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2010年2月 6日 (土)

AVATAR

何となく「まだやってんのかなぁ」と電話してみたら辛うじてやっているというのでテンション上げてみてきました。3Dでやってるレイトショー&ファーストショーは吹き替えだけだというので吹き替えを。

感想から言うと「行ってよかった」。面白かったと思うんだけど、何か感想にチカラが入らないのはやっぱり3Dゆえの「見づらさ」みたいなのが残ったからかも。

見に行った映画館はディズニーランドとかで使うグレーのプラスティックグラスで疑似3Dを見せてくれるタイプのもので、正直メガネの人間には違和感がどうしても残るんだよね。あと、動きの速い場面とかだとどうもコマ送りっぽくなるというか、元映像から結構フレームレートが低いんじゃないかと思えるような「手ざわり」を感じてしまって、

 面白かったけどなんだか惜しかった

という何とも中途半端な感想が出てしまう。「3Dと3Dじゃないののどっちを見る?」と訊かれたら間違いなく3Dを選んだと思うし、どっちに行った方がいいかと訊かれても3Dに行くべき、と答えるけど、でも、

 3Dじゃなくてもいい。

むしろ3Dじゃない方がディティールの把握はしやすいだろうとは思った。事実上映画館で見るなら、3Dで見ることが可能な状況であれば、そっちで見るという選択肢しかなかったけど、一度見た状態であれば、正直通常版の方が見たいという感じ。

3Dは、例えて言うなら源平倒魔伝をイメージしてもらうとわかりやすい。近景、中景、遠景と3段階にわかれたスクロール速度で距離感を演出してるような感じで、実際に僕らが生きていて手元の物体に「立体感」をそれほど意識しないように、映画で3Dを普通に演出しようとしても、「過度な見せ方」をしなければ正直なかなか伝わりにくい。だから勢い3Dの演出はそうした「奥行きのある紙芝居」のような、「人形劇」のような立体感にならざるを得ない。

予告で出てきたディズニーやピクサーの映画、序盤の3Dならでは、を意識したデモシーンを除いて、中盤以降それほど「おお3Dじゃん!」と感じさせる場面は少なかったわけだけど、
※時たま「あ」って感じる感じ?
全編通して「湾曲した透過型モニター」の映像が一番リアルに3Dを感じさせたと思う。もちろん個人的にだけど。透過型モニターってのは雑誌とかアニメ、その他SF映画で良く出る演出ガジェットなんだけど、実際そのリアリティを感じるには「立体感に欠ける」。でもこのような3D映画だとその「欠け」が補填されて、とてもイイ感じに立体。キャメロン監督もその辺りがわかってるのか、序盤ではこれでもかとモニター関連のシーンを見せてくれてかなり満足させてもらった。

そう、全編通してサービス精神はこれでもかと感じる。

完全に生態系やら世界観を一から構築したパンドラの映像はまさに「力業」で、ある意味FFっぽさすら感じるが、その贅沢さがまた気持ちよかったりもするわけで、どの場面どのメカ、どの生物、植物を見ても、手抜きは一切感じない。伊達に長い間沈黙していただけあって、「溜めに溜めたモノを吐き出した」感は凄まじい。

話に関しても「もうちょっと欲しかったかな」という唐突さを感じたシーンが2箇所ほどあっただけで、
※原住民がこちらの言葉をしゃべったときは一気に血の気が失せる思いだったけど(^^;
全体通せばハリウッドの文法に則した良く言えば安心してみられる、悪く言えばステロタイプのストーリー。もっとも僕みたいなハッピーエンド大好きな人間にしてみればこれで十分及第点というか大満足のお話ではあったのだけど。

原住民キャラに関してはまぁ「100%予想通り」。必要以上に気持ち悪くもなく、必要以上に美人や美男に見えるわけでもなく、終始ニュートラルな感じだった。人によって感じ方は違うだろうけど、初代猿の惑星に出てきたコーネリアスだっけ?(※調べたらジーラでした(^^;失敬)女性の猿の顔に抱いたイメージとさほど差はない。ただ、

