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2009年9月11日 (金)

大人の都合

今日行きつけのコンビニでFF13を予約して参りました。定価9240円(税抜8800円)コンビニ価格8240円(11%OFF)で、実はナイショですが、予約の際原価も見えてしまいました・・・7350円(税抜きか税込みかは未確定。もしかしたら見間違いだった可能性もあり)。1本売れれば1000円の儲け。掛け率で言えば89掛け。仕入れに携わってる人ならわかると思うけど、この率はかなり悪い。10本仕入れて1本残れば儲けがないレベル。たぶんヤマダなら15%OFFでamazonだとなんと19%OFF!もし先ほどの原価が税込みで、amazonとコンビニに同じ値段で卸していたとしたら、amazonの掛け率はなんと98掛け!7484円だから1本売れても134円しか荒利がない。つか1500円以上送料無料だから特別な契約を結んでいたとしても、いろんなコスト(例えば人件費とか梱包料とか)を考えればまず赤字。

 それでもこの値で売らなきゃならないのって凄く辛そう。

昔は近所のオモチャ屋とかで普通に定価近い値段で買ってたゲームが、今はほとんど原価で家にいながらにして買えてしまう。でも僕がドラクエやポケモンをヤマダで買ったり、今回のようにコンビニへ予約しにいくのは「価格以上のメリット」があるからに他ならない。amazonで買っていたら、行列とか(ドラクエの時はある意味「いい経験」になったけど)深夜にひとり車を走らせて、入荷の瞬間に立ち会うという「演出」がない。ドライバーの胸先三寸で発売日当日か、ヘタしたら翌日までじっと待つなんてのは、

 いくら安くても耐えられない。具体的に言えば1万円が5千円になっても嫌だ。

と思う。ある意味DVDで見るか映画館に行くかという違いがあると言っても過言じゃない。あれだって1000円で見るか350円(旧作なら100円とか)で見るかの差があるわけだし。

そんな小売店やたぶん問屋にも利益のない商品だが、たぶんメーカーもそれほど儲けてるわけじゃない。ドラクエほどに開発期間が長大なワケじゃないけど、携わってる人の数で言えば間違いなくFFの方が上だろう。ただでさえソフトが売れなくなっていて、ドラクエのように低価格でも「一家で複数本」の可能性があるでもないFF、いくら新型低価格機を導入したとは言え、事実上かなり冷え気味のPS3で僕の予想本数は130万本。
※まぁドラクエの場合は原価率がかなり高いだろうから本数では一概に比較しきれない部分もあるけど。
※モンハントライの前評と実売の落差や、「FF同梱版」およびほぼ同時購入の販売予想を50万本くらいとしての数字。

新ハードでの開発は、具体的に「FFのみ」の為「以外」に割かれたコストも当然あるだろうから一概に言えないだろうけど、FF6の頃の、「他の開発チームが開発したアイデアやシステムであっても、良質なものは全てFFに吸収される」という「FF至上体制」なんてのもあったし、12の時の開発人数200人より実際に携わった数はかなり多いだろうという気もする。

自分がソフトウェアの開発に詳しくないから実際のコストがどの部分でどのくらい掛かるかはわからないけど、

 本数が売れなくて
 開発に時間とコストが掛かって
 でも利益を出さないといけない場合、、、

 「クオリティを下げるしかない」

のかな、という気がする。どこかのサイトでFF13の画面の質が落ちたなんて話があったけど、実際のところ僕もそう思う。なんつかディティールが甘くなったというか、解像度は同じなんだけど、一枚一枚のテクスチャに対して手直しされる回数が減ったんじゃないかというか、「時間が減った」んじゃないかというか。

13のあとには14も待ってるわけで、売れないなら時間を掛けるわけにも行かないわけで、品質が低下するのはある意味「仕方ないこと」なんじゃないかと。僕らはそれを甘んじて受け入れざるを得ないのではないかと。

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モンハンがクロレビで40点取った話もそれに近い物を感じる。結局ファミ通で人気があるソフトをファミ通はプッシュする必要があるわけで、みんなの期待や、人気攻略記事、ある程度のひいき目は許容されて然るべきで、今後増えていくオンラインサービスの一端としてファミ通チケットや電撃チケットなどを絡めたメーカーとの、悪く言えば癒着を考えたら、「40点出しておいたんだから売れなくても俺たちのせいじゃない」という免罪符が不可欠だったんだろうという想像もつく。

