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2009年5月31日 (日)

紅の豚

090530fio 昨日ちょっと書いたら無性に見たくなって思わず再生。歳と共に物忘れが激しくなっているのはデメリットの方が遙かに大きいが、こういった娯楽の再摂取に関してはプラスに働いたりもする。カリオストロレベルで一言一句覚えているものはともかく、紅の豚レベル(2、3回しか見てない)だとかなり綺麗に忘れ去っている。オープニングの綺麗な砂浜以外、記憶にあるのは「ホテルアドリアーノ」「飛べない豚はただの豚」くらい。ライバルや空賊だけじゃなくマダムの名前すら忘れている。当然ヒロインの女の子の名前も覚えてない。

ここまで読んでもし「紅の豚か~懐かしいな~俺も見ようかな」と思われた方がいたら、ここで読むのをやめ、見ることをオススメする。やっぱりいろんなことは「知らない方が」楽しめる。「忘れているメリット」を存分に活かすには少しでも余計な情報はカットした方がいいと思うのだ。

で、感想。正直言って見ているそばから忘れて行ってるので、見ながら順に書いていく。そこまでジジイか、と。痴呆症か、と。アルツなのかと思われるかも知れないが、しょうがない事実なんだもの。

序盤の誘拐事件の際に描かれる子供達の顔が最高に素晴らしい。誰に似てるというわけでもないんだけど、「駿顔」とでも言うべきとっても愛くるしい子供達の笑顔。何て言うか、もうこれだけでこの物語がどろどろした方へ転がることがないと感じさせてくれる、「安心感」を与えてくれる。

飛行機の描写も伊達に趣味と実益を兼ねてると思われてるだけあって、非常に素晴らしい。アルバトロスやオートジャイロでも飛行機っぽいメカは登場しているけど、伊達にそれが主役の物語じゃない、「じっくり感」が感じられて、ある意味無駄に丁寧。こんなこと言うとおかしな感じがするかも知れないけど、今の駿監督ではもうこれだけの贅沢な飛行機描写は出来ないんじゃないかと思う。色数やセルの枚数じゃ語れない「アニメの良さ」がにじみ出てるね。だから紅の豚が好きなんだよ、って思う。

ジーナとポルコが、、、今気付いたけど、マルコ(本名)+ポーク(豚肉)=ポルコなんだな。こういう発見が心地よい。っていうかもしかしたら昔も同じように「今気付いた」とか思った可能性は捨てきれないのだが。

二人で昔を懐古するシーンも非常にいい。何て言うかこういう青春の「残り香」がする絵と音の良さがこの歳になってより強く感じられるようになったというか、胸を打たれてる自分に気付いたというか・・・。

見ていて気付いたけど、この頃はまだ「声優」を使ってたみたいだね。いやもちろん普通の芸能人も使ってるんだけど、聞いててあんま素人臭い感じがしなかった。まぁ声優を使うことが正解ってわけでもないとは思うんだけどね。重鎮とか往年の、、、とかのハイレベルな俳優の方々の存在感は比類ないものがあるわけだし。
※幻魔大戦の江守徹とか。

でもホントキャラが魅力的だな~。ポルコもジーナもカーチスも誰も彼もが最高だ。武器屋も修理屋もいい。馴染みの査定を抜いたらカリオストロのメンツより魅力的ですらある。つかフィオも最高だな~。あの相手の意見を一切聞かない感じ。早口だし、クラリスやナウシカよりどちらかと言えば不二子寄り?いや~いい。

昔はさほど一つ一つのシーンに思い入れもなくぼんやり見ていただけだったけど、こうして改めて見るとその描写の素晴らしいことと言ったらないね。エンジン回すところとかばあちゃんたちが作ってるとことか、思わずニヤリとするほどイイ。こういうのを見ると駿監督はやっぱ才能があるんだなぁと思わされる。他のクリエイターからは得られない気持ちよさがあるね。

紅の豚はいつの作品だったか。でも欧米で「ジャパニメーション」という言葉と共に日本のアニメが世界に輸出されるようになったのはたぶんこれより後のことだったと思う。だからこの作品は海外にはさほど問われてない気がするんだけど、、、

 ウケるんじゃないのかな~

って思う。見ていてワクワクするもの。なんだろこの感覚。どぶ川からの離陸シーンの高揚感って何度見ても褒め言葉しか浮かばない。細かな描写があるわけでもデジタルやCGのお金を掛けたエフェクトがあるわけでもないのに、ただただ絵の具で描いた絵を早く何枚も映してるだけなのに、、、こういうのを見ると、自分がアニメが好きで良かったって思うんだよな。こういう絵に良さを感じる感性が自分にあって良かったって。

フィオに聞かせる空の上の飛行機墓場のシーケンスは以前も今もちょっと冗長だと思うけど、全体通して考えるとああした静かな場面も無下に出来ないかな、とも思うかな。



思わず最後まで見てしまった。ということは前夜からエンディングまでキーを叩く気にさせない展開だったということ。開会式、空中戦、肉弾戦からラストシーンまでホントに面白い。クライマックスとしての質は、スケールも併せて正直カリオストロに一歩及ばないが、とっても魅力的な展開と穏やかなフィオの語り、加藤登紀子の「時には昔の話を」へのつなぎは、この作品の評価を考えたら低すぎると言わざるを得ないんじゃないの!?って感じ。

 「あ~~~っもう面白かったな!な!」

って感じでした。
※途中から娘も一緒に見出したんだけど、二人でゲラゲラ笑いながら見てた。

今後も定期的に見なくちゃな、と思ったクリスでした。紅の豚、評価は★★★★☆あるね!

蛇足だけど、やっぱ最後にジーナは賭けに勝ったと思う?勝ったんだろうな~って思う?でもそれじゃフィオは結果的に振られたってこと?やっぱそうだよな~。でもあんだけかわいい子が幸せにならない終わりってどうなの?って思う。特にラストのマンマミート団の連中の老け方からして20年くらいは経ってると思うじゃん?17+20=37歳。それってやっぱ結婚してないと、、、まぁあれだけ魅力的な子だったら引く手あまたで幸せになったかな。なんかジジイみたいな視点だけど、シミジミ思った。ポルコはやっぱジーナと一緒になって欲しいしな。

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