DORORONえん魔くんメーラめら
DAISOさんが「エロい」というので見て見た。ええそうですともクリスのトリガーなんざ安いもんです。
永井豪原作の「ドロロンえん魔くん」と言えば僕らが小学生の頃のスタンダードナンバーとして夏休みアニメの一角を担う定番中の定番だったのだが、まぁ氏の他の作品がそうであるように、りんたろう、サンライズ、そしてエヴァと、1980年にはほぼ絶滅危惧種。一部のOVAでゲッターロボ関連の作品がリリースされた以外は、随分長い間「なかったこと」になっていた。
が、昨今のアニメブームに乗り、いくつもの旧作がリメイクされ、アトムやブラックジャックと共にマジンガーZが結構なアレンジを踏まえて映像化されたのは記憶に新しいところ。
これらのアニメは、(どこでどうお金が出てるのかわからないけど)総じて作画のクオリティが高く、正直誰に訴求するのかわからない気がしないでもない内容に反して、仕事そのものは非常に丁寧。この「えん魔くん」も、
ビックリするくらいよく動き、カット数が多い。
直前に見ていたアニメが「インフィニット・ストラトス」だったから余計そう感じるのかも知れないけど、
えん魔くん1話でIS10話分くらいコストが掛かっていそう
まぁアニメなんてのは「好きな人が心血注いで骨身を削って作ってるもの」という悪しき慣習の遺物なのかも知れないけど。
ともかく、僕らが子供の頃見たえん魔くんを、ベースデザインそのままで今風に派手に豪華に仕上げてある感じ。これでもかというくらいユキちゃんはかわいく、子供達はストレートに子供っぽい。僕らの世代のアニメではあるものの、実際に使われている流行語などは僕らより10年前後上の物も多く、
まぁその意味でも訴求対象が誰かわからない
つかまぁこれは僕が単にその頃の記憶を忘れ去ってしまってるからかも知れないけど。
声優は概ね違和感がない。特にシャッポじいなんかは最初「え?本人?<この表現はおかしいが」と思ってしまったほど。
※調べてみたら十分なベテランの方のようでしたが。
まぁカパエルとかは今も昔もどうでもいいから印象薄だけど、ユキちゃんもとてもフィットしていて、
最近の声優さんの層の厚さにちょっと驚くほど。
一時期、特に山田康雄さんが亡くなられた頃なんかは、スター声優以外はホントクオリティも低くて違和感バリバリだったのにな。アニメ氷河期って感じで。
また1話ではなんと僕の大好きな石丸博也氏がゲスト出演していたのも嬉しかった。やはり永井豪と言えばマジンガーZ。マジンガーZと言えば石丸博也ですからね。
エロさに関してはぶっちゃけおっぱいどころかパンチラもないのだけど、言葉と演出でなかなかのレベル。でもこれはホントにリアルな話、小学生より大人の方が思い出でブーストされてより懐かしくニヤリと出来る点かも知れない。えん魔くんとユキちゃんの仲がいいのもささやかなアレンジではあるけど嬉しいし。
※昔のユキちゃんはもうちょっとツンが強かった気がするんだよな。
ただ、そこまで多角的にコストを掛けて丁寧に作ってあってなお、
それほど楽しくない。面白くなかった
のはとても残念。流行語やディティールが正直ちょっと嫌味なほどだったのと、ここまでやっておいて主題歌が影山ヒロノブ節(ムーンライダースだったけどあんましそっちは詳しくないんだよね・・・)。いっそのこと旧作のアレンジとかじゃダメだったのかなぁって思った。
ただエンディングの曲風は最近では非常に珍しい「地味なエンディング」で、1970年代のアニメを彷彿とさせた。実際今聞いても全然ピンとこないんだけど、何年、何十年後かに聞いたら「なつかしー」ってなる(可能性がなくもない)かも知れない。
クリスの評価としては★☆かな~。やっぱり主役というかナビゲーションする「ハルミちゃん」のキャラが今風過ぎて、「全く怖くない妖怪アニメ」になっちゃってるのがツライ。妖怪人間ベムほどギラつかせる必要はないけど、ここだけは1990年頃にリメイクされたゲゲゲの鬼太郎みたいに、「え?何この女の子、、、」って感じになっちゃった。
最近の萌え風潮からしてユキちゃんひとりでは役不足という判断なのかも知れないけど、僕的にはあの「紅一点(白いけど)」さがえん魔くんの魅力でもあったと思うわけで、まぁなんともジジイな感想に終始して恐縮な次第です。
正直マジンガーZも最初見てたけど、やっぱなんか違う感じがしてほどなく見るのをやめちゃったんだよね。えん魔くんもそういう道を歩んじゃうのかも知れないなぁ。
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