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2010年6月10日 (木)

ヱヴァンゲリヲン新劇場版-破ー名場面プレイバック!

★今日のは久々に大作だぜよ。

短期間に何度も何度も見ているヱヴァ破ですが、今日気づいたことがありました。つかまぁこの話はネットでもきっと盛り上がったのではないか、でもって「そういう考え方もあるね」的なところに位置するものじゃないかと勝手に思い込んでしまったりもしたのだけど、、、

 なんで「式波」なの?
 なんで「真希波」なの?

この訳がどうしてもわからなかった。まぁ僕自身それほどネットで探し歩いたわけでもないのだけど、今朝、夢うつつの布団の中で、

 ハッ、ふたりともクローンか!

3号機にかみ砕かれたエントリープラグのシーン。僕はあれを見た瞬間アスカは死んだと思った。っていうか誰もが死んだと思ったに違いない演出だったと思う。でもラストには眼帯をしたアスカが。あれで死んでなかったと言うことなのか。

昨日は破のスクリーンショットを闇雲に撮りまくった。あとから見直したら2フレくらいズレていて、動きが激しいシーンに関してはほぼ全滅なごとく違うシーンが写っていたのに痛く落胆したのだけど、その過程で今まで見えなかったものも見えてきた。

 ラストのアスカはたぶん別人。

明確な根拠はない。根拠はないが、

 まとっている空気が違う気がする。

もちろんあれだけの大惨事のあとでたかが左目ひとつしか損傷部がないのはおかしいという見方もあるが、それ以上に、

 強気→シンジに気持ちを寄せる→嫉妬→理解&応援→人と話すのが楽しい

という気持ちの流れの延長線上に、あの顔はないと思うんだよね。なんか、

 最初のアスカに近い。ロールバックしたかのような表情

に見えてしまう。
※今見比べてみたらどうも「目の中の上と下の縁に黒い波が見える・・・破だけに!<うまくない」。それが新アスカなの、、か?

他にも、「破」と「波」の音読みが同じというダブルミーニングがあるというネタをネットで見つけたりもしたし、その「波」という文字に含まれるニュアンスとして、「波長」・・・シンクロ率を示す例の3本のバイオリズムみたいなグラフィックを想起したりもした。

ただ、冷静に考えれば、そんな特異な子供達にそれとわかるような、それを示唆する可能性がわずかでも見え隠れするような名前を果たして付けるのか、かりそめの記憶としてすり込む必要があるのかは、やっぱちょっと疑問が残る。だからまぁこれはクリスが物語を楽しむ上でひとり勝手に想像をふくらませている、と思って貰った方が、気は楽だったりはするんだけどね(^^;。

さて、

そんな妄想的枕はともかく、今日のメインは先ほどもちょっと書いた「闇雲に撮りまくったスクリーンショット」でありんす。つか気合いで撮ったそれらの写真でしたが、これまた先ほど書いたように「少しズレてた」りしました。まぁそれでも問題ないシーンも多かったので、それをガンガン貼り付けてよしとしようかとも思ったのですが、いやいやどうして。このヱヴァ破、もう見れば見るほど、繰り返し再生すればするほどに発見の連続。発見発見また発見なのであります。発見しすぎ。発見過剰。発見鈴なり。発見グレープなのであります。
※「グレープフルーツ」のグレープは実がブドウ(グレープ)のようになるからグレープフルーツというんだって。こないだテレビでやってた。フーン。

 久々に気合い入れ直し。

満足のいくまで再生と保存を繰り返し、今はやりの「どや顔」になるまでじっくりコトコト5時間(ホントに5時間)煮詰めました(煮詰めたのはウソ)。いざご紹介してまいりたいと思います。今回のは久々にマジで気合い入ってるよ!つか強烈にネタバレな側面も大きいけど!ついでに写真も結構大きいけど!
※全部で80MBくらいあります。
※順番は途中まで概ね進行通りですが、最後に補完した分はバラバラです。
※たぶんコメントが「です」「である」ぐちゃぐちゃになります。ごめんなさい。
※コメントは概ね番号順に書いてますので、前後の文脈が繋がらないところもあるかも知れません。ごめんなさい。

●序に負けず劣らずの電柱電線鉄塔編

Ss002 ・002

 夜のとばりが降り始める紫色の空に浮かぶハイディティールな電柱と幾羽ものカラス。このシーンだけじゃなく今回のヱヴァは本当に「リアリティ」がある描写が多く、この電柱もまた本職の人が見ても全然違和感がないというか、矛盾がないんじゃないかと思えるほど隅々まで「らしく」描ききってる。個人的には完全に真っ黒ではなく、柱の細かなところまでわかる描き込みも素晴らしいと思う。

Ss006 ・006

 今回こうしてある程度カテゴリー分けしてみたのだけど、中にはどちらに属するか微妙なものもあったりした。が、まぁそう大した問題でもないだろうからあまりナーバスにはならぬよう。このシーンは序にはなかった「日常の人々」の描写。配電盤や矢印信号、スピーカーと言ったありきたりな日常を背景にマヤばり(本人?)のカワイコちゃんをセンターに配置することでトータルのアベレージを上げることに成功している。視聴者が女性しか見ない現実に即して、二人以外全く動きがない辺りは、ある意味わかってる感じだ。

Ss009 ・009

 手前の鉄塔のスクロール速度と遠方の6号機との差が、言葉にせずとも巨大感を演出するのに大きく役立っている場面。こういう二重、三重のスクロールを見ると、僕らの世代なんかは「PCエンジンでまさかの多重スクロール実現!」な源平倒魔伝を思い起こしてしまうが、それと違うのは「その使い方が非常に贅沢」なことだろう。この鉄塔なんてホントに一瞬。瞬きしてたら見逃すほどしか映らない。

Ss010 ・010

 こういうシーンを見ると「超解像」が生きるよなぁとつくづく思う。つか「息をのむ」ってのはまさにヱヴァ破にふさわしい形容詞じゃないかとも。ここで飛んでいるツインローターのヘリ。おもむろに数えてみたら492機ほどありました。ええもちろんウソですが問題はありません。冷静に考えると一体これだけの数を何に使うんだ!?って気にはなるね。使徒には通常攻撃は効かないわけだし、逃げ出すなら何もこんなに密に、、、ってそもそも「どこにあった」んだ?

Ss019 ・019
Ss020 ・020
Ss021 ・021

 この一連のシーンは3体のヱヴァがいろんな鉄塔や電線を飛び越えたりぶっ飛ばしたりしながら突っ走るわけだが、驚くべきはその「瞬間」でさえ、きちんと遠近法に則って鉄塔が描写されているところ。具体的に言うと一つの鉄塔の手前の柱と奥の柱でスクロールの速度が違う。これらはたぶんCGで一旦モデリングし、シミュレーションしたものをセルっぽく落とし込んでると思われ、庵野監督の鉄塔に対する異常なまでの愛情をひしひしと感じることが出来る。つか異常過ぎだけどそう言うところがとても好き。

Ss024 ・024

 いい感じの町中。電柱や電線が張り巡らされ、爆発と体液の洪水が押し寄せる。気化した赤い煙と、正確なパースで描かれた町並み、000にも書いたけど車のデッサンは序の比較にならない。スーパーカブや床屋の看板、耐震補強の鉄骨や、、、今気づいたけどこの右手前の車は日産車だな。なんかタイアップしてたっけ?

