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2007年7月24日 (火)

グレンラガン~第17話&ほとんど関係ないドラえもんの話~

Gren17070723 正直な話見るのが怖かった。なんつかお気楽な子供でいられたこれまでとは全く違う世界と価値観が攻めてくるような気がしたから。大人になることで見えなくなるもの、失くしてしまうものをこの17話がむき出しの刃のように心に突き立ててくるような気がしたから。

予告でわかっているのは「7年後の世界」ということと「あなたは何もわかっていない」というサブタイトルくらい。でもって15話で張られた伏線は「100万匹のサルがこの地に満ちるとき月からなんちゃらかんちゃら・・・」。今までの流れからすれば、サルが100匹に達するのはまず間違いなくこの17話。何がどうしてどうなるのか全く予想も付かなかったのだが・・・。

ネタバレに入る前に少しタイトル通りの余談をしてみたい。皆さんはドラえもんにいつ頃最も接近遭遇しただろうか。まぁウチの読者様であればよもや声優が変わってからと言う人はいないとは思うけど、そのリアルタイムでドラえもんに熱くなっていた頃ってのは既にアニメもあったはず。僕が丁度小学1年になった頃映画第一作が放映されたくらいだから、ドラえもん=アニメのドラえもんという方の方が多いのではないかとも思う

 アニメって漫画と比べてどうだったか覚えてる?

話とか道具とかはまぁ原作通りだったし、主題歌や声優も最初から彼らだったからさほど抵抗もなく入ってきたと思うんだけど、ぶっちゃけ「絵」も全然抵抗がなかったことない?目の大きさや表情や等身や色遣いなどたぶん原作とは大なり小なり違うはずなんだけど、リアルタイムで少年向けアニメに接していた頃ってのは、よほどのコアな人以外

 漫画とアニメのビジュアル差はあまり感じなかったのでは?

子供の頃、それも物心付くか付かないかの小さな頃に描く車やお母さんの絵というのは、特徴がどうとか色や大きさがどうとか言うレベルじゃない。根拠も理由もなく「こうだから」というだけで絵はそれを意味する。単純な線や丸一つとってもそれは同様で、「歪んでいる意味がない」場合、見た目どんなにグニャグニャでも、それは直線であり曲線なのだ。

何が言いたいかというと、ドラえもんに限らず、絵と音と話それぞれに詳細なデータを拾いきれない頃であれば、その誤差の範囲は今より遙かに大きかったはずという話。逆に接触頻度が多ければ多いほどちょっとした違いに気付くようになり、最終的には藤本氏のドラえもんと安孫子氏のドラえもんの差すらわかるようになる。
※手塚治虫先生の話だけど、たぶん今の僕らが見てもそこそこわかるはず。

そうしてその誤差の範囲内に収まってアニメを見ているときというのは、実はとても幸せなんじゃないかという話。何が面白くて何がつまらなくさせるのか、そのきっかけが「絵」であるというのは、アニメとしてそれほど大事なことなのかなぁと最近ふと思ったわけさ。

 グレンラガンの絵にあまりにこだわってしまう自分を鑑みて。

4話の質が悪いという話がひとしきりもりあがったのも早数ヶ月前の話なんだけど、ぶっちゃけ声優や脚本には大差ないわけで、もし漠然とテレビ放送を(録画したものではなく、一回こっきりのものとして)見た場合、自分それほど気にしたかなぁと思ったわけさ。子供の時じゃなく今も。

僕たちが今カリオストロを見てもそのクオリティは絶大で、重箱の隅をいくらつつこうにもアラは見えてこない。それだけクリエイターのこだわり、品質管理、才能があふれていたからではあるんだけど、子供の時から好きだったこの作品は、子供の時からそんなディティールを見ていたワケじゃない。

 要は面白いか面白くないか

それだけが重要で、全てだったんじゃないか。それだけを見つめ続けていることが一番幸せなことなんじゃないか。

よほど特殊な環境でない限り、一度摂取したコンテンツを再度同じ鮮度で楽しむことは難しい。例えそれが初めてのものであっても、(ことゲームに関しては特に)前世代の作品を今の感性で新鮮に感じることはほとんど不可能だ。だから僕らのように黎明期から順番に楽しんでくることが出来た世代というのは幸か不幸かと言えば間違いなく前者だったと思う。今ファミコンソフトを楽しめるかどうかと問われたとき、リアルタイムで経験していたからこそ「あのグラフィックに馴染みと懐かしさと愛情」を注ぐことが出来る面があるはずだ。ドット絵の方がポリゴンより好きだと今でも言える自分がいるのは、決して偽りではない。

 じゃあアニメはどうか。

誤差を吸収しつつ楽しむコツを理解した上で覚え実行してきていれば、もっと楽しめる作品は増えたのではないか。やれ作画が悪いやれ声優がズタボロだと言う前に、やれIGの作品は肌に合わないやれ押井守は昔のがよかったと言う前に、もっと上手く向き合い楽しさや面白さを拾い上げる技術を磨いていたら、もっともっとアニメは楽しいものになっていたのではないか。

 グレンラガン17話はそんなことを感じたりもした。

絵的なクオリティ、話の展開、急展開するシーケンスなど純粋に「質」を問うのならこの回は決して低いものではない。主題歌も歌詞が変わり(2番に)エンディングも曲ごと変わり、ここから怒濤のラストへひた走る準備を全て整えたと言わんばかりの覇気を感じる。

でも僕は何か楽しんでない。映画ではサスペンスのドロリとした憎悪も平気なのに、アニメや漫画ではどうにも好きになれない。いきなりの展開にワクワクしても不思議はないはずなのに、これだけハイクオリティにまとまっているのに、何か居心地の悪さを感じてしまう。こいつはハチャメチャでドタバタでガンガンに盛り上がる作品ではなかったのか。

