シリアスサムHD
以前からバブシカさんがオモシレーと言っていたような気がしないでもないシリアスサム。晴れて機会を得たのでプレイしてみたところ、
普通に面白い。
でも「普通に面白い!」までは行かない感じ?
最近、、、というかレギンレイヴが落ち着いちゃってから数日凄くテンションが低く、届いた1.5TBのHDDをフォーマットしたり動画を整理したりしてこれまたモチベの上がらないうだつの上がらない毎日を過ごしておりまして、まぁこのシリアスサムに関しても、「もっと前のめりの精神状態であったなら」より高い評価を下せたかも知れないのになぁという感じ。
操作感はDOOMやウルフェンシュタイン3Dのそれを彷彿とさせる非常に軽いもの。ダッシュはないけど、例えばロストプラネットやレギンレイヴなんかと比べても格段に速いのでストレスはほとんど感じない。
グラフィックはHDと謳うだけあって精緻ではあるが、FFのように妙にアーティスティックで気取った感じはない。というかまるでFFをけなしているような表現をしたが、そんな気取った、まるで一枚の絵画のようなFFの背景が僕は大好きなので、正直サムの絵は「綺麗」には映らない。ただ、これまたサムをけなしているかのような表現だが、そんなシンプルにして精緻なグラフィックはこの「撃ちまくる」FPSのゲーム性に非常にフィットしているため、全く持って問題ない。むしろ余計なものがなくてとても遊びやすいくらいだ。
システムは単純明快。敵を銃もしくはナイフで倒す。倒し続ける。雑魚と言わずボスと言わず目の前の敵を倒して倒して倒しまくる。重火器は拾えば使えるようになり、弾薬はボロボロにあるので
※と言っても敵が無限に沸くわけでもなければその沸いて出た敵から弾薬がドロップするわけでもない(と思う)。まぁフィールドにいっぱい落ちてるって感じ。
割と気にせず撃ちまくれる。
僕がFPSを苦手とする理由のひとつがその「弾薬の節約感」であったりもするので、この点はとても安心して遊べた。っていうかもう一つ「狙うのがむずかしくてイライラする」というのも苦手な理由なのだけど、こちらも「かなりアバウトでも当たる(武器がある)」ので、ストレスという表現からはかなり遠のいたFPSであり、僕的に好感度が高い仕上がりであるとも言える。
世界観は古代エジプトに始まり、いろんなところを転々とするらしいが、とりあえずピラミッドのような遺跡の中と外だけ体験。割と移動にイライラさせられるような障害物はないが、唐突に一撃死させられた鉄球やら視野的に気付きづらい隠し通路などが散見され、ちょっとした探検気分も味わえる。が、まぁそれは「撃ちまくる合間の味付け」程度で、基本はとにかく、
何もない空間からも唐突に大量発生する雑魚を倒しまくる
ようなゲームだ。
※ちなみにXBOX360の北米ライブアーケードでも1200MSPで発売しているらしい。
鎧を取ればアーマーが増え、基本アーマーがあるウチはアーマーが減る。薬を飲んで体力を回復したり、なんかよくわからないアイテムも2、3ないではないが、まぁホントに何も考えずに戦える「とてもお気楽なFPS」というのが正直なところ。
死ぬとセーブポイントからやりなおし。潔いと言えば聞こえはいいが、タイミングによっては結構戻される。正直「食らいまくった状態でセーブポイントを抜ける」と、その状態で再開ということになってしまうと思われ、その辺りちょっと怖い気もするが、そういうのがFPSだと言われたらまぁそうなのかも知れない。
敵はほとんど人間とは言えないようなヤツらばかりなので、撃ち殺しても全然良心が痛んだりしないのも僕的には好印象。ただ、
派手に飛び散ったりはする
ので、グロそのものが嫌いな人には向かないかも。
