NEWスーパーマリオブラザーズWii
娘のクリスマスプレゼントであるところのウィーマリを一緒にプレイ。「社長が訊く」を読んでいたのでちょっとしたところにも「なるほど」と趣深い。が、正直僕的には「マリオサンシャイン」内にあった「3Dのスーパーマリオ面」の方が楽しい感じ。ウィーマリは「みんなでやるマリオ」であるという唯一無二のアイデンティティの上に成り立つパーティゲームで、やってる内容としては「スーパーマリオの新しい面」という域を抜けてない。ジャンプアクションの見せ方としては、正直言ってPS3のリトルビッグプラネットの方が「新しい面白さ」があったような気がする。
結局のところマリオの面白さは「計算され尽くされた匠の技」という感じで、ひとつひとつのフィーチャーに唸らされる一方で、アバウトな気楽さによる楽しさは薄い。現在4面の砦くらいまで行ってるが、新規のペンギンマリオ、Wiiリモコンを振ることによるアクション、雪や海、砂漠と言ったいつもの面で織りなすドラマは、いつものソレである。ニューマリがより広い対象に向けて難度を下げ、3Dを捨て、よりわかりやすく懐かしくも新しいマリオを目指し受け入れられたのと同ベクトルで、「Wiiならでは」の協力と高難度化による達成感&「死に様の美学」。優等生と言えばこれ以上優等生なタイトルはないと思うが、ゲーム歴30年のジジイからすると、正直インパクト不足な感は否めない。
フィールドマップはスーパーマリオ3ライクな横画面。以前あった「ストックアイテム」はなくなり、単純なマップ難度もニューマリより高いから結構よく死ぬ。1UPの為のフィーチャーはたくさん配置されていて、残機はちょっとずつ増えてはいくが、気を抜けばめきめき減っていく辺りはさすがのチューニング。同時プレイ中に死ぬと泡に包まれた状態で浮遊しながら現れ、「他のプレイヤーに触って貰う(もしくはWiiリモを振ることでのんびりこちらから近づいて触れる)」ことによってしかマップに復帰は出来ない。同時プレイ中に残機がゼロになると、ひとり残らず死んだ時点でマップに戻されるまで「見るだけ」になる。
復活のための泡状態は、Aボタンで自ら進んでそうなることも可能。全員が泡状態になると「ゲームオーバー」になるが、「落ちてる途中でAを押すことで転落死を自力で防ぐ」ことも可能なため、同時プレイ時は強力な「ワザ」として使える。他のプレイヤーを足場にして高台のコインを取ったり、ひとりが凍らせてもうひとりが破壊するなど、連携に関する演出は「満を持して」という感じに盛りだくさんだ。
セーブは相変わらず中間地点の砦とクリア時にしか出来ず、マップ内にワープポイントがあったり、フィールドマップで使えるアイテムや1UPキノコをゲット出来るポイントも多数。ボタンは1と2になったが、ダッシュは「Bダッシュで」と宮本茂御大もおっしゃっていて、Wiiリモシェイクによる新操作もないではないが、基本は全く変わらない。僕はWiiリモの十字キーが大嫌いだが、ウィーマリでは斜め入力が求められる場面が少ないのでほとんど気にならなかった。
※ちなみにクラコンやGCコンでは操作出来ず、ヌンチャクでの操作は可能とのことだが、前述したように「シェイク」操作があるので両手でリモを持つよりはやりづらいかも。
画面はオーソドックスなマリオをそのまま綺麗にしたような感じで、これもリトルビッグプラネットよりはインパクトも精緻さも美麗さも劣るが、安心感と安定感はある。特にニューマリプレイヤーにしてみれば「そのままWiiにした」感もあり、これも今後かなり長期的に売れていく素質は十分。
「枯れた技術の水平思考」はハード面だけじゃなくソフト面にも出ている
