トレンド
世界のことはどうだかわからないが、少なくとも日本は「こっち」に向かってると感じているキーワードがいくつかあるので今日はその話をちょっとしたいと思う。
っと書いてはみたがぶっちゃけそれほど大仰なことではない。ただ、今後もっとその流れは加速するんだろうなぁと。で、加速した先には何があるんだろうなぁという程度の話。
自分に甘く
とにかく「厳しい」ものはどんどん廃れていく。シビアでギリギリなチューンではなく、ゆとりのあるぬるま湯なスタイルがもてはやされていく。
以前ビートたけしが「かたい食べ物は悪だ」と言っていた話を書いたけど、僕もそう思う。もっと言うと、「旨い(食べ物)は甘い」というのも聞いたがこれまたホントだと思う。
※ただこの場合は「甘い←→辛い」と単純な図式にはならない。ニュアンスの話になるが、僕は基本結構辛い物が好きなのだが、その中にも「ただ辛いもの」と「辛くて美味いもの」がある。その「うま味」はなんか「甘み」なような、、、。でも野菜でも魚でも肉でも、「本当に美味いものは甘いもの」な気がする。気がするだけだけどすごくそう思う。
かたい方も、唐揚げ、天ぷら、フライ、特にフライなんかは、トンカツ屋とか普通に食えないもの。衣が口に刺さるのがもはや痛い。チェーン店のトンカツとか厚い薄い以前に、食べるのが辛いのはもはや悪だと常々感じている。
※だから僕はいつも卵でとじてある「かつとじ」を頼むのだ。衣がかたい店では。
衣料品でも似たようなことがある。靴下は、特に「むくみ」がひどい人が半分治療的な意味あいで使用するようなマッサージ効果のある着圧の強いものを除いて、とにかく口ゴムが緩いものが好まれる。履くのに疲れちゃうようなのはもう絶対悪って感じで、中には「口ゴムがないもの」まで存在する。ずり落ちてきてもいいから履きやすいものが求められているのだ。
※まぁこの傾向は歳の行ってる人ほど強いけど。
一時期流行った「ピタT」も最近は全然見かけない。むしろM寸体型の人が3Lを着たりする。中高生がダラダラとサイズの大きな服を着たり、僕なんてウエスト79cmくらいだけどLLのトランクスを好んで履いたりする。ウエストが締め付けられると気持ち悪くなるのだ。
ゲームに関してはかなり前からその流れがあった。古くはシューティングや対戦格闘の難度上昇。一般人にはついて行けないレベルにまで上がってしまったことで、大多数のプレイヤーから見限られることになってしまった。今プレイするゲームの多くは、序盤から突き放したりはしない。丁寧なチュートリアルと親切なアドバイス。難度の上昇曲線も緩やかすぎるほど緩やかで、
優しくて易しい
ゲームが分母の大きな市場を狙うのには欠かせなくなってると言っても過言ではないと思う。そう言えば桜井さんもカービィを作ったときスタッフから「飛べるんじゃどうやって殺すの?」と問われたという。アーケードゲームでもあるまいし、殺す必要などないのだ。
今週のファミ通にも(そんな僕の心を知るよしもないだろうが)そんなタイトルが出ていた。
数独「初級」
ピクロスでも数独でもプレイする誰もが「高み」を目指すわけじゃない。もちろん序盤のヌルすぎる面を嫌う向きも多いだろうが、さすがに20×20とか、ほとんど空白でどっから手を付けたらいいのかわからないような問題を嬉々としてクリア出来る人ばかりではないはずだ。特にウチの子供なんか中級でも挫折してしまう。
もはや「長く遊べるからコストパフォーマンスが高い」ということすら「一種の悪」と捉えられかねないのではないかとすら思う。気軽に遊んで気楽にエンディング。そこからまだ遊びたい人用におまけは充実・・・こんなスタイルがたぶん一番正解に近い気がする。具体的にパズルゲームの難度で言えば、
やさしい、ふつう、むずかしい、最高に難しい
がこれまでの難度で、ふつうをクリアするとエンディングだったのが、
チュートリアル、やさしい、ふつう、むずかしい
の4段階になり、やさしいをクリアしてエンディングになるような感じ?昔みたいに「俺は最初からハードでプレイするけどね」みたいなのはもう流行らないどころか化石レベルな気がする。気持ちよくイージーで始めて、エンディングもそれで普通に見ることが出来る。
ロードも移動もテンポも、気持ちよく遊ぶためのシェイプアップはどんどん洗練されていき、プレイ内容も余分な贅肉は悪となる。その昔PCエンジンの桃太郎伝説IIにあった(ような気がする)村に入って「武器屋まで移動するのが面倒な人」のために用意された「むらひえん」(<ひえんはルーラ。むらひえんは村の中の建物に移動するための魔法)みたいな「何もそこまで」という気配りややさしさの価値観が上がっていく気がする。実際最近のゲームでアイテムや魔法の効果がゲーム中だけでわからないと「すごく不親切」な感じがしたりしない?そういう話。
攻略本がなきゃわからないようなレベルでも、ゲーム中にそれを調べるスベがあればそれはその方が楽だし、結果「楽しいゲーム」「面白かったゲーム」という感想が残れば、その続編へと繋がる実績になる。これだととんがってるタイトルが出てきにくいと思われるかも知れないが、「親切」なのと「斬新」なのはベクトルが違う。重要なのは「独りよがりでないこと」「プレイヤーを見てること」なんだと思う。
AMAZONの「1クリック注文」もその「甘さ」のエッジのひとつ。欲しいと思ったらほんの少しカーソルを移動させ、左ボタンをポチッと押すだけであとは到着を待てばいい。早く簡単で安心。支持されて当たり前。会社が大きくなるのも頷ける。
※そこまでわかっていて自社にフィードバック出来ることがないのかと思ってしまうが、それとこれを同尺度で測れるほど大きな会社じゃないんだよな(^^;。
ともかく、
今後のトレンドは、「いかに消費者を甘やかせることが出来るか」だと思う。相手は赤ちゃんだ、というのは言い過ぎだとは思うが、冬は暖かく肌触りがよく締め付けない乾燥させない。歯がなくても食べられるくらいやわらかで、甘くておいしい・・・どうです?別に赤ちゃんじゃなくても「それいいかも」って思いません?今でもそういう傾向はあるけど、今後もっと加速すると思いますよ(^^。
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