ヱヴァンゲリヲン新劇場版-破-
※今回ネタバレはありません。
「凄すぎる・・・」
体が震えて足腰がガクガクする感覚。背中にじっとりと汗をかき、頭がボーッとして何度も何度も口にしてしまう。「凄すぎる・・・」。もし満足感を表すメーターがあったとしたら、(あくまで僕個人のものであることを断った上でではあるが)、
破裂させてしまうかも・・・
それほどに良かった。T4もリベンジも僕好みの映画ではあったが、「破」の前ではかすむ。評価は文句なく★★★★★(満点)。僕は映画を見終わった後拍手してしまった。
※僕以外にも10人くらい拍手の音が聞こえてきた。
このレベルの満足感はデイアフタートゥモロー以来だと思う。
ホント言うと初日に見に行きたかったのだけど、最寄りのワーナーマイカルではやってなかったし、次の日が出張ということで残念ながら見送った。片道30分以上掛かる映画館で、それも公開初日では仕事終わりに空席は見込めないだろう。もしあったとしてもセンターからほど遠い片隅から見ては正しい評価は下せまい。
重ねて言えば昨夜大阪の夜もなんばパークスにある「パークスシネマ」で見るために、問屋さんから地図を出してもらったり、電話番号やルートなどを詳しく教えてもらったのだが、
4時の時点で既に6時台も8時台も完売状態。
空席がないのではいくら見たくても見られない。
僕は今39歳だが、歳をとるにつれて、こうした「映画を一人で夜見に行く」というエネルギーを使う行為は非常にハードルが高くなる。それがいくら楽しみの作品であったとしても、「やっぱり面倒だな、、、」「まぁDVDが出てからでいいか」とより楽でより怠惰な選択肢を取りたくなる。実際近所でやってないという時点で同じような岐路に立たされ、「行かない」を選択した人も少なからずいるのではないかと思う。
※若ければそんなこともないだろうけど。
でも僕は知っている。
「悩むほどのイベントは絶対後悔しない」ことを。
雨の中片道30分以上掛けて開演1時間ほど前の映画館に着く。開始は8時45分で、直前の上映が終了するのが8時13分。掃除などを含め8時20分には建物に入っていたいが、僕の性格上念には念を入れかなり早めに家を出た。
チケット売り場では僕以外全てのお客が「ターミネーター4」をオーダーしていた。なんだろ、この安心感は。
「エヴァンゲリオン破」
「5階の14番スクリーンになります」
「そこは何席ありますか?」
「350席ほどです」
「それって広い方ですよね?」
「そうですね(^^」
エスカレーターを乗り継ぎ、5階に辿り着くと、お客はまばらで、「もうすぐ始まる」という感じはない。とりあえず今回は早めに来たが、暇つぶしのものを持ってこなかったので、珍しくパンフでも買って時間をつぶそうと売店へ行く。
今回のヱヴァはアスカや初号機のフィギュアが付いた「なんちゃらコンボ」が発売されているようで、他にも「なんだかよくわからないBOOK」も出ていたが、なんだかわからないのでスルーして1000円のパンフだけ買った。そしたら、、
「映画を見終わるまでは決して開かないで下さい」
WARNING! DO NOT OPEN THIS BEFORE WATCHING THE MOVIE.
