16ブロック
最近ちょこちょこと映画監督について書いている。つかまぁ毎日書いてるわけでもないし、別に凄い事を書いてるわけでもない。ただ知ってる監督を羅列してその作品についてうだうだ言いたいことを書いているだけ。
最近は便利な世の中なので、そんな時ウィキペディアをちょちょっと覗けば大抵のことはわかる。「あの作品の監督は誰だったのかな」とか「この監督、こんなの撮ってたのか!」とか。
そんな中特に僕のハートに来たのがリチャード・ドナー監督だ。つかこの監督について今だらだらと書いてしまうと、せっかく数日がかりで書いている監督ネタとかぶってしまうのでとりあえず避けるが、まぁ意外なほど僕好みの作品が多かった。
そんな中比較的最近のもので、僕がまだ見ていない作品があったので、割と息巻いて借りてきた。つか最新作は借りられない事も多いが、2年もすればそういうことはなくなる。
「16ブロック」のあらすじはこうだ、
「ニューヨーク市警のジャック・モーズリー刑事は、裁判に証人として出廷する囚人エディ・バンカーを、わずか16ブロック(約1.6㎞)先の裁判所まで護送するという簡単な任務を命じられた。しかし、エディが証言する事件とは警察の不正に関する事であり、エディの口を封じようとする悪徳警官達に命を狙われる。」
※ウィキペディアより
正直さほど盛り上がる要素があるようには思えない導入だ。つか実際に見てみてもその主役であるところのブルース・ウィリス演じるジャックは飲んだくれのじいさんで、足に怪我をし、ダイハードの彼とは似ても似つかない。気の利いたジョークも言わず、派手なアクションをすることもない。多少住み慣れた街の抜け道を知ってるくらいで、主人公としての魅力があるようには描かれていない。
一方証人として護送されるエディはと言うとジャックとは真逆におしゃべりで、犯罪歴はあるにしてもとても前向き。ところどころ覗かせるそのシーケンスはどれも本当に善人を感じさせ、嫌なヤツが嫌いな僕からすれば見ていてホッとさせられる。アメリカ人っぽいおしゃべりはスターウォーズのジャージャーピングスを思わせ、正直あまり好みではなかったが、本当に善人なのが伝わってくるとその印象も変わってくる。
相手が警官なだけにどこかしら背徳感が漂う展開だし、主人公が主人公だけに派手なアクションも期待出来ない。結果割と地味目な展開が多いのだが、追っ手以外はほぼ全員と言っていいほど二人に協力的で(それに見合うだけキャラに立っている)、終始どこかしら穏やかさを見つけられる。逃げ込んだ民家のじいさんも、普通の映画だったらあっさりとばっちりを食らって死んでしまうだろうにこの映画では死なないし、主人公ジャックも、「警官殺し」という汚名を最後まで着ずに済んでいる。
ドナー監督の作品を知っている人なら、彼の作品の多くがハッピーエンドで罪がないことを覚えているだろう。スーパーマン、グーニーズ、リーサルウェポン、3人のゴースト、マーヴェリック、タイムライン・・・。
16ブロックはそれらの作品と比べてSFXやVFXが使われまくっているわけではないし、主人公も文字通りスーパーマンではないから、派手さはない。派手さはないが、
やっぱりドナー作品だったな。
と思えるストーリーテリングは、個人的に十分期待通りと言える出来だったと思うな。まぁ派手じゃない分評価は抑えめで★★★くらいだけど。
余談だけど最近お袋に勧められる映画はないかと探していたのだけど、これなら勧められそうだと思った。アクション映画の風体だけど根底はどこか暖かなモノが流れているし、オチも悪くない。もし僕のように60過ぎの母親に何か、という人がいたとしたら、案外イイ感じかもしれないね(^^。
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