思い出話
こないだFF14の話をしたら急に以前自分が書いたFF11のプレイ日記を読み返したくなったので、PCの中を、「すんげぇ時間掛けて」探索するも見つからず。それでもあきらめきれず友人TにTEL。
「昔おめえにメールで送ったような気がする」
「んなもんあるわけねぇよ。オレ大体メールとかすぐ削除しちゃうし」
と一蹴されるもしつこくいろんなところ(ネット全般)探してたら友人Tから連絡。
「あった」
「どこに?」
「メールボックスに」
ほらほら~(^^。晴れて戻ってきた。もう8年前?随分前に書いたもので、自分的にはブログにも貼り付けた記憶でいたのだけど、どうサイト内検索しても引っかからないので、これを機に貼り付けておくことにする。
正直みなさんにお読み頂いてもちっとも面白くないかも知れないけど、自分的には、
たぶん一番気に入ってる自分の文章
だったりする。FF11をプレイされた方にしかピンと来ない記述も多いかとは思うけど、もし良かったら読んでやって下さいませ。
※ちなみに創作ではなく実話です。
※もともとはトムニャットさんにメールしたんだよね(^^。「よく書けたから読んで~」って。
~引用スタート~
涸れ谷からの脱出~2002/09/02~
その日僕はメインとは別のサポートジョブを育てていた。戦士が当面の目標であるレベル30になるには、必然的にパーティでの需要が高いモンクのサポートを上げる必要があるためだ。
何気なく同レベルの人を検索し、声をかけたところ、すんなり6人のメンバーが決まった。全員レベル差もほとんどなく、目的も同じでバランスもとれた、言わば「出来のいいパーティ」だ。
パーティはとあるダンジョンで狩りをしよう、ということになった。そこは細い通路とちょっと開けた空間が迷路のように配置された谷状のエリアで、開けた空間で主にゴブリン(以下ゴブ)などと戦うことになる。このゴブは、プレイヤーキャラが近寄っただけで戦闘をけしかけてくるアクティブモンスターなうえ、同種のモンスターが近くで戦闘をしていると反応して寄ってくるリンクモンスターでもある。戦うには十分な注意が必要だ。
僕らのパーティは入り口からやや奥まったところまで行き、自分たちが戦うのに丁度いい、一人では絶対倒せないが、6人なら余裕であぶなげがない、一人二人のリンクならさほど問題なくこなせる強さのゴブを数匹狩った。
「余裕だね」
「もっと強いのイケルんじゃない?」
気をよくした僕は、その谷の一番奥、次のエリア「滝壺」に通じる境目まで行って稼ぐことを提案した。エリアの境目は敵が追ってこない。もし手強くて倒せないような相手でも、エリア外まで逃げ切れば一時的にしろ安全なのである。そこで体制を立て直して再戦すれば、安全に今よりずっと高い経験値が稼げる、そう考えたのだ。
「そうしよう!」
「たぶん倒せるよ!」
それまでの戦いがあまりにも安定していたこと、そのエリアが今戦っているところからほどないところであることが、パーティのメンバーの総意を決めた。僕たちは軽い足取りでその地に出向いた。
エリアを越えると、当然敵は強くなる。
「あの魚試してみよっか?」
「表示はとてとてだけど、危なくなったら逃げればいいし、やろう!」
エリアを越えた先で見つけた強敵を相手に、僕たちは最初の剣を抜いた。あまりに心細いダメージ表示と、けた外れに大きなダメージ表示が画面に現れる。
「アビ使います」
途中メンバーの一人が一度使うと以後2時間使用不可になる、言わば必殺のアビリティを使った。自分もそれに推されて起動。パーティはほぼ瀕死の状態になりつつも死者を出すことなく多大な経験値を手に入れることが出来た。