Ss030 ・030

 今回の電線電柱関係で一番の一枚は間違いなくコレでしょう。結線バンドやゴムテープ、カバーされたもの、色別の3本にはどんな意味があるんだろ。っていうか、「描いたあとボカす」のは当然だろうから、遠方の電柱も手前に負けない凄まじい作画がされてるんだよね。なんつか、もったいないおばけが出るぜ?って感じ。つかシーン別に作画や原画を担当した人とかわかれば面白いっていうか、知らないと全部電線の原画は庵野監督なのでは?って思ってしまうよ。

Ss031 ・031

 これまた確信犯だろう1枚。つかここは「管理する」部屋じゃなくて、単純にケーブルやら周辺機器やらの倉庫なのかもな~とも思う。でなければここまで雑多な種類のコードがそれぞれ束になって置いてあったりしないだろう、と。でもこのシーン、見た瞬間にカリオストロで盗聴してた不二子を思い出したね。僕らの世代には盗聴と言えばあのシーンって感じなんだよな。

Ss033 ・033

 トウジが出過ぎてるけど、背景の鉄塔は今回この場面でしか確認されていないレアなタイプ、、、とこういう書き方をするとさもクリスが全ての鉄塔をチェックしてるように見えるけど、何のことはない勢いでそれっぽくコメントしてみたに過ぎない。ああそうだともクリスなんていい加減なヤツなのだ。つか個人的にはアイスの棒に「はずれ」と書いてあって欲しかったな。つか一見して情報量が少ないシーンにはたぶん全て今回の鉄塔のような「割り増し」が成されている気がするな。貼ってないけどこのすぐあとのマリだってメガネに鳥が飛んでいくのが映ってたりするしな。

Ss046 ・046

 一見なんて事のない電線や信号だと思うでしょ。僕も写真を見直したときは「あれ?なんでこんなシンプルなシーンを撮ったんだろ」って思った。でもあらためて再生してみると、、、「ホントに一瞬しか映ってない!」。3号機の爆発がここまで届くかのごとくの演出でこれらの電柱がディティールを視認できる状態で画面に映るのはわずか2フレームほど。当然両脇の家屋(向かって右は「坂本屋」さんか。風体からして民宿のようだが)もすぐに見えなくなる。贅沢は敵だ!が、ヱヴァの中でなら許す!

Ss047 ・047

 アーティスティックな鉄塔シーンも今回たっぷりと収録されている。夕焼けに染まる空、シルエットが浮かび上がる鉄塔と電線。ともすれば本編に無関係な淡々とした場面なのに、その圧倒的なディティールと愛情が見る者を飽きさせない。「このシーンって要るか?」と思えるような場面がほとんどないのは、なんだかんだ言って凄い。

Ss049 ・049

 夕日をバックに迫り来る3号機。連なる電柱の多さは絵的な迫力優先か。ゆらぐエフェクトに黒い機体が悪魔のようなイメージを喚起させる。僕らの世代だとこういうシーンの中に何か懐かしい感覚すら覚えるのだけど、たぶんそれは「ガンバ」のノロイが原体験にある気がする。ゆっくりと進みながらネズミたちを容赦なくためらいなく切り裂く白い悪魔。庵野監督とは10歳違い。ガンバは監督が15歳の頃の作品だからもしかしたらそれ以外にルーツがあるのかも知れない。

Ss050 ・050

 対峙する初号機と3号機。手前の鉄塔は全編中でもかなりのハイディティールだが、構造自体はシンプルなもの。ここの見せ場はむしろ水が張られた水田にうっすらと映る2体のヱヴァが、水面の静けさ、戦い前の緊張感を演出している点か。夕日は山陰に沈みつつあり、雲の陰も色濃くなっていく。時間の経過、静と動。アニメの基本は外さない。

Ss052 ・052

 巨大ロボットの戦闘というと、やはり戦隊ヒーロー物のクライマックスシーンが馴染み深いが、ウルトラマンやゴジラの頃と違ってここ数年、いや数十年はその「巨大感」や「ジオラマ的造形物」の演出が随分おざなりになってる気がする。
※近年の作品をよく見ている訳じゃないので正確なところはわからないが、久々に見たときに「なんか運動場みたいな広場が山ン中にあるな」と思ったりしたので。
元々SF好き、特撮好き、アニメ好きの連中が立ち上げたゼネラルプロダクツ、ガイナックス、カラー。巨大なロボットを画面に出すからには、それを感じさせる「比較対象」を置かなければ気が済まないのかも知れない。ちなみに赤い車はマツダ。青い車は、、、わからないな。

Ss056 ・056

 2体が雌雄を決する場面。力なく垂れ下がる3号機のかいな。明るい背景の手前にある電柱は暗く、まだ残る夕日を浴びる角度にある電柱はそのディティールがわずかだが見て取れる。心なしか初号機の蛍光グリーンの部分の輝きが3号機の白い輝きを吸い取っているかのようにも見える。つかそうは言っても電線だな、このシーンは。

Ss058 ・058

 飛び散った体液が信号機に降りかかり、たれ落ちる場面。「血は水よりも濃い」の言葉通り、その赤い液体には重みがあり、ベト付きが感じられる。信号の発行部分は例によってダイオードのディティールが見て取れるが、今回は光っていない方にもその描き込みがなされているあたり抜かりがないというか、さすがという感じ。こんな絵でもスゲぇ時間掛けて描いてるんだろうな。

Ss061 ・061

 今気づいたけど、どうしてこれほどまでに大量の電柱や電線が張り巡らされているのかと言えば、ズバリヱヴァを運用する為なのかも。常にこの第三新東京市全域で戦闘可能なように、バッテリーを積んだ車も行軍するが、同時に保険としての電源確保も必要なのか、、、まぁそれはあくまで後付けで、実際は単に「描きたいからに決まってんじゃん」ってことなんでしょうけどね。

Ss062 ・062

 シンジがとぼとぼと歩くシンプルな構図、、、でも電柱と電線は忘れずに。っていうか冷静に考えると今作の電柱の数、マジパネェよな。もしギネスに「電柱がたくさんある映画」部門があったとしたら、間違いなくコレがトップだと思う(っていうか2位は序ね)。青い空、白い雲、そして電柱。ヱヴァってそういう映画。

Ss065 ・065

 山陰から「ぬッ」と出てくる巨大生物。これはもう完全にゴジラへのリスペクト。っていうかやっぱここに出てくる戦闘機とかCGっぽいな。一旦配置してから色や破片、熱源による揺らぎなんかを描き足してるんだろうな。ちなみにこれだけ遠いと青看板になんて書いてあるかまでは視認できないな。つかこの使徒は割とアニメっぽくて個人的には前作の青いヤツとか今作の落ちてきたヤツなんかより好き。僕の好みなどどうでもいい話だが。

Ss066 ・066

 ここも一瞬しか表示されない。画面が切り替わって、主砲を撃って(画面がピカっと光って)すぐ切り替わる。そんな一瞬でも電線はしっかり描くし、遙か遠くの山の上にある鉄塔も描く。幾重にも重なる砲台の番号が「チ-21」から「チ-30」以外無い点に関してはちょっと説明が欲しい気もするけどね。ってそんなウザいファンはいらない。

Ss104 ・104

 クライマックスのシーンだが、やはり視点の中心は「人目線」。建物や電柱が視界に入る位置から巨大なうねりを上げる収縮と爆発に目が釘付けになる感じ。セカンドインパクトの後遺症が割とカラフルだったのに対し、サードインパクトの前兆は真っ赤それも血をイメージさせる黒い赤なのはその鮮度の問題か。ともかく電線、電柱描写もラストに相応しい描き込み具合だ。

●破片万歳編

Ss000 ・000

 序でもたっぷりスクショを撮ったクリスだが、破は当初の予定を大幅に超過して作られただけあって、その絵のクオリティは飛躍的に向上していたりする。具体的にじゃあどう変わったのかというのを説明するのにこの絵がとてもいい案配で、「破片が著しく多い」「砂煙のエフェクトが入っている」「車のデッサンがかなり正確」「カットが短い(密度が濃い)」などが挙げられる。その中でも「破片」に関しては、
※軽くつまんだ「グレンラガン」のメイキングを見た限り、
かなりの行程と調整が必要な作業らしく、今回これでもかと大安売りしているが、実際はそんなに簡単に使える作業じゃなかったりする(はず)。とにかく一言で言えば「凄い」二言で言えば「かなり凄い」という話。