 人間の方はかなりいい。

各所で言われてるだろうけど、大佐は最高。最初から最後までキャラにブレがなく、日本語の声優もバッチリはまり役で、マトリックスのミフネだっけ?あのオヤジより明らかにカッコイイ。軍人らしい軍人で、悪役なんだけど、悪さよりも信念を感じるカリスマ性がある感じ。nori君とか当然見てるだろうけど、たぶん好きだろうな~とか思った。
個人的には死に様で※もうネタバレ大丈夫だと思うからそのまま書いちゃうけど、矢を二本射られるのに、「腹と腹」じゃない方がよかったんじゃないかと思ったけど、顔では死に顔を見せられなくなっちゃうから、アレはアレでよかったのかなぁと思ったかな。

終盤グラサン外すオッパイもいい。あのオッパイはいいオッパイ。っていうかヘリにもメイクしてある辺りがまたイイ感じで、ほとんど最初から死亡フラグが立ってるキャラだったけど、いやいやとてもよかったです。

さっきも書いたけど、欠点らしい欠点は「ところどころ見づらくなる」くらいのもんで、、、あ、席はちなみに一番前のブロックの一番後ろ、最前列をAとしてD列のセンターで見ました。僕より前には誰も座ってなかったけど、もうイッコ前でもよかったかな、って感じ。着いた時には既に前から二番目のブロックの6割方埋まっていて、全体で言うと3割くらいの人の入り。終了間近の映画としてはかなりのもんだなぁと思う一方で、タイタニックの監督の続編としては役不足なのかも、とも思ったり。まぁ今から行く人は少ないとは思うけど、丁度視界とかぶるくらいの前列の方が「疲れるけど楽しめる」とは思いましたね。

さっきも少し触れたけど、全体的な映像のクオリティは、

 FFをリアルにした感じ

と言ってなんら間違ってない。登場人物は原住民(ナヴィって言ったっけな、もう忘れたけど)と本物の人間に極力垣根がないクオリティに仕上げなきゃならない分、いろんなところで腐心されてるわけだけど、FFだって「ニーズがコレだからこう作ってる」だけで、劣っているというよりは方向性の違いだと思われる。だから、

 「FFを良くした感じ」ではない

ってのはちと断っておきたいところかも。でもそのリアリティがとても心地よかったのもまた事実で、特にメカと生物の「影」は最近比較的高画質で遊べるようになったPCゲームをやってより強く感じた「良さ」。まぁキャメロン監督だから見る方もそう言うのを期待してみるってのももちろんあるとは思うけど、

 ターミネーター4なんて全然目じゃない

くらいリアルでかっこいいメカが目白押し。言っちゃなんだけど、

 ゲームにも興味が沸く

ほどイカしてたです。ああでも個人的にあの赤いドラゴンにはもう一ひねり「必殺技」があってもよかったかな~。今のままでも特別なんだけど「もっと特別な切り札」があった方が、

 この映画を見る層は喜ぶ

と思ったり。あの特徴的すぎるトサカとアゴをなんか活かしてくれることをほのかに期待して見ていたことを今思い出しました。

ああそうそう、あと大佐とは別にいた「小物っぽい責任者」が最後まで普通に生きて小物のまま帰投していくのは、、、まぁしょうがないか。大佐をクライマックスのボスに設定した方が話が盛り上がるもんな。あそこでアイツがキレて無茶やったところで、所詮「スイッチ押すしか能がない」ヤツを倒しても部族の長としてのカリスマは得られないもんな。

というわけで、クリスの評価としては★★★★ってことですかね。もう少し見やすければ☆加算してもよかったのだけど、ちと残念。ただ、映画館で見た方がいい作品なのは(見る前からわかっていたことですが)間違いなかったですね。見る前から★4つを期待していたわけじゃなかったですが、結果としては良くも悪くも期待通りの作品でした。1300円分は十分楽しめたけど、個人的にはヱヴァ破やサマーウォーズを超えられたかと言うと、そこまでは行ってないって感じですかね。

