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2009年3月23日 (月)

子供と楽しめるゲーム

ウチの長男はまぁ普通にゲームが好きだ。僕が好きなようにRPGもレースもシューティングもやるし、僕があまりやらないようなライトなフラッシュゲーやシミュレーションRPGにも手を伸ばしていたりする。環境がないからやらないが、あればスポーツゲームとかもそこそこやるかも知れない。

だが、娘はそういうのとはちょっと違う。確かに実際にゲームをしている時間は、一般の小学校3年生と比べれば遙かに長い部類に入るだろうが、基本ひとりで淡々と進めるタイプのゲームや、レースやシューティングなど自己習熟を要するゲームはほとんどやらない。あくまでゲームはみんなとワイワイ盛り上がりたいがためにやるツールであり、「ひとり遊びの友」というファミコン黎明期のアイデンティティに裏付けされた「おもちゃ」とは違う。

再三書いてきているので既に常連さまなどはご理解頂いているかとは思うが、僕は(昔は違ったけど)最近とみにコミュニケーションを要するゲームをしなくなった。オンラインのRPGに対して直接の苦い想い出があるわけでも、機材が調ってないわけでもないが、要は面倒になってきたわけだ。ジジイになったことで。たぶん最後にネットで遊んだのは友人Tと娘とリトルビッグプラネットをやったときだし、その前となるとホントにかなり巻き戻る。きむきむさんやBlue_Tasuさん、トムニャットさんとファンタシースターユニバースをやった頃だろうか。

人と一緒にゲームをすること自体は決してつまらないことだとは思わない。驚きや達成を共有することは、ひとりで遊ぶのの何倍も増幅され深化するし、何より好きなゲームの話をしながら遊ぶことそのものがそもそもとても楽しい。

そう、

 「お互いが好きなゲームを一緒に遊ぶ」

ことが非常に楽しいのだ。これは言い換えれば、

 「あまり好きなゲームでなければ一緒にやってもさほど面白くない」

ということでもある。いいですか?娘が遊びたいゲームは、

 「一緒に遊べる自分が好きなゲーム」

であって、相手がそのゲームを好きかどうかはあまり重要じゃない。小3の女の子だからそういうところで当然わがままになるのはわかるし、実際自分が楽しめるかどうかは何よりも優先されてしかるべきだと思うのだけど、そこに「相手が楽しめるかどうか」の要素が少ない。

これは別に娘に対してだけじゃなく言える。オンラインでも対戦ツールでも、

 「相手と自分の『楽しい』に対するツボが近くないと、お互い楽しめない」

というのは揺るがなく存在するのだ。歳を取って僕がオンラインゲームをあまりやらなくなってきたのは、まさしく「自分が楽しいと感じるツボ」が友人他人を問わず、誰かと一緒に遊ぶ事の中に少なくなってきていることでもある。いや、まぁオフで気の置けない友人と一緒に狩りに出たりするのは問答無用で楽しいんですよ。価値をお互いが理解共有しているから。

で、昨日「N+」を娘とやっていて思った。

 僕はとにかく「楽になっていく」のが好き

で、

 娘は「優勢」と「劣勢」がコンスタントに入れ替わる感覚が大好き

ということ。要するに僕は「負けるのが嫌い」で、娘は「勝ったり負けたりが好き」。ただ、普通に対戦系のゲームを遊ぶとまず娘は「負けが多くなる」から、通常「優勢と劣勢が混成する」タイトルは、「協力して遊ぶ」ゲームになる。協力して遊ぶというと優劣なんてないと思うかも知れないが、さにあらず。クリスタルクロニクルだってダメージをたくさん与えてる側は優勢だし、トラップを率先して解除した側が優勢。最後のクリアアイテムを取った方が優勢だし、レアアイテムを手に入れた側が優勢なのだ。何もお互いで戦わなくても優劣は存在しうる。

対して僕は「娘に負けるのは構わない」が、「コンピュータに負け続けるのは嫌」だったりする。だから経験値を稼ぐのが好きなのだし、そのスタイルを維持し続けることが「楽しいプレイ」になったりする。要は地味な作業が好きなのだ。効率さえよければガルデスだけを1時間ずっと倒し続けたり出来るし、目的のためには11時間マラソンすらいとわない。

ちょっと前の話になるが、FF11をプレイしていた頃、パーティのリーダー格の人に、「クリス釣ってきて」と言われたことがある。「クリスさん、釣りお願いします」でも「釣りやってもらえる方いますか?」でもなく。

 僕はこれが凄く嬉しかったんだよね。

今自分の回りにいる連中で、僕とタメに話が出来るのはオフの友人Tとnoriくん、文字通りタメのバブシカさんくらいで、あとは年下の友人かもしくはマナーもクソもないヤツら。バブシカさんを含めネットの知り合いの方ってのは基本マナーが出来てるから、あんまし呼び捨てにしたりしないし、いざされても「なんでコイツに?」と思ったりすることがある。

