親子の話
長男の高校(僕の母校)のPTA総会と保護者会があったので行ってきた。普通こういうのは母親が行くものなのだが、
※実際500人を超える参加者のうち、父親を視認出来たのは僕以外に3人だけ。まぁ平日だったからってのもあるけど。
僕は僕の高校が大好きなので率先して行ってしまうのである。
体育館に並べられたイスでも、座るのは最前列で校長の真ん前。「ったく、目立ってるぞ(^^;」と校長に言われてもNO問題。やっぱり自分の恩師が校長となれば、より近くで話を聞きたいと思うし、「普通じゃない素行」は望むところなのだ。「変わってる」と言われるのが一番の褒め言葉なのだ。
しかし自分の恩師が子供の恩師にもなるというのは嬉しいものだと思う。昨年の娘の校長もそうだったが、20年、30年という時を超えて再会出来るというのは、友人知人であってもそれほど多くない。特に高校はかみさん共々の母校であるわけで、軽い運命を感じたりもする。
ただ意外というか、ちょっと「なるほど」と思ったのは、僕と同じように高校で教えて貰って、子供が入学してるって子がほとんどというか、見た限りではひとりもいなかったこと。僕の母校は近隣ではまぁまぁな進学校で、僕みたいに高卒はほとんどいない。「かなりの確率で浪人」して、「4年制高校」とすら言われていたのだけど、
大学行ったヤツは割と県外も多かったりした。
勉強して大学に行くと、コミュニティはそこに形成される。そこで伴侶を見つけ、仕事に就いた場合、そのまま地元に戻らない者も多い。金銭的にゆとりがあり、社会的にある程度認められるような仕事に就くような人が卒業生の中にいたとしても、彼らの子供達が母校に通うケースは稀なのだ。
逆から見ても、僕のように地元にいて、この高校に合格させることが出来るだけの「熱心さ」を持った親が少ないのかも、とも思う。まぁ25歳で子供が出来て結婚してるヤツがそもそも少ない可能性も捨てきれないが。
ともあれ、校長と単身話しに行った合格発表の日や、やや特殊な日である入学式とは違い、比較的普通な、日常の高校というのは、結構な衝撃があった。
校舎は昔のままで、武道場こそ僕らが卒業した直後に立て直されて全くの別物になっていたが、まぁ小さなプレハブ小屋から更衣室のロッカー、便所サンダルまでそのまま。違っているのは、
そこにいる生徒達。
あんなに輝いてたかなぁと思う。
集団で談笑しながらランニングをする女子部活。もうまぶしすぎて直視出来ない。小中学校なら気持ちよく挨拶も出来たが、相手が高校生の女の子、それも集団となると、もはやその「格差感」がハンパ無く、こないだの話じゃないけど、リア充と非リア充の違いを嫌と言うほど感じてしまう。
野球部の丸坊主もまた強いエネルギーがある。野球のそこそこ強い高校だからこそなのか、後ろ姿にはプライドと真剣さが同居していて、これまた及び腰になってしまう。自分達が高校生だったときの野球部員もこんなだったんだろうか。
極めつけは、(これも女子だが)池の周りで集団で横になっている子たち。たまたま同行していた体育の先生が、「マグロが並んどるなぁ」なんて声を掛け、笑顔の混じった声で挨拶を交わしているが、
どう考えてもエロい。
僕が変態だからそう見えるというのならその意見には全力で肯定しようじゃないか。だがだからといってマジマジと見たりは出来ないのである。白い体操服はむしろヴァンパイアにとっての太陽のようにまぶしく、近寄りがたい存在だったのだ。いやホントに。子供が高校生になったから合法的に女子高生の写真が撮れるとか、
全く無理。
入学式の日に取ったクラスの写真が精一杯で、
※それもまぁ今後長男が名前を出したときにイメージしやすいようにって意図がほとんどだったんだけど。
まるでドラマの中のワンシーンのような、「学生のプロ」たちに、猛烈に気圧されてしまった。
PTA総会自体はこれと言ったこともなく、つつがなく始まってつつがなく終了。強いて言えばこんなどうでもいい話によくもまぁ1000人中500人を超える父兄が参加するよなぁって感じ。来年はパスするぜ。
