シャーロックホームズ
ロバート・ダウニー・Jr(以下ロバート)のヤツを見た。前々から気になっていたのだけど、まぁ忘れていたので今さら見た形。ぶっちゃけ面白かったかどうかと問われれば、
さほどでもなかった。
というのが正直なところ。時代背景はまさにシャーロックホームズの頃の中世ヨーロッパで、僕の記憶では、「ルパン」や「K20(金城武のヤツね)」、「スカイキャプテン」「リーグオブレジェンド」「プレステージ」なんかが該当する。もちろんスピルバーグの「ヤングシャーロック」も。
絵的なセンスはまさにその頃の映像だが、アプローチは非常に豪華になっていて、ヤングシャーロックの頃とは比べものにならないくらい「メカとVFXが充実している」。が、同時に感じるのは、この手の中世ミステリーは、それら「見た目」だけでは面白さに直結しないと言うこと。むしろ重要なのはトリックや殺害の過程であったり、ラストでいかに派手に溜飲を下げられるか。クライマックスの質という点では、正直「ルパン」の方が良かった気がする。
ただ、
「飽きさせない映画」という視点で見るとしたら、このホームズはとても良く出来た娯楽作だったとも思う。常につきまとう緊張感と、ロバートの軽妙な語り口(吹き替えで見ました)、自分の中にある「宮崎駿のホームズ」の常識をことごとく壊す「いい意味での裏切り」で、
これがシャーロックホームズであることを頻繁に忘れさせる。
逆に思い出させるのは、ささやかな痕跡から全てを白日のもとに晒す洞察描写のみ。それがなければ全く別の「中世サスペンスアクション」という感じだ。
ロバートはアイアンマン以上に、「かっこいい役」として演出されており、時折見せる表情は、ヒュー・ジャックマンのそれを思わせる。ガタイの大きさでモテ度は劣るかも知れないが、いやいやどうして僕がアメリカ人のそこそこ裕福なミセスだったら、かなり「抱かれたい」と思うに違いない。
コンビを組むワトソンも、今作でかなりいい感じにアレンジされている。演じるジュード・ロウはぶっちゃけこの映画以外で見た記憶がゼロであったが、ウィキペを見ても、知ってる作品は、、、あれま前述の「スカイキャプテン」に、それも主役で出ておったわ。っていうかあれはかなりCG色の強い作品だったから個々の俳優に対する記憶が浅いんだよな。アンジーが出てたくらいの記憶しかないよ。
記憶には浅いジュードであったが、
この映画では非常にいい役。美味しい役。
正直無くした指輪の伏線が完全に丸投げだったのが非常にイラっとはしたが、
※あれだけアップで映されれば当然ラストでオチに使うだろうと思うだろ。
まぁそれは彼が悪いわけじゃないし、脚本的にも「ウソがないリアクション」でとても居心地が良かった。ホームズを良き友としつつもあまりに振り回されるのでウンザリしてる、でもほっておけないという、文字にしたらありきたりな、でも「嘘くさくなく演じるのはなかなかに骨が折れる」役所を、かなり高いレベルで演じきっている。そもそもホームズと言えば「ホームズが主役」の物語であったはずだが、このロバートホームズに関しては、
二人が主役
と言っても過言ではないくらい「名コンビ」だった。
※あと地味にレストレード警部もいい味出してた。まぁ二人を立てる意味でもかなり抑えた役所ではあったけど。
ヒロインは一応二人出てくるけど、
※ちなみにハドソンさんじゃありませんよ。念のため。
まぁまぁ。
見た目はさほどでもない、でもかなり動けて、頭もキレるアイリーン(ホームズの元奥さん)の方は、なかなかに魅力的ではあるものの、
僕みたいに頭の回転が甘い人間には今ひとつ行動パターンが予測出来ない。
何て言うか、「途中ガチで死にそうになってるのも筋書き通りなの?」って感じで、この辺りは「ミステリーが得意」な人からの意見がないと、イマイチ不当な評価になってしまいそう。
もう一人の「ワトソンの婚約者」も、見た目は今ひとつというか、正直こっちの婦人は序盤で「スネに傷持つ」エピソードが挟まれちゃったせいで、
最後まで信頼が置けなかった。
なんか居心地が悪い感じでずっと疑ってしまってた感じ。
要はアクションがなければ、物語の精度は今ひとつ高さに欠けるものだった
というのが僕の正直な印象。ルパンに負けた感じがしたのもその為かも。
※雰囲気的にも「プレステージ」の方が好きだったかも。ヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールが相手では、やや役不足だったとも言えるけど。
まぁ男性陣がかなりかっこいいのは間違いないところなので、それ目当てで見る分には損したとは思わないでしょう。クリス的な評価は★☆って感じでしたけどね(^^。
ちなみに当然のように続編をにおわせる終わり方をしてるのだけど、
※ただしスタッフロール後のエピソードはなし。
それは「ヤングシャーロック」でもそうだったわけで、ホントに作られてるかどうかは微妙。ただ、ヒロインは現時点で既に32歳と、
メイクでよっぽど延命できる年齢&相応のビジュアル
に既に踏み込んでいるので、クリスタルスカルのヒロインみたいに、「おばあちゃん」には見えないと思うけどね。
まぁ公開されるとしても見るのはDVDになりそうではあるかな。
余談だけど、今作の「悪の手下」で出てきた大男は、なかなかキャラが濃くてよかった。「007のジョーズ」とはいかないまでも、次回作での登場に期待したくなるくらいの活躍はしていたように思う。ま、どうなるかはわからないけどさ。つか今ウィキペ見たら制作費の5倍強の興収をたたき出してるみたいだから、続編は間違いなく作られる(もしくは作られている)だろうな
→っていうか2011年12月16日公開予定だそうな。
→監督のガイ・リッチーは以前「マドンナと結婚してた」そうな。なんかスゲェ肩書きだな。
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