Ss017 ・017
Ss018 ・018

 一時期深夜アニメなどのクオリティが低いと称された頃、ろくに中割りが出来ないアニメーターが多すぎるみたいな記事をどこかで見た。要するに「絵が描けない」けど女の子は好きという輩のことだと僕は勝手に邪推してしまったのだけど、こういう「力を溜めてダッシュする」モーションを見ると、「やっぱりプロ中のプロは違う」と思わざるを得ない。「一挙手一投足」という言葉があるが、まさにこの2枚の弐号機の挙動は、見る者を納得させる。個人的には「指」にウットリ。人形は目で、ロボは指で物を言う。

Ss051 ・051
Ss053 ・053

 爆風とモヤのような煙の重ね処理、BSアンテナ、瓦の割れ方と道路、コンクリートの割れ方では破片も全く違う。053はもう力業で押し切るかのごとく「とにかく描けるだけ描け」とでも言われたかのごとく最高レベルに飛び散りまくっていて、
※ガードレールのうねり具合などもなかなか愉快。
ホントに一瞬しか映らないシーンとは思えないほどの手間暇が惜しみなく注ぎ込まれている。みんなも再生してみるといいよ、「え?え?マジでこれしか映らないの?」ってくらい短いシーンだから(1:12:05の辺り)。

Ss068 ・068
Ss069 ・069

 落下するビル群、、、ってのもよく考えるとおかしな感じだけど、それもまた一切の手抜き無し。無数の破片はガラスの白と、土埃、植え込みは近代的な緑化システムなのか、根は浅く、表層部のみが緑色。こういう破片の粉々に舞う場面を見ると、ついコンピュータゲームのポリゴンで描かれた爆発と比較してしまうのだけど、やっぱりセル(というかアニメ?)の方が暖かみがあるというか「ありがたみがある」ね。いくら何億というポリゴンが処理できるようになって、Physxとかテッセレーションとか言われたところで、所詮はコンピュータ処理。魂を込めるのは人の手によるものなのだ、、、まぁ数年後はわからないですけどね。それにヱヴァクラスの作品でしかそんな手間掛けられないってのも現実ですか。

Ss071 ・071

 非常にイイね。特に右手前の手書きのビルの瓦礫がいい。使徒との質感の差、飛び散る無数の破片と光る粉は使徒の出した鱗粉みたいなものか。そこに振ってくる手書きのオブジェクトは、、、っていうかこういうのってデジタルだからこその処理なんだろうね。昔はこうしたアクリル(たぶん)の絵をセルに重ねるってあんましなかったと思うもの。
※ナウシカの王蟲が「切り貼りした絵をゴムで裏止めして」それっぽい動きにしたとか。

Ss074 ・074

 もうココはある種確信犯的に気合いを入れて描写されているシーンだと思うのだけど、右から出てきてる弐号機の顔、舌、光、体液、降り注ぐ瓦礫、破損したケーブル、冷静に座るシンジ・・・。もうどこを切っても情報の洪水。暗いシーンは得てして細かな描写をごまかしたりするんだけど、いやいやどうして。ただ指の形だけは、もう少し丁寧でもよかったかな、とは思いましたけどね<何様のつもりだ。

Ss077 ・077
Ss078 ・078

 この辺りの作画はもうキレまくってるというか、止めで見るとさほどに感じないかも知れないけど、ホント凄いと思う。つかそもそも元の「男の戦い」(<ホントは「戦」が古い字)からして強烈かつ最高な描写がされていたわけで、あれを超えるとなるともうそれは「手数を増やす以外無い」ということなのかも。で、手数を増やすというのはイコール破片を増やす、セル枚数を増やす、エフェクトを増やす、オブジェクトを増やす(木とか)、動きを多彩に、、、みたいなことになっていくわけで、それがとどのつまり僕が最初に破を見たときに感じた「何人か死んでるんじゃないの?」という感想に繋がっていく。しかし庵野総監督や鶴巻、摩砂雪両監督の手腕はもちろん、この辺りの画コンテを担当したと思われる樋口真嗣氏や、作画監督の鈴木俊二氏らのスキルの高さたるや、まさに筆舌に尽くしがたいと思うね。ただ絵が上手いだけでも手が速いだけでもセンスがあるとか才能があるとかだけでも絶対ここまでの仕上がりにはならないと思う。やっぱ「自分たちが目指しているモノの高さ」、「ビジョンの質」がそれだけ凄いってことなんだろうな。ちょっと笑っちゃうくらいだもの。

Ss080 ・080

 ここも凄まじい破片が舞い散ってるわけだけど、この竜巻状の動きは、どうなんだろやっぱ一旦CGで破片を描いたモノを個々に回転させながら動きを付けてるのかね。なんか人の手だけではとてもじゃないけど大変過ぎるというか、「それがサービス」と「それが公開の遅れ」と言われたらまぁそれまでだけど。

Ss084 ・084

 マリは普通に無事だということを教える意味あいも込めつつなのだけど、もうこの破片関係も「序盤から終盤に掛けてインフレせざるを得ない」、そう運命付けられたかのような描画だったな。この背景にある弐号機なんてけっこうやっつけなんだけど、
※マリも含めて
破片の方は全然本気。バリバリの現役って感じに舞いまくってたからな。まるで全ての破片が生き物のように個別に回転して、、、。どうやって作ってるんだか。

Ss096 ・096

 サンダースピアを突き刺した瞬間のシーン。もう破片の細かさは言葉に出来ないほどで、監督が監督なら絶対やらせない「手間ばっか掛かって割に合わない」仕様だと思う。庵野監督は自分が気に入らないことに対して凄く強い反発を見せるというか、端にわがままな側面がある人だとウィキペなどから感じるんだけど、たぶん昔からこういう仕事がしたかったんだろうなって序とか破とか見てると感じる。なんかどことなく「DAICONフィルム」のニオイがするもの。
※そう考えると制作委員会方式ではないインディーズスタイルでの供給も妙に納得がいく。だって誰からも指図を受けずに予定を1年遅らせられるんだもの。もし大手広告会社とかと提携してたら絶対このクオリティには出来なかったと思うし、庵野監督の手もロッカー叩きすぎて血まみれになったと思うしね。ただそういう作り方が「許される」仕上がりが「求められる」なら、他のコンテンツでも、と思うのは早計で、これはあくまで庵野監督だからこそ、ヱヴァだからこそ許された特例なんだよな。たぶん。つか「Q」と「?」で終わらせずにずっと続けばいいのに。

Ss105 ・105

 他の破片が飛び散るシーンではほとんどが地表や建造物だったのに、このシーンの粒子は光をまとっていて、拡散しているのが「普通じゃない」「ヱヴァは普通じゃない」ニュアンスを感じさせる。まるでキラ星が砕けるような「丸い光の破片」。つか冷静に考えるとシンジも綾波もこれで死んじゃうと思うのだけど、、、あれ?予告にシンジって出てきたっけ?綾波は子持ちで出てたけど、、、ナレーションでは出てきたけど、案外Qにシンジが出てこないって可能性も、、、ナイナイ。

●重箱の隅から隅までディティール編

Ss001 ・001

 ヱヴァ破には見せ場が多いが、こういう何気ないシーンにこそその真骨頂を感じるのは僕だけじゃあるまい。主役は間違いなくトレーラーで運ばれる弐号機なのだけど、その橋の汚れ&構造、丁寧に張られた電線や青看板、2台の建機はさも当然のように角度と大きさが異なり、それでいて限界まで描き込まれている。コンクリート用採石場と思われる建物はもう「見て描いた」としか思えないほどリアルだし、これでもうおなかいっぱいに十分なのに、近景には3人の軍関係者と遠景にもこれまた丁寧に描かれた白い雲がまぶしい青空・・・。震えるぜ。マジで。

Ss004 ・004

 第三東京市にはいろんな秘密兵器といろんな顔があるわけで、前回あったものが今回なくなってたり、その逆があったりしても何も問題はないのだけど、こういう可動建造物、それも複数となると、「さすがヱヴァだな」と思わずにはいられない。都市の規模の大きさを感じさせるには、演出もそれに応じて大規模なものでないと「ウソっぽくなってしまう」。個人的には「これがいったい何なのか」の説明が欲しいとは思うけどね。
※SF好きが作ってる場合、絶対何らかの「理屈付け」があるはずだから。何でピンクなのかとか。