余談だけど、序盤見ていて強く感じたのは、「このクオリティでスターウォーズ初期三部作をリメイクしてくれないもんかな」ってこと。今見ると結構ショボイんだよな>エピソードIV~VI。デザインはいいんだけど、SFXやVFXにチープさが見えてしまう。これもゲームのポリゴンみたいなもんで、時を経れば減るほど違和感が薄れるというか、クオリティが底上げされる気がするんだよね。あ、でも、

 音楽はスターウォーズの方が遙かに頭に残った

とは思った。メインテーマだけじゃなく、ファントムメナスのテーマとかも含めて、、、ジョン・ウィリアムスに依頼出来なかったのかなぁって感じ。つかそうしちゃうとスターウォーズとの類似性が増してしまうのを懸念したのかしら。まぁ本作のジェームズ・ホーナーって人も相応に凄い作品に携わってる人ではあるようだけど。あ、でも主題歌は結構良かったです。でもやっぱそれもセリーヌ・ディオンのタイタニックには劣るんだよな・・・。

繰り返しになるけど、3D映画、3D映像としてはまだまだ過渡期って感じですかね。「遠近感」を3Dというならこれで十分3Dなのだけど、心のどこかに「ホログラム」のような「思わず手で触れたくなるような」3D感、裸眼でも全然立体に見える感じってのが個人的には欲しいなぁとシミジミ感じた次第です。つかまだ書きたかったことがあったはずだけど、、、すっかり、あ!思い出した。

シガニー・ウィーバーは正直もう少し濃い役をやらせたかったかと思ったし、サム・ワーシントンも若めの声の声優が当てたからかどこか優男っぽい感じがしてちょっと惜しかったかも。字幕版だと違うのかも知れないけど、もう少しこの二人には目立って欲しかったかな。ちなみに大佐はどっかで見たことがあったような気はしたんだけど、ウィキペを見る限りは記憶にある作品に出てない様子。イイ感じの風体と物言いがザ・ロックのエド・ハリスを彷彿とさせたからかな(^^。

・・・一晩寝たらピンと来たので書き足しておく。

 司令官みたいなヤツは、「続編への伏線」だったんだな。赤いドラゴンを殺さなかったのも、ヘタしたら「トサカとアゴ」の必殺技を使わなかったのも、全て続編への伏線か。これだけの規模の「世界」を作ったのだから、1作でうっちゃるのはもったいない。今後メカやらなんやらのトイで儲ける為にも続編は必須か。いや、今作の興収次第ってとこかな。

あと序盤の宇宙船の映像にエイリアンのノストロモ号を思い起こさせたってのも思い出した。シガニー・ウィーバーだからってのは無いかも知れないが、キャメロン監督がリスペクトしてる可能性は大いにありそう。

さっき「タイタニックほどは売れない」みたいな話を書いたけど、それはあくまで日本のことのようで、ウィキペを読んだら、

 既に(タイタニックを抜いて)世界一になってる

ことが発覚してビックリ。まぁ派手な映画ではあったけど、「1年掛けてタイタニックが築いた記録を39日で」というのもスゴイ話だなぁと。タイタニックとアバターで約40億ドルって・・・こんだけ売れればどんな映画でも撮れそうですな>キャメロン監督。続編作るのかな~。

まだ言いたいことがあったのを思いだした。序盤で派手な掘削をしてる機械、あれって「バケットホイールエスカベーター」だよね。世界一大きな自走建機。なんか嬉しくなる(^^。キャメロン監督のパワーローダーや今作のパワードスーツのルーツはやっぱ建機にあったんだなぁとか思った。パワードスーツと言えば、

 デザイン的にザブングルのガバメントタイプに似てるな

とも思ったけど、まぁそんなこと言うのは僕くらいかも知れないな(^^。

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コメント

なんとなく観に行かれないのかな?と思っていましたが、思い違いだったようで何よりです(^^)。

クリスさんの感想と私のそれ、ほとんど同じで安心しましたというか、「そうだろうなぁ」というか。
おそらく、ゲーム、アニメ、マンガ、映画とまんべんなく趣味に持っている人間なら、おおよそ同じ感想になるんじゃないかなぁと思いますね。(そうでもない?)