「きつかったけどおいしかったね~」
「でももう倒せないね。アビつかっちゃったし」
「やっぱもどってゴブ狩ろう」
パーティはその場で回復をしたあと、きびすを返すように、もといた谷へ戻った。しばらく移動すると、目の前にお目当てのゴブがいる。
「ターゲット>Goblin Leecher」
瞬間、与えられたダメージに、空気が凍り付く。
「にげろ!」
だれかれともなく今来た道を駆け足で戻る。当然ゴブは憤怒の様相で追いかけてくる。
※ちょっと脚色入ってます(笑
「あぶなかった~」
「ありゃ倒せないね」
「どうしよう」
そんな言葉がささやかれ、時間をおいて、少しでも弱いやつに変わったら倒そう、という話になった。パーティが全回復して、先ほどの戦場に戻ると・・・
「・・・」
「2匹になってる・・・」
さすがに僕らは戦うわけもなく、もといた場所に戻ることにした。
「死にデジョンしかないかな」
『死にデジョン』とは死ぬことで、町などに設定した復活地点=ホームポイントにワープすることを差す。当然経験値は減らされてしまう。何か方法はないか、僕はFFの中で知り合った友人が近くにいないか検索を掛けた。・・・一人だけ検索にひっかかってくれた。
「レベル23の友人がこの谷の中にいました。助けてくれるそうです!」
僕らのレベルは11~12。23ともなれば、さすがのゴブでもひとたまりもあるまい、パーティのみんなは歓喜の声を上げ、僕は少しだけ得意になって友達を誘導した。
マップ画面で徐々に近づく友達のマーク。みんなもまるでガンダムのカツ、レツ、キッカよろしく「そこ右!」状態だ。
あと僅かで僕らのパーティに届くところで、先ほどのゴブ2匹がレベル23の戦士に絡んできた!いくらぼくらよりかなり強いとは言え、2匹相手では分が悪い。一旦エリア外に逃げよう、そうキーを叩こうとした刹那、メンバーの一人が斬りかかってしまった。
にげるのか、たたかうのか
その判断が付かないままに、僕らを助けに来てくれた戦士のHPは徐々にそして確実に赤くに染まっていき、ついには地に伏してしまった。こちらには彼を回復することが出来る白魔導師が二人いて、セオリー通りに戦ってさえいたら、問題なく倒せたであろうにもかかわらず、だ。
「ごめんなさい」
彼に謝ると同時に、パーティに重い空気が満たされる。幸い先ほどの戦いで斬りかかったメンバーは、辛くも逃げ切ることが出来たが、状況は全く好転していないのだ。長い沈黙のあと、メンバーのリーダーであるランさんが口を開いた、
「20分待って!絶対戻ってくるから20分だけ待ってて!」
そいう言うと彼女は座り込み、画面から消えた。
「その手があったか!」
誰かが言う。僕はしばし何のことかわからなかったが、しばらくして僕にしか聞こえないメッセージが届いた。
「今、姉と代わりました。すぐ飛空艇で助けに行きます」
ひ、飛空艇!?。飛空艇とは飛空艇である。過去のFFでも幾度となく出てきた空飛ぶ乗り物である。当然のことながら、空が飛べるくらいだから物語の後半でしか手に入れることが出来ない。彼はそれに乗ってくるというのである。
驚きだ!&なんて心強い味方なんだ!!
彼のレベルは、少なく見積もっても40。普通考えればレベル上限の50に届いていると思われた。パーティの面々にそれを告げると、全員
「今度は絶対大丈夫だね!」
と再び歓喜で満たされる。ワクワクしながら彼の到着を待った。でも待てよ、彼=アブドラさんが来てくれたら、ランさんはどうなるんだろう?