僕は中2の頃まで「狂ってる」と言っても過言ではないほどアニメや漫画が好きだった。同時間帯でかぶってる作品は当然のように片方をビデオで撮りつつもう片方を見ていたし、特に好きな作品は当時かなり高価だったのも関わらずお小遣いを費やして全話録画したりもしていた。でもある時フッと温度が下がり、
※確かZガンダムの中盤くらいだったと思う。
以降エヴァまでのアニメにはほとんど触れない時間を過ごす。そしてエヴァも最初は「スゲェ」と感嘆の叫びを上げ猛烈に入れ込むが、終盤のドロリとした展開に耐えられず、離れてしまう。

アニメだけが僕の嗜好を形作ったわけではないから、それは当然なのかも知れないが、なんか凄くもったいなくて仕方ない気になってくる。

あんなに日本中を熱くしたエヴァや昨今のジブリ作品に心がときめかないのだ。グレンラガンだってきっとこの17話を「うぉぉっぉ!」とか思ってみてる人がいると思うのだ。その深さが軽かろうと重かろうと。

同じ物を食べるでもより美味しいと思えた方が幸せに決まってる。食べられる方もより美味しいと思ってくれる人に食べて貰いたいに違いない。アニメも同様。同じ30分を過ごすなら、より楽しい30分が過ごしたいのは当たり前。上手く楽しめる為に、必要な技術を磨くことは出来ないものか。

 ピカソの絵を見て感動できるようになるにはどうしたらいいの?

人生は限りがある。時間の使われ方もどんどんシビアになっていくはずだ。こういうノウハウは今後もっと注目される気がする。ただ正解を知るものがいない気がするのも事実なんだけどさ。

★ちょっとだけネタバレ感想★

Gren070724 ロシウにマッドサイエンティストの素質があるとは思わなかったけど、三人娘の一人とくっつくというのはちょっと嬉しいかも。オコチャマ二人が「次世代」を担う戦士に育っていたのは予測可能ではあっても予想しそこねていたので思わずニヤリ。量産型グレンラガンのディティールがよくわらかなかったけど、オリジナルグレンラガンも7年経って少しいじられてる気もしないでもない。つかやっぱ「ギガドリルブレイク」でしたね(^^:。ニアがあんなんなっちゃったのは獣人じゃないから?っていうかニアって何者?まぁここまで暗くしちゃっても最後には1話の最初のテンションに戻ることが約束されている分気が楽と言えば気が楽なんだけど、やっぱシモンには幸せになって欲しいなぁというかヨーコはやっぱ出てっちゃったのね。でもなんか終盤の超美味しいところで返り咲きそうな期待もあったりする。つかロシウってジャイアントロボの幻夜みたい?突っ込みどころとしては100万人まであとどれくらいか全くわからないような状況で地下の連中を強引に地上に引きずり出すというロシウの発想は甘い気がした。でもあそこは「ロシウの悪さ」を育てる為に不可欠だったんだろうな。ということはロシウはシモンに殺される?ロシウといい仲になっちゃったメガネっ子はシモンに恨みを!?その時兄貴は何を・・・。つか名前覚えてるヤツと忘れてるヤツの差が激しいよオレは。今回は期待の割に暗かったので★★★というところかな。

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コメント

謎が謎を呼ぶ展開になってきましたね。
道理を勢いでうち破るアニメというご認識から違和感を感じられたというのは、納得できますね。自分は「来週も見ねば!」と勇んだクチですが、捻りすぎて分かりにくい方向に転ばないかという不安はあります。大風呂敷を広げるだけ広げて畳まない話は、アニメでもマンガでも小説でもダメですので、自分。

でもシモンが7才歳をとっても、人間的にあまり変わらないヤツだったのはホッとしましたよ。少しくらい慢心してイヤなヤツになっているんじゃないかなと予想していましたので。対して、ロシウはこれまで目立たなかったのに、悪役のようで、ちょっと不遇な気が(^^;。

実は今回のお話で一番気に入ったのは、OPだったりします。カミナが映るところの歌詞が「どんぴしゃ」の内容で、ちょっと泣けてしまったんですよね~(^^)。

なんにせよ、次回に期待、であります。

投稿: トムニャット | 2007年7月25日 (水) 22時56分

昨夜から今朝に掛けて背中の日焼けがハンパねぇクリスですども。つか日焼け止めを塗らない事自体は毎年のことですが、ここまで一点集中で焼いたのは初めてで、何事もヤリスギはいかんなぁと思った次第。

>畳まない話

全く。でもコレの場合は既に1話からある程度先のビジョンを出している分、そこまでの道筋は出来ていると期待はします。っていうか毎回こんなだとツライばっかしで楽しみではなくなりそうな自分もいたり・・・。でも「嫌なヤツ(≠悪いヤツ)」がいないのはイイとも思ったり。つか

 カミナとか復活したりしないかな

とも思ったり。あり得ない無茶と思いつつ、グレンラガンならやりかねないとも思ったりする次第です。

余談ですが、「史上最強の弟子ケンイチ」、トムニャットさんが読んでると聞いて僕も買ってみました。

 うん悪くない。

個人的に手放しで熱く大笑い出来たのは最初の5冊くらいでしたが、いやいやどうしてオーソドックスかつハイクオリティなスポ根ですね。っていうかテイスト的には「焼きたてじゃぱん」のような雰囲気もかなりありますが、最近楽しみの漫画が少なかっただけに嬉しい収穫でした。ありがとうございました(^^)。

投稿: クリス | 2007年7月26日 (木) 08時38分

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