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2007年10月11日 (木)

日本製の衣類

mixiでトムニャットさんが中国製を気になさってたので、ソレについて少々衣料品小売店店長としての見解を述べたいと思う。つかぶっちゃけ生活環境と行きつけの店、およびオサイフに締める衣料品コストの割合などから、誰彼構わず参考になるという話ではないことを最初に断っておきたい。とりあえず「ブランドしか着ない」とか「靴下は安売りの3足1000円」という人には全く参考にならない。なぜならウチの店ではいわゆるブランドと呼べるような服は一切扱っていないし、3足1000円の靴下が事実上一番高い価格帯に属する程度の店だからだ。

っとまぁ前置きはこれくらいにして、まず僕の知識の範囲内で、日本製と中国製の違いをいくつか箇条書きにしてみる。知ってることもあるだろうし、僕より詳しい人もいるだろうけど、まずは軽く目を通してくれたまい。

・中国製は人件費が安い
 →給料のベースが安い
  →モチベーションも低い
   →よくさぼる
    →管理が甘く品質にムラが出来やすい
     →高品質を維持することが出来ない

  しかし、

 →管理者が日本人で徹底した品質管理にコストを掛けている
  →さぼれない
   →品質が安定し、結果的に給料も高くなる
    →価格がそれほど安くならない

 ということもありえる。織機など最新のものを導入し、国内以上に機械にはお金を掛けるケースも少なくない。肌着のトップメーカーであるグンゼなどは、海外生産品であっても、後者のような管理の徹底で日本製に匹敵するクオリティのラインナップを揃えていたりする。

 「基本コストが掛かってるものは品がいい」

と考えて間違いない。生産国うんぬんもそうだけど、作り手のモチベーションや風土、慣習などが案外重要だってこと。ベトナム製だとかタイ製だとかあるけど、意外と日本製並のものも少なくない。

・日本製がいいのは素材
 →特にゴム。ウエストに使われるゴムは国内製品の質が明らかにいい。
  →中国製品はすぐダラダラになってしまう。
   →衣類だけじゃなく、スリッパやサンダルなどに使われるゴム系の樹脂ボンドにも同じようなことが言えたりする。
    →高温多湿に弱かったりする。
     →洗濯に対する耐久力とか。
      →肌着・靴下・パジャマは特に日本製がオススメなのだ。

・縫製について
 →これも一つめのコストと同じことが言える。
  →国内の方が総じて安定している
   →言い換えればチェック機構が厳しい
    →海外製はキズや縫製不良があってもあまりそれが除かれなかったりする
     →国内メーカーでもその基準はマチマチで、A社が落とすキズをB社は気にせず出荷するというケースが多々ある。
      →当然それもコストに跳ね返る。

  とりあえず目で見て安定していると思える仕上がりであれば、それで問題ない気がする。裏地を見て縫い終わりの処理が綺麗だとかそう言うヤツね。

・パッケージは侮れない
 →(ちょっと裏技だけど)製品パッケージにコストを掛けるかどうかはメーカー次第
  →商品に自信があり、センスがあるところはパッケージも気合いが入る
   →同じ中国製でもタグやパッケージが良いものは品も総じて良い。
    →最も手っ取り早い判別方法は、「フォント」
     →単純なゴシックしか使われていないのは最低で、時には誤植もある。いい物はPCにデフォルトでは入ってないようなデザインで仕上げている。これは国内のデザイナーや海外在中でもそれなりにコストを掛けないと出来ない部分なので、簡単だが結構な目安になると思う。もちろん例外はあると思うけど。

・B品も侮れない(別の意味で)
 →B品とは「少々難あり品」のこと。ちなみにC品は「とんでもない難あり品」
  →国内メーカーのB品の場合は、商品のタグやネームが切られていることも多いが、その分、質も悪くない。
   →しかし海外製品のB品は、強烈なものも多い。
    →右左のズボンの丈が違ったり、ポケットが縫いつけてあったり、カビてたり臭かったりする。
     →いわゆる「訳あり特価」は生産国に「より」注意する必要があるかも。

・アメリカ製について
 →ウチの店では一部のTシャツくらいしか扱ってないけど、基本、サイズが大きめ。生地も厚め。
  →よく「しっかりしてる」と称される品物があるが、生地が厚いだけでアメリカ製をそう判断する人も多い。
   →でも実際は厚ければ暑いわけで、乾きも悪くなりがち。綿100%のTシャツは手触りもあるから全面的に否定するってことはないんだけど、きちんと自分の用途に応じて判断した方がいいと思う。
    →質に関しては割とアバウト。中国製よりよく見られがちだけど、実際はそんなことはないと「僕は」思う。
     →ただ中国製は油断すると日本製より一回りサイズ小さく作る「せこさ」があるので、その点ではアメリカの方が安心かも。

・船
 →中国製の多くは船便
  →天然素材、例えば綿やそばがら枕などは衛生面で不安が残ることも・・・。
   →言い換えれば石油製品、ポリエステル100%の品物なんかは、さほど気にしなくてもいい気もする。
    →その意味でも肌着靴下パジャマよりアウターの方が中国製品の活躍の場は多いと思う。
     →でも僕の単なる思いこみかも(弱気)

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まぁ中途半端な知識ですから、あまりあてにならなかったかなとちと反省もしていますが、とりあえずみなさんが思ってる以上に中国製品のシェア率は高いと思います。実際僕のテリトリーの繊維業界では6割以上が中国からの輸入という問屋が多いですし、日本製よりも数が多い分だけ良いモノと悪いモノの差も大きい感じ。

とりあえず触ってみて、出来たら着てみて判断するのが一番だと思います。ブランド物でも中国で作ってるものだってありますし、要はどこで作ってるかではなく、誰が作ってるか、どんな人がどんな気持ちで作っているかだと思いますよ(^^)。

余談ですが、僕の親しくさせていただいてる問屋さんが中国に行く時の最大の目的は、

 さぼってないかチェックする。
 →品質が落ちていないか目を光らせる

だそうです。高くて良いものを作らせようとすれば、たぶん中国だろうとインドネシアだろうと出来るんですよ。要するに「安く作らせる」から質が下がる。ヘタな話、国内で時給300円で作れって言われたら、中国より遙かに悪いものが出来上がってくるのは想像に難くありませんからね。

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