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2011年8月 4日 (木)

127時間

※実際に見たのはもう随分前なんだけど、旬も過ぎてたし、なんかどんどん後回しにしてしまった。まぁ気にするな。

実際にあった話を元にした半ノンフィクション。誰にも連絡せず必要最低限の装備しか持たず、主人公アーロン・ラルストンは落石によって右手を巨石に挟まれてしまう。

物語のほとんどはこの「動けない主人公」のカットであり、「アクション映画」と呼ぶには絵的な派手さを非常に求めにくい素材だが、「小説よりも奇なる」事実と、ジェームズ・フランコ
※スパイダーマンのハリー・オズボーン役
の熱演で、最初から最後まで全く飽きさせずに展開する。

「自分だったらどうしただろう」と何度も自問自答してしまう切迫感。豊富な経験と十分な身体能力に裏付けされた自信は、あまりにも不慮の事態に直面し、見ている側が考え得るありとあらゆる方法、、、正直それ以上の方法を試し、何とか脱出を試みる。

正直こういう映画は、ちょっとしたところで「アラ」が出てしまうものだ。「そこでそんなミスをするか!?」とか「その判断はあまりにも浅はかなんじゃないか」とか。事実物語序盤、まだ岩盤に挟まれていない時の彼は、正直やんちゃ過ぎるくらいやんちゃで、実際アーロン本人も「この部分は事実ではない」としているパートもあるのだが、映画を作る際に、「ノンフィクションでいくか否か」の決断を後者にし、より多くの人に楽しめる物語に仕上げたという点で、全く問題はない。正直、全体通して緊張感がありすぎるほどあるので、序盤のその緩い展開がむしろ有り難いほどだった。

ジェームズ・フランコはまさにこの役を演じるのに相応しいビジュアルと演技力を見せてくれた。実際スパイダーマンの時の印象が強いが、「肉体的、精神的な強さと知性」を兼ね備え、極限状態でもギリギリまで冷静に、諦めず、くじけない。これがもしただ「強いだけの男」であるなら、きっとその強さにおぼれ、ヤケになってしまうだろうと思われるし、もちろん賢いだけでは決断も行動も起こさないだろうし、そもそもここでこうしてはいまい。

 127時間は説得力の物語だ。

彼のシチュエーションは「あり得ない」が、そこでの彼の思考や行動や言葉や決断は全て、「納得させられる」ものだ。文化や人種の違いで幾ばくかのズレはあるものの、人が死に直面した時の精神状態、生への執着、努力、言葉は、どれも「共感」を誘う。彼は自分と違って強靱だが、もし自分が彼のようであったなら、きっとこうするだろう、こう思うだろう、こう叫ぶだろうというイメージを、とことんクリアしていってくれる。それも自分の思うそれ以上の形と映像で。

正直見に行こうかすごく迷っていたのだが、
※というか映画館に行く前はアイアムナンバー4を観に行くつもりだったし。
なかなかにいい映画だった。正直僕の好みとは言い難い部分もあったし、ぶっちゃけ大画面で見た方がいいですよ、と呼べるシーンも多くはないが、「127時間」を90分ほどに濃縮した映像作りは十分エンターテイメントしていたし、主人公はとても魅力的だった。っていうか、

 見終わった後シミジミ彼の「賢さ・冷静さ」に感心させられた。

結局のところ登山を、それも単独で成功させるような人というのは、体力だけでは全くダメなんだろうと思う。状況を冷静に分析し、引くべき時は引き、決断すべきときは決断する。この状況での対応は、そうした「経験者」だからこそのものであっただろうし、それこそが「事実を小説よりも奇なるもの」に押し上げたのだと思う。

 頭のいい人間が出ている場面ってのは見ていて心地よいのだ。

個人的には最後スタッフロールで流れている曲がとても穏やかで癒された。
※終了後のおまけカットはなし。
全体通して派手な見せ場は少ないかも知れないけど、評価的には★★★かな。十分楽しめたよ(^^。っていうか劇場公開もすべり込みギリギリのタイミングだったから、もう終わってるかも知れないな。

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