Ss005 ・005

 1100円で落札されたフィルムのシーンだけど、このモノレールの切替部っていうかモノレールそのものがあまり僕にはなじみがないのだけど、実際こうした構造で切り返したりしてるのかね。ぶっちゃけここまで複雑な構造にする(故障も多くなるから)可能性はないと思うんだけど、一方で「リアリティ」を演出するのと同時に、もう一方では「未来っぽさ」も出して行かなきゃならないわけで、、、。この切替は後者なのかなって感じだ。何にしても気持ちいいので何度も再生しちゃったよ。

Ss007 ・007

 遠景に上昇する巨大なビル群が、「日常の風景」になっていることを感じさせる描写。ここでは当たり前の毎日のように高層ビルが量産され、破壊され、また量産されている。地味にさっきの女性が「ウィダーインゼリー」みたいなパックドリンクを飲んでいるところとか、「変わらないもの」もあるんだなぁと思わせるね。

Ss011 ・011

 010でまるで「イナゴの群れ」のような描写で数百機のヘリが描写されていた後のシーンだが、こんな何気ないシーンでも他のアニメ映画とは比べられないディティールが描き込まれている。電線のコードの遊び、遠景のビルの中に一つだけ壁画が描かれている、白いモヤのようなエフェクトもたぶん距離によって使い分けていそうだ。

Ss014 ・014

 ヱヴァは非稼働時あんな手の形なんだな、というのがまず感想。どの機体も同じ形だから間違いない。つかこれらのヱヴァは001のように一般道を輸送され、こうやって格納庫に保管されたり、所定の(例えばこの作戦で言えば使徒をより確実に受け止める位置に近い)ポイントへ移動させたりするんだろうな。サンダーバードみたいに椰子の木を倒して飛びだつわけじゃないもんな。ちなみにスクショは貼ってないけど、このシーンの時のミサトさんは一番かわいく描けてると思う。つか監督に一番愛されてるのはミサトさんだと思うのは僕の気のせいかなぁ。

Ss016 ・016

 「まるでアニメのような」非現実的な初号機の足と、実写を思わせるほどのハイディティールな作業車とのコントラスト。今回こうしてスクショを撮りまくって気づいたけど、ホントに「人間とヱヴァが1画面に収まってる」シーンが多い。コレはとどのつまり往年の怪獣映画よろしく巨大感の演出に他ならないわけだけど、今回のように「アニメ然」とした描き方をすることで単純なリアリティとは違う「ヱヴァの異物感」というか「異質感」みたいなものを感じたりもする。ちなみにこのスクショをディティール部門に入れたのは、「ケーブルを抑えるワイヤー」が描かれていた為。確かにこれに足を引っかけて転んだらお話にならない。妙に納得させる、それでいてめちゃめちゃ重箱の隅をつつくディティールだ。

Ss022 ・022

 この辺りはもう「んな無茶な」という精神状態でニヤついて見ているので、正直何が何だかわからなかったりするのだけど、とりあえず壁面にある非常階段(はしご?)と、手前の道路が40Km/h制限であること、っていうかこんな巨大なパッと見穴だらけの広場が普通の閑静な住宅街にあったら、ぶっちゃけ危なくて子供とか遊ばせられないだろって思ったが(ガードレールいるだろ。脱輪するぞ!)、平常時はなんかカバーとかしてあるんでしょうかね。つか余計なお世話ここに極まれりって感じか。余計なお世話ついでに言うと、手前の建物、BSはまだ導入してないみたいだな。

Ss023 ・023

 ここも愉快痛快なシーンだった。衝撃波=ソニックブーム?を巻き起こす演出とその効果がタマラナクて、「ヱヴァの動力って何よ?」とか「そんなに速く移動出来るなら最初からすれば?」とかそういう事は言っちゃダメなんでしょ?いやいやそもそもこの遠距離でもこれだけの衝撃が伝わってるってことは、「その手前にあった物」の惨状たるや、、、目を覆うばかりだろうな。ちなみにこのスクショがディティール部門なのは、「車のシャーシ」がちゃんと描かれているところに着目しちゃったため。一瞬も映らないような描写にここまでやるとは、、、こういうのを才能の有効利用って言うんだよね?

Ss027 ・027

 昔のアニメだけど、クラッシャージョウやカリオストロの城なんかは、そのシーンごとのメリハリを出す為に、「基調とする色」が場面ごとにあって、それらをバランスよく配置することで似たようなシーンが連続しないようにさせていたりした。ヱヴァもTVシリーズからしっかりとその演出が受け継がれていて、このシーンなんかもそれが如実に感じられる「白さ」。巨大な初号機が画面に出てくるシーンは多いけど、こうして色調を変えることで他のとは全く違う、ある種「包帯を巻かれた患者とその病室」をイメージさせる絵作りをしてきた。っていうかMRIのようなリング状のゲートや、右側を走る車両が病院の天井を走る「カルテ移動ボックス」のようなレール移動だったりするあたりも、結構な確信犯なのかも知れないね。

Ss032 ・032

 至って普通の風景画なんだけど、こういう穏やかな場面ですら「破」の力というか、影響は出てると思う。だって、「車とキャラと電柱/電線だけがセル」なんだもの。ガードレール、、、つかガードレールってこんなに大量に柱があったかぁ!?この世界の理(ことわり)の不思議と言うヤツか。いやそうじゃなくて、ガードレールとか小川とか、普通に絵が上手いよなぁと思う。中学生でこのくらい描けたらまず入賞だよ。いや別に中学生じゃなくてもいいけど。

Ss034 ・034

 これもIPEAの文字のある床の先っぽの方にいる小さな小さな、ま、小さすぎてなんだかわからなくなってるってのが現実なんだけど、そのキャラとの対比が心地よい。よく見ると同じような格納庫を思わせる床がずっと奥まで続いていて、この倉庫は一体どれだけの広さがあるんだよ、というか、深さもスゲェよなぁというか、冷静に考えたらなんで何の移動手段もなくあそこまで来てンだろとも思った。この広さと距離はもはや車で移動するレベルだろ、と。

Ss035 ・035

 ダミープラグ(全景)のめちゃいい感じに細かいディティールを堪能出来る。アームのディティールも「いかにもそう動きそう」な感じだし、冬月のやや前屈みなポーズも(小さいながらも)らしくて良い。でもふと思ったけど、「赤と黒のゼブラストライプ」はコントラストとしては弱く、リアリティがあるかないかという着眼からすると「ぽくない」。初号機起動時には折りたたまれる4人の整備兵が乗ってる部分の橋に全く手すりがないのも不自然な気もするし、、、ずっと見てるといろんな違和感を覚えるようになってくるということか。

Ss048 ・048

 緑に囲まれた山村に溶け込む戦闘車両。夕焼けに染まる建物と待機する軍関係者たち。目立つ物が中心から少しズレたところに配置されているのは、このシーンの主役がそれら戦車ではなく、この場面そのものであることを感じさせる。嵐の前の静けさというところか。動きの少ないシーンだが、手抜きは一切無い。

Ss057 ・057

静止画にするとすごさが伝わらない場面だが、動いているとその切れた電線の動き、そして電線が切れたことによって消灯する信号などが凄い。その信号もよくみるときちんと細かくダイオードが描かれていたり、右手前のシャッターには消えかけた文字で「駐車禁止」。スーパーカブはこの時代でもしっかり現役だという事実も見逃せない。ヱヴァ、、、恐ろしい子・・・。

Ss070 ・070

 先ほど067で800番台が並んでいた砲台の別アングル。そうか、下に伸びていたレールは装填前の弾薬で、後ろに伸びる蛇腹が空薬莢だったんだな。さすがに住宅地に大量の、それも1つ数メートルクラスの空薬莢をまき散らすわけにもいかないよな、、、ってどこまでがリアルでどこからがアンリアルなんだって感じだな。