「死にデジョンしてもらいます」
とアブドラさんが言った。せっかくここまで5人全員生き残ってきたのに、ここでランさんだけを見殺しにする!?。僕は何とかランさんも一緒に脱出する方法がないかアブドラさんに訪ねた。
「じゃ、僕がこのへんのゴブを一掃して、すぐ姉貴に代わるから、ゴブが沸く前にみんなで逃げて下さい」
程なくしてアブドラさんと、「来る途中ナンパした」(笑)というレベル30のシーフが彼方に見えた。僕らは既にこの場所に足止めを食らって2時間近く経っていたが、今度こそ助かる!という気持ちで彼が倒していく様を眺めていた。しかし、、パーティのメンバーから彼に聞こえないようにメッセージが届く。
「確かに全然HP減ってないけど、アブドラさんて黒魔導師なのかな」
黒魔導師。パーティ戦では強力な魔法で絶大なダメージを与えうるジョブ。しかし、その魔法の詠唱には強力であればあるほど長い時間を要する。その間に攻撃されたら、詠唱は中断させられてしまうのだ。
彼は詠唱時間の短い、ぶっちゃけて言えば弱い魔法でゴブたちを倒していた。2、3匹のゴブにかこまれつつも一つ一つ確実に・・・。そして最後のゴブを倒すと同時に彼は僕ら全員に防御力が上がる魔法をつぎつぎにかけ始めた。火に強くなり、水に強くなり、魔法に強くなり、物理攻撃に強くなり、、、いくつもの防御魔法がパーティ全員に掛けられ、
「じゃ、姉貴に代わります」と彼が消えたその刹那
「ゴブが発生した!」
そう、弱い黒魔法で倒していたため、ゴブが再び沸いてしまったのだ!油断しまくる僕たち。判断がにぶり、逃げるはずが敵をターゲットしてしまうメンバーもいた。
「にげろ!!!」
大急ぎでで僕らはエリア外を目指す。途中でランさんが
「ただいま~(^^)」
と僕に向かって走りながら挨拶をくれたが、こちとらそんな場合ではない!
「にげて、にげて!」
最後に一人逃げ遅れたアルさんという黒魔導師が、ゴブの餌食になってしまった。ここまでずっと生き延びてきたのに、2時間もあれば十分死んで減ってしまう経験値だってとりもどせるのにこだわって、生還こだわってきたのに、ついに死人を出してしまった。
「今度同じ様な状況になったら、みんなこっちに逃げずに、本当の出口を目指そう!」
僕が提案する。既に死人を出してしまったし、誰か一人でも逃げ切れれば、それはそれで一つのドラマじゃないか、そう思ったからだ。みんな口数少なに同意。その間、ランさんが再びアブドラさんと交代し、今度は彼がゴブというゴブを一身で引き受けるから、その間に逃げろ!という作戦になった。発生しきっている状態なら、新たなポップはない。
「ランさんは?」
「諦めて下さい」
アブドラさんが冷たく言う。でも今の僕たちにそれを否定する力も気力も残されていなかった。みんな無言で彼に続く。
「行きます!」
アブドラさんが次々にゴブを集めていく。アブドラさんの姿が見えなくなるほど凄まじい数のゴブの群れ。僕らは彼の横を無言で走り抜ける、、、はずだった。が一匹のゴブがメンバーの戦士に斬りかかってきた。完全にアブドラさんに惹きつけられていないヤツがいたのだ。
「ケイさんを回復します」
白魔導師のヒロさんが削られたHPを回復に入る。
「逃げてヒロさん!」
周りはゴブが「いれぐい」状態。もし白魔導師が絡まれたら、それこそ一瞬でやられてしまう。僕は白魔導師にねらいを定めたゴブを挑発しつつ、出口を目指した。もう後戻りは出来ない。みんなの無事を祈りつつ、僕は背中に少しずつ近くなる死への音を聞きながら、迷路のようなマップを走った。来るときはあっという間だったその距離が、その曲がり角が、とんでもなく長く多く感じられる。いくつめかの通路に入ったときにメッセージが入った。
「死んだ!」
ヒロさんからだ。結局あのゴブ銀座を抜けきることが出来なかったのだ。ケイさんは?
