ハイスペックの恩恵
ここ数日かかりっきりな新PCなのだけど、ふと気づくと本末転倒というか、「いったいこれで自分はどんなメリットを享受できるのか」と思うこともある。何度も書いてきている通り後悔はないし、実際メインPCの沈黙やお値打ちに買えたことに対する感謝も踏まえて設定構築等に手間暇掛けることも問題ないのだけど、たとえば音楽を聴いたり動画を見たり、マンガや写真を見たりネットをしたりという用途においては、そのスペックは正直デカ過ぎる。エクスペリエンスインデックスで7台の数字が並んでいても、地デジをエンコードしない自分にはそれほどありがたみもない。これがPS3+トルネのようにハイレスポンスに生まれ変わるのならば話は違うのだろうが。
そんな中昨晩テストしたいくつかのソフトの中で、「これはちょっと凄いかも」と思ったのは、レースゲームの描画に対してだ。レースゲーム(カーアクションゲームと呼んでもいいかもしれない)の歴史はパックマンよりも古いが、ポリゴンとの蜜月もまた最古参のレベルに長い。ナムコがウイニングランを発売したのが1988年。僕がまだ高校生だった頃だが、以来世代の節目には常にレースゲームの影があった。否、節目にあったのはウイニングラン以前、F1レースもF-ZEROも同様か。
そんな中僕が今でも、PS3や360という最新のハードを持ってしてなお「あ~↓」とテンションが下がるのが、
ポリゴンの育成される瞬間
だ。当然といえば当然のことなのだけど、プレイヤーに直接関係するのは目の前のオブジェクトであり、遠くに行けば行くほど関係性は希薄になる。ソフトによっては近景と中景、遠景でオブジェクトを切り替えているものも多いが、それとて処理が重くなったときの切り替えに違和感が伴うケースが少なくない。
※余談だけど一番気になったのは「デイトナUSA」だと思うんだけどどうか。あの遠くにある崖が露骨に育成されていく様は、今でもなんだか思い出すだけで残念な気持ちになる。
処理が重くなる瞬間というのは、単純にオブジェクトが大量に描画されている時もそうだが、それ以上に目立つのが「高速で移動したとき」だ。本来の展開速度を逸脱した行動は、容易にスペックの甘さを突いてくる。高速移動時の視界の狭さを模して周囲にエフェクトを掛けごまかしたり、ある程度広域に先読みさせることで対応したりとこれまた様々だが、結論当たり前だが、高画質になればなるほど「瞬時の対応」は大変なはずである。
先ほどレースゲームで、と書いたが、ズバリそのコースの両脇が崖になっているところを高速で走り抜けるシーンで僕はその違和感に気づいた。
この映像は見たことがない。
高速で移動するということはどういうことか。常ならば気にならないフレームレートの少なさが露骨になるということだ。両脇が崖というのは確かに遠景を描く必要がないが、その分プレイヤーからの距離が近く、画面の描き直し速度もベラボーに速い。
「速ければ効くごまかしをせずに描ききっている」
コマとコマの間がより密になっていることで解像度や色数、ポリゴン数の上昇に勝るとも劣らない「なめらかなリアル」が姿を現した。
フレームレートが60を割る、割らないというのはそういうことか。
FPSなどでは画面の展開がそこまで急激に移り変わることは少ない。せいぜい振り向いた時の遠景に違和感があるかどうかだが、レースゲームの場合は違う。
ただぶっちゃけ残念なのはそれもゲームによるというか、作り手次第という話。当たり前だけど「そういう風にプログラムしないと」やっぱり遠景が育成されたり、コマ送りになったりしちゃうんだよね。
余談だけどバイオ5ベンチは全て最上の設定で54くらいでした(B判定)。CPUがi7_860では役不足だったのかなぁと思いつつ、VSYNC(垂直同期)の効果は絶大だなぁとも思ったり。バイオ5も振り向きを瞬時切り替えじゃなく、高速描画でやるので、その時のスクロールのなめらかさにちょっとウットリでした(^^。GTS250の時はこんなに「ヌメッ」と振り向かなかったぞ、と。
あとPhysxに関しても少し触れると、正直「多少は賑やかになってるけど」という程度。結局のところ舞い散る紙切れや木の葉、火花なんかが増える技術と受け取ってるんだけど、増えるそれらのオブジェクトそれぞれがリアルに描画されているわけじゃないので
「賑やかくはなるけどリアリティは下がる」
という弊害もあったりするんだよね。同じ色の紙吹雪のような木の葉エフェクトはどこか器用貧乏な気配も、、、みたいな?