Ss093 ・093

 035で出てきたダミープラグとはアームのディティールとか全然違う気がするというか、なんか大きさもちょっとこちらの方が大きいような気もしないでもないのだけど、気のせい、、、なのかなぁ。あとプラグのガワも全然違うような、、、っていうかこのマリの横にあるのってエントリープラグだよね?序の終盤シンジがレバーを回した零号機のプラグともなんだか構造が違う気がしてきた・・・っていうかこんだけたくさんの写真を凝視し続けてると、嫌でも細かなところに目がいくようになっちゃうんだよな。

Ss094 ・094

 結構好きなシーン。普通考えるとミサトと弐号機がすれ違うなんてことはまずあり得ないのだけど、その辺はアニメのお約束的にスルーとして、単純にこのケーブルカー?とパースのついた弐号機のキャリーの織りなす遠近感が凄くかっこいい。実際はかなり暗い&ミサトのいる室内の明るさが非常に強い=輝度を上げるとまるで光っているように見えるのかなぁなんてことも考えたりする。ゲームとかでもこういった地下へどんどん降りていくシチュエーションがたまにあるんだけど、やっぱりスケール感が全然違うね。

Ss100 ・100

 ここはもう普通にかっこいいシーンなのだけど、ちょっと面白いというか、嬉しくなったのは、円がCGじゃなく、手で描かれたと思われる「精度の甘さ」が見えるところ。一番大きい円を見ると途中で不自然に細くなってるところがあって、たぶんCGによる「冷たい精度」より人の手による「熱い演出」を優先したのだろうなぁと想像する。細かな粒子の演出も、瓦礫などの爆発とは全く違う描写で、終盤の盛り上がりにふさわしい「濃くかっこいい」シーンになってると思う。つか見てる人の3割が「Gガンダムかよっ」って、、、え?もっといる?5割?え9割?ええ?10割?全員?

Ss106 ・106

 本当に凄さを感じたのはむしろこの後の107なのだけど、このシーンもちょっぴり見せ場がある(ちなみにタイムテーブルで言えば107はこの106の前だったりする)。まず弐号機の足が「どう見てもCGじゃない」。もちろんこのカットだけじゃないとは思うけど、こんなにつま先がとがったヱヴァはたぶんここでしか見られない<単なる揚げ足取りか!そして、この白い煙。最初は「ああここも細かな破片が描画されてるなぁ」くらいにしか思わなかったんだけど、よくよく考えるとこれは爆発でも破壊でもないわけで、じゃあ何でこんなに煙が、、、そう、これはたぶんNASAとかのロケット打ち上げ時にでる「水蒸気」および「高熱を発するロケットを冷却する為に凍った水分が割れ落ちて飛び散っている」もの・・・。すぐ下でも触れるけど、あの「ロケット式開閉機構」にはこれほどまで凄まじい設定が織り込まれていたんだね!

Ss107 ・107

 このシーンはある意味一二を争うこだわりが具現化してるシーン。このシャッターの構造がとにかく凄い。手元にある人はぜひ見て貰いたいのだけど(1:28:18秒の辺り)、ホントに一瞬で開く、それもただの武器庫に、「何がオマエをソコまで駆り立てたんだ!?」と言いたくなるほどの情報量が押し込められている。手前から順に奥へ開いていくだけじゃない、左右交互にジェットの推進力で、シャッターの模様もそれに伴っていて、ジェットの噴出口が考慮された構造と、実際に戦闘で使われたことがない=まだ新しい汚れのない受け皿。「THUNDER SPEAR」の文字もこの武器がどういうものなのかを教えてくれるし、
※もちろん劇中では早すぎて全く読めないが、こうしてゆっくり見る人用の演出なので全く問題ない。
「ココヲ踏ム」の日本語表記にもニヤリとさせられる。ホントは動画を切り出したかったんだけど、うまくいかずに申し訳ないと思いつつも、ぜひみんなもスローで見て欲しい素晴らしいシーンだと声を大にして主張したいと思う。やっぱヱヴァスゲェ。何度も言ってるがやっぱスゲェ。ちなみにこのシーンが一番最後に撮ったスクショだったりします(^^。

●建機&車両&戦闘機編

Ss003 ・003

 まず言いたいのは「なぜ2台?」。1台でも十分じゃないかと思うのだが、これも全ては「サービスサービスゥ!」の一環ということか。今回ざっと見た限りでは、車両やヱヴァ、キャラクターなど「動く物」「動くであろう物」はたとえそれが劇中で全く動かなかったとしても、背景ではなくセル(もしくはデジタル彩色)で描かれている。この場面のショベルカーも同様で、グラデやマーキングなどの手が入って、、、今気づいたけど、これらの車両は全て一旦CGでモデリングされたのを角度や大きさやモーションをいじって貼り付けた後リタッチしてるのか!?それならば納得が、、、いやでもそれでも垂れ下がったケーブルやシリンダー部分までモデリングするか?と思うとやっぱ全部描いてるのかなぁとか。

Ss025 ・025

 直上のシーンとかなり似てるんだけど、全く別のアングルであるところに、「どうしても描きたかった」という建機好きのパトスを感じる。つかよくよく見るとこれはショベルカーじゃなくて、「瓦礫を挟む」機械みたいだな。っていうかさっきのもそうだったか。余談だけど、ヱヴァ序を見て以来、妙に工事現場とかに目がいくようになりました(実話)。今日も近所の国道一号線に高架橋を掛ける工事をしていて、ついに奥と手前が繋がった!その瞬間が見られなかったことが凄く残念に思ったりしましたね。ヱヴァ恐るべし<何が?

Ss038 ・038

 こういうシーンを見ると、やっぱり乗り物系はCGで起こされたものを加工して使ってるのかな、という気になるんだけど、それにつけてもフィニッシュワークの丁寧さはCGモデルとは別に、人の手が必要なのは間違いない。手前の01号機から最奥の4号機まで順にモヤがかかっていく感じ、太陽がほぼ直上にあり「夏の正午前後の日差し」を感じさせる空気感。思えば左奥の雲は入道雲か。

Ss040 ・039

 グレンラガンの時なんかはこういう「止め」をスクロールするシーンが多くて、それを自分で合成して1枚の絵にしちゃうのがブームだったのだけど、今回のヱヴァ破はそんな「セコい」ことをせず、どの絵も思いっきり多重スクロール&アニメーションが埋め込まれている。唯一このカットだけがそうしたスクロール演出がされていたので合成した次第。大量のクレーンと作業員、照明、ワイヤー、仮設感溢れる3号機のドックがいかに急ピッチで形にされたのかを感じさせるカットだね。

Ss060 ・060

 たかだか足一本でも、それを運搬するのにはこれだけのデカいクレーンが(画面で見る限り)3台は必要なんだという。当たり前なことを当たり前に描いているだけなのに、妙に凄みがある場面。浸食タイプの使徒故に作業員は完全な防護服を着用し、手に持っているのは銃ではなく消毒系の噴霧機なのか。足の大きさを表すのに「制限高4.5M」の文字が巧みに使われているが、実際動いている時は全く気づくことはない。

●遠近感に酔え!編

Ss008 ・008

 手前の宇宙船内にゲンドウと冬月が乗っていて、遠景の6号機を見るアングル。このカットに限らず、今回の破ではもっとも見せたい距離にある「フォーカスされたもの」以外にボカシが掛けてある。それによって画面の奥行きがより感じられ、絵的な情報量も増える。当然手間も比例して掛かっていることを忘れちゃダメだよなぁと思う。

Ss013 ・013

 もう一見して「上手いな~」と思ったシーン。「ダブル主役」というか、背景のヱヴァにも手を抜かず、同時進行で主要キャラも小さく、それでいてしっかりと描く。アスカの腰に手を当て足を斜に構えて開いたポーズ。シンジの情けない後ろ姿。ミサトさんの毅然とした声が聞こえてくるようなチビキャラたちが、ヱヴァの巨大感をより一層引き立たせる。つかこのシーンも冷静に考えると「何もこの場所で説明する必要はないんじゃね?」と思ったりもするが、かっこいいから問題ないのである。

