクリーン上の予告ではなく、入り口に置いてあったテレビモニターで流されてた予告。まぁすっかりハゲ上がってしまったブルース・ウィルスですけど、雰囲気そのものはなんつか「古き良きダイハード」な感じで、可もなく不可もないB級アクションの様相です。映画館に見に行くかと問われれば正直微妙かなぁという感じがしますが、テレビでやるなら絶対見たい。そんな感じの作品ですな。
「サーフズアップ」
ハッピーフィートの興行成績が良かったのかどうかわかりませんけど、
※つか制作期間から考えればほぼ同時進行だったと思われるけど。
またもCGのペンギン映画が世に出ることに。公開は夏、季節に併せてかサーフィンを題材にした作品のようで、リアルというよりはアニメ、カートゥーン寄りのデザインみたいです。絵的にはパイプラインをCGで再現出来てしまうということが、良くも悪くも映画らしいというか、迫力は出るけどスリルはないというか。とりあえずスルーですな。
「パイレーツオブカリビアン ワールドエンド」
シリーズ3作目はどうしてこう「最終話」的なにおいがするのかわかりませんけど、とりあえずファイナルっぽい海賊映画です。ネタは正直2を見ていない自分にはよくわかんないんですが、予告編を見た感想としては「キーラ・ナイトレイってもっと綺麗だとおもってた」って感じ。あと「シンドバッド7つの海の伝説」を彷彿とさせる展開だなぁという感じ。見てもいいけど別に興味はないという感じ。お金は掛かってそうなので嫌いじゃないけど、別に海賊はさほど好きでもないって感じ。つかそういう人結構多そうな気がするんだけど、僕だけかな。
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そんなこんなでようやく本編の話に流れていくわけですが、ネタバレを含めた感想を書く前に、皆さんにとってのスパイダーマンってどう?ということをまず問いかけたい。この場合は前作、前々作、もっと言えば東映特撮和製スパイダーマンや、監督サム・ライミの作品、マーヴルのマンガ版、
※死霊のはらわたとギフトが比較的有名?
でもいいのですが、僕にとっての劇場版スパイダーマンは、
とにかく暗い。っていうか黒い。
人間の陰の部分を描きつつ、SFXで派手な花火を打ち上げている、そんな印象です。なんつか「溜め」が濃い。ヒューマンドラマというかメッセージ性というか本来のコミック版スパイダーマンもそうだという噂を聞きましたから、別段間違っているわけではないのでしょうが、とにかく陰鬱な描写や展開が絶対的にある。最後には報われているような演出でごまかしてはいるものの、劇中の登場人物の多くに悩みや陰があり、当然といえば当然なのかもしれないけど、みんなが脳天気で幸せというわけじゃない。
でも僕はそれがどうにも嫌い。
初代スーパーマンが好きだったのは、その突き抜けたポジティブシンキングというか、あんまし悩みとか感じさせなかったから。強い。正義。それでいいじゃん、と。
昨今マーヴル出(もしくはアメコミ出)のヒーローを映画化した作品は非常に多い。僕が思い出せるだけでも、「スポーン」「ハルク」「デアデビル」「バットマンR」「スーパーマンR」「X-MEN」「ファンタスティック4」「ゴーストライダー」
※調べたら「ヘルボーイ」「イーオンフラックス」「Vフォーヴェンデッタ」もそうみたい?
メチャある。でも正直言ってほとんど暗い(明るいのはファンタスティック4くらい?)。オマエたちは藤子不二雄Aかっ!と言いたくなる陰の多さ。スーパーヒーローは苦悩して復習しなきゃダメなの?Mr.インクレディブルみたいな「ほぼ」ハッピーファミリーじゃダメなの?って感じ。つかスパイダーマン1とか2とかを好きな人は気持ちのいい戦闘シーンや移動シーン、スーパーパワーを使うシーン以外の苦悩や挫折の場面も繰り返し普通に再生するんでしょうか。自分は絶対2回目はとばします。っていうか1回目ですら家庭で見たときは飛ばしながら見そうなほどでした。
だから少なくとも僕の3の感想は、「サム・ライミのスパイダーマンはそういう映画」と認識した上で、それでもなお見に行ったということを最初にご理解頂きたいと思うわけです。
ちなみにじゃあなぜそんな「嫌いな」映画を見に行ったのか、ということになるのですが、それはもう僕が
お金が掛かった映画が好き
だからに他なりません。とにかく最新のVFXやSFX、スーパーコンピュータが何時間も何日も掛けて作り上げるようなCGが大好きなのです。とにかくお金を払ってみるからには、どこかで元が取りたいという気持ちがあるのか、気合いが欲しいわけです。聞けばこの映画は3億ドルも掛けて作ったのだとか。特にサンドマンにはその3分の1もの巨費が投じられているのだとか。
それは見なくては!それも映画館で見なくては!