ちなみに自分は「グロ」「スプラッタ」は何とか踏みとどまれるんだけど、「ホラー」や「オカルト」はダメ。要するにバイオハザードとかバイオショックみたいな世界観の方がずっと苦手。超苦手。マジ怖い。せめて舞台がSFで宇宙船の中だったりすればかなり自分の中で線が引ける(異世界のことと割り切れる)のだけど、、、いやホント怖いのは苦手。
まぁFPSをやるとなれば多かれ少なかれスプラッタは避けられないから、その点の覚悟は今更なのかも知れないけどさ。
・・・基本的な感想はこんなところなのだけど、、、
僕的な視点で見ると、これだけ「気持ちよく動かせてお気軽に倒せる」というのはとても素晴らしいと思う反面、経験値やらレアドロップやらのRPG要素というか、やり込み要素みたいなのがあったらもっと「僕好み」にはなったかなぁとは思った。
あくまで「僕好み」であるので、サムファンの方の逆鱗に触れたとしたら申し訳なく思うが、結局のところ、このくらい軽いフィールで地球防衛軍とかボーダーランズとかを遊びたい気にさせるほど、、、例えばそうだなぁ悪魔城ドラキュラやロックマンをプレイしたときに、「マリオだったらこんな面余裕なのに・・・」って思ったことってないです?そんな感じなんですよ。
シリアスサムのフィールでEDFを遊べたらもっと楽しいんじゃないか
って思ってしまったって話。足元の障害物もなく、気持ちよく移動しながらバンバンガンガン倒しまくる。
ただ、ぶっちゃけ敵の数と迫力はEDFに比べ物にならないくらい軍配が上がりまくりだし、そのマップ構造自体もかなりEDFの方が広くアバウト(良い悪いで計れない意味で)なので、いざ高速移動とルーズィなエイミングが(EDFに)導入されたら、それはそれでおかしな事になったりはしちゃうかも知れないけど。
まぁあれだ、直前までレギンレイヴってたから余計にこの軽さに魅惑されたってことなのかも知れないな。序盤だからスゲェ簡単だし。
※そもそも難度も最低にしてた可能性も高いし。
マップもDOOMみたいに複雑じゃなく、弾薬に困ることもない。絵もそこそこ綺麗で、テンポが良く、グロではあるが世界観は明るい。じめじめとした陰湿なグラフィックのFPSが多い中、これは素直に評価出来ると思う。個人的にこれまでスルーしていた最大の理由は、
名前がダセェから。
「シリアスサム」って名前がどうにも「深刻な親指」と脳内翻訳されてしまい、どうしても抵抗があったのだけど、いざやってみたら全然深刻でもなければ親指でもない。イメージだけで無責任に名付けてしまえば、
「トロピカルエジプトホリデー」
くらいお気軽なテイストのFPSだ。評価は★★★。FPSがそれほど好きじゃない僕の評価だけど、これは「FPSが好きだったら上がる」というものでもないと思う。シリアスサムの世界観、チューニング、システムは、いわゆるFPSとはいろんな意味で一線を画しているのは間違いないところのようだからね。
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コメント
自分もFEHD遊んでいるのですが、無印SEを初めて遊んだ時のような面白さは感じられませんでした。
このゲームはDOOMのアンオフシャルな後継なのでシステムとして古臭いのは仕方がないですね。それでも撃ちまくり系のFPSとしては良く出来ていると思います。自分の評価もクリスさんと同様に★★★です。
今の時代であればボーダーランズのようにFPSを遊んだ事がない人にも楽しめる工夫がなければなりませんね。
ハードユーザーのものだったFPSですが、いまが丁度その岐路に当たる時代だと感じています。
これ以上コンシューマ向けになるのも考え物なのですが……。
投稿: バブシカ | 2010年2月26日 (金) 07時59分
ちすバブシカさん、クリスですまいど。バブシカさんとは他の方と出来ないコンテンツのお話が出来るのが嬉しいです(^^。ビバ同世代!ハ~ビバノンノン!