ただその後各クラスに分かれての軽いトークは結構有意義だった。半数ほどの参加者がそれぞれ「○○の母です。○○中学出身です。部活は○○で、今はとても充実してるようです」みたいな話をしていく。僕は全員のコメントをメモ。長男が誰と仲良くなるのか、まだまだ1ヶ月で腹の探り合いをしてるところだと思うが、その情報戦の一助になればと思ったからだ。
クラスにはいろんな中学からの生徒が集まっている。長男の中学は地元でもあり、最も多かったはずだが、それでも4、5人。確かに自分の知らない人が97%という状況で、アクティブに友達を作れるヤツはそうそういないとは思うが、「人見知りなので」「自分からはなかなか話しかけられないので」など、担任も大人しい子が多いという。比較的ウチの息子はそう言うとき前向きなはずだが、、、最近ほとんど学校のこととか話してなかったのでわからなかった。
※ここは軽く暗くなって結構です。
だが実際のところ自分が高校に入った頃、親父とどれほど話をしたかとおもう。挨拶を含め完全にゼロではなかったはずだし、毛嫌いもしてなかったと思うが、家族で一緒にどこかへ行くというのも中学一年の頃から既にほとんどなかったし、タバコも野球も嫌いだった僕には親父と接点を見つけるのがそもそも難しかった気もする。
だから、必要以上に長男に踏み込むのは、「子離れが出来ないかっこわるい親」という気もして、本人から何か言われる以外は、たとえばテストの成績がどうだとか、友達が出来ない、出来たみたいな話を振ったりするつもりはなかった。もう高校生なんだもの。
だが、こうしていろんな子の話を聞き、個別に担任に様子を聞く過程で、
悪くないみたいだな
と思うことが出来た。
校長の話では、この高校に入って一ヶ月。満足しているかどうかのアンケートにおいて、今年の一年のじつに「91%」が満足しているという。最初は「残りの9%にウチの子供が入ってないとも限らないが」と思っていたが、家に帰って子供と話をすると、
実に楽しそうだった。
部活は文系の地味な(吹奏楽とかの派手なところじゃないところね)ところだったが、その分勉強にもそこそこ注力しつつ、趣味にも時間が取れるだろうし、クラス委員をしているとか、他のこと比べて結構自分から動けるタイプという話(担任から)もちょっと嬉しかった。アンケートの「満足」どころか、中学より確実に楽しいというのは、結構凄いというか、自分で子供に「ここへ行け!」と勧めた甲斐があったとも思う。
※もちろん最終決断は本人だったわけだけど。
クラスの子でも概ねコミュニケは取れてるようだし、
※まぁクラス委員だから必然的な側面もあるにはあるだろうけど。
勉強面でも、僕が「学年でベリ前」を取ってしまった実力テストで結構な結果を残していた。
※全然知らなかったというか、俺が本人なら胸張って言うけどな(^^;
まぁ中学までの貯金や塾の成果もあるのだろうけど、毎日普通に予習を欠かさない長男を見ると、
素直にオマエスゲェな、って思う。
まぁ最近の流れなのかも知れないが。
学校から家が近いから、「遊びに来てやって下さい」なんてことをクラス面談の時に口にしたりもしたが、勉強と遊びのさじ加減はそれこそ僕が口出しすることじゃなかったかもなぁとも思った。まぁ中学の時の友達とばかり遊んでいるのも(その友達にとっても)あんまし良くないかなぁとも思うけど。
僕が中学の時は、「本当にこれ以上の友達は出来ないだろう」って思ってた。母親が「高校の友達が一生の友達になる」って言葉も、「そんなことないよ」って思ってた。でも実際はそうなった。まぶしすぎる3年間だ。「青春」の代名詞になる3年間だ。悔やまず、思いっきり楽しんで、未来を掴む準備をして欲しい。
僕はこの僕の母校が大好きだ。校歌も大好きだ。
僕 「校歌はもう覚えた?」
長男 「当然」
僕 「中学の時よりいい歌だよね?」
長男 「比べものにならないね」
やっぱたまには話さないとな。ま、僕の個人的な娯楽目的だけど(^^。
| 固定リンク
コメント