僕とは別の方向に逃げたケイさんのHPの減少は止まっている。どうやら追っ手からは逃れたようだった。あとは自分だけ。HPが15ずつ削られて行き、200以上あったHPも黄色に、そして赤に染まり、残り27。まだ出口までかなりの距離がある。僕は死を覚悟しつつも走った。
「ガスッ」
残りHPは11。あと一撃食らえば確実に死ぬ。漠然とその前に食らったダメージからの移動距離を思い起こすに、僕の死は間違いないと思えた。
「ケイさん一人でも生き残って良かった」
そんなことを考えた直後、僕の目の前がブラックアウトした。
僕はエリア外に逃げ延びることが出来たのだ。
みんなはどうなったんだ。どうやらケイさんはアブドラさんの連れてきたシーフさんに守られ、無事らしく、ヒロさんは随分離れたホームポイントに飛んでしまっていた。ヒロさんに謝り、ケイさんに自分が逃げ切れた報告をしているときにランさんからメッセージが入った。
「みんなは無事?」
僕は状況を話すと、リーダーだった彼女はとても残念がり、数秒のいとまのあと、メッセージが送られてきた。
「自殺しちゃいました(笑)」
「!」
それしか方法がなかったのか!うなだれるように僕は座り込んだ。
※これまでずっとHPは11のままだったのだが、おもむろに回復することを思い出したというのもある(苦笑)。
すると、僕のHPメーターが急激に回復するではないか、
「どこかの誰かが辻ケアルかけてくれてるんだな」
うつろな目を正面に向けるとそこには、メンバーの中で最初に死んでしまったアルさんの姿があった。みんなの状況を話すと、
「待っていて、ってもっとしっかり言っておくべきだった」
二人は生還しましたよ。僕は自分が生き残ってしまったことが何とも恥ずかしいやら、申し訳ないやらで、口に出すことは出来なかった。
しかし、所在のなさを感じつつも、つい本音で、
「でも凄く楽しかったです(^^)」
とみんなにメッセージを打った。すると
「僕もですよ(^^)」
「貴重な体験をしました。ありがとう^^」
「面白かったです~w」
「またご一緒しましょう!」
みんなから次々に流れてくる言葉の波。なんだか僕はすっかり元気になり、ほとんど経験値もお金も入らない、3時間を超える大冒険に満足と感謝を伝え、最後に、
「次はメインキャラでぜひ一緒に冒険しましょう!」
と、メッセージを叩いた。
---------------※まだ引用は続く。
長かったですねぇ(^^;。久々叩きまくってしまいましたよ(^^)。自分ではこのエピソードはFFやってて一番面白かった話と言っていいです。滝壺エリアの境目は暗い洞窟になっていて、ホントに遭難したような感じ。「寝るな~」とか「今に助けが来る!それまでがんばれ!(笑」とか(^^;)。出来過ぎなくらいドラマティックな展開でした。
シークエンスとしてはランさんが消えた直後に、のちにナンパされるシーフさんが現れ、僕らの前で次々にゴブを屠っていって、「ついていって脱出しようか?」とみんなに相談したり、
→「でもやっぱランさんに悪いから止めよう」ということになったのです。
アブドラさんは強烈に強いキャラなんだけど、実はセカンドキャラだったりとかって話もありましたが、組み込みづらくてはしょりました(^^;)。
~引用おわり~
まぁこういうのは「恥ずかしい」と言えばそれまでなのですが、思い出ですからね。今度のFF14にもこういうのがあったらいいなぁって思うわけです。まぁ淡い期待ですけどね(^^。
ココで一旦書き終えたのですが、ふとネットをうろついていて思い出したキーワードを打ち込んでみた。
※そのキーワードは以前も打ち込んだことがあるのだけど、その時は僕の望む結果が得られなかったんだよね。
45分間の疾走
風のように永田さんがファミ通に残した、それでいて書籍化されてない最高に最高なコラム。FFのコラムで一番のお気に入りが今日載せたものだとするなら、ポケモンのコラムで一番のお気に入りはコレだ。
まさかアップしてくれている人が現れるとは!!!!
http://www.geocities.co.jp/Playtown-King/4566/etc/gameetc/nagata1.html
※ゼルダの伝説のレビューのあとに書かれています。
このコラムは本当に傑作です。今読み返しても目頭が熱くなりました。僕の文章ではありませんが、当然▲▲▲▲▲(満点)です。
※あ、さっきのFFのヤツも個人的には満点なんですけどね(^^;。
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