という感じです。大きいことに意味がある映像は、大きいままで見ないと「もったいない」じゃないですか?映画公開が終了してからその「大きさ」を感じようと思ってもなかなか出来るもんじゃありません。僕も「ああこの映画は映画館で見るべきだったなぁ」という映画がなんと多いことか。
※逆に「映画館で見てよかったな!」ってのもあるけど。
僕は後悔しないためにスパイダーマン3を見に行ったのです。
あらすじ
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ニューヨーク。スパイダーマンとして市民から賛辞を浴びるピーター・パーカーに、ある日突然、謎の黒い液状生命体が取り憑き、その全身を黒く染めていく。黒いスパイダーマンとなったピーターは、そのスーツがもたらす新たなパワーに酔いしれるが、今まで感じることの無かった怒りを制御することができない。彼に何が起こったのか。心まで黒く染まってしまったのか。
慕っていたベン叔父さんを殺した犯人サンドマンへの復習。スパイダーマンを父の仇と信じ、ニュー・ゴブリンへと姿を変えた親友ハリー・オズボーンとの決闘。未来を誓い合った恋人メリー・ジェーンとの心のすれ違い。悲しき運命の連鎖が、彼を究極の闘いへと導く。さらに想像を絶する最凶の敵ヴェノムが、スパイダーマンと彼を愛するすべての者に襲いかかる。
そして、彼は「決意」する。
最後まで闘い、守り続けると...。
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まぁ映画を見たあとだと微妙にこのあらすじのアラに気付いたりもするわけですが、概ねこんな感じの内容です。とにかく今回の敵は3人。ニュー・ゴブリン、サンドマン、ヴェノム。とりあえず3人もの敵と戦うなら、僕の嫌いなネガティブ人物描写はそんなはないだろうと思っていたというのもあります。実際どうだったかに触れる前に、この映画をオススメ出来る人を書いておきましょう。
ズバリ前作、前々作が好きな人!
これに尽きます。1から10まで前作のノリだと思って間違いありません。具体的な感想はともかく、見終えた後の気持ちというか見てる最中もそうですが、とにかくそっくりそのまま同じ。だから前作が好きな人なら間違いなく今作も楽しめると思いますし、ある意味僕のように
好きな(派手なVFXの)シーンがあるなら、映画館で見ても損はない
という意味での「好き」も同義語です。とにかく贅沢過ぎるCGの使い方は間違いなく世界トップクラスですし、マトリックスも3作目の派手な演出が嫌いじゃないような人はネガティブな部分を押さえ込んででも見る価値を見いだせるでしょう。で、
実は子供にも結構オススメ。
なぜかというと、僕が嫌いな「黒い部分(黒いスパイダーマンってことじゃないよ、念のため)」は子供には見えにくいと思うわけです。なんつか耳をふさぎたくなるような→
※字幕なので目を閉じると全く何を言ってるかわからなくなるし、実際耳から入ってくるのは英語なのであまり耳を閉じる必要はないのだけど、僕は結構な時間両手で耳を押さえてました(^^;。目も薄目で開け閉めしてたり。どれだけ臆病者だよ(^^;;。
→演出も正直「わからなければ気にならない」と思うんです。要所要所に派手なシーンが織り込まれているし、さほど意識しなくてもなんとなくあらすじはわかるような「骨子はシンプル」な作りです。だから「スパイダーマンをヒーロー視出来る」ような子供なら、見に行ってもたぶん問題なく楽しめると思います。まぁ「字幕ではなく吹き替えじゃなきゃダメって年齢の子供」ってことですけど。
あ、これも書いておこう。スタッフロール後に別にエピローグはありません。ブラックアウトしたらさっさと退場して大丈夫です(^^;。
★★★ネタバレに入ります★★★
こっから先は「見るつもりがない」もしくは「もう見た」という方だけ読んでください。「見るつもりだったけど思わず読んじゃった」ってのだけは勘弁してください。
★★★ネタバレに入ります★★★
そんなにたいしたことを書いているわけじゃありません。むしろ細かな部分を突っ込んでるというか、賛否してるというか。そんな内容です。本音を言うと前半部分に書いた「スーパーヒーローは苦悩しなきゃダメなの?」ってのが僕の感想の全てであると言っても過言ではありません。でもそれは正直2でも1でも同じだったわけで、今作だけの感想ではないんですよね。
★★★ネタバレに入ります★★★
思いっきりぶっちゃけちゃいますよ!?これ読んで気分を害したら申し訳ないと思いますが、しょうがないです。そういう感想なんだもの。で、ぶっちゃけちゃいますと、
「期待通りの出来だった」
というのが感想です。「期待通り最悪」であり「期待通りの映像」でした。とにかく僕は再三ブログでも書いてきたつもりですが、頭の悪いヤツが大嫌いなので、ピーター・パーカーの挙動一つとっても、納得できない愚かな頭の悪い最悪な選択は、それだけで怒り心頭なのです。特に
インタビュアーであり知人である女の子に逆さ吊りからキスをする場面を彼女であるMJに見せる
という感性は理解を超えた愚行です。はっきり言って殺したくなりましたし、子供の「ヘドが出るぜ!テメエにはもう期待しねぇよっ!ケッ」とでも言いたげなリアクションに大きく同意したくらい。
他にもなんつか傷ついた彼女を気遣うことが出来ない頭の悪さや、液状生命体に浸食され、性格が変わってしまっている時の愚行の数々にもゲンナリ。
僕の好きなスパイダーマンはこんなんじゃない!