シリアスサムはSEから入られたんですね。自分てっきりファーストからだと思っていました。でも今度セカンドも出るみたいな話もありましたし、むしろこちらに気持ちを注いでプレイするのが吉なのかも。
DOOMの後継とはまさしく。でもなんだろ、僕的にはDOOMより簡単な分(ですよね?)楽しく感じました。DOOMは最初の2ステージくらいでもう気持ち悪くなっちゃったというか、ウルフェンシュタインもそうなのですが、密度と速度のバランスが僕の中では生理的NGになっちゃってた感じなんですよね。シリアスサムもちょっとやるとそういう狭さが出てくるかも知れませんが、序盤の広さが世界に対する「慣れ」をレクチャーしてくれて、結果楽しめた感じです。
でもまぁ今の時代にこのアーケードライクなチューンは確かに厳しいかも知れませんね。ある意味ハンゲームみたいというか、フラッシュゲームみたいというか、お気軽なことは悪いことではないのですが、今(というかこの10年)FPSと言ったら最もハードを酷使するジャンルであり、それが求められていますからね。イイ意味での「こけおどし」が必要なのは強く感じます。それがボーダーランズのようなハクスラ要素であったり、モダンウォーフェア2のような映画的演出であったり。
※ホントはポケモンやドラクエのようなファンシーな世界観でもFPSと似たゲーム性を開拓する余地があるとは思うのですが、
→だってFPSってどれも退廃としたスリル、サスペンス、ホラーみたいなのが多いし。「殺戮感」が拭いきれないウチは難しいんでしょうね。でもレギンレイヴみたいに任天堂ソフトなのに17歳以上推奨で、でも赤い血が出てるのに全然それを感じさせない
→血があまりに派手に吹き出すので「血液」ではなく「爆発」を想起させるため。
演出は逆にさすがと思いましたから、「ポケモンFPS」もやって出来なくはないと思うんですけどね。
>これ以上コンシューマ向けに
いやいや僕はそれを支持しますよ(^^;。だってコア向けはほっといてもなくならないと思いますからねぇ、ことFPSに関してだけは。
→プロとかいるジャンルってのが浅はかな理由なのですけどね。
投稿: クリス | 2010年2月27日 (土) 04時59分
「退廃」「殺戮」「スリル」「サスペンス」……
確かにその要素が日本で受け入れられない原因でしょうね。
でもそれこそがFPSと感じてしまうんですよねえ。
FPSってゲーム的に見ると物語、演出、システムに単調なものが多いんですけど、自分はそこが好きだったりします。
ボーダーランズくらいになると別のジャンルに見えちゃいますね。根幹はFPSだけどゲームとして面白くなり過ぎている……みたいな。
Modern Warfare 2やボーダーランズのヒットを受けて、これからのFPSが変わって行くのが目に見えているんですけどね。
今はまだやりかけのFPSが多く溜まっているので少しずつクリアして行こうと思っています。
自分の中でFPS歴代一位のストーカーも途中で止まっている状態ですので。
クリスさんのその他FPS感想記事も期待しています(^^)
投稿: バブシカ | 2010年2月27日 (土) 06時23分
ちすバブシカさん、クリスです。レスが遅れて申し訳ない。じつはココだけの話、ブログのレスは仕事場で空いた時間に書いてたりすることが多かったりするのですが、最近学生衣料の販売で空き時間が全く取れず、のらりくらりと遅れてしまいました。ええ言い訳ですごめんなさい。
>それこそFPS
ルーツがやはりウルフェンシュタインとDOOMですから、RPGの王道がウィザードリィでありウルティマであり指輪物語であるように、どうしてもその呪縛から逃れるのは難しいですよね。それをよしとするユーザーがいたからジャンルが育ったわけで、ドラクエの世界観はやっぱり中世のファンタジーなわけで。
ただシリアスサムとDOOMにも違いがあるというか、DOOM3は最近のFPSっぽくなったけど、シリアスサムのそれはなんか「特化してる」感じがして、ここまでくるとまた別の魅力を発するというか上手く言えないなぁ、、、なんかシリアスサムってダブルダンジョンみたいじゃないですか?「楽しいと感じるところだけブーストしてる」みたいな。演出は面白さにはつながるかもしれないけど、楽しさとはまた別の尺度というか、、、。
でもなんかバブシカさんが「単調な中に見えるFPSの魅力」に惹かれるのはわかる気がしなくもないです(^^。アーケード畑の人間からすると、下手なストーリーや演出より、刹那的な快感を磨き上げてくれた方がうれしいってことはありますもんね(^^。
※個人的にはもう少し効果音が気持ちいいといいのに、とは思います。
PS.ストーカー、続編やってみましたが、僕には難しすぎです。前作もそうでしたが、せめて日本語になってないと無理そうです・・・。価値観が重なるところもあれば、距離があるところもあるわけで、もしバブシカさんが絶賛するところで僕が距離をおいても(もしくは逆でも)、適当に流してもらえたらと思いますです。ちなみに自分は件のボーダーランズがFPS系では一番面白いと感じましたが、これには多分にRPG要素が含まれていますから、根底ではやはりあまり好きなジャンルではないのかも知れません(^^;。
投稿: クリス | 2010年3月 7日 (日) 22時11分