Ss015 ・015

 全編通してよく出てくるこの白い箱のような車両は「バッテリー」なんだね。考えようとしなかったから気づかなかったけど、よく考えたら離れた3カ所でヱヴァを待機させ、フルタイムケーブルオフ状態で運用する為には、当然必要な措置であり描写なんだよね。それに伴って電源やらケーブルやらを管理する人間も相当数必要になるわけで、さしずめこの黄色い制服は「NERV電力」の人たちなんだろうな。そう言えば電気がらみのシーンではよく出てきてたような気がするよ。

Ss036 ・036

 一番手前の2000GTっぽいスポーツカー、その後ろを走る大型のトレーラーの奥に戦車、その奥に装甲車、そしてその奥にジープと密かに1カットで多彩な車両が納められているカット。そんなカットですら信号機や電線鉄塔はおざなりにされておらず、もはやこの辺りはこだわりとかより「不文律」。監督の指示が無くても入れられるカットには必ず入れるように、という約束事項みたいなのがあるとしか思えない感じ。ちなみに右手前のトレーラーの「NERV」の文字は「HINO(日野)」の文字を意識したものだと思う(全く同じフォントじゃないみたいだけど)。たぶん銀メッキ。

Ss042 ・042

 このシーンも凄いよ。最初なにげにコードとかアンテナが細かいかなぁと思っただけだったけど、よくよく見るとそのパースがスゲェ厳密に計算されて描かれてる。例えば左下のオレンジとオレンジの間の距離と右側のオレンジとオレンジの間の距離。わずかに違うよね。それは視点が左手前にあるからで、遠くの車両のコンテナ部分の天井も、左から右へわずかに薄くなっている。これもたぶんCGで一回モデリングしたものを元に手書きで背景を起こし、セルを乗せて(もしくはデジタルで重ねて)いるんじゃないかと思う。他にも、その手前の溝状になってる部分の内壁のリベット。通路状の両脇のみリベットの位置が違う。強度の関係か、内部構造の都合か、、、見れば見るほどゾクゾクする。つかこの建造物は一体何なんだ!?

Ss043 ・043

 「尻か!」。別に尻だけなら「遠近感」のカテには入れない。やはりここは仮設ゴンドラの外と中、気持ちよくパースとボケが掛かった作画の妙味を堪能しようじゃないか。鉄骨向きだしのゴンドラには余計な装飾や機能はなく、ミサトが乗っていたものとは全く異なるベクトルで仕上げられた物であることがよくわかる。背景の鉄骨は幾重にも重なり、それぞれが別々の速度方向にスクロールしていく。他のシーンで感じた巨大感や空気感だけじゃなく、こうした「空間の広がり」「奥行き感」もまた、ヱヴァ破のヱヴァ破でしかなし得なかったサービスと言えると思う。

Ss044 ・044

 先ほどのカットの後ろから見たところだと思われる。位置的にもし3号機の正面であったなら、ミサトのけがはあんなもんじゃ済まなかっただろうし、逆に言えばこのカットを差すことで、ミサトが「近くだが比較的安全」なところにいることをフォローしているとも言える。「ミサトさんどこにいたんだよ!?」なんてことは、よほどの細かい突っ込みをする連中くらいしかしないだろうが、庵野監督がその「細かい突っ込みをする連中」に属しているからこそなんだろうな。シーン的にはだんだん小さくなっていくトラックに目がいってしまったが、よーーーーく見るとミサトの視線の先に、アスカの乗っているゴンドラが見えるのも面白い・・・ん?ちょっと待てよ、、、043でアスカの背景に映っている鉄骨やワイヤーは、いったいどこなんだ!?この044にはその場所が見あたらないのだけど?あれあれ?それってもしかして突っ込んじゃイケナイとこだったりなんかしちゃったりした?
※ちなみにゴンドラ、ちゃんと動いてるんだよね。ブルーレイじゃないとスゲェわかりづらいと思うけど。

Ss055 ・055

 ここはちょっと脳内補完が必要かなぁというか、「大怪獣総攻撃」(監督金子修介)でのゴジラ対バラゴンのシーンのような、山間部での怪獣同士の戦いを思わせる。何度も書いてるけど、とにかく重要なのは巨大感であり、手前の電柱や家屋をその尺度としてこの2体がどれほどの大きさなのか、「普通の世界」に「異形の者」がいるのかを現している。山の感じにどことなくウルトラセブンのにおいもする気がしたが、僕の気のせいかな。

Ss067 ・067

 一番近景の電柱から最奥の砲台までの立体感がたまらない。最近じゃ「3Dじゃないソースを3Dに見せる」モニターやら技術やらがあるようだけど、もしヱヴァ破が3Dとして再度劇場公開されるってんなら、「絶対見に行く」用意があるね。こういうシーンは特にそういった効果が生きる場面だろうなって思う。つか冷静に見ると奥の砲台のディティールも凄まじいな。全部に番号が振られてるよ・・・。

●何もソコまで編

Ss012 ・012

 今回の破には一見してそれが「やり過ぎだろっ」と突っ込みたくなるシーンが何カ所かあったが、まずはコレ。つか車が渋滞してるところってのはニュースとかで見てもここまでじゃない。理由は単純で「登りと下りがある」から。劇中では演出上完全に一方通行の大渋滞の描写で「現実にはあり得ない、でも脳は即判断出来ない」絵を作り上げてきた。つか車はともかく電車が渋滞してるってのはどうかと思うし、普通に歩行者がいるのもちょっと愉快だったりはするけどね。

Ss028 ・028

 単純に凄いんだけど、初見時はその精緻さに押されて細かいところまでは全く目が行き届かなかった。でもこうして止めて見るとこれがまた、、、。まるで「ミッケ」のような細かな楽しさがあるが、密かに「ブラジャー」は干されてない。どうやらこのアパートの周囲は下着ドロへの警戒が行き届いているのか!?浮き輪が干してあるところを見ると今の季節が夏頃なのかなぁと思わせたり、意外とBSアンテナがある過程が少ないなぁとか、Tシャツの割に靴下が干してある数が少なくない?とか、、、そんな細かすぎる突っ込みをしたくなるのも、全てヱヴァだからこそなのですよ!?このシーンばかりは電柱も形無しですね。

Ss029 ・029

 「オマエは中国か!」と訳わからない突っ込みをしたくなる強烈な駐輪場描写です。つか一番手前のチャリが全て同型なのは単なる大人の事情なんでしょうか。途中で飽きちゃったとか?そんなことしたら庵野監督泣いて壁に当たるよ!?しかしいろんなチャリがあるよね。ところどころやっつけなところもないではないけど、いやいやどうして十分お腹いっぱいです。つかあの黄色い紙?は何?エロDVDのダイレクトメールか何かかな。ちなみにこのスクショが一番ファイルサイズが大きかった(当然圧縮してる)。

Ss064 ・064

 止め絵だとピンとこないかと思うけど、これ、弾丸の噴射で町並みが照らされたバージョンと、通常の町並みバージョンが背景で描かれてるんだよね。こういうのって素人からするとアニメやコンピュータで彩色いじるわけにはいかない気がするというか、線画だけ描いてそれをデジタルで彩色してるのかね。つか冷静に考えると、「こんなデカイ迎撃設備、近所迷惑ったらない」な。騒音とか滅茶うるさそう。受験生の親としては気苦労が絶えない感じだよ。

●我思う編

Ss026 ・026

 このカテゴリーは僕が「ハッ」と気づいたことなどを軽く書いていくコーナーです。別に僕が気づいた「と思った」だけで、実際は全然勘違いの可能性もあるのであしからず。で、その1枚目はこの綾波。今回綾波の「人間性の発現」は著しいものがありましたが、この「目が泳ぐ」動作もその中の一つかと。過去彼女が「何かを追うのではなく」瞳を動かしたことはたぶん一度もなかったと思うんだよね。「考えている」からこその行為。「自我」を持っているからこその行為だと。実は結構重要なカットなわけだコレが<だから思い込みかも知れないって言ったジャン。

