ファミコン探偵倶楽部II-うしろに立つ少女-
こないだ「シュタインズゲートがやりたい」なんて話を書いたら急にアドベンチャーがやりたくなって、久々に起動ニンテンドーパワー版。起動デモがファミコンディスクライクで郷愁を誘う。
元々は1988年?1989年頃のファミコンディスク版。前後編2枚組で、1ヶ月おいてのリリースだったと思うけど、当時からさほどこういったサスペンスというか、ちょっとホラーテイストのある作風が怖かった僕は、実際書き込むだけ書き込んでもらって、
※既に店頭からはディスクライターが撤去されてかなり経ってから。でもサービス自体は長期にわたって続いてたんだよね。ニンテンドーパワーもだけど。
プレイしたのは発売から何年か経ってからだったと思う。それでもまぁ手元に置いておいたのは、新鬼ヶ島を始め、任天堂のアドベンチャーゲームの評判が非常に高かったから。
アドベンチャーゲーム自体がほとんどヒット作に恵まれず、
※SFCのサウンドノベル弟切草まで。
ジャンルとして今のシューティング以上に斜陽がかっていた中でも「これだけはゲーマーとしてやっておかねば」という中に入っていたんだよね。
※とは言ってもその新鬼ヶ島や遊遊記は途中で詰まっちゃってクリア出来なかった。そう、アドベンチャーってのは「詰まったらどうしようもなくなる」のがつらかったんだ。今だったらネットで調べてハイ進行再開!って感じなんだけど、当時はやってる友達がいなかったらもうそこでアウト。っていうかやってる友達が大多数いても、
全員が全員ラゴスを見つけられない
ということもあったりしたけどね。今更ながら自力で見つけることが出来てホントよかったと思うよ>ラゴス。あと裏ゼルダのレベル7のダンジョンとか。
まぁそんなアドベンチャーだけど、スーファミ版はその辺りが非常にマイルドにアレンジされており、
行動範囲をグッと狭めることでコマンド総当たりや推理がしやすく、テンポが非常に良くなった。
具体的に言えば当時たぶん6時間半か7時間ほど掛けてクリアしたおぼろげな記憶がある本作が、4時間ちょっとでクリア出来た。
※念のため書くけど、謎解きに関する記憶は一切残っておりませんでしたよ。っていうか記憶にあったのは、「クライマックスのあのシーン」だけ。あれ以外は犯人はおろか主人公サイドのキャラにも一切の記憶がありませんでした。ヒロイン「あゆみ」ちゃんですら、「この子がヒロインなのかな?」ってくらいで。
そんなわけなので、かなり気持ちよく物語を楽しむことが出来ました。
話はベースに殺人事件を基幹としたサスペンスがあるのだけど、ところどころジョークというかガス抜きのコメントもあり、エンターテイメントとして任天堂らしい(まぁ開発は違うところみたいだけど)配慮がされていて、飽きさせずに一気に読ませる。ボイスもオーケストラもない、アニメもほとんどないドット絵の、今なら携帯電話でも十分再現できるレベルの技術&容量レベルなんだけど、
単純に4時間という長さを惹きつけ続けるというのはやっぱりさすがとしか言いようがない。
いつもなら自分のゲーム(今ならメタルギアソリッドの対戦)を始める長男ですら、横で食い入るように見ていて、
※途中で「怖い怖い」うるさいので、最終的には「ここで寝た方がいい」と促して寝かせましたけどね。ラスト前まででそんなに怖がってちゃ、ラストの衝撃には耐えられないだろうと思ったので。
ホントに面白いんだなぁと思いました。
ただ!
クライマックスの一番盛り上がる場面だけは、ファミコン版の方が上!