まぁ他にも使われ方があるでしょうし、今後いろんなアプローチで進化していくのかも知れませんけどね。っていうかGTX480も出たことですし、あと1年もしないうちにウチのPCも「ミドルロー」って言われちゃうようになっちゃうのかも知れません。そうしたらまた「うぅフレームレートが出ない・・・」って新しいグラボが欲しくなっちゃうんだろうな~(^^;。
もちっと書くつもりだったけど結構短くなっちゃったので以前も書いた気がするのを忘れたフリしてカーアクション、レースゲームの思い出なぞを少々。
レースゲーの歴史の中で自分がパッと思い出すのはスーパーモナコGPかな。まだ当時は「ゲームセンター神話」みたいなのが生きていて、移植されるというだけでそれがどんなゲームであれ、自分が一度もやってなかろうが、あまり得意なジャンルでなかろうがわくわくしたものです。スーパーモナコGPもその一つで、ぶっちゃけ見かけても「あんまし得意じゃないから楽しめないだろう」とスルーしていたほどのタイトルだったのですが、「メガドライブに出るなら話は別」と購入しました。
当時はまだF-ZERO前夜で、F-ZERO前夜ということは、「タイムアタックのセーブができない」頃。ろくにテクニックもなくコツもつかめない状況で、友達と二人適当に交代しながらライン取りやタイムを書き記したり、カーブごとの最適なギアを探したりして遊びました。「このコーナーは2速でしか絶対無理!」みたいな。それでどんどんタイムが短くなっていくのがすごく楽しくて、遠藤雅伸さんのF1レースにハマれなかった自分としては、これが最初のレースゲームだったかなぁという感じです。
次はF-ZEROですが、これはまぁ普通にハマった程度かな。ただ、スーマリワールドよりは確実に遊んでましたね。今でも思いますが、
本当に面白いタイムアタックってのは最初のコースがどれだけ素晴らしいか
にかかってる。F-ZEROはその点ミュートシティをいくらプレイしても飽きなかったですよね。ベーマガのタイムを「ありえねぇマジありえねぇ!」と叫んだあと、そのコース取りに「ダメージ床とガードレールの間を抜ける」ってのを知って、
世界の壁
を感じたりしたモノです。
次はどうだろリッジレーサーかな。あのアバウトなドリフトとさっきの話じゃないけど、
面白いコースは一つあればそれで十分
なんですよね。別にいくつもいらない。やり込むのは1つだけで十分なんですよ結局。
それでも初代リッジには「ナンバー13」がいましたし、ジャンプで回ったり、音楽にもアウトラン以上にハマったし、プレステという次世代と共に降臨した「わかりやすいデモンストレーション」でした。つかデイトナも買ったけど自分はリッジ派だったな~。
次は64のエピソードIレーサーですがそれはまぁ以前思う存分書いたので、PSのグランツーリスモの話。
実際のところ自分実写にはほとんど興味がなかったのですが、このグランツーリスモのスカイラインは、
見た目でかっこいいと思った。
速さも十分だったし、ちょっとずつ上達していく感じ、国際A級ラインセンスの取得とかもう、
最近の若い者にやらせたいよマジで。
ってくらい難しかったけど、今からだと結構いい思い出なんですよね。つかあのコブラはホント思い出深い。クリアした人はみんなそうじゃないかと思ってたら、結構常日頃から走ってるヤツが「割と余裕だったけど」とか言ったりして、、、。
あとグランツーリスモは中古がよかったです。色とか思い通りにならなくて、出物が出るまで毎回足を運んだり、完全に趣味の領域でも楽しめるというか、最近のはもう「シミュレーター色」が強すぎって気がしちゃうんだよな。別にいいじゃん、ぶつけてカーブ曲がったって。レーシングモディファイも好きでした。
プレステ時代の次にはDC、ゲームキューブ時代があるわけですが、その辺では別段これと言ったレースゲームに触れた思い出はなく、
※リッジレーサーズくらいかしら。
次にハマったのは、
XBOX360プロジェクトゴッサムレーシング3
今思えば大して長い時間プレイしてたわけじゃないんだけど、あのタイトルで初めて、
太陽はまぶしくてもいい
ということを知りましたね。今までだと「走りづらくなる」からある程度表現が抑えられていたのが、「逆光なんだからまぶしくて当たり前」という、「リアル指向」にシフトした感じ。これまではリアルはリアルでもその挙動とかエクステリアとかだったのが、周囲の町並みとか「空気感」みたいなものを表現し始めたって気がしました。たぶん今やっても十分綺麗だと感じるだろうし、リアルだとも感じると思います。つかポリゴンはドット絵と比べて劣化が激しいのだけど、「写実感」というところまで踏み込んでいくと、それはそれでまた違った価値が生まれるなぁと思ったりです。
そして「バーンアウトパラダイス」。今でもこれは本当に面白い傑作だと思いますね。値段も安いし、ボリュームも満点だし、絵的にも十分綺麗だし、、、って思ってたら、
最近のGTX285でプレイするレースゲームはその上を行く。
当たり前なのかも知れないけど、前述のなめらかさとかオブジェクトの量とかだけじゃない、進化と変化を感じましたね。FUELも最高環境だとまるで別ゲームのように生まれ変わりますし。
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ゲームにグラフィックはあまり求められるべきじゃないと思っていた若い頃が僕にもありましたが、実際こうして変遷を振り返ると、
もっともっと綺麗でもいい
という気になってくるから不思議です。もっと写実的にもっとなめらかにもっと奇抜でもっと迫力のある、、、人の欲に再現はないと申しますが、レースゲームもまた、FPSに負けないくらい「欲望の権化」だよなぁとシミジミ感じた次第ですよ(^^。
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