カンボジアに学校を
行列の出来る法律相談所の企画で、100人の芸能人の絵を売り、そのお金でカンボジアに学校を作るという。
その昔あったハンマープライスの変化球ながら、非常に完成度の高番組になっていて、思わず涙を(マジで)ポロポロ流しながら見てしまった。
この企画の一番凄いところは、
良心を巧みに「刺激しすぎない」点
伸助が言う「どこかに上から目線があるが、それでもやらないよりやった方がいい」という言葉。焼け石に水じゃないという思い。継続が意味があるという言葉。それでも見てる人のために寄付を求めるいやらしさはない。
たかだか100枚の絵。それでも億を超えるお金を集め、「いいこと」をすることで、視聴者に負担を掛けずに、「安くない感動」を見せてくれる。見て楽しいバラエティに仕上げつついやらしくない「ヤラセ感のない」感動を見せてくれる。
当然番組を作るにはこの集めた金額に匹敵するお金が必要なはずだし、視聴率は絶対について回る。だから一から十まで全てがキレイなんて事は絶対ない。でもその何割か、一部分だけでもキレイなところが見えれば、それで十分感動出来るんだよな。
今回は前回までの落札者にスポットを当て、その後の絵にまつわるエピソードを紹介していった。アンパンマンの絵を落札したパン屋さんはその絵を全国の幼稚園保育園に貸し出していて、みんなの笑顔をホントたくさん見てる。子供に全然かまってやれなかったことを後悔していた親父が、「尊敬してます」って言われて思わず涙ぐむ。文字にすると陳腐なことでも、リアルに大金を出して買った肩書きが、その人の人生に大きな影響を与えているの事実だし、重さ故にただ見るだけのこちらにも語りかけてくるものがある。
市原隼人が現地に赴き、サッカーをしたり遊具を作ったりというのもよかった。一校500万円で建てられる校舎。億を超えるお金で何校だって建てられたはずだが、実際に生徒や先生、綺麗な水などの環境全てを整えられたところはそうたくさんはないはずだ。市原が行ったというのもその中のわずか一校に過ぎず、そこでの笑顔は所詮作られたものなのかもしれない。それでも「無いよりはあった方がいい」「続けなきゃ意味がない」という言葉があるから見てる側がドライにならずに済む。「この子たちは楽しいに決まってる」「今だけの楽しさかも知れない」と思う一方で、「この一瞬かも知れない幸せがそこに通う(わずかかも知れない)子供達の一生を大きく左右するかも知れない・・・。
所詮はテレビだからいろんなウソやごまかしがある。集まったお金だってそこから番組予算が割かれてないとは言い切れないと思うし、もしかしたら出品者にもリベートがあったかも知れない。うがった見方をすればいくらでもそう見れる。でもだからと言ってわたせせいぞうの絵を見る結婚前のカップルの思いや、伸助のひまわりを拝むお客さん、死んでしまった娘の絵が描かれたタイルに「一番嬉しい」と号泣する落札者でもありボランティアで現地にタイルを貼りに行った職人さんの笑顔など、
ウソとは思えない笑顔
もたくさんある。
※正直最後の東野のトライアスロンの企画は蛇足だった気もするけど。
たぶんかなりたくさんの映像ソースをぎっちり煮詰めて仕上げてるんだと思う。ほとんど構成に無駄が無く、飽きさせない、それでいて加速感のある仕上がり。
昨今テレビはラブストーリーからお笑いへシフトしたが、「誰も知らない泣ける歌」や「深イイ話」など、感動を売りにした番組は今後もっと増えていく気がする。世知辛すぎる世の中で、「優しくなりたがってる」でも「身銭は切れない」という身勝手な視聴者を満足させるコンテンツ。表現は乱暴だが、子供達の笑顔はきっとウソじゃない。「無いよりあった方がいい」というのはともすれば詭弁なのかも知れないが、僕的にはどうしてもヤラセ感が払拭出来ない分別やエコに関する叫び声よりずっとハートに来たよ。こんなに真剣にテレビを見たのは久しぶりだったもん。番組評価★★★★!
※個人的に西尾アナをよく映してたのもよかったな(^^。ファンというほどではないんだけど、彼女の笑顔は本物を感じさせてとても安心出来る。作り笑いが凄くわかりやすい人だと思うから。
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