とまるで子供みたいな感想が出ちゃうほど嫌になりました。まぁ最後のスタッフロールまでの上映時間はたぶん2時間5分くらい?その中の4分の3まではそんな感じの「ムカつき」と「イラだち」が心を汚染していました。
ただ、そんな中でもさすがに戦闘シーンは派手でかつ凄まじい演出でしたね。「なぜクレーンが?」とか「下の人は大丈夫なの?」という至極当たり前な疑問は余裕で押さえ込めるくらい破壊関係は爽快で後腐れがありません。基本敵役がいろんな物を壊すわけですが、スパイディ本人も結構壊してます。でもそれはNO問題。ギャラリーは誰もがスパイディの味方で、上から何が落ちてこようと平気です。もう気持ちよく映像の波に流されて、破壊と爆発を楽しませてもらえました。
※でもカメラワークが不安定になったところはちょっとムッとしたかな。トラックに積まれた砂にサンドマンが紛れるシーン、警官を追うハンドカメラの映像がブレ過ぎ。臨場感とかそんなレベルじゃなくただ見づらいだけってのは愚かしい。別に長回しってほどでもないと思ったし、あそこはカットしろよって思った。
それが大体その4分の3の中の2割くらいかな。その2割のエサをよりどころになんとか他を食いつなぐわけです。実を言うと途中でマジ退出したいほどイヤな気持ちになりながら見ていた自分は、ですが。
しかし!
ラスト4分の1(正確にはもっと短かったかも知れないけど、楽しいシーンは短く感じるものだから実際そのくらいあったような気がする)は良かった。具体的に言うと、ハリー(親父をスパイディに殺されたと思いこんでいる親友)に執事が事の真相を話すシーンから、
っっっっっていうかオマエもっと早く教えてやれよぉぉぉぉぉぉ!!!!!!
って感じでしたけど。何つかみんなスゲェ苦悩してんだぜ。オマエ(執事)がもっと早く教えてやってればハリーだってあんなに人を憎んだりしなくてもよかったし、ピーターだってMJだって幸せだったんじゃねぇのかよぉぉぉ!!って思った。ある意味最も悪いヤツが執事であり、同時に最もいいヤツが執事でもある。とにかく彼が真実を語ってからは、
悩みが全て消えた
かのようなすがすがしい気持ちでスクリーンに向かうことが出来たから。
※実際には小さな悩みとかあるんだろうけどとりあえず一番デカい心の闇が消えたってことで。
それまで逆恨みされまくっていた親友が一緒に戦ってくれるラストシーンはまことに持って楽しく、幸せ。なんつか今にも死にそうなMJも全然心配したりしません。だって二人で戦ってるんだもの。少なくともピーターとMJは死ぬわけないじゃん!みたいな?つかもしDVD買ったりテレビを録画したりしたら、この執事が真実を明かしてからの場面ばっかりを見てしまいそう。っていうかそれ以外はほとんどVFXのシーンしか見なさそう。っていうかむしろこの映画はそれだけでいいやっていうかネガティブ演出を全面カットした「スパイダーマン3ディレクターズ大幅カット」版とか出たら(絶対出ないけど)むしろ欲しいみたいな。
他ちょっと気になったのは大家さんの娘さんはピーターのことが好きなのでしょうか。でも彼女からの電話をスゴクうれしそうに繋げたり、告白を楽しそうに見ていたりする仕草は別に偽ってるようにも見えないし・・・つかこの娘は身障者なの?いやまぁよくわかんないけど。
他にも気になった重箱の隅をもちっと書いていく。
ハリーに爆弾を投げつけたピーター。その爆弾は間違いなくハリーの真横で爆発したわけだけど、
巨大化したサンドマンの顔を半分えぐり取るほどの威力がある爆弾なのに、なんでハリーは顔に火傷負った程度で済んでるのか。っていうか絶対死んだと思った。つか胸に2本串刺しにされてなんでハリーはあれほど長く生きながらえることが出来たのかも疑問だし、もっと言うとMJに別れ話を強制出来る根拠が見えない。別に人質取られてるわけでもその時点でMJ自身がピーターのことを毛嫌いしてるわけでもないのに、なんで?他の誰にも寄生しようとしなかった液体生物がデビッドだっけ?あいつにだけ寄生したのもわからない。
でもまぁそんなこたぁどうでもいいか。とりあえずラストでサンドマンをそのまま逃がしたことで、次回作にパイプがつながった感はある。相変わらず報われない私生活のスパイディとMJだけど、個人的には悩みなんぞさっさとなくして一緒にさせてやって欲しい。っていうか監督が替わればそうなる可能性も出てくるのかなぁ。
悪い面もいい面も含めて、クリス評価★★★(6/10)ってところかな。
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