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2008年3月20日 (木)

卒業式

※実際の卒業式とは無関係ですがBGMにどぞ↓
「aogebatoutoshi.mp3」をダウンロード

今日は長男の卒業式だった。いつもよりちょっぴり早く起き、着慣れない背広に手を通す。小雨まじりであいにくの天候だったけど、想い出に天気はあんまし関係ない気もする。

かみさんの運転する車で子供と学校に着き、校門で記念写真をパチリ。今日が最後なんだなぁなんて感傷は小学生の時には僕自身なかったし、周りの子供達も涙とかは当然のように無縁。まぁこれが中学高校と上がる課程でちょっとずつ今まで見えなかった繋がりの重さが見えるようになってきて、ちょっぴりホロッと来たりするようになる。

会場の体育館はまだ閑散としていて写真を撮るのにはかなりいい場所に陣取ることが出来た。学校によって違うとは思うけど、今のこの学校はフロアのセンターにちょっとだけ高くなったスペースが用意され、親御さんから生徒の顔が見えるように配置されていた。それを挟むような感じで在校生と卒業生を配置する関係上、同時に歌う時の指揮者に違和感があったりもするが、ここは仕方のないところなんだろう。

卒業生は100人ほど。そのうち男親も来ていたのは30人くらいかな。幼稚園の時のような「泣き」のムードはほとんどなく、式は淡々と進行していく。強いて言えば校長先生が長男達とともに校長に就任し、長男達とともに定年を迎えるということでややウルってたくらい。

証書の授与も終わり、式は「別れの言葉」に。在校生と卒業生が歌を交えて6年を振り返る・・・。

 泣けはしない。

泣けはしないが、メチャいい。曲は最後に歌ったコブクロの「君という名の翼」を除いて全て知らない曲だったが、どれも卒業式にピッタリの旋律で、何より小学5年と6年という声変わり前の男子と女子によるハーモニーが猛烈に染み入る。会場に早く入ったために少しだけ触れることとなった在校生のリハーサルの時とは大違いで、みんなのまなざしと張りつめた空気を震えさせる心地よいメロディが、それまで少しボヤけていた「卒業」を明確に浮き彫りにする。

僕は長男の卒園式に猛烈に泣いた。そしてこの感動を保存しておかなかった(正確には保存するための準備をしてこなかった)ことを悔い、長女の時は「想い出のアルバム」を撮った。しかし、実際はカメラの重さやアングル、フォーカスにばかり気持ちがそがれてしまい、何より大切な気持ちのシンクロが甘くなってしまった。卒業式は一生の間でそうあるもんじゃない。想い出はメディアに保存する前に、ハートに焼き付けるべきだったのだ。

しかし今になって振り返ると、やはり録音しておけばよかったなぁと後悔しきりだったりもするんだよね。ほとほと人ってのはわがままで贅沢な生き物だ。

式が終わり教室に戻る。ざわつく中先生に「みんな一緒の写真を撮らせて欲しい」とリクエスト。この時間は各教室思い思いの過ごし方をする。終始先生の話で終わるところもあれば、みんなで歌を歌うところもある。誰にもとがめられることなく最後の時を過ごせる大切な時間だが、何とかその大切な時間を分けてもらって、「モノ」として想い出を残したかった。僕自身同じ小学校で、今はもう古びてしまった僕らの時には出来たばかりだったアスレチックに登ってみんなで撮った卒業写真、みんなが笑顔でみんなが好きだったクラスの想い出の一枚が大好きだったのだ。

ざわつきが収まらず、今ひとつみんなの気持ちが甘い。僕は思わず声を張り上げ、「みんなこっち向け!」。あとから聞いたら長男曰く「父ちゃんの声がバリバリ一番だった」。そりゃそうだ。誰のためでもない僕のため、僕がみんなの写真を撮りたかったんだもの。
いざみんなが並ぶと、お母様方もかなりの乗り気で、娘や息子に声を掛け、テンションが上がっていくのを感じる。しんみりとした切なさも卒業式の風情だが、こうした盛り上がりもまた欠かせない。
※学校指定のカメラ屋が僕らだけのクラス写真を嬉々として撮っていたのも印象的だった。そりゃ気合いも入るだろう。クラス単位でオフィシャルじゃない卒業写真なんて、そうそう撮れるもんじゃないもの。

080319graduation_3 ←これがその写真。ピクセル的には5メガだからそう大した画質じゃないんだけど、それでもほとんどの子が笑顔で、色調的にもとてもイイ感じに撮れたと我ながら思う(右クリックで対象を保存してから見るのがオススメです)。時を経て、まだその時このブログが残っていたとしたら、大きくなったクラスメート達と酒の肴にでもなればいいなって思う。息子よ、卒業おめでとう。

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コメント

 息子さん、ご卒業おめでとうございます。
 懐かしいですね。
 私もその頃のことを思い出しました。
 私の場合、卒業アルバムを渡しあってそれぞれにメッセージを書きあってました。
 中学に行っても友達で~的なのが多かったですが、中には個性的なのもあって楽しかったですね。
 今思い出しても心がほっとあったまります。

 私が親になったらどうするでしょうね?