だった気がします。たたみかけるようなスクリプトと盛り上がるBGMに押されて、かなりいい感じにいろんな結び目がほどけていくんですが、その1シーンの演出というか、描写だけは、ちと戴けなかった。
ある意味「怖さが減ってる」と言ってしまえばそれまでなのですが、この作品で僕が唯一覚えていた場面でもあるわけで、やっぱりちょっともったいないというか、肩すかしされてしまった気がします。
でもそれでも十分面白かったんですけどね(クリス評価は★★★☆。原作ディスク版はプラス★)。Wiiのバーチャルコンソールだと800円。
※ディスク版は600円。
暑い夏の夜に遊ぶにはもってこいだと思いますよ(^^。
ちなみに前作であるところの「消えた後継者」はNPでは発売されておらず、それに伴ってバーチャルコンソールでもディスク版しかリリースされていないみたい。どちらもGBAでも出ているので、もしかしたらそちらを探す方が安上がりになるかも知れないね。
もう少しだけ書く。
任天堂のアドベンチャーというと、やっぱり「カエルの為に鐘は鳴る」を抜きには語れないと思いつつ、似たようなテイストの「マーヴェラス」ってのもあったんだけど、こっちは期待した割に全然ダメだったんだよな。何か謎に引っかかった時の救済措置が作業色満点の消費アイテムだったのが凄く勘に障ったというか、「逃げてる」みたいな。
スタッフ的にはゼルダの伝説のスタッフが多く、システムもアクションアドベンチャーで悪くなさそうだったんだけど、もともとの企画が「スーパーファミコンCDロム」用だったってのが「いびつさ」を産む要因になってしまったのかも。
※今ウィキペ見たらそのCDロム版のアニメパートは今をときめく京アニが担当してて、パイロットフィルムは作られたんだそうな。
まぁ案外今やったら楽しいのかも知れないけどさ。
他の任天堂アドベンチャーと言うと、これまたNPでリリースされた「はじまりの森」というのもあったりした。こちらはなんつか田舎くさいシチュエーションに始まる、世界観で言うとトトロや河童のクゥみたいな雰囲気のテキスト主体のアドベンチャー。でもなんかテンポが悪いというか、つかみが悪くて結局序盤で投げちゃった。
他にはディスクシステム最後のアドベンチャー「タイムツイスト」が、書き換えてもらって持ってるんだけど、これに関しては、
いつかやろう
と思って楽しみに積んでおいたら、
所在すらわからない。見つかってもたぶんディスクが起動しない
という状況にまでなってしまった。まぁ評判云々が聞こえる以前に出回りが少なく、内容どころかタイトルを知ってる人にすら会ったことがないというレベル。メタルスレイダーグローリーや暴れん坊天狗は知っていても、タイムツイストは誰も知らない。NPはもちろんGBAの焼き直しや、バーチャルコンソールでも出てない、ある意味「任天堂の黒歴史」とも呼べるソフト。
そんなわけで現状プレイするには、事実上エミュを使う以外はほぼ不可能な状況なわけだけど、
※ゲームの書き換えはもとより、ディスクシステムの修理も既に現在は受け付けていない上に、頻出する修理に必要となる「ゴムベルト」の在庫も切れていて、直すにはそれを自作した上で自力修理しかない。
ウィキペの「序盤のあらすじ」を読む限りにおいてはなかなか面白そう。ファミ探でもそうだけど、任天堂のアドベンチャーは「シリアスに寄りすぎない」ところがいいんだよな。
今なら「Wiiウェア」や「XBOXライブ」って舞台もあるわけで、ファミ探やファミコン昔話の続編を作れば、きっと相応にレスポンスがあると思う。別にグラフィックやフルボイスにお金を掛けなきゃいいものが出来ないなんてことは絶対ないと思う。
ロックマン9や10がファミコンライクまで巻き戻しちゃったけど、個人的にはスーファミレベルが一番ドット絵が楽しめて、システム的なバランスが取れていると思う。
※ABXYLRボタンが欲しいって話。
サスペンスやホラーが題材としては作りやすいのはわかるけど、自分としてはグーニーズやジュブナイル、もっと言えば「MOTHERをアドベンチャーゲームに」してくれても構わないというか、むしろ「やりたい」。あの世界観はむしろRPGよりも向いているのではないかとすら思うのだけど、、、。
まぁ田舎の中年がひっそり書き込んだところで、世の中は何も変わらないんだけどさ。
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コメント
クリスさんこんばんはです。
当時、ファミ探1・2も遊遊記も新・鬼ヶ島もクリアしてきてたんですがタイムツイストは序盤で投げちゃった記憶があります。当時はもうSFCのグラフィックに目が馴れてしまっていたし、しかもストーリーは中学生の自分にはちょっと地味に感じたし…
今遊んでみれば評価も変わるかもしれませんがメッセージスピードやBボタンでキャンセルした時のレスポンスに不満が出そうな気もしますね。でもまた遊んでみたいなぁ。
…ファミ探で思い出しちゃったんですが「カンジ」とか「じろう」とか小学生だった自分には滅茶苦茶怖かったです。あのグラフィックと曲が頭の中に刻み込まれてしまっていて…今でもちょっと怖いです(笑)
2はオープニングですでに(怖くて)泣ける割には全体的にあまり怖くなかったが…全ては「ラストのあの場面」への「溜め」だった様にも感じました。
ラストシーンは自分もSFC版よりはFC版の方がインパクトが強かった!けどSFC版を遊んだ時には犯人や展開をだいたい覚えていたから…ってのもあるかもしれません。
マーヴェラスは自分は結構楽しんで遊んでました。でもこれで6800円はちょっと割高とも感じてました。
なんだかあまり中身のないコメントですみません(^ ^;)
ただマーヴェラスやらタイムツイストやら、忘れかけていたゲームのタイトルを見たらちょっと嬉しくなっちゃってコメントしちゃいました(笑)
投稿: かず | 2010年9月 1日 (水) 01時08分
「ファミコン探偵倶楽部」は懐かしすぎます。
「新・鬼が島」も「遊遊記」も、兄がプレイしているのを横で見て、あーだこーだと言いながら口を出していたのを思い出させてもらいました。
任天堂のホームページの「社長が訊く 坂口博信×坂本賀勇」でちょうど「ファミコン探偵倶楽部」の話題に少し触れられていました。
「ファミコン探偵倶楽部」のシナリオは坂本賀勇さんが書いたそうで、「カエルの為に鐘は鳴る」も坂本さんだそうですよ。
この人は任天堂の色んなジャンルのゲームを手掛けているようですごい人です。
任天堂のホームページと彼のWikiを見てびっくりしました!
