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2009年11月 2日 (月)

化物語~その2~

主題歌「君の知らない物語」が良すぎて泣きそう。既に化物語との関連性は希薄となり、この歌だけでイメージの翼は夜空へ舞い上がる。最初見えにくかった歌詞の意味が、ひとつ一つ輪郭を浮き彫りにするように現れてきて、曲解を恐れずに恋心を伝えきれない彼女の想いをかみしめると、思わず胸が熱くなってる自分に気付く。「君の知らない物語」★★★★★。化物語は★★★★☆くらい。一つの作品でこんだけ☆が付いたのはグレンラガン以来か。

化物語の作りはとても今風で、OPをその回のヒロインのイメージソングになっていたり、このエンディングの歌詞がメインヒロインのもう一つの内側
※本編は作家である西尾維新が書いてるひたぎ像で、この詩は作詞作曲を手がけたRYOさんからのひたぎ像。
が見える。二つはやっぱり別物でその違いと相似を見つけるのがとても楽しい。

こういった作りも、昔はスポンサーがいかにアニメというコンテンツから関連商品を売るのか、という仕組みだったのが、今はかなりお金の流れが変化してその作品だけで、ノベル、アニメ、CD、ブルーレイ(DVD)、マンガ、ゲーム、劇場版と幾重にもお金を生むチャンスを構築できていることが大きい。作品のクオリティは愛のあるアニメーターが底上げし、お金の掛かる人気声優を使わなくても分母が増えた声優人口がある程度のクオリティを確保させる。何もアイドルに物語と何も関係ないようなテキトーな歌を歌わせなくても、しっかり売上と人気を得ることが出来ればその方が作り手としても消費者としても健康で幸せだ。今週の週アス見たらAMAZONDVDトップセラーランキング(10/14付け)の10位までに化物語のブルーレイが6本全て入っていた。1枚が7500~8500円くらいと決して安くないのに。

作品は商品であり、儲からなければ今のご時世やっていけない。トヨタだろうと自店だろうと合併を繰り返すゲーム会社だろうとその状況は厳しさを増すばかり。「商品である前に作品であって欲しい」などというのはエゴに塗り固められた引きこもりの戯言に過ぎないのだ。

だからこそ、パンチラであり全裸であり下着姿であり「願い事をひとつ叶えてあげる」であり美少女であり童貞でありツンデレでありロリでありメガネっ子でありアホ毛であり絶対領域であり包帯であり吸血鬼であり化け物であり廃墟であり二人の妹でありRYOさんの曲提供でありネット配信でありDVDよりブルーレイの方が売り上げが高かったりするのだ。

 化物語は非常に洗練された商品だ。

あだち充やラブプラスやタカヒロ作品となんら変わらない、言い換えるなら「流行りもの」と言ってもいい。トレンディドラマや携帯小説のように陽の当たる場所にいる連中からは見えないが、陽の射さぬ家の中では着実にそして多数の消費者を生み、心をつかむ。

少なくともシャナやファフナー、もっと言えばハルヒの時には受け入れられなかった僕のような立ち位置ですら、とらドラからけいおん、化物語への流れの中で心を奪われている。単純に嗜好が変化した可能性も否定できないが、作品の「媚び方」がより巧みになってきたことも否定できないだろう。

このまま男性の欲望を極限まで具現化した先に何があるのかはわからないが、その埋蔵量はかなりのものなはずだ。なぜなら僕が小学生の頃から掘り続けていてなおまだニヤリとさせる言葉や場面があるのだから。

余談だけどひたぎが言う「メンヘル処女」という単語に凄く強い疑問符が沸いた。「メンヘル?」。すぐさまネットで調べるとそれは「メンタルヘルス=精神病」のようなニュアンスがあるらしい。「心が病んでしまった彼女」。確かに彼女を顕すのに適切な表現だと思うが、

 なんで「メンタルヘルス」が「精神病」
※ウィキペには「症状、患者」とあるが、まぁ大差ないだろう。

そのものを指すのかがわからない。「精神的な健康度」を表す尺度がそのまま「病んでいる対象」と同義となるのか。これじゃあ「MP=マジックポイント」と「MP切れ」が同義になったり、「NHKのどじまん」が「音痴」になったりしちゃわないかと思うのだけど、、、。