つか、

呼び捨てにされることはそんなに嫌じゃない。「する側がそれに見合う人であれば」。クラスメートだろうと母上だろうと、オフの友人、見ず知らずの他人だろうと、相手が僕から見て敬意を払うに値する人間であれば、いくらでも呼び捨てにしてくれて構わないし、僕を好き勝手パシリにしてもらって構わない。むしろ、

 お互いがお互いをそう位置づけられる関係こそが最高のパーティ

だと僕は思う。要は高望みなんだよね。背中を預けられる関係ってのは、遠慮だけでも主張だけでもダメ。だからどうしても子供達と継続してプレイし続けられないというか、疲れちゃうんだよ。自分を思う存分出してもお互いが感情的にならずにかみ合うような、理想論だけどそういうのが楽しいってもんだと思う。

 それって娘からしたら結構ハードル低いんだよな。

なぜなら、

 娘は思う存分自分を出してプレイして楽しければそれでいいわけだから。

相手を気遣うスキルに欠けていることが結果的に自分の楽しさを優先出来ることに繋がり、その上で一緒に遊んで貰えるのであれば、「それはそのまま楽しいゲーム」になる。

でもさ、それって別に子供に限らずなんだよね。将棋とかサッカーだってゲームとリアル問わず、自分の実力を思いっきり発揮して勝ったり負けたりがあるからきっと楽しいんだと思う。とんねるずの石橋が瑛太くんにオセロを挑み、こてんぱんに負けちゃったんだけど、その後さほど間をおかず再戦するってこないだテレビでやってた。あれだってたぶん石橋は周囲の連中にはきっとかなり勝ちまくってたんだと思うんだよ。でも本気で戦って本気で負けちゃったから、相手を認めざるを得ない。そこに「本当の楽しさ」みたいなのを見いだしたから再戦したくなったんだと思う。瑛太くんだって未来創造堂で段持ちのプロ相手にすっごいいきいきとして戦いを挑んで、結局負けちゃうんだけど、その中で自分の実力がどの程度なのかを教えて貰えてめちゃ幸せそうだった。

 話は変な方へ転がっていきますよ。

ゲームでも、プレイヤーによってその難度やスタイルが大きく変わっていくようなフレキシブルな対応力を持った物が今後望まれていく気がする。買う買わないという選択ではなく、誰が買っても誰が遊んでも楽しめるような、選択肢があるわけじゃなく、ゲームそのものが判別して、、、

以前デジカメが「いかにシャッターを押させない」かに技術を集めてるって話を少ししたと思うんだけど、要は「笑ったとき、みんなが笑ったとき、ピントがあったとき、この人の顔」いろんなデータと情報をコンピュータ側で管理、処理して、カメラは構えてるだけ、もしくはたくさん撮られた中からお気に入りの1枚を選ぶだけ、みたいなスタイルに向かっているという。

ゲームもそうなっていく気がする。プレイヤーが何を望むのかを、いろんなフラグを通してリサーチし、それにあったイベントなり展開なりを構築していく。単純なところで言えば、ストーリーの序盤でスキップをするような人は、要は話はどうでもいいという人だから、どんどん「読む」「見る」部分がシェイプされていき、プレイ時間の密度を上げる方向でシフトする。

逆にじっくり読んでいる、もしくはオプションのデモムービーを何度も見るような人は、先へ進むにつれて戦闘の難度が下がったり、脇道のテキストを増やしたりする。

対戦でもそう。同じスト2でもきっとガチャプレイが超楽しいって人もいるに違いない。マイクをONにしてプレイするとその時のプレイヤーの喜怒哀楽をデータとして集積し、そこからプロファイルされた敵の攻撃スタイルにシフトする。例えばケンはやっぱりドラゴンダンスをして欲しいと思うし、コンピュータのガイルにもちゃんと溜め時間があって欲しい人もいれば、とにかく強い思考回路を持った相手と戦いたい人もいるだろうし、エンディングさえ見られればいいという人もいるはず。

前も書いたけど、出来のいいNPCは人間以上になりうると僕は思ってる。手塚治虫や藤子不二雄の作品でも、ロボットが子供の本当の、唯一の友達になることは、十分にあり得る話だと思う。

子供の望む同時プレイ相手になり続けられる自信はないけど、子供の望む楽しさがなんなのかは見えてきた気がしたので、ちと書いてみた次第だよ。

余談だけどピクミン以外で「子供でも遊べるようなリアルタイムストラテジー(出来がいいヤツ)」って何かないかね。FFレヴァナントウィングか、エコリス辺りはRTSっぽかった気がするけど子供が遊ぶには敷居が高そうな印象がある。伊集院がヘイローウォーズを評価してたけど、あれじゃあ小学生の子供もしくは真性中二病の38歳には強面すぎるし、、、。制限時間のあるピクミン3、出来たらGCコントローラーでも動かせるヤツ、任天堂さん、出してくれませんでしょうかねぇ。

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