だと!ギャフン。ちなみにパンフやグッズは、
お一人様2点まで
という制限があって、「1冊でよろしいですか?」と訊かれた。2冊買うのが当たり前なんだろうか。
入口の扉の前で館内の席の配置を確認し、ターゲットを絞る。僕は視界の大半がスクリーンという距離が好きなので、全体のおよそ1/3ほどの前よりで、通路のすぐ後ろくらいの席を好む(当然センター)のだが、今回はどうやら「D-16」あたりらしい。自分なりにルートも確認した。こう言うところは油断しないのだ。
そして、、、 そのまま並び始めた。
時刻はまだ7時台。開始まで50分以上あるのに、扉の前に腰を下ろし、壁にもたれる。自慢じゃないが、
僕は並ぶのが得意だと言っても過言ではない。
人間誰か一人並び始めると危機感を催すのか、ほどなくして20人ほどが列を作り、スタッフがルート整理用のポールを並べる。3日目でこの状況だと考えると、初日のファーストショウの熱量たるや相当なもんだったに違いない。
並んでいる連中の93%ほどが男性で、年齢もざっと見た感じ僕と同じくらいにも見える。中には一人で来ている人も少なくないようだが、まぁ「ヱヴァが好きそうなオタク」と言って差し支えない。みなやんごとない事情で昨日一昨日に来ることが叶わなかったのだろう。
時間が来て掃除してた兄ちゃんが「只今より開場いたします・・・」みたいなことを言っていたような気がするが、全然無視で中へ・・・。すぐさまD-16を確認するが、
意外と低い・・・
いつものワーナーよりも傾斜がきつく、そのぶん前の方の席はスクリーンを見上げる感じになるのだ。これではいくらなんでも低すぎる。
僕はすぐさまもう一つ奥の通路まで行き、スクリーンを確認。
ここじゃ遠すぎる・・・。
こう言う時マナーを守る礼儀正しいオトナの男性ならば、ある程度の妥協と自らの判断の甘さを噛みしめつつ適当な席で妥協するのだろうが、
※既に両脇からは人が入り始めているわけだし。
僕は即決する。
真ん中を突っ切って一番自分の好みの席まで突破する。
椅子の肘掛けの上を歩いていくわけで、はっきり言って他の人にしてみれば大迷惑だろうが、
※まぁ開場までカーペットが敷き詰められていたので塗れたり汚れたりはしていないはずだが。
もし怒られてもへこたれない。なぜならこう言う時の僕は「自己中心的な嫌なガキ」になっているから。っていうか仕入れでもそうだけど遠慮した方がいい場合とそうじゃない場合がある。ここは明らかに後者だ。実際一番最初に並んでいたってのも後ろ盾にはなっているが。
結局僕はE-16という最初の席の一つ後ろの席を確保した。もし完全に貸し切り状態であっても、再び同じ席を選ぶだろうという、マストシートだ。ここで文句があるようなら、もはや映画を見に来る資格がないというくらいベストな位置だ。ちなみに目の前の席には女の子が一人で座っている。そういう子もいるんだろう。
予告の中では「サマーウォーズ」が面白そうだった。絵的にも僕好みだったし、話も悪くなさそう。最近は映画づいてるがこの調子で見に行ってもいいな、と感じさせる予告だった。
館内の灯りが落とされ、ほどなくして本編が始まった。画面サイズはスクリーンをフルに使った16:9。ワイドテレビと全く同比率だ。場所も全く問題ない。音声はもう少し後ろの方がサラウンドの効果が高いかもしれないが、僕は音より絵を重視するのでこれも問題ない。
内容に関しては一切触れるつもりはないが、先週発売の週刊アスキー7/7号に載っていた樋口真嗣のコラムは、僕が「破」を楽しみにするきっかけとなったものでもあるし、あえてここに貼り付けてみる。これを読んでみんなも行く気になってくれたら幸いだ。
どう?見たくなってきた?いやホント映画館で見るべきですよ!?自分はそれほどヱヴァが好きな人じゃないんであんまし参考になんないかもしれませんが、
※実際「序」もその前の劇場版も映画館に足を運ばなかったし、TVも途中でっていうかクライマックスで何かを見失うように見るのをやめてしまったし・・・。
本気でブルーレイとかそれを見るためのモニターとか買おうかなって考えてるくらいです。つか映画ももう何回か見に来たい!1回では全然足りません!この密度、このクオリティ、この凄みは!!
ちなみにこれから映画館に足を運ばれる方に非常に重要なアドバイスをしておきます。っていうかこれはむしろ冒頭に書くべきだったのかも知れませんが、
※書き始めはテンションが上がっていてそれどころじゃなかった(^^;
この作品はスタッフロールのあとにもお話がございます。見ずに帰らないように!
