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2010年4月21日 (水)

スターファイター

久しぶりに見る機会を得たので、思わず襟を正して真剣に見てしまった。「ガンスター」という戦闘機の名前は、X-WINGやスターデストロイヤー、もしくはガイア、ジオソードなどの宇宙戦闘機たちと比べると正直マイナーだが、いやいやどうして、

 著しくカッコイイ!

なんだろうね、あのCGにしか見えないソリッドなモデリングの醸し出す魅力ってのは。
出てる俳優のみならず、監督も名曲であるメインテーマの作曲者も、他にコレと言った作品に携わることなく、コレ一作で消えて言ってしまった、
※↓メインテーマ

「sf.mp3」をダウンロード

 作品全部が一発屋

みたいなSF映画。思えば「コンピュータグラフィックスを真正面から使った作品」としては、TRON以外にコレだけって感じだし、
※これ以降はたぶんキャメロンのアビスまで飛ぶ気がする。そこからはT2とかジュラシックパークとかで一世を風靡していくのだけど、そうした「本物っぽいCG」ではないCG映画、CGを使った映像ってことになると、実にファイナルファンタジームービー(アドベントチルドレンじゃないヤツ)まで飛んじゃうんだよな。っていうか今書きながら思い出したけど邦画に「レンズマン」というアルフィーが主題歌歌ってたアニメもあったっけ。あれとかゴルゴ13の最初の映画版(確か18禁か17禁)にも使われてたな。

スターファイター(原題THE LAST STARFIGHTER)は、ちいさな町に置いてあるアップライト筐体でハイスコアを出した青年が、「実はそのゲームは宇宙パイロットを探し出すためのものだったのじゃ」みたいな流れで連れ出され、紆余曲折の末その星を救うという話。

ゲーム筐体からして僕らの世代には直撃だったし、そもそもポリゴンの映像、何のテクスチャもないシンプルなソリッドポリゴンの塊だけでゴハン何杯も食べれた時代だったから、そりゃもう当時はテンションが上がってた記憶がある。今みたいに監督や俳優でえり好みとかしなかったし、ストーリーとかCG以外のディティールに多くを望まなかったし。

でもこういう感覚でそういう「絵が売り」な作品に思いを寄せることが出来たというのは、たぶん幸せなことだったんだろうなぁと思う。PS3や360どころか、PS2にも劣るような
※解像度は遙かに高いけど→スパコンでレンダリングした1枚1枚の映像をアニメにして作ってると思うので。
しょぼいポリゴン。時代背景がなければ「良さ」を見いだせなかったはず。

レイ・ハリーハウゼンのアーマチュアだっけ?ミニチュアをちょっとずつ動かしながら撮る手法で撮られたアニメには、職人の魂と「空想上の動物」らしい、「異質感」がとても感じられて、逆に今見ても存分にそのすごさを感じることが出来るが、CGはそうじゃない。そうじゃないはずなのに、いざ直面すると、

 鳥肌が立つほど魅入ってしまう。

これは何でだろうと思うと、それはやっぱり黎明期特有の「新しいものへのチャンレンジャースピリッツ」ということになるのかな、って思う。そこから誰も派生作品を作らなかったと言うことは、コストの割に結果が残らなかったってことだと思うし、興業作品としての評価は高くはなり得ないのかも知れないけど、20年以上の時を経て触れてなお心に語りかけてきたその映像には、当時のデジっ子の魂を奪うだけの、

 紛れもない愛が注ぎ込まれていた

と思ったりです。今の人には訴求しづらいかも知れないけど。

スターファイター、音楽も込みで今見ても★★★☆かな。子供がゲーム機の前で実際に飛び立つガンスターと画面のガンスターを見比べるラストシーンも大好きです。

ちなみにこのスターファイター、そのソースらしく何度かゲーム化されたりしていますが、本当に映画に出てきたような作品としては発売されなかった模様。
※横スクロール2Dシューティングとか、、、
ただ、有志がオリジナルでゲーム内に似せたモノを作っており↓
http://www.roguesynapse.com/games/last_starfighter.php
※↓このファイルも要るかも。WINDOWSのSYSTEM32フォルダに入れる。
http://www.dlldump.com/download-dll-files_new.php/dllfiles/D/d3drm.dll/5.1.2600.0/download.html

せっかくなのでダウンロードして遊んでみました。

タイトル後のデモミュージックは「原曲そのまま」のイントロなのでかっこいいけど、「原曲そのまま過ぎて」ゲームには不似合い。その後の飛び立つデモは映画まんまないい感じで気分も盛り上がる。

 が、

その後操作がよくわからずに全然撃ち落とせずゲームオーバー至極残念。これは日本語キーボードとの不具合なような気もしないでもない感じ。

ゲームとしての感想は大したことはないのだけど、当時「あんなゲームがあったらやってみたい」って思ったものが、20年以上の時を経てこうして遊べるようになっているということに関しては、非常に感慨深い。

1984年と言えばスーファミやPCエンジンどころか、スーパーマリオすら発売されていなかった時代。そんな時代に、アーケードゲームとは言えあのポリゴンの3Dシューティングの映像は衝撃以外の何物でもなかったと思うのだけど、細かく思い出せないのが残念。

まぁそうは言っても、スターウォーズの影に隠れちゃったってのは紛れもない事実なんだけどさ。
※スターファイターが後悔されたのはジェダイの復讐の翌年。

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