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2010年9月21日 (火)

第9地区

休みだったので借りてきたトムニャットさんオススメのSF映画。前回のことがあるので、感想は慎重に、過度な期待をせずに、、、というスタンスで見て見たのだけど、

 銀河ヒッチハイクガイドやユニコーンよりずっと面白かった!

確かにカタルシスのある場面があり、見ていて唸らせられるストーリーテリングだなぁと感じさせたりもした。

 が、

やはりマイナス面というか、これはぶっちゃけ僕が事前情報として、「アパルトヘイトを示唆してる」的な文面を前田さんの映画批評で目にしてしまってたのが大きい。正直何も予備知識なく見ていれば、

 それほどは人種差別のニオイをかぎ取らなかったのではないかと思う。

確かに明らかな差別映像と、グロテスクな惨殺シーン、貧困層の生活描写を含めて、「キレイな映画」ではない。だが、

エイリアンたちは決してチープではないし、
※たくさん出てくるから評価を下げがちだが。
SFライクな小物の出来も非常に良い(<これはデザイン的にかっこよく、かつリアリティがあるという意味)。宇宙船やメカも、全編通しで出てくるトランスフォーマーと比べればそりゃお金のかけ方は足りないかも知れないが、間延びした印象にはならない程度にはメリハリとして上手く(CGを)挿している。

 そう、僕的なプラス評価はそのメカ関連にかなり寄っている。

エイリアンの武器やロボのデザイン、宇宙船や宇宙艇のデザインやコンソール、人間たちが載る車両も「特殊なほど特殊じゃない控えめな特殊さ」が心地よい。白色という配色も、全体的に茶系統のカラーで統一された貧しく無法地帯とすら呼べる第9地区とのコントラストが出ていてとても良い。つか、

 普通にかっこいいシーンが結構ある。キャラ立てはドロドロなのに。

物語は宇宙から地球に不時着(正確には母艦は空中に停滞したが)した宇宙人が、隔離されたエリアで生活しているというプロットを上手く厚みを持たせ、
※例えば彼らの武器は非常に強力だが、彼らにしか「なぜか」使えないとか、主人公が実はかなりの愛妻家であるという(まぁ取って付けたような演技と台詞ではあるが)伏線も上手く張っていたりとか。
最初から、、、はちょっと言い過ぎかも知れないけど、前半から終盤までかなりしっかりと見せてくれる。
※ただし物語の構造自体はちょっとわかりづらいところもある。

つっこみたくなったシーンもないではないが、なるほど無名の監督が撮ったマイナー作品としては、「異常に良く出来ている」。というか前半の何とも言えない重苦しい雰囲気は果たして必要だったのか!?という疑念がどうしてもぬぐいきれない。それを明記したくなるほど後半のたたみ掛けるような展開が素晴らしい。

正直知り合いにオススメ出来るかと問われれば、僕的には言葉に窮する。お気楽な展開じゃないし、何よりこのグロさ
※通常銃で人を撃ち殺す場合、その部位に弾痕が残りつつ絶命する演出が入る。刀なら真っ二つとか。でもこの作品の場合は武器が宇宙人のモノだけに、、、まぁ見ればわかるが、「普通じゃない死に方」をするのだ。
は人を選ぶ。特に女性にオススメしづらいのは間違いない。

 でもトムニャットさんが僕に強く勧めてくれたのはわかる!(^^。

メッセージ性を含めた前半こそがもしかしたら監督が伝えたかった真意なのかも知れないが、エンターテイメントとして、楽しめる面白い映画として組み立てた後半の映像と展開(特にメカのCGのリアリティは今まででもトップクラスだと思う。これを見たあとジュブナイルを見るとその差にちょっと悔しさを感じるほど(ジュブナイルは日本製なので))は、結構男の子なら、僕らみたいなロボットアニメや特撮ヒーローで育った連中なら訴求しちゃうはず。とりあえず前半がんばって抜けてくれることを期待しつつ僕もオフの友人であるnori君には勧めたくなったもの。

