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2011年5月 7日 (土)

PORTAL

2が発売されて(家庭用はもう少し先だけど)盛り上がってるようだったので、前作を本気でやってみた。

体験版をやったときにも結構気に入っていたというか、

 かなり面白いと思っていた

ので、レジストにも割と抵抗は薄かったのだけど、MSポイントって高額をプリペイドすると、以後どうでもいいタイトルにも「誤ってレジストしがち」になるのがスゲェ怖い。ガイドラインで「デフォルトではNOにカーソルを合わせておく」というのを作って欲しいよ。

で、本気で遊んでみた結果、

 やっぱり面白かった。

でも「やっぱり面白かった!」までは行かない。「!」分違う感じ。評価で言えば★★★くらいで、もう少し安ければ、という気持ちが残ったのも事実。
※念のために言うけど、これはボリューム不足だからではないですよ。

ゲームとしての体裁がやっぱり「軽い」感じなんだよね。グラフィックはシンプルだけど綺麗だし、移動がやや遅いのもシステムのキモであるポータルを使って瞬間移動する妙味を楽しませるためだと考えれば合点もいく。全部で19面しかなくても、後半面の広さ、難しさは序盤の数倍以上だし、クリア後のご褒美である「上級者用」も、

 いろんな意味でちょうど良い。

順番が前後するが、PORTALについて軽く説明すると、

 FPSのエンジンを使ってアクションパズルをさせたゲーム

敵らしい敵はほとんど出てこず、出てきたとしても銃で撃って倒すわけじゃない。プレイヤーは、キモであるポータルの出し入れ以外は、アイテムの持ち運び、スイッチのオン、ジャンプ、しゃがみと移動、視点切り替えが出来るだけで、雰囲気で言えば、

 立体になって複雑化した倉庫番

のような感じと言えなくもない。まぁあれほどガチパズルではないけども。

ポイントはやはりポータル=移動のためのゲートで、オレンジとブルーのゲートをFPSの銃の要領で特定の(白い)壁に撃つと、ゲートが開く。オレンジとブルーは直結しており、たとえば高所から地面にブルーゲートを開けて、全く別の壁面にオレンジを開けると、ブルーに飛び込んだ際、オレンジから勢いよく「飛び落ちる」感じで出てきたりする。

まぁそれらを利用してスイッチを入れたり箱を運んだりしながら出口を目指す。

世界観は「写実的な近未来」といった感じで、映画で言うとユアン・マクレガーの「アイランド」みたいな白を基調とした清潔感のある感じ、、、から面数が進むにつれ、かなり様変わりしていく。
※個人的には序盤のこぎれいな雰囲気が大好きだったので、中盤以降の汚い感じには正直残念な気持ちになったりもした。

前半はそうでもないが、中盤から終盤そしておまけでアンロックされる上級者用の面に関しては、かなりアクション要素が高く、「落下中に視点を操作してポータルを撃つ」ような場面が多くなる。今日読んだ4gamerの「2」のレビューでは、そういったアクション寄りのトラップがかなり減っているそうで、もし届いた声を元に続編をチューンしたとしたら、本作でのアクション要素はあまり歓迎されなかったと言うことなのかも知れない。

FPSの戦闘部分をほぼバッサリとカットしたゲーム性だが、やっている内容はポリゴンのアクションアドベンチャー(ゼルダ「時のオカリナ」など)で為される謎解きに非常に近い。僕的にそういった謎解きを昨今「非常に煩わしく、面倒に感じている」にもかかわらず、PORTALの「謎解きオンリー」のゲーム性に面白さを感じ、ストレスをほとんど感じないのは何でだろうと考えたところ、

 基幹となる「ポータル」というシステムが非常に爽快感が高い

というのが理由なのではないかと結論づけた。ポータルを出して移動する行為は、先ほども書いたけど「ショートカット」だ。たとえば画面上部、上層部の階層にスイッチを押しに行かなければならないシチュエーションがあったとき、通常のアクションアドベンチャーでは、何らかの方法でそこまで「よじ登っていかなければならない」。また通常の移動時も、「下方への段差は飛び降りればいいが、上方へは階段なりはしごなりで時間を掛けて登らなければならない」。

 PORTALは違う。

ポータルを開くことが可能な白い壁を見つけたら、そこへバシュっと撃ち込み、自分のとなりにもう一つバシュシュっと入り口を作れば、そこまでは文字通り「どこでもドア」よろしく一瞬で移動出来る。高台から飛び降りた先に「入り口」を用意しておけば、「出口からの大ジャンプ」も容易い。

 アクションアドベンチャーでは希有なスピード感がある。

もちろん個々の謎解きは「ひらめき」を要するものが多く、長男と一緒にプレイしていても、お互いが同時に正解を導き出せることは少ない。
※というか僕のが圧倒的に少ないのだが。
それでもそこに一切の不条理はないし、クリアの方法もガチンコワンパターンのみということもなかったりする。物理エンジンと洗練されたリアルなグラフィックは、その世界に「理由(納得)」を与えつつ、ポータルという手段が他にはない「ゲームらしさ」を加味している「良作」なのだ。

余談だけど、プレイ中僕の口からもっともこぼれた言葉は、

 「だがしかし!」

解法をひらめく、がそのひらめきが常に正しいとは限らない。「これでゴールに行ける」と思っても、実際にはその後二度三度と別のトラップが待ち構えていることが非常に多い。思わず僕は言う、

 「だがしかし!」

疑りながらも歩みは止まらない。耐久力の低くなった僕ですらクリアまでほぼ一気にプレイ出来たということは、少なくとも通常面(上級じゃない方)に関しては、それほど難しくなかったということだろう。
※もちろんところどころ数分程度の足止めはありますよ?

 自力でクリアできるパズルのなんと気持ちいいことか!

以前堀井雄二さんが言ってた言葉をまた思い出す。

 自分しか解けないんじゃないか、と全員が思う難度がちょうどいい。

さすがにジジイになって「自分しか」とは思わないが、横から長男が「これは気付かない人はなかなか気付かないよねぇ」と言う。僕もそう思う。

プレイ中いつでもセーブが出来、ジャンプの直前に戻ることも簡単。ロードはそこそこだが、プレイ中の密度が高いためさほど気にならない。ストレスの少ない「ひらめきだけ」で紡がれる世界。

 居心地が良い。

後半のドロっとした世界がなかったら7点だったかな。っていうか上級クリアしたらもっと評価は上がるかも。

ちなみに主人公以外の人間は一切登場せず、世界はあまりに無機質なので、一種異様な怖さを感じなくもない。
※長男などはしきりに怖いって言ってたし。
なので、素直に万人に勧められるとは言い難いが、伊達に400万本のセールスを記録しただけある一般性の高さは、結構なキャパで受け入れられるのではないかなぁと思う次第だ。やっぱ★★★☆にしておこうかな(^^。
※本音は「2」も欲しいんだけど、7000円前後となるとさすがにちょっとお高い。これもボリュームうんぬんの話ではなく、やっぱりイメージとしてどこか「iアプリ」みたいな印象が拭えないんだよな。スクショとか見るとスゲェ綺麗でモチベも高まりまくりなのだけど・・・。

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