Ss063 ・063

 この画面から何を気づいたか。それは、「中釣り広告がモノクロだ」だ。わずかに見える隣の広告もモノクロっぽい。記事の内容でまともに確認出来るのは「一般ピープルが44マグナムぶっ放す米国GUN(事情?)」「モッズ『無血革命』がカッコマンのこだわりマ(スト?)」。ネット探せばこの正解も見つかるんだろうか。っていうか次世代の超改造技術だったらこれすらもピンボケなく補完フォーカスしちゃったりなんかしちゃったりするのだろうか。ちょっと気になる。つかそれより「幸せな老後を・・・それが私のT・・NC・・」も気になる。スゲェ難しい。

Ss073 ・073

 大したことじゃないけど、、、。あのシーン速すぎてよくわからなかったけど、やっぱ綾波がマリをはねのけてたんだなってシーン。ヱヴァ破では数少ない「やっつけ感」のある絵だけど、このクラスの低い描写は、もはや劇中では視認すら不可能だったりするんだよね。もはや宝探しみたいなもんか。

Ss075 ・075

 テレビ版では「5番射出急いで」だったのが「固定ロック全部外して」になったのに、なんで初号機の乗ってるエレベーターだけしかロックが外れる演出が入らないのか凄く疑問だったんだけど、コマ送りで見てたらこの「シンジが自分でエレベーターのスイッチを押してる」カットが差し込まれてたんだよね。なるほど確かにミサトのいた場所から初号機は見えないわけで、どのレールを射出するかを即座に判断出来るのはおかしい。だったらスイッチをシンジ自身に押させて、、、という流れの方が自然だ。でも速すぎて劇中ではむしろ違和感の方がのこっちゃったけどね。

Ss076 ・076

 このシンジの顔、これが唯一僕が「2.22」を見ていて「2.00」と違っていることに気付いたシーン。もう見た瞬間に「絶対こんな穏やかな顔じゃなかった」と思い、必死にネットを探したら、フィルムを発見。やっぱり「もっとずっとキレまくった顔」だった。だから何って言われたら返す言葉もないけどさ。正直元の絵に違和感があったから全然OKです変えてくれて。

Ss085 ・085

 途中3号機がノロイみたいって書いたけど、こっちのがずっとノロイっぽいよね。「白い悪魔」って感じ。つかもう人間じゃないというか、最初から人間じゃなかったわけだけど、もしこれがお袋さん(ユイさん?)だったとしたら、どんな精神状態でこんなんなっちゃったの?って気はするわな。ただ、この「三つ眼」はあのIKEYAだっけ?いや違うIPEA?あのロゴのそれなんだろうなって思う。つかロゴ作る段階でこの状態のヱヴァをイメージすることが可能だった、、、まぁこのレベルになってくるともうついて行けないんだけどさ、クリスでは(^^;。

Ss087 ・087

 何となく180度回転させてみました「ヱヴァ8号機」。僕はあんま洞察力とか記憶力とか男子力とか原子力とかがないので、このヱヴァ8号機がどこで作られてたとか誰が乗るのが筋なのかとかが全然わからないのだけど、デザイン的には女性っぽい気がする。マリが乗るのかな?つかよくよく考えるとマリって何者?って感じだよね。いつもしゃべってる相手とか、、、ゼーレ?あんなフランクに!?マリ侮れん・・・。

Ss099 ・099

 このシーンは全画面を目を皿のようにして見まくった中でも珍しい「マンガ的表現」がなされたシーン。第10使徒に左腕を切り落とされるシーンなのだけど、体液のエフェクトだけじゃなく、なんだかよくわからない「ドッギャァァァーン!」な線がいっぱい入っている。だからなんだって言われたらそれまでだけど、割と今回のヱヴァはリアル指向が強かったので、こういうある種非現実的な表現が入ってるのがちょっと気になったって話。「バッシュゥゥーーーン!」。

●刹那の見切り編

Ss045 ・045

 3号機が使徒に浸食され、離脱するシーン。044で「背景に映っている鉄骨は?」の問いの答えがここには映っているが、043との位置関係からするとちょっと違和感が残らなくもない。ともかく。このシーンは本当に一瞬しか映らない。「刹那の見切り」とはかの有名なピンクの悪魔が得意としたスキルだが、、、ってこの表現で「星のカービィスーパーデラックスのミニゲーム」だと理解してくれる人がどれほどいるかは、甚だ疑問ではあるな。ともかく、一瞬にも気を抜かないヱヴァに乾杯!

Ss089 ・089

 MULTIPUR POSE ADJUSTABLE BLAST SHIELD STRUCTURE。略してMABSSだそうで、要は融通が利く防護壁ってなことなんでしょうが、「こういう動きをする為には反対側に寝てる(かなり広大な面積を確保した状態で倒れている)必要があるよなぁとは後になって思う。が、見てるときはもう愉快でしょうがなく、たぶん僕は拍手とかしていたような気がする。楽しいシーンでは笑い、感動したら泣く。クリス的にはそういうのが美学と言えなくもないのだ。ちなみにこの場面もがんばって手前のオブジェクト(電車の鉄柵?ゲート?)が一緒に入るようにかなりの枚数撮りまくった。今回はフォーカスの合ってない距離の描画にボケを多用しているんだけど、こうした横移動の激しいシーンではブラーも負けないくらい使いまくってるんだよね。一枚一枚絵にしたあとエフェクト掛けてるのかねぇ。ちなみにこの絵から「撮り直し」だったりします。

Ss090 ・090

 ここもかなりの枚数撮った中の1枚なんだけど、手元にブルーレイなりDVDなりがある方にはぜひ「同じシーン」を探して頂きたい。このチェーンが目立つ連結部。まぁ当然電車の連結部なのだけど、「写真を撮ったあと何度頑張っても同じところでポーズが出来ない」ほどに短い(たぶん1フレーム)時間しか表示されてない。これまたもはや宝探し。ホントはもう少し様になる場面を載せるつもりだったのだけど、あまりにレアなのでこちらにしました。

Ss091 ・091

 ここは連続してかなりの枚数撮ったんだけど、撮ってみてびっくり。すさまじい速度で描き倒される場面なのにも関わらず、そのそれぞれがきちんと町並みであり、車であり、電線であり、ブラー効果が当てられていたり、この場面のようにガラスとおぼしき白い破片が飛び散っていたりで、弐号機のサンダースピアの次に見応えのあるシーンだと言っても過言ではありません。0:35:00辺りです。

Ss092 ・092

 一番手前の電柱を画面に入れるのに何回も何回も撮り直した一枚。劇中ではホントに一瞬しか映らないようなシーンで、その一瞬の中にも遠近感の演出に手を抜かなかった結果、こうしたかなり強いブラー効果が為された近景が出来上がる。序に続いて多くのヱヴァはCGで描かれているはずだけど、丁寧なフィニッシュワークのおかげであんましCGっぽさはない。つか今さらだけど、これって全編デジタル彩色なのかね。それとも部分的でも絵の具で塗って描いてるシーンとかもあるのかしら。ちょっと気になるな。

Ss098 ・098

 今回のヱヴァでもっとも「やっつけ感」のある作画がコレ。劇中普通に見てる時にはたぶん「残像」しか見えないというか、「残像のように見えるよう、描かれてる」弐号機なのだけど、なんかこうして見るとちょっと嬉しくすらあるよね。「みーつけた!」みたいな(^^。

Ss101 ・101

 今回撮った全てのスクショの中で、もっとも撮るのが難しかった、撮るのに苦労したのがこのシーン(冗談抜きで50枚くらい撮った)。先ほども書いたけど、基本ポーズして撮る際、2フレームくらいズレる。っていうか実際はもう少しズレてるのかも知れないけど、まぁ少しズレる。だから実際に撮りたい場面よりも前に撮り始めないと上手く欲しい絵が撮れないわけだけど、このシーンの前はほとんど代わり映えのしない絵が続き、そのタイミングが非常に取りづらかったんだよね。劇中でもホントに一瞬しか映らないというか、「え?こんな場面あったっけ?」ってくらい短い時間しか表示されない。ある意味幻というか、「必要あるの?」ヱヴァの場合に限って言えば「必要ある」シーン。普通にかっこいい。