ドラクエだってマジコンのせいでかなりの打撃を受けていると聞くし、実際開発期間とDVDなどの光学メディアじゃないソフトの製造原価を考えたら400万本売れて案外損益分岐点なんじゃないの?という気もするんだけど、、、そんなこともないのかな。

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ちと毛色の違う話だけど、ヘキサゴン出身のつるの剛士が、先日カバーアルバムを出して、その中の「M」を聴いたとき、「原曲(プリプリ)のが全然いいよな~」なんて話をした。こうひねりのないアレンジをただまじめにつるのが歌うだけのもので、ぶっちゃけハートに来ないなぁという話をした。

でも後日そのエピソードを詳しく聞いたら、なんかこう「合点がいく」感じになった。

芸能人カラオケ大会で2回優勝したつるのにレコード会社が目を付け、カバーアルバムの発売を決めた。実際彼は「カラオケ」という舞台ではたぶん突出して上手かったと思うし、そのハスキーな歌声は最近では希少種。カラオケ出だから最近の馴染みのないそして生命力の薄い曲よりも顧客のところに届きやすく、かつ丁寧に歌うからその曲の持つイメージを著しく害することもない。「ひねりのないアレンジ」や「つるの剛士が歌う意味」、レコード会社が目を付けた理由などのパーツがリンクした結果、30万枚という十分に誇れる数字を残すことになった。

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ファミ通コラムのメッセサンオー稲越店長の言葉で、

>お店の人間は誰しも損をしようと思って商品を仕入れ・販売しているわけじゃない

当然これはゲームメーカーにも言えるし、僕たちも「お金をドブに捨てたくて」買うわけでも「腹立たしい思いをしたくて」買うわけでもない。

ただ、自分の期待に添わない結果が出たときに苦言を呈してしまうのも当然のこと。面白くない場合も、思ったより売れない場合も。思った通りの仕上がりにならなかった場合も(←ちなみにこれはドラクエ9のことね)。

だからみんなどん欲に「損しない選択肢」を探す。マジコンでドラクエをやるのも、つるのにアルバムを出させるのも、モンハンがミリオン出荷を叫ぶのも、ファミ通がモンハンを40点にするのも、僕がドラクエをみんなに勧めるのも、FFが12月17日に出るのも、クオリティが低下してしまうのも、、、

 みんな損したくないから。

ブログのタイトルは「大人の都合」にしちゃったけど、善悪、良否だけで語れない尺度と都合は、誰にでもある。ずうずうしく自分勝手に苦言を書き込むのは気楽だけど(←もちろん僕も含めて)、大抵の場合は、弁解したくなる理由があるに違いない。ただ、大人の場合それは往々にして「通らない」。だからたまには「大人の都合」も考えようかなって思うんだよ。

FF、売れて欲しいです。たとえ僕が凄くつまらないと感じたとしても。

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コメント

お久しぶりです
なんだか毎回書き込むときにはこの言葉からな気もしますが;キニシナイ キニシナイ 自分は今年中には出ないだろうと高をくくってお金を使ってしまっていたので12/17発売の知らせには想定外でした;、思えば3年前くらいからFF13発表され、トレーラーばかり見てきたわけですが、FF13発売を機に我が家にはPS3がやってきそうですw 父はFF12からFFに目覚めた人なので問題はなさそうw で、FF13もやはりインターナショナル版が出るのでは、と思っているのですがどうなんでしょうかね~ インター版のおかげでFF12は2買ってしまったのはいい思い出 orz

投稿: Uma | 2009年9月12日 (土) 23時50分

ちすUmaさん、クリスですコメントどもです。

この回にも書きましたが、やっぱり「売らないと」ってことだと思うんですよね。PS3市場そのものの活性化はエニックスチームはともかくスクウェアチームにとって死活問題だと思いますし、クリスマスシーズンを逃すと事実上1年間負けて過ごすことにもなりかねない。

本音としては市場が一旦沈静化する年度末辺りにぶつけたかったんじゃないかと思いますが、それすら待てなかったんだろうなぁと。

PS3をお持ちでないなら間違いなくこのタイミング(FF13同梱版)が買い時だと思いますが、もし確実に買いたいなら、「発表になる前に予約を受け付けてくれる店を探す」のが得策かも。大手量販店なら結構聞いてくれますよ。

インターナショナルは結局のところ英語ってのがネックで今まで一度もやったことも買ったこともないんですよ(^^;。おまけ要素には興味も沸くんですけどねぇ。

投稿: クリス | 2009年9月13日 (日) 21時30分

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