と感じた。何でもかんでもポリゴンにした時代は過ぎ、「面白いって何だ」「楽しいって何だ」「気持ちいいって何だ」というプリミティブな感覚にしっかり注目出来るようになった気はした。つか正直スーパーマリオ64の時は「アリ」だと思ったけど、何でもかんでもアナログでファジィな操作を「強要」されるのは何か「難しくないか?」って思ってたんだよね。デジタルにはデジタルの良さがあるって、(例えばポリゴンVSドット絵にも言えるけど)シミジミ「ゲームジジイだからではなく」思ってたからさ。
ただ、だからといって僕がこのウィーマリが好きかと問われると話は別だ。娘と一緒に遊んで笑ったり唸ったりすることは確かにあるし、良くできているなぁとは思うが、、、これはぶっちゃけ僕の「ゲームジジイ化」が原因だとも思うが、やっぱり数字の楽しさがないんだよね。苦労してクリアするとか、気持ちよく跳んではねて抜けると言った「遊び」に楽しさを感じにくくなってる。さっき「プリミティブな感覚に注目した」と書いたけど、それはやっぱり「任天堂の対象」に対してのアプローチであり、一旦距離を置いた中学高校くらいからの「ライトじゃなゲーマー」には、どうしても魅力が薄くなってしまうのは致し方ないと思う。
逆に子供の年齢が2、3歳で、両親がゲームに対してライトなスタンスを維持してきたような方には、「これ以上ない名作」となる可能性がある。
画面はカラフルでキャラはかわいく、操作は単純で、リアクションが明確。そして何より泡状態と同時プレイによる「共有感」がほとんどゲームを操作出来ないような子供にも「ゲームの楽しさ」を伝えることが出来る作りに成功している。泡は自力で割ることが出来ないが「振る」ことで動かすことが出来るし、画面が「自力でなくとも自分もいる状態」で先へ先へと進んでいく様はとても子供にとって心地よいものに違いない。泡状態に時間的制限がないのは「一緒にがんばっている」と錯覚させる素晴らしい演出だと思う。
正直同時プレイ時にはお互いのキャラを踏みつけたり、当たり判定によって端っこから追いやられる、ジャンプがジャマされるなどの「殺し合い」に通じ得る要素が多々ある。だがそれは「一緒にやっている」ことをより強く意識させるための意図的な施策であって、それを理解した上でプレイすればむしろ逆に唸らされる局面も多い。単純に年齢が低い場合はそれに気付かず声を荒げることもあるかも知れないが、その直後に協力を余儀なくされる場面が用意されていたりして、
※ひとりでクリア出来ない面は基本的にはないが、隠し通路等ひとりではなかなか入れない到達出来ない場所はある。
上手くバランスを取っている。まぁ本気で対戦プレイをすればそれはそれで楽しいゲームに仕上がっているのも間違いないところではあるんだけどさ>御大も言ってたし。
僕個人の評価としてはさほど高くない★★くらいだけど、好みを抜きにして子供向け、もしくはリターンゲーマー向けとしたら★★★★くらいある奥行きのある価値が見えるタイトルだとも思う。あまりゲームをしない彼女がいるとか、子供に初めてやらせるゲームは何がいいか、とか、2世代3世代住宅でおじいちゃんおばあちゃんと一緒にゲームをするなら、など「このカードが最強」になる環境はいっぱいあると思う。
こういうゲームをプレイすると、日本のゲームの入り口は任天堂が築いているんだなぁとシミジミ感じさせる。
「誰もが通った道」
その最新版がNEWスーパーマリオブラザーズWiiだ。
※なんだかプロっぽい書き方だ(^^;。
このあともう少しやったので感想補足。
今回のマリオには「お宝ムービー」なるご褒美フィーチャーがある。取りにくい(もしくは取り方が全くわからない)ゴールドメダル(これを集めるとムービーを任意で開放出来る。余談だけど「開放」の方が「アンロック」より好き)の取り方や、大量に1UP出来るポイント、超上手いプレイなどを見ることが出来るのだけど、
これがなかなか良い。
これまでの3Dマリオだとメダルを集めることでコースが開放されていったんだけど、今回のようにクリア型にも相応のモチベーターとして機能させる必要があったわけで、、、。上手いなぁと思った。★一つ追加して★★★くらいかな。
| 固定リンク
コメント