●素直にいい編

Ss059 ・059

 今現在僕の新PCの壁紙にしているシーン。さっきまで「だいだい色の夕焼け」だったのが3号機の体液が気化した影響で紫に染まり、同時に虹を架ける。残酷なシーンの一方で、メロディは淡々と流れ、風景もまた結果だけを告げる。初号機の眼の光りはさしずめウルトラマンのカラータイマーを指し示すかのごとくだが、
※ウルトラマンからの引用の多さは有名。
決して「正義が勝ったわけではない」ところに、「正義の光が消えてしまう」意味の消灯がある気がする。考え過ぎか。

Ss079 ・079

 いやはやかっこいい。全くもって「広告の品」というか、相手の部位を吸収合体したテレビ版と比べ、スムーズかつ「必殺技感」が出ていてとても良い。「生腕」ではこの後の「光子力ロケットパンチ(今オレが名付けた)」のエフェクトはありえないからね。この第十使徒との戦いは最初から最後まで全く下らずに完全に右肩上がりで盛り上がって行ったような気がする。途中「こんなに上げちゃってラスト尻つぼみになんない?」とか不安になったほど<結果的には杞憂だったんだけど。

Ss081 ・081

 前も書いたと思うけど、個人的にこのシンジが破で一番好きなシーンかな。ぶっちゃけこれまでの、たとえばテレビも最初の映画のシンジも僕はちっともかっこいいとは思わなかったんだけど、序から特にこの破の終盤に掛けては、素直に「かっこいい」と呼べる「男」になっていった気がする。っていうか「そう感じさせる作画」になっていった気がする。そりゃ緒方さんの声も涸れるよな。これだけの映像を前にして気持ちが入れられないようなら声優なんてやめちまえって思うもの。一生に一度あるかないかの最高の舞台、そしてここが最高のシーンだったと思うね。

Ss082 ・082

 ここの綾波も凄く好き。ぶっちゃけ僕はヱヴァのキャラに対してあんましかわいいとか(特にテレビ版)惚れた、とか思わなかったんだけど、今回のマリや「女の勘ね」と言った時のミサトさん、この綾波なんかはちょっとグッと来た。感情が芽生えている、でもそれは愛情とか寂寥じゃなく、素直な驚きで、でもそれもまた人間ぽさだったりして、、、。まぁ最初に見てたときは、どうしても何割か胸に意識が取られたけどさ。
※だって揺れるんだもん。こんな緊迫した場面なのに!揺れなくていいよ。ココだけは揺れなくていいよ・・・揺れ、、、揺れなくて、、、やっぱ揺れなきゃダメなのかな・・・。

Ss083 ・083

 ズルいよもう。曲も絵も完全に「取られてる」感じ。持ってけドロボー!つかアスカが死んじゃった(この時点では僕はそう思い込んでた)のなんて完全に消し飛んで、「よかった!」って何がどうよかったのかわからないままに感動してたからね。DATを持ってるところは綾波の、今の綾波のよりどころみたいなものだったのかな、とか、後になって考えたこともあったけど、いやはや何度繰り返し見てもいいシーンです。具体的に言うとシンジの手が青い中に埋もれていくところ辺りから綾波が初号機に融合していくまでの間が。

Ss086 ・086

 6号機、序盤でゲンドウたちが見てた「顔をかぶせる」シーンはほぼ完成直前だったってことなんだろうな。っていうかこいつって結構大きいんだよね?でもこれだけ今回大きさの対比を描きまくってきた本編と比べて、この完成版6号機の巨大感に関してはあまり強く触れられなかった気がするな。まぁそれは「Q」へのお楽しみって事なのかも知れないな。ちなみにデザイン的には8号機と違ってやっぱ男の子っぽいな、と思った。青いし。

Ss095 ・095

 全編通してかなり好きな1枚。露光を開けて撮ったかのような光の広がりや残像感、精密なキャリーのディティール。他のヱヴァはほとんどが「アニメっぽく」描かれているのに対し、たぶん唯一この弐号機が素材感というか、「ツヤ」があるような気がする。かっこいい。とにかくかっこいい。このシーンのフィルムが当たったらマジで嬉しかっただろうにな~。つかこれって無人でも動くの?っていうかマリが運転してるの?免許は?っていうかマリも14歳なんだよね。おっぱい大きいな~。素晴らしいっ!何かを忘れてきたか!?

Ss097 ・097

 これも大好きなカット。やっぱりアニメはデフォルメがあってこそだよな!と、アングル、エフェクト、ポーズ、単純に画力も感じさせるし、シンプルな天井と爆風、破片にややアバウトな弐号機のディティールが、「今回の主役は動きだから」と主張しているかのよう。止めで見るとやや物足りなく感じるかも知れないけど、いやいやどうして。凄くいいシーンです。

余談だけど、この新劇場版のヱヴァはホントにお金と手間暇が惜しみなく注がれて仕上がってる、まぁ美味しんぼでいう究極か至高かって作品なんだけど、この097のように1つの色に2段階しか使わず、線もシンプルで、(まぁ破片は結構多いけど)それほど多くの作業量が割かれてないと思われる場面でも、やっぱり十分かっこいいし、すごさが伝わるわけじゃない?だからもし仮にヱヴァが終わって、予算的にそれほど多くをつぎ込みづらい次回作を作る段になっても、

 力点を間違えずに仕上げれば

それで十分凄い作品が出来上がると思う。

僕らの世代はよく「古き良きアニメ」として、ホルスや空飛ぶゆうれい船、長靴をはいた猫なんかを持ち上げたりするんだけど、やっぱりその時代にも作品の善し悪しは当然あったし、予算の大小も当たり前だけどあったはずなんだよね。

で、今の作品がじゃあその頃「お金が掛かっていた」ビッグバジェットなタイトルと比べて低予算かっていうとたぶん決してそんなことはない。アニメはその価値を不当に低く見積もられてきた、その「悪しき慣習を生み出してしまった手塚治虫の罪は大きい」とする意見もあるんだけど、やっぱり何度もテレビで流れる、ビデオが借りられる、時を超えて話題に上る作品っていうのは、「金額以上の労力と才能が圧倒的に注がれたもの」だと思う。

この097のスクショは、そんな「お金に換えられない情熱の残り香」を感じさせる、もしこの方向でアニメを作るとしたら、色数が少なくて、線がシンプルで、例えば1秒当たりの枚数が少なかったとしても、きっと見て楽しい、ドキドキワクワクする、「アニメはやっぱりこうでなくちゃ」という作品になり得ると思う。いや、むしろ僕はこのスタッフたちに、そういう「動きで魅せる」作品を作ってもらいたい。ここまで闇雲に書き散らかしたのはたぶんこれまでで初めてだったと思うけど、この一見シンプルで、それでいて僕の心にザクッっと突き刺さる描画をもって締めとするのは、結構嬉しいことなような気がしたりする次第です。

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今回のネタは6/4に思い立って、毎日少しずつ進めて形にしたクリス久々の大作。ヱヴァが好きじゃない人や興味がない人には全然訴求しないかも知れないけど、個人的にはかなり満足しております。つかぶっちゃけこの「あとがき」を書いている段階ではまだ「9割方コメントを埋めてない」状況なんだけどさ(^^;。でも既に▲▲▲▲は確定。ぜひみなさんにもじっくり見て欲しいと思いますです(^^。つか今回ばかりはいつも書かないこの一言を送りたいと思います。

 最後まで読んでくださってありがとーーー&おつかれぃ!

※全角40文字×1032行(タイトル含まず)。記録更新。▲▲▲▲▲。自己満足指数も初の満点とさせて頂きます(^^。楽しかった!つか今から貼り付け作業。1日40MBまでなので最速でも2日後のアップになるな(^^;。つかそんな余談を書いていたらすぐまた数行、、、そんなもんだぜ。つか1日で全部見ながら読んでくれた人っているのかしら(笑。

アップ完了!つか「1日40MBまで」じゃないのな。ただ1ファイルはやっぱ1MBまでのようで、いくつかは圧縮して貼り付けました。いやいやホント充実したな(^^!。感想お待ち申し上げますです。

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