インフィニット・ストラトス~その2~
残りを全部見た。まぁ感想を言うとすれば、
取り立てて言うほどのこともない作品だった。
野郎一人に美女盛りだくさんのハーレムストーリーは嫌いではないどころかむしろ大好きだが、いわゆるエロゲーと違ってテキスト量が圧倒的に少ないために、全てのパーツが中途半端になってしまうこと、一番盛り上がるであろう濡れ場の描写が欠如してしまったことが挙げられる。
前者はインフィニット・ストラトス=ISのそもそもの存在理由とその世界での立ち位置の甘さ。パトレイバーのように地域密着でもなければ、モビルスーツのような戦争の道具というわけでもなく、移動手段でもスポーツの道具でもなく、
ただメカと美少女を一緒に画面に映したいがためだけのもの
になってしまっていて、ともすれば「モテ夫と美少女のラブコメ」だけならばもっと深く描くことが出来たであろう描写すら濁らせてしまっている。
デザイン的にも、一つ一つをよく見れば十分魅力を拾い上げることも出来るほどなのに、あれだけのスピードでやっつけられては、かっこいいとかどうなってるかとか思う間もない。人間の顔が出てるからこそそれを活かすデザインをすべきなのに、あれでは本当に昔からある「メカの擬人化」という感じで、結局最後の最後まで違和感が拭えなかった。
キャラ、特に女性キャラのアップに注力するあまり、様々な角度、様々なモーションに関しての作画レベルが総じて低いのも気に掛かった。それは、高速で移動する機械を持ってきたのは、細かなアクションをさせる技量がないためじゃないか、などと穿った見方すらしてしまうほどで、静止画、ポスターなどの販促物上では「映え」ても、アニメ=動画としてみたらどうしてもローコストを感じずにはいられない結果になった。
背景は特にそれが顕著で、エヴァやマクロスと比較するのがそもそも間違っているとわかってはいても、その密度の低さに残念な気持ちが募る。
ただ、これらの仕事は全て「制作費とその回収」という視点で見れば、全然全く問題ないという気もする。
要するにニーズに応じた仕上げであり、事実ブルーレイやDVDでの二次利用、というかまぁ最近ではこれがメインの利ざやだと思うが、そちらでの実績が得られる「商品」として仕上げられれば、それはそれで必要十分なのだ。より高密度で作業量を増やしても、回収出来る金額が大差ないのであれば、それは単純に無駄な経費を掛けているに過ぎない。こんなご時世アニメで食っていく為には、こうした「プロの仕事」の方が遙かにかしこく、正解に近い気もしてくる。
しかし、
男女間の絡みの甘さに関しては、さすがにもどかしさが残る。ゲームじゃないから特定の女子ひとりに「いい思い」をさせられないのはわかるが、それでも「もう一声」という感じで、直接的でないにせよ、シチュエーションの盛り上がりが欲しかった。ここも、テキスト量の少なさや、アニメという媒体の弱点が出たというか、
単純にエロゲー化してくれれば、今よりずっと据わりのいい良作になったのではないか
と思う。これはマジで思った。っていうか、「エロ」である必要はない。「エロ抜きのギャルゲー」で十分だが、「各キャラ別のルート」で、ハッピーエンド。キスシーンで終わりで十分だから、「もう少し」を描いて欲しい。でないとホント不完全燃焼って感じだったんだよな。
僕が「つよきす」を好きなのは告白してからのエピソード(デレ期)もそれなりに充実していたからだし、ラブプラスが売れたのも同様の点が挙げられると思う。ISの場合は、その境目である「告白」にすらたどり着けてないわけで、
まぁシーズン2があるのかも知れないけど
もしくは、
同人などで各自補完してください
ってことなのかも知れないけどさ。
ともあれ、序盤×中盤○終盤×という感じで、見終わった後の評価としては★くらい。これではつよきす2学期にも全く及ばないというのが、クリスの個人的な感想かな。正直AKBのCDを20万円分買う感覚は理解出来ても、ISのブルーレイを予約して買う感覚は理解出来ない感じだなぁ。価値観の違いなんだろうけどさ。
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