ヴィレッジヴァンガード
ダラダラとした話。
今は全国区になってかなりメジャー度が増した「遊べる本屋」通称ビレバン。元は名古屋が最初で、栄えある1号店には、(ちょうど当時友人が大学生で近所にアパート借りてたので)何度かおじゃましたものだった。
当時はまだ「本屋+α」くらいの風体で、倉庫型の天井の高い建物の壁面に脚立を使わないと届かない高さまで本が詰められ、あとはライターや輸入雑貨が置かれている、「ちょっと変わった本屋」くらいだったのだけど、置いてある本に関しては結構異質で、大量のポップと合わせて「スゲェな・・・」と感心させられたのをよく覚えている。
※あと鳥山明のサイン色紙が貼ってあったのもよ~く覚えている。
それから何年か経って、隣町の豊橋にも姉妹店がオープンし、そちらも何度か訪れたが、ここ数年足が遠のいていたらいつの間にか閉店していた。まぁ新品の本ならAMAZONとヤフオクでほとんど揃うしね。
で、さほど興味もなく距離を置いていたビレバンに再び「行ってみたい」と思わせたのは、問屋さんが聴いていたCD。インディーズのカバーアルバムだったのだけど、「ビレバンで掛かっていて、、、」という。久々に聞いたな、その名前。懐かしくもあり、心の底の方でちょっぴりワクワクもした。
何げにネットで検索してみると、以前より近い場所に別の店舗がオープンしていた。ただ、その最寄り店は駐車場もなく、営業時間が夜7時までと短い。なかなか平日に気軽に足を運べる感じではない。娘もかみさんに連れられて一度行ったら結構ファンになってしまったと聞いていたので、どうせ行くなら一緒に行くかね、と思っていたのだが、僕の休みと娘の休みはかち合わず、営業時間の縛りもあってなかなか行けずにいた。
そんな折り、季節は12月を迎え、いよいよクリスマスプレゼントの用意をしなければならなくなった。既にかみさんと娘の分は確定し、あとは品物が揃うのを待って包装する算段になっていたが、長男の分が未確定で、結構途方に暮れていた。
中学三年となれば受験生。普通に考えてこのタイミングでゲームやおもちゃをプレゼントする親はどうかしてる。かと言って「おまもり」や「参考書」はとてもじゃないがクリスマスプレゼントには不似合いだ。
※つか今書きながら思ったけど、「おまもり」が「十字架のネックレス」だったら案外ハマったかもな。まぁそんなオシャレをするようなキャラクターじゃないし、キリストとクリスマスを直結させるのもどうかとは思うけど。
悩みに悩んだ挙げ句、思い出したのがヴィレッジヴァンガード。あそこなら何か「それっぽいもの」があるかも知れない。クリスマスプレゼントはサンタからの贈り物であるからして、基本本人が「もらえると予想していないもの」をあげている。いかにもあそこなら「予想外」がありそうだ。
結局娘とはタイミングが合わず、休日の朝最寄りの豊橋店よりちょっぴり遠いロードサイドの岡崎店に車を走らせることにした。そこなら車も止められるだろうし、店舗もインショップじゃないからそれなりに大きいだろうし。
プライベートでゲームを買う以外のドライブをするのは本当に久しぶり。それもいつもならかみさんがハンドルを握って道も把握してくれているので、ひとりで見知らぬ土地に踏み込む不安感というか、たよりなさというか・・・。事前に地図を出力していったけど、それでも店舗を見るまではヒヤヒヤだったな。ホントに引きこもりな感じが良くない。
久々に訪れたビレバンは、自分が思っていた以上に「カオス化」が進んでいた。建物自体はフォーマット通り倉庫を改装した天井の高い建物なのだけど、
素晴らしく狭い通路と身長より高いディスプレイで、まるで迷路のようになっていた。
以前は店内に自転車とかヘタしたら車とか飛行機とか置いてあったような「広々とした空間」だったのが、商品があふれ、100坪程度の店内にいくつもの音楽やディスプレイによるCMがアピールされ、ポップは相変わらず濃厚だったけど、物理的に商品量は10倍くらいになってた。
「こりゃ何か見つかるかも」
と期待させる店内。順番に見ていくが、ザックリ何があったのか思い出す限り書いてみる。もしビレバンを知らない人に説明するとしたら、
ドンキホーテを凝縮して本屋に押し込めた感じ
と言えば伝わるかも知れない。
デイパック、ヒップバッグ、トランクス、Tシャツ、天体望遠鏡、プラネタリウム、アニメのDVD(変なヤツ)、音楽CD(メジャーなものはほとんどない)、フィギュア、ライター、サイフ、アクセサリー、外国のお菓子、ナイフ、ライト、エログッズ、専門書(登山とか車とか写真とか)、ポスター、マウスパッド、ゲームソフト(変なヤツ)、古本(コミックのまとめ売り)、お香、サイコロ、キーチェーン、化粧品、プラモ、輸入雑貨、ミニカー・・・
自分の記憶力の弱さが憎い。つか商品名を列挙しただけではその密度が全く伝わらない。こんなことなら写真撮って来るんだったなぁとちと後悔。
結局グルッと回っても決めかねていたので、店員さんに無茶振り。
「中三男子にクリスマスプレゼントを贈るとしたら何がいいと思います?」
その人と為りも知らないのにオススメなど出来ようはずはないのだが、参考になることもあるかも知れない。ダメもとで聞いてみたら、やっぱり上手く引き出せない。ならば、と、
「中高生がよく買っていくもので、思い当たるものはありますか?」
「サイフとかは結構売れますよ」
瞬間サイフ売場をプレイバックする。価格は9000円超だったような・・・。だがよくよく聞いてみると3000円程度のものも多いという。結局サイフとそれに付ける皮ヒモをラッピングしてもらった。ついでにかみさんに「世界の絶景」という2000円くらいの本も買う。トルネだけでもよかったのだが、
なんかイイ感じの本だったので。
こういう衝動買いにはあまり金額にナーバスにならないのだ。いつもはあれほど1円単位で煮詰めるのにね。まぁ店のプレゼンが上手いってことなんだろうな。
1時間ほど見ていてシミジミ「ビレバンは今もビレバンだったなぁ」と思った。「アレが20年経つとこうなる」みたいな、「正当進化?」みたいな。そういや「ぼのぼの」を知ったのもビレバンだったな。
最初は「こびとの育て方」が店頭で特集されてたので、これでもいいかと思ったけど、まぁジョークがあまり通じるタイプじゃないし、初見で終わりだしね。
| 固定リンク
コメント