って言っても実際このタイミングで「破」を見に来るような人は事前情報をシャットアウトしてる方がほとんどだと思われるので、僕がこうやって「ネタバレ無し」と前置きした内容ですら、読んでない可能性が高いのですが、、、まぁそれほど大したことじゃないですね。スタッフロールの後のおまけ部分を見損ねてしまうことは。え?そんなにしょうもないのかって?そういうわけじゃないんですが、、、
この映画を見た人はきっと映画の感想をネットで読むことになるでしょ?すると当然この「最後まで見なきゃダメだった」ということを知る。で、
もう一回見に行く「非常に好都合な」口実を得ることになる。
だから1回見損ねたくらい大した問題じゃありません(キッパリ)。僕の目の前の彼女もスタッフロール開始直後に出て行ってしまいましたが、今頃歯がみしつつ近日中に行けるよう予定を組んでいることでしょう。
エヴァンゲリヲン新劇場版-破-は、僕が今まで見たアニメの中でもっとも気合いの入った凄い映像を見せてくれた作品です。展開やら何やらで突っ込みたくなるところがある人ももしかしたらいるかも知れませんが、僕的には完全肯定。次作「Q」も当然のように劇場に足を運ぶ、それも出来たら一番乗りに近い早さで行く予定です。クリスをなめんなよ!
PS.ちなみにパンフレットはまだ怖くて見てません(^^;。あとミサトの着信音は「キングギドラの鳴き声」ですね。見終わってから思い出しました(^^。
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コメント
今夜さっそく嫁を連れ見に行かざるおえません
投稿: ロンド | 2009年6月30日 (火) 12時20分
おお、さすがクリスさん、予想通りかなりのスピードでの第一回鑑賞ですね(^^)!
私も正直エヴァ全盛期にはハマリきれなかったのですが、「序」がエンターテイメントとして文句無しに面白かったので、「破」も問題ないだろうと劇場鑑賞をしたわけですが・・・ホントにこれは満点をつけられるデキですね。
ここでもネタバレを書くことはマズイと思うので、触れない程度に書きますが、あの主要キャラの名前が変わった理由、見てなるほどと理解できました(実際の監督の思いは知らないから勝手な理解かもしれないけど)。
テレビ版では好きじゃないのですが、この新劇場版ではベタだけど好きだなぁ。。。
とにかく。「見ていて気持ちよかった、前作を越えるエンターテイメントだった・・・・!」
私も絶対、もう一度劇場で見ますよ~。パンフは売り切れだったのでその時に購入です。
あ、こちらではカップルも含めて、色んな年齢層が鑑賞していました。拍手こそは起きなかったものの、エンドロールでも席を立つ人はいませんでした~(^^)。
投稿: トムニャット | 2009年6月30日 (火) 21時31分
ばんわですロンドさん、トムニャットさん、クリスです。味気ないと思われるかもしれませんが、ロンドさんにへたなこというと多大なネタバレになりかねないので、
とりあえず行ってきて下さい(^^!
とだけ。続きはその後で・・・
>トムニャットさん
そうなんですよね~「エンターテイメント」なんですよ!観て面白い楽しい気持ちいい映画になってるってことが重要なんですよ!
今日も切々と書いてしまいましたが、出来ることなら四六時中バックグラウンドビデオとして流しておきたいくらい全体通してクオリティが高くて、特に戦闘シーン
※回数もかなりサービスサービスぅですよね(^^
の出来は出色でした。なんつか自分の中の「アニメ魂」に火を付けられるような感覚?
でも改名の理由は自分今ひとつよくわかってなかったり(^^;。
昨日から会う人会う人「行くなら一緒に行きたい!」って言いまくってます。何度でも観たいと思った作品はホント久しぶりですからねぇ。ブルーレイ早く出ないかな~。なんなら明日でもいいよ!?
投稿: クリス | 2009年7月 1日 (水) 01時11分