クリスさんがもし読んでいなかったらぜひ読んでみてください。
投稿: ユウジュ | 2010年9月 1日 (水) 04時24分
ちすかずさん、ユウジュさん、コメントTHANXです。最近FFがらみでライフサイクルが歪になり(^^;、お返事が遅れて申し訳ないです。
>かずさん
自分は鬼ヶ島の時ですらリアルタイムではほぼプレイして無くて、友達が学校でつまってるーーって貸してくれたのを少し遊んだくらいしか記憶にありませんねぇ。なんつか弱いので(^^;、つまったときに強くするRPGの逃げ道がないのがつらいんですよね。遊遊記はホント記憶にない・・・。
ただ、鬼ヶ島にしても遊遊記にしても、その設定のうまさというか、世界観の面白さはすごく感じました。ファミ探はどちらかというと勧められて遊んだ感じですが、ファミコン昔話は「やりたいけどハードルが高い」って印象です。タイムツイストはそんな名作の後発だったので、「まずはキープ」でお腹いっぱいになっちゃったんですよね(汗。
>今遊んでみれば
ですね。ただロックマンみたいに徹底してファミコナイズする必要もない気がします。別にXYボタンを使ったっていいと思うし、音を厚くしてもいいと思う。っていうかむしろ初代ドラクエなんかはIのグラフィックにオーケストラとかで遊んだらまたそれはそれで別の面白さというか気持ちよさが見えてくる気がします(^^。
怖い話というと自分の中では弟切草以上の、具体的に弟切草で画面に一瞬表示される「目」と笑い声以上に怖いのはやったことがないというか、いわゆるホラー系のゲームはそもそもやらないのでそこがピークなだけなんですが(^^;、それでもファミ探のディスク版ラストはかなり匹敵する怖さがありましたね。絵がしょぼいのに怖いということに価値を感じたというか。「凄み」を感じたというか。ちなみに僕は犯人も忘れてたので、怖さの目減りはそれが理由じゃないと思います。
マーヴェラスの頃はROMソフトがかなり高騰してたはずなので、僕はむしろ結構安いと思って買ったようなおぼろげな記憶がありますね。ただ内容が、、、カエルが好きだったのでその延長で期待してしまったのかも知れません。っていうか本来は「ああいう形」で出る予定じゃなかったソフトですからね。違和感が生まれたのかも。
前も書きましたが、面白さってのは別に新しい古い、やったことがあるないで決まるわけじゃないと思いますから、自分が楽しめるものを冷静にジャッジして突き進んでいきたいと思います。
>ユウジュさん
アドベンチャーは横から口出しするの、大いにアリですよね。っていうかそれこそがある意味マルチプレイというか、謎をみんなで解く「ファミコン探偵倶楽部」って感じでいいと思います。ただ、みんなで集まっても越せないケースってのもままあるんですけどね(^^;。
社長が訊く、読ませて貰いました。ご紹介ありがとうございます。坂本さんの話はほとんど面白かったというか納得できるものばかりだったのですが、坂口さんの方は、、、やっぱりこの人は昔からあんまし大したことないって感じかなぁ。読んでても全然凄みを感じないどころか、むしろ周りがかわいそうだなぁって思うばっかしで。FF8作ってくれたことには感謝してますが。
ウィキペも読みましたが、なかなかに愉快ですよね>坂本さん。作品のほとんどを持ってる&やってることも
※トキメキハイスクールはやってませんでしたが(^^;
そうですが、田中宏和作品が多いのもムムゥと思いました。またこの二人がタッグを組んで作品をリリースしてくれたら最高なのになぁとシミジミ思ってしまいましたね。メトロイドやパルテナはゼルダと並んで僕の中で任天堂トップ3のゲームミュージックですからね(^^。
※スマブラXの時に随分貼りましたが、今聴いてもホントいいですよね。
http://cris-deepsquare.cocolog-nifty.com/top/2008/02/post_ea73.html
投稿: クリス | 2010年9月 5日 (日) 22時37分