まぁ閑話休題。

個人的にひたぎのキャラが超ツボなので、もっとこっちを掘って欲しいと思う一方で物語の基本スタイルが「怪異(妖怪とか)&美少女」であるため、一段落したエピソードにいつまでも固執するのはある種の動脈硬化を引き起こしかねないかなぁとも思うんだよね。いつまでもひたぎを出し続けていいのかな、とか。
まぁ全部見たワケじゃないので何とも言えないんだけどさ。

二次創作、出来たらエロじゃないヤツがもっとアクティブに育成されないかなぁと思ったり。ああそうか!それがアンソロジーってヤツなのか!でも自分の中の「アンソロジー」というカテゴリーはいい想い出がないんだよな。たまたまなのかも知れないけど。

コンシューマ向けのギャルゲー(ボイス付アドベンチャー)仕様にしてひたぎと暦のエピソードをてんこ盛りにしてくれるだけでも全然構わないというか、そういうのってニーズないんですかね?西尾さんご本人が脚本書いて、、、ってそんなことしてるヒマがあるなら本編をもっと書いて貰うことを望む声のが多いのかしら。

まぁ自分みたいな人種がジャストミート層であるなら、その望みは他の多くの人の望みでもあるわけで、逆に考えれば既にそうしたプロジェクトが動いている、と考える方が自然かも知れない。

13話の配信が11月2日に延期になっちゃったけど、当日のアクセス数は想像も出来ないな。僕なんかはまだ8話だっけ?なんとかモンキーの話を見終えた状態なのだけど、
※友人Tの話では次の2話にはほとんどひたぎが出ず、12話はほぼ全編ひたぎ染めな内容らしいと聞いているので、正直次を見るテンションが上がらないというのもある。
12話の内容次第ではめちゃめちゃ悶々としそうだよな。あ、配信ってフルHDなのかね。アマレココとかでキャプチャ出来てしまうんだろうか。でもぶっちゃけキャプられたって構わないんだろうとも思うんだよね。

 だってそれでもAMAZONの1位は「まよいマイマイ」だったんだもの。

先日の「有料ユーザー比率」の話じゃないけど、こうした優良なコンテンツってのは凄くお金を使わせるのが上手いと思うわけですよ。アニメがよければ原作も読みたくなるし、曲が良く、キャラに愛着があればCDだって買う。化物語はヒロインに合わせてOPの歌を歌わせ、エンディングは分母の大きな楽曲提供。やり方次第でシングルもアルバムも全部買うって人は少なくないでしょ?たぶん。

昔はかなりいた「レンタル出来るけどアルバムを持っていたいから買う」って価値観は、一時楽曲の乱造&容易で劣化のないコピーによって死滅したかにも見えたんだけど、
※死滅はオーバーでもコピーコントロールCDが出来たのはそういう背景もあるでしょ?
作品が素晴らしくて「 愛 」がある場合、その限りじゃないんだよね。一時期の「ときメモプロダクツ」のように「愛をむさぼり食う」ような商品展開をしてはダメだけど、しっかりと満足して貰えるコンテンツを、「作り手側も愛を持って送り出せば」十分長期的にお金を生む作品に成り得ると思う。いやホントに今さらと思われるだろうけど、化物語は凄い作品だと思いましたよ。グレンラガンやマクロスFみたいにメカがあるわけでもなく、けいおんみたいにキャラの見た目の萌え度が振り切れてるわけでもない。まさにノベル出の「テキストで形作られたヒロイン」だからね。ある意味新しい。

しかし再三書いてるけど、あるところにはあるもんだね。今年もあと2ヶ月になったけど、結構いろんなコンテンツが僕を楽しませてくれたなぁって思う。ドラクエ、サマーウォーズ、けいおん、ヱヴァ、マジ恋、化物語、、、。今後もどん欲にサーチして行きたい所存です。つかワガママなジジイなのでアグレッシブにいかないと全てスルーになっちゃうんだよな。

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