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2009年7月19日 (日)

ドラゴンクエストIX~布教編~

自分でも3本買いつつ周りの人間にもがんばって勧めて3人に買って貰った。でも正直まだまだ足りないと思う。ちょっと前に書いたけど、「自分にとってどうでもいいソフトは売れなくて構わないが、大切なソフトは売れて欲しい売れなくちゃ困る」のだ。今日はまだドラゴンクエストIXを買ってない人に向けて、クリスが切々とオススメトークを書きつづりたいと思う。つかそういうのマジウゼーって言う人はスルーするように。買おうか迷ってる人は、たとえ最後まで読んで買わないと結論づけるとしても、一応目を通すだけ通してみてちょ。

今回のドラクエはメインタイトルとしては初めてハードが携帯機になり、発表当時、周囲からは正直な話大きな落胆の声も聞こえてきた。8の出来が良かっただけに、より進化した9を期待していただけに、「いまさらDSかよ・・・」と。「終わったな・・・」と。

だが考えてみて欲しい。僕らが中高生の頃(つか対象がアラフォーなのもどうかと思うが)これ以上ない期待とそれに見合う内容でハートを鷲づかみにしたドラクエは、ドラクエの魅力は、ハードに依存したものだったか。3音しかない音色は「たかが3音」だったのか。モンスターも荒いドット絵で、文字によるダメージのやりとりだから面白くなかったのか。

 そんなことはなかったはずだ。

一つ一つ丁寧に描かれた鳥山明先生のモンスターは初代ドラクエから他のゲームに登場するモンスターとは一線を画し、抽象的記号でしかないドット絵のキャラクターたちの行き交う町並みに流れるメロディは、初めて耳にしたその瞬間から心を虜にした。人々の言葉はそのひとつひとつが暖かくて「ありがちなんだけどダサくない」「ステレオタイプに見えて誰にもマネできない」職人仕事だった。メッセージの表示速度やマルチウインドーの開閉、フォントなどドラクエと同時代にリリースされたタイトルで、ドラクエ以上に遊びやすいチューニングが為されたソフトはほとんどなかったはずだ。

言葉にするとわずかな違いでも、遊んでみると明らかに違う。ドラクエの良さは、その大きな実績だけが築き上げてきたものじゃない。FFのように派手な進化はしなくとも、遊び手の心にしっかり届く丁寧で長時間にわたる「磨き上げ」の上に成り立っていたんだ。

今回のドラクエは携帯機ということで一見そのボリュームは8や7と比較して大きく目減りしてしまっているのではないかと思われがちだ。解像度が荒い分情報量が少なくなって、よりシンプルに薄口になってしまったのではないかと。もはや古くさい過去のタイトルになってしまったのではないかと。

 さにあらず。

数百種に及ぶアイテムや装備は全てアイコン用のグラフィックが用意され、武具はそのまま見た目にもフィードバックされる。鳥山先生のデザインに不具合なくポリゴン化されたそれらの装備は、オーソドックスな剣や鎧だけでなく、デニムのジーパンからジュリ扇、ハイヒール、ブリーフに至るまで、

 自分のリアルなおしゃれに全く気を遣わない僕みたいな人でもつい気にしてしまう

ほどによく出来ている。上半身は鎧で下半身はビキニという無茶な出で立ちもまた一興で、攻撃モーションによっては「パンチラ」も可能な自由度の高さを見せてくれる。

これまで持ち物の少なさが考える喜びと同時にある種のストレスを与えていたが、その点は大きく改善され、今風のチューンになっている。常に持ち歩く袋には薬草やちいさなメダルなどが無制限に入り、武具などの装備アイテムとは別に管理されるようになった。装備も部位ごとに管理され、その中でも名前順、種別順のソートが可能になっていて、大量のアイテムも全く気にせず管理出来る。

最近の据え置きハードで流行りの「実績」による称号
※たとえばモンスターを1000匹狩ったとかお金を10万集めたとか。
や、個々のモンスターのデータ(どこに出現して、何匹倒して、何のアイテムを何個手に入れて、経験値とお金と、詳細な説明文は、「みやぶる」の魔法で2段階に表示!)は見ているだけでも十分楽しめる。

フィールドの広さ、ダンジョンや街の移動も2画面を活かしたマップ表示でストレスはなく、そのマップもまたとても丁寧に描かれた一枚の宝の地図のよう。

当初から通信による新たな楽しさを構築していった「システムのポケモン」。

他の追随を許さない圧倒的なマンパワーで築く「ビジュアルのFF」。

しかし、ドラクエには他の誰にもマネできない「クオリティ」がある。

これほど時間を掛けて仕上げることが許されたソフトは、他にないんじゃないかというほどの細やかな配慮がある。愛がある。

1980年代のナムコアーケード、スーファミ初期の任天堂、ゲートアレイでブイブイ言わせまくってた頃のコナミ、PS最初のFFの衝撃・・・。「レベルの違い」を結実させた歴史に名を残すタイトルたちと並んで、ドラクエ9もまた「その他数千」のDSタイトルのトップレベルに位置するソフトになっていると思う。

好みや価値観の差があるから、「僕から遠い人」に無理強いしたりはしないけど、少なくとも、少なくとも僕の中では、

 これを買わないなんてあり得ない!

そう感じさせた。させまくった!

これほど長い時間を掛けて熟成されたソフトってないと思うよう?ファミコン時代にやったことがある人にこそオススメしたい。この内容で5980円って正直破格の安さなんだよ。

よくシリーズ物ばかり作る、みたいなことを言われたりすることがあるけど、全部が全部過去の栄光にすがって作られた続編ってわけじゃない。

ドラクエ、FF、ポケモン、モンハン、バイオ、メタルギア・・・「すごく売れたからこそ次の作品にもすごく売れる可能性をコストに乗せられる」。

ビッグバジェットのシリーズ物は既にスタートから大きく違うんだ。

ゲームは高級料理じゃない。1匹のマグロや黒毛和牛から数十グラムしか取れないような高級な部位じゃない。銀座の高級料亭に出るような最高級のシェフが作っていても、出来上がって出される料理は近所の食堂に出されるのと大差ない価格なんだ。

 コレって凄いことなんだよ!?

何百億掛けて作っても、僕らの手元にはいつもと同じ値段で届けられる。それを買えるチャンスが平等にある。世界で一番早く日本にいる僕らにある。僕がビッグタイトルを大好きなのは、

 やらないと損!

だからってのも少なからずあるんだよね。まぁ価値観の差でやれないタイトル(バイオやメタルギア)も僕にもあるから、みんながみんなとは言わないんだけど。

1500円のシンプルソフト、1800円の360ライブアーケード、800円のWiiウェア・・・。ドラクエ9に掛けられたコストと技術と才能と時間、そして愛は、それらが一個大隊でぶつかってもあっさり打ち砕く、

 最強の強さがあるんだぜ!?

1000万本売れるべきだと思う。いやマジで。

PS.近況としてはついに全滅を経験。油断してベストメンバーで臨まなかったからなんだけど、ベストメンバーでも2人死亡したまんまMPほぼゼロレベルで、諦め掛けた直後に倒した。つか今の僕と同レベル程度でエンディングを向かえてる人がいるというウワサを耳にしたところだというのに、、、今度のドラクエはかなり奥が深そうだぜ!?

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