東方星蓮船
※本日二つ目。
長男がどっかからか体験版を借りてきた。いつもなら東方シリーズなど「興味ない」で一蹴してしまうのだが、この日は何となくプレイしてみる気になった。理由は「体験版だからすぐ終わるだろう」という過度ならざる期待と、「新作なら長男に大きく水を空けられているということもあるまい」という情けないオヤジのかすかな希望。そして「最新の東方シューティングはどんな状況にあるんだろう」というわずかな興味による。
起動するといつも通りのキャラがいつも通りの風体で現れた。「ああやっぱ東方だよなぁ」と思いつつ何を思ったのか一番難しい難度を選択。つか僕が東方が好きになれない理由の一つに、
読みにくい&わかりにくい
という二つのハードルがある。そもそもどのタイトルもワープロで一発変換出来ないような、読み方も間違えていそうな、それでもってどことなく強めのオタク臭を感じるようなものばかりだし、その難度に関する記述、自機選択時の説明もまたよくわからない。こういう世界観だと言ってしまえばそれまでだが、単に趣味が合わないというのもまたそれまでの話なのだ。まぁこの辺のハードルは今回「体験版だし・・・」ということで乗り越えることが出来たわけだけど。
ちなみに一番上の難度で始めようと思ったのはさほど深い意味はなく、
これでプレイすれば長男から「しょせんイージーだしね」とか言われないだろうから。
というこれまた低姿勢な理由による。同じすぐ死ぬなら最低より最高難度で死んだ方が良い。どうせ1、2回しかプレイしないんだし。
僕が一度プレイし、「ふーん」と思いながら長男が続けてプレイする。「ああ相変わらず殺意のない弾幕だなぁ」と思う。プレイヤーを殺しに来る「狙われる」弾ではなく、見た目重視でバラまかれる感が強く、狙ってくる弾は特に遅いものが多かったりする。別にこれが悪いとは言わないが(スタイルなので)、慣れてない自分はサクサク当たる。判定は数ドットしかないと思われ、一見繋がってるほどの敵弾でもその中央を抜けれたりもするが、やっぱり慣れてない自分はスコスコ当たったりする。
「はぁ・・・」
軽くため息もこぼれる。個人的に「撃ちごこち」が今ひとつバシッとこないのも低評価に繋がっている。効果音とそのタイミングのそれこそコンマいくつのレベルでのものだろうが、撃ち込んでる感じ、ザコを一掃してる感じが希薄で、なんだか「倒してるというより消してる」感が強い。
当然のように僕の出したスコアは長男に抜かれた。
その時は時間がなかったのでそれまでだった。
いつもならそれっきりになるのだが、今回は珍しく仕事を終えて夜、何となくプレイを再開してみた。たぶん理由は先に挙げたように「まだ長男も慣れてないだろうから抜くなら今だろ」というよこしまかつささやかなものだ。相変わらず女の子の風体にはそそられないし(コレは多分単なる好みに寄るものだと思う。2Dのキャラが嫌いなわけではたぶん断じてない。つか声高に叫ぶところでもないが)、音楽も「好きか嫌いか」と言われれば好きだけど、「ホントに好きか実は嫌いか」と問われれば「実は嫌いかも」という程度にしかフィットしてない。僕の中のモチベーターは実に低空発進だった。
だったのだが、、、
最初あまりにも死にすぎて、ある種の開き直りをしてから、いろんな印象にズレが生じてきた。
とにかく慣れてないからすぐに死ぬ。難度の高さも相まって最初の弾すら避けられないようなレベルで死ぬ。つかもはや、
避ける気がないくらい死ぬので、いっそのこと避けるのをやめた。
適当に左右に自機を振りながら、「運が良ければ死なない」というゲーセンだったらあり得ないプレイ。もちろん死んだら即リスタート。目標が長男のスコアである以上、狙うのは稼ぎに対して「是」であるプレイだ。面倒なのは嫌いだが、ダラダラしたのは好きな自分なのである。
死ぬほど死ぬ中で、たまには先に進める時があり、今度はこれまで見えなかったものが少し見え始める。敵の中のUFOみたいなのを倒すと倍率が表示され、スコアがどうもそこそこたくさん入るっぽい。そのUFOみたいなのはどうやら同じ色を3つ集めると出てくるらしく、その色によっては1UPにも関係するらしいがこの辺は長男からあまり詳しく聞かなかったのでよくわからない。ただここでわかったのは、
そのUFOのさばき方でスコアが劇的に変わる
という事実だ。長男のスコアは僕よりは上だがせいぜい2倍程度だった。僕はこのUFOのさばき方を何度か検証する課程で、
あっさりと長男のスコアを塗り替えることに成功する。
なるほど。ふむふむ。となると、、、である。この時点でのパターンは完全に我流だし、たぶん正解からはかなりまだ距離があると思う。やっていてそれは強く感じる。UFOからのボーナスも不安定だし、どんなソフトでも「やり込み」を経験した人ならわかると思うけど、「イメージと現実の開き」がまだまだある。せめてイメージ通りに倒していけたら、、、
深夜1時にお風呂にお湯を張る。かみさんに「何分くらい掛かる?」と問うと、「15分くらいじゃない?」との返事。軽い気持ちで始めた東方星蓮船だったのだが、、、
気付けば時計は3時半を回っているではないか!
