シューティングゲームの話の前の話
何となくシューティングゲーム(以下STG)の話がしたいと思って1週間くらい前からちょこちょこと書いていたのだけど、やはり記憶だけを頼りに書くとその内容は甚だ薄くなる。っていうか読み返してみて気恥ずかしくなるほどに、
知ったかぶり
な内容に辟易としてしまう。実際経験してはいるので、完全な「知ったか」ではないのだけど、それでも全くそのゲームをプレイせずに書かれたものなんじゃないか?と疑いのまなざしを投げかけるにやぶさかでない。
そこでいくつか「特にそのケの強いもの」を改めてプレイし直してみることにし、いかがわしさを軽減することにした。
そうするとこれが面白いこと。今までも面白いと思っていたけど、今更ながらやっぱり面白い。っていうか中には「これまで思っていた面白さ以上に面白さを感じる」ような作品すらあったりする。要するに僕が歳を取り、耐久力が低くなって昔ほどアグレッシブに作品と向かい合えなくなったからこそ見えるようになった楽しさがあったりする。ぶっちゃけ簡単な作品が楽しかったりする。
今僕らがプレイ可能な現行ハードは、特定のダウンロードタイトルを除くとニンテンドーDSの「ニンテンドー64クラス」のスペックが最もローエイドで、当然画面の解像度も細かく、色数は無制限、キャラクターが表示の限界を超えチラついたりすることはない。容量だってブルードラゴンのようにDVD3枚組なんてものまであったりする。
しかし、じゃあそれはファミコンの256キロビットロムのゲームの85万倍(<容量比)楽しいかと言えばそんなことは全くないのだ。
弾を撃って敵を倒し、弾を避けて先に進める
というのは非常にシンプルだ。攻撃が当たらない場所にいさえすれば自分は死ぬことはないし、デジタルの方向入力はとても素直に操作を画面に反映してくれる。瞬間の判断力が問われることも多いが、結果は割と残酷かつストレートで、それ故に得られる没入感、達成感がある。
未来創造堂でとりあげられた元タイトーの西角さんが作ったインベーダーの話があった。開発直後のプレゼンでオペレーターを前にいくつかのタイトルをPRする上司たち。ブロック崩しに負けないように、それでいて100円で楽しめるように作られたその他の品はルールもわかりやすく、初心者でも最初からそこそこ楽しめる。西角のインベーダーは開始10秒ほどでゲームオーバーになり、
「こんなに難しいゲーム売れるはずがない!」
と苦言を呈される。しかし西角は「簡単にはしたくない」と押し切り、結果「達成感」という大きな追い風を背にインベーダーは大ヒットを収めることになる。
今僕が歳を取り、難しいゲームについて行けなくなっていると感じることがままある。確かにSTGでも斑鳩やケイブのようにとてもクリアはままならない難度のものがほとんどで、だからこそ距離を置いてしまうということも十分わかる。
しかし、昨日でも軽い気持ちでプレイしたファミコンのSTGは序盤こそメリハリの薄い展開だったが、終盤の攻防は決してヌルいものではなかった。ゲームオーバーになっても経験値が残ってレベルが継続されるわけじゃない。コンティニューはあっても基本は丸裸からのスタートであるにも関わらずだ。
何で面白いんだろう
最近のPS2やWiiのタイトルがなんで面白くないんだろう。
難しいのは「難しいことがわかる難しさ」とそうじゃない難しさがある気がした。敵がたくさん出て弾が大量に撃たれたらそりゃ難しいさ。普通に死ぬし。でもこの画面で自分が何をしたらいいかわからないという難しさは「難しいことに納得しづらい」。一度にたくさんのボタンを操作させるゲームの場合、一瞬どのボタンを押せばいいのかとまどう。そして画面内の僕の分身はダメージを受ける。
インベーダーがヒットしたのは難しいからかも知れないが、わかりづらかったからじゃないはずだ。
僕はダラダラと遊ぶゲームが好きだ。でもSTGも好きだ。共通点はないと思ってたけど、どうやらそうじゃない。僕は「ルールを理解した上で遊びたい」んだ。そしてそのルールはわかりやすい方がいい。何が面白いのか、何が嬉しいのか。ドラクエやマリオ、ポケモンが人気なのはどれも同じ理由なんじゃないかと思った。ただSTGがそれに乗れなかったのは、「難しさと楽しさを繋ぐ糸」を一回バッサリと切ってしまったからだろうな。ぶっちゃけグラIII辺りかな(^^;。
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