 やっぱりビデオとかに録画して保存しておきたいと思うでしょうか?
 そのときになってみないとわかりませんが、私はあまりそういうメディアに録画するのが嫌いなほう。
 そういうのはいつか色褪せ、美化されるのが良いもの。
 記録として再生できるから、というのはあんまり好きになれないんですよね。
 ハルちゃんは昔、そういうのを色々ビデオに録画されたのを両親が見ているのが、なんか恥ずかしすぎてイヤだったらしく、同じくメディアに保存するのはイヤなほうなんですよね。

 私もそういや高校野球での試合風景、録画したやつがあったと思うけど、あんまり再生したいと思わないし、見て欲しくない気もするし。

 まぁ写真はまだいいかな、とか思うんですけど。
 つか、最後にアップされた写真は最高ですね。
 数えてみましたがクラス全員で32人ですか?
 私らのクラスは田舎でしたから、十数人しかいなかったんですよね。
 こんなにもいると賑やかですね。
 ちょっとうらやましいです。
 中学生になってもこんな風に笑って卒業できる生活を送れるよう、息子さんに過ごしてもらえたら良いですね。

投稿: BlueTasu | 2008年3月20日 (木) 02時26分

どもですBlue_Tasuさん、クリスです。コメント超ありがとうございます(^^。
今回の卒業式の話および写真&今日アップした「旅立ちの日に」の話は、自己満足の塊である一方で、自分の子供の卒業式だから「ではない」卒業式の持つ良さみたいなものを何とか伝えたい、写真でもホントに自分でも最高だと思うんですよ。僕がこのクラスにもしいたとしたら、この写真が宝物になったかもしれない、何年か経ったあとでも、「○○のオヤジさんが撮った写真はよかったよねぇ」なんて言ってもらえるかも知れない。そんな気持ちさえする「いい笑顔たち」・・・。
※ただあとからわかったことなんですが、ひとりだけ写ってない子がいたんですよねぇ。別に仲が悪いとか性格に難があるとかじゃなくて、ってむしろ卒業式の時に指揮者をやるくらいの子だったらしいのですが、、、だからこのクラスは32人(写ってるのは31人)。メチャ残念です。トイレにでも行ってたのかなぁ・・。

とにかくこの写真の「最高さ」が伝わってくれたことに感謝なのですよ(^^)。

動画に関しては正直否定的ですね。とにかくまず拘束される要素が多い。メディアは大きく、時間も取られるし、耳も目も縛られる。気軽じゃないのはゲーム同様ダメな気がします。それに何より

 演出しきれない。

これが凄く重要です。僕が写真を撮るのは、「瞬間で済む」からなんですよね。笑顔にするのは一瞬でいい。実際レゴとかゲームとかの写真でもブログに載せた数倍、ヘタしたら数十倍の枚数を撮った中から選りすぐるんですが、動画ではそういうわけにはいきませんよね?だから相対的に質が悪くなる。それがダメじゃない場合もあるとは思うのですが、あとから見返す気になるかどうかの重要なポイントはやはり完成度だと思うのです。超マメにいい場面だけを編集するのが趣味だったりすればきっと違うとは思いますが、、、まぁ僕ら(Blue_Tasuさんもだと想像しつつ(^^;)には無理でしょう?

でも写真はいいですよ。とにかく1枚でもいいんです。「刻むに値するものが撮れれば」。それは歳を経ても色あせない。最高の自分は時が経っても最高なんです。ハルちゃんが恥ずかしくてイヤなのは、最高じゃないからですよ。もしそれが自分が大好きな頃の大好きな顔の、大好きな服を着ていた大好きな場所で撮ったモノだったら、絶対イヤじゃないと思う。それが動画ではほとんど無理だって話なのです。

ちなみに僕の時は小学校で43人くらいいた気がします(^^;。もっとにぎやかでしたね。僕の名簿が23番だったから、男子だけでもBlue_Tasuさんのクラスより多かったってことになっちゃいますね(^^。

PS.もしよかったら今日の「旅立ちの日に」の感想も(忌憚なく)お聞かせ願えたら、と思います。Blue_Tasuさんの世代だったら、既にこの曲が出回っていた頃じゃないかなぁとか思うので。

投稿: クリス | 2008年3月21日 (金) 01時43分

最近写真の力を見直しつつあるトムニャットです。

お子さんが立派に卒業されて、新しい一歩を踏み出される。父親にとっては、きっとたまらない感激なのでしょうね(^^)。おめでとうございます!!