贅沢な作品なんだけど、ガツンと来ないところもあって、想像できるところの延長線上にあるといいますか。
エイリアン2、ターミネーター2、ジュラシックパークを見たときのようなガツンはなかったなぁ、と(エヴァ破との比較も同じ意見です)。

もちろんつまらないわけでは全然なくて、普通に楽しかったし、もしもこの映画を退屈という人がいたら「そりゃあなた楽しみ方が違うよ~」とやんわりたしなめる自信はありますし。

興行成績を見て、偉大だなぁと思うのは映画館に3D設備の導入を否応なく促したことですね。この映画の真価はまさしくそこでしょう。3Dの可能性(経済的な)を示したことで、映画界は変わったし、3Dテレビの需要まで引き出しました。
そこを考えると一本の作品としては上述の作品を超えていないにしても、とんでもなくガツンとくる一本ですかね。
やっぱりジェームズ・キャメロン監督は偉大だなぁと思う次第です。

まぁそれはいいとして。
やっぱメカが格好いいのはさすがキャメロン。
それから、なぜに現行据え置きゲーム機でドラゴンフライトシミュレーターがないんでしょうね。需要がないんですかね~。

投稿: トムニャット | 2010年2月 7日 (日) 02時36分

ちすトムニャットさんまいどです。

>なんとなく観に行かれないのかな?

(^^;;;。正直観に行くつもりは全然なかったんですよね。予告を見たときこそそれなりにテンションは上がったものの、時を経て2012の評価がバリ下がってからというもの、

 なんかAVATARもあんな感じなのかも?

と思う自分を見つけてしまっていて。当然のように近所で3D放映してるところなんてないと思い込んでいましたし、それによって初日二日目を逃してしまったらあとはもうほったらかし。まるでFF13のごとく・・・。

でも最近リニューアルした映画館がもしかして、、、と思ったらやはり3DでやっていてテンションややUP。でも初日を逃したのできっかけが、、、と悶々としていたわけです。まぁ何がきっかけになりうるのかは人それぞれなのですが(^^;。

感想に関してはホントおっしゃるとおりとしか言いようがないというか、もう「わかってる」んですよね。「読める」というわけじゃないんですが、「驚けない」というか、どうしても感想が「良くできてる」「綺麗だなぁ」を逸脱しきれない。本当にハートに響く感想は、

 凄い!

であったり

 はぅぅぅっ!

であったりするわけですが(^^;、そういうのがないんですよね。大佐かっこええなぁとか、トルークもう少しエピソードが厚くてもよくね?とか。妙に冷静な自分もいる。

それでもあれだけお金を掛けた映像世界を見せられちゃうと、

 それはそれで満足せざるを得ない

という。

>3Dを導入

確かに。ただ友達が言ってましたが、「アイマックスしか見てない人が『アイマックスで見るべき』と叫ぶのは滑稽」と言ってたのは言い得て妙だと思いましたね。3Dであれば実はそれだけで十分迫力があるのに、そこでもうワンランク上のアイマックス至上主義みたいなのを言い出すのはそれはそれで違うんじゃないかと。でもってそれを延長して、

 実は3Dじゃなくても十分楽しめたんじゃないかと。

思ったりもするわけです。3Dを浸透させたことは凄いんだけど、実は3Dじゃない映写方法のモノの方が内容やディティールがよくわかったりするってのはあり得る話なんじゃないかと。

まぁでもそんな風におどらされないようにしようと思えば思うほどこの凄まじい作品がなんだか普通の凄い作品に落ちてしまう気もしたりするわけで、、、。でも映画館で見てよかったとはやっぱり思うわけで、、、。

 ある意味日本人的な感覚なのかも知れません。
※アメリカンには別のものが見えて20億ドルなのかも、、、と。

ちなみに友人noriくんの奥さんはこの映画で「3度泣いた」らしいのですが、それには僕もちょっとビックリしましたね。

 え?どこで?

みたいな。でもやっぱりそれも「泣けるなら泣けた方が得」だとも思うので、逆説的に自分はちょっと損したのかもなぁと思ったりもしましたです(^^;。全然全くちっとも泣けなかったので。涙もろいのに。

投稿: クリス | 2010年2月 8日 (月) 21時37分

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