なぬ?いつの間にいったい誰が僕の部屋の全ての時計を進めたのか!?
ただただイメージに添ったプレイがしたいだけで、それも適当に動かしていてたまたま出来たらラッキーという何ともいい加減なプレイを続けた結果、
ほとんど疲れずに時間だけが過ぎる
という結果と、長男のスコアを4、5倍上回る「セカンドベスト」を向かえることが出来た。つか実際はその後も「もう少しなんとかなんだろ、あそこは」と何度もプレイしてしまったわけだが、いろんなシステムがわからないからこそ余計にそのスコアが伸びていくことが嬉しいし、楽しい。
モチベーターとカタルシスはスコア1本
というシンプルな状況下で、自分がこれほど集中出来るとは、、、。
理由はいろいろあるだろうが、その最たる点はやはり、
無駄な時間がない
ことだろうと思う。とにかく死ぬときはすぐ死ぬ。開始1秒で死ぬのがザラというよりそっちの方が多いくらい死ぬ。序盤から超ハイテンション。だから次から次へリスタートし、たまに先に進めると集中する。でもって集中するとそれなりの結果が出る。この緩急のサイクルがとても心地よいし、疲れない。
わかってるとは思うが僕はゲームが下手だ。特にシューティングは乱数や反射を求められると途端にダメダメな結果しか残せない。だからこのタイトルも序盤は全然パターン化出来ない。だが、
下手は下手なりに成長出来るのは楽しいモンなのだ。
見た目や音楽、プレイフィールにさしたる「惹き」がなくとも、明確な結果が出るのはやはり大きなモチベーターに成りうる。
実を言えば「各自機に二つのタイプがある」ことをついさっき知った。というか3機の違いなどもわからない。僕が3人目の髪の緑の子を選んだのは単に長男がその子でプレイしてスコアを残したという理由だけだし、解説の文章なんざ1文字たりとも読みたくないので、「2種類の攻撃方法がある」ことなど夢にも思わなかった。
それでも楽しいのだ。楽しめるのだ。
リプレイセーブで自分のプレイの良いところや悪いところを検証出来るのもいいし、ボタンのコンフィグでやりやすいように配置が替えられるのも当然と言えば当然だが嬉しいことに変わりはない。セリフは本気でジャマだけど(スキップ出来るには出来るけど、ぶっちゃけ全くない方がいい)、滅多に序盤を抜けられないからあまり大きな問題でもない。
東方星蓮船体験版・・・意外や意外クリスの評価は★★★★まで行ってしまうのだ。
余談だけどウチには5~6本の東方シリーズがあったりする。毎月大した小遣いをあげてるわけじゃないし、中には彼の友人が持ってきてそのまま置いていったようなのもあるが、価格的にも手が届きやすく、コストパフォーマンスが高いということなのだろう。星蓮船も製品版が出たら買うに違いない。今回はたぶん僕が・・・。
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