写真は絶対に残しておいた方がいいと思います。お子さん当人にとって、というのもありますが、やはりクリスさんご本人にとっても。我が家を基準に考えるのはヘンですが、母曰く、「全然トムニャットの子供時代の写真を残していなくて、可哀想なことをした」だそうで(^^;。親が後悔するくらいなら、自分から撮ってもらえばよかったのかな、と。

また、私は基本的にイマイチなルックスですから、子どもの時はそんなものは要らなかったのですが、今は「なければないで、ちょっと寂しいような?」気はしますね。

まあ、このクリスさんの勢いならば、そんな後悔はあり得なさそうですね(^^)!今後もどんどんカメラマンをやってくださいませ~。

投稿: トムニャット | 2008年3月22日 (土) 03時07分

さっそく写真見ました。
とってもいい写真ですね!
即保存しました~。
ありがとうございました。

              クラスメートより

投稿: さっきのお客 | 2008年3月22日 (土) 10時44分

ちすトムニャットさん、コメント超感謝です「さっきのお客」さん(^^。
※トムニャットさんのコメントに感謝してないわけじゃないんですよ念のため。

>トムニャットさん

まぁ立派かどうかはともかく、卒業は大概ほっといてもしますからね(^^;。僕が感激したのは、みんなが気持ちを一つにした歌と、出来のいい卒業写真が撮れたことですね。っていうか、僕は僕が大好きなので、僕が楽しめた卒業式を味わわせてくれた長男に感謝してるっていうのが実は正確なところなのかも(汗。でもって長男もまた僕の撮った写真を見て「うちの父ちゃんはこういうの好きだなぁ、ま、僕も嫌いじゃないけどね」って思ってもらえたらそれでいいみたいな感じです(^^。

写真はね、正直僕が小学生の時とかの写真はほとんどどうでもいいんです。ただ、自分が好きだった子の写真は凄く欲しかったというか、そんなのそうそうないんですよ。実際問題。でも何枚か集合写真や、例えば中学の時一緒に遊んだ時の写真とかがあって、それが本気で宝物みたいな感じになってたんですよ。だから子供にも「その為の写真」としてクラスみんなが写ってる、それもいい笑顔で写ってる写真を撮ってやりたかった。

でも、実際撮ってみるとそれは子供のためじゃなくて、その頃の自分のためだったってことに気付くんです。当たり前の話僕はこの中にいないんだけど、笑顔だけは生きてるじゃないですか。僕がここにいて、その当時のクラスメートがみんな笑顔で写ってたら、それはもう僕の写真になる。それが見えるんですよ、この写真から。だから僕はこの写真が凄く好き。でもって子供もきっと数年してそういう感覚がわかる時が来るって思う。

なんだかよくわからないですね(^^;。とにかく後悔は少なめですよ、僕の人生は(^^)。明日は子供のクラスメートの親に電話でもしようかと思ってるくらいです。
※少しでも多くの人に見て欲しいので(なんつー迷惑な自己満足だよ(^^;。

>さっきのお客さん

見てもらえてホント~に嬉しいです(^^)。つかこの返事は読まれてないかもしれませんが、それでも嬉しい。素直に「とってもいい写真」って言われてありがとうって言っちゃいます(^^)。「いい写真でしょ!」とか言っちゃう。

女の子は中学上がると「かっこいい部活の先輩」を中心に世界が回るようになると思うので、小学校の写真を楽しめるのはこの春休みの間だけなんじゃないかと思いますが、個人的には「一生モノ」の一枚だと思っています。機会があったらお友達にも紹介して下さると嬉しいです。女子は特に「いい顔」で撮れてると思いますし(^^。その時はぜひ「一言書き込んで」と付け加えて下さいね(^^。
※3月19日ではなく20日でしたね(汗。ごめんなさい。でも21日の「旅立ちの日に」も結構よさげだと思うのですが、、、まぁそれはいっか。

投稿: クリス | 2008年3月22日 (土) 22時55分

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