評価は★★★☆。割と高評価だが、これはもう完全に後半の評価。つか今ちょっと時間を確認したら、

 後半って言っても「残り3分の2」だった。

要するに最初の3分の1が面白くなく、あとの3分の2が面白い。「前半後半」と感じたのは、

 それだけ時間の流れ方が違っていた証拠でもある。

以下ネタバレ反転。

エイリアンの船長?との関係が二転三転するところがスゲェよかった。見ていて「そりゃそうだよなぁ」とお互いの答えに納得しつつ仲良くなったり悪くなったりするというのは、見せ方が甘いとスゲェ違和感が残るものだと思うが、よく撮れてるというか、よく書けてる。

正直ギャングのボスに捕まったときに「偶然手元に銃がある」のはどうかと思ったし、電話してくる奥さんの映像が全く映らないのも違和感があったし、
※コンピュータで作ってる声かと思ったよ。
子供があそこまで無人でロボを操作出来るならもっと出来ることってあるんじゃねぇの?って思ったし、最初に顔に液体掛けちゃってる=必要な量を溜めるのに20年掛かった液体が減っちゃってるんじゃねぇの?って思ったし、ロボに乗ってても凄い勢いで衝撃受けたら中の人は無事じゃねぇんじゃね?って思ったり、そもそもエイリアンの体型用のロボに人間が普通に乗れるのかって思ったりもした。

 けど、オチが素晴らしいのでその辺は全て許せちゃったな!(^^

途中しつこいくらい奥さんが好きだーーーってシャウトを描きすぎてるなぁと思ったのはこのためだったのかって感じ。あれだけ描いてたからこそ、ラストでしっくり出来る。いやいやホントの話。

経験の浅さが前半の重さに繋がっていたのかなぁって最初は思ったけど、たぶんこれは確信犯なんだろうな。ハリウッドらしいというか、最近の映画らしいテンポの良さもあるし、「文法」を理解してその上で租借回答してる、そんな感じがしたな。トムニャットさんどもでした(^^。ちなみに僕が一番好きなシーンは(ラストシーンを除いて)

 コックピットが離陸するときに周囲の砂をまとってたところ。

ありゃたまらないね(^^!ゾクゾクした。やっぱそうだよな、と。あんな重いものを離陸させるのが空を飛ぶのに風とかそう言うんじゃないよな、と。ニヤリ(^^。
※着艦した瞬間にその砂の部分だけ落ちてくるのもいい。「わかってるな!」って感じ。

ロボは全体的に文句ないんだけど、脚のアップのシーンは特にいいなって思った。ああいう構造を絡めた演出ってのは「好きな人」じゃなきゃ入れないし、出来ない。その辺りDNAの近さも感じるなぁと。

前半はともかく後半は何度も見たくなる、そんな映画でしたよ(^^!

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コメント

こんばんは、クリスさん。

どちらかというとユニコーンの方が受けるかなぁと思っていたのですが、こちらでしたか(笑)。
ヒッチハイクはまぁ予想通りでしたが、ユニコーンはまあ来月の2話目次第でしょうか。ちなみに袖付きはネオジオン?モビルスーツの総称だと思います。
MSはおおむねカッコイイので、ついに私はプラモにも手を出しましたよ・・・。失敗作ですが先ほどmixiの方にアップしましたのでお暇があればぜひ。

話がいきなり逸れましたが、グロさを超えられればイイ感じですよね~>第9地区。
ロボのデザインは絶対クリスさんウケすると確信しておりました(笑)。そうだよ!トランスフォーマーのセンスのないごちゃごちゃじゃない、いかにも意味のありそうなごちゃごちゃパーツを身にまとったこのロボがいいのだよ!
正直、この辺りから全然前半と物語が変わってしまって、製作者も急にオタク熱に火がついちゃった感じなのが微笑ましい。武器を選択するシーンとか燃えます。あのインターフェースに表示されたアイコン群を見ると、あのロボの武装はさらにトンデモナイものを積み込んでいそう。よりによって選択したのが板野サーカスって・・・やっぱりオタク魂が目覚めたとしか思えず(^^;。
対戦車ライフルを持ち出す辺り、考え過ぎかもしれませんが攻殻機動隊の影響を受けちゃっているのかな~と思ったりしました。だいたい、一人の逃亡者を追跡するのになぜに対戦車ライフルを持ち歩いているのか・・・。
まぁそういうところに突っ込むのは野暮。

クリスさんもおっしゃるとおり、こういうロボ物(えっ!?)を見る度に「なんで日本じゃ作れないのかな・・・」と哀しいコンプレックスを感じます。あー昨日劇場予告で見たキムタク版「ヤマト」は綺麗そうでした。監督は「山崎貴」氏。ジュヴィナイルからの進化を見せて欲しいものです・・・って、あまり観に行きたいというテンションが上がらないのはなぜだ(^^;。

投稿: トムニャット | 2010年9月26日 (日) 20時53分

ちすトムニャットさん、クリスです。レスが遅れて申し訳ない。

ユニコーンに限らず、ゴッドガンダムやウイングの頃から、正直サンライズに対する疑念というか、信頼の欠如というか、価値観の相違みたいな感覚があって、主人公やいくつかの画面写真を見た段階で既に「オーラを感じない」というか、情熱が見えないような印象があったんですよね。これはもう本当に価値観の問題で、僕はたぶんトムニャットさんよりたぶんずっとヱヴァ破を評価しているのだと思います。あとガイナックスも・・・。自分が「凄い」「価値がある」と感じるツボというか、ディティールの方向性が、もはやヱヴァを超えるのは不可能なんじゃないかというか、グレンラガンみたいにコミカルな「熱血」をウリにするとか、マクロスのように「想い出」を刺激するとかじゃないと、何というか難しいのかな、と。以前も少し書きましたが、「現代の最高の技術で初代ガンダムをリメイクして欲しい」という気持ちにウソはなくて、きっとユニコーンレベルの作画であっても、安彦良和氏が作監を勤め、BGMにめぐりあいや哀戦士を流してくれればもうそれで「僕にとっての最高のガンダム」になり得てしまうのではないかと思うわけです。逆に言えば僕にとっての「今のガンダム」はそれほどハードルが高いというか。

もしかしたらトムニャットさんと僕の間にあるわずか?(^^;なジェネレーションギャップの部分なのかもしれませんね。

第9地区に関しては、元発言にも書きましたが、「トムニャットさんが僕に勧めてくれた意味がとてもよくわかった」感じです(^^。確かにあのロボットのデザインはツボ。これもまたさきほど同様価値観の話になっちゃいますが、あのロボや武器や装甲車のDNAの中には、僕の好きな(トムニャットさんにもオススメした)ラブ・シンクロイドのニオイがするんですよね。何というか、あくまで僕の感じただけのことなのかも知れませんが。

だからもう人種差別とか社会批判みたいなのはどうでもよくなって、ただただあのメカに心酔してしまう。主人公の置かれていく状況とかラストのオチとかももちろん悪くないんですが、やっぱり単純なディティールの方に心が動いてしまう。もうヱヴァと同じなんですよ。こういう感覚は。

ただ、やっぱりメカを見せたいだけではこういうのは商業的にきっと難しいわけで、ともすればマトリックスもまた、

 最初からあのレヴォリューションのような映像を作りたくて1から作ったのかも

と思ったりもしてしまいます。あれだけではお金は稼げない。でもあれを映像するためのお金を稼ぐためにどうすればいいかはわかる。みたいな。
※それはある意味山崎貴監督にも言えますよね。VFXがやりたいのか、はたまたそれを使った別の何かがやりたいのか。まだ僕にはわかりませんが、どこかに第9地区の監督に似たDNAを感じたりもしてしまうのです。

ヤマトやるんですか。全然ピンと来ませんね。でも、僕が小学校1年の頃見た「惑星大戦争」という映画が、ある意味ヤマトっぽかったところもあるので、
※波動砲ではなく巨大なドリル型ミサイルを装着した宇宙戦艦が出てくる特撮物です。
見せ方次第では十分化ける気がします。っていうか

 尺を十分取って欲しい

と思いますね。ヤマトクラスの物語となると、90分では短すぎる気がするんですよね。
余談ですが、最近シャカリキを(13巻くらいからですが)読み返しました。いやぁ~今でも面白いですね(^^。僕が以前から書いてますが、「グルーブ感」が凄く高いマンガだと思います。セリフの量も意図的に調整してるんでしょうけど、どんどん加速していく感じがマンガのテーマともフィットしていて、

 凄く風を感じる

んですよね。面白いのはもちろんなんですが、気持ちいいマンガだと思います。まぁ序盤の絵のヘボさに関しても結構なレベルですけどね(^^;

投稿: クリス | 2010年10月 3日 (日) 20時40分

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