塔の上のラプンツェル
テレビCMの出来は良く、あわよくば劇場で見たいとすら思っていたが、まぁ機を逸してしまいこうしてDVDで見ることになった。
が、
情報はそのテレビCMのチラ見だけ。他のことは全て忘れていたので、まぁかなりニュートラルな心構えで対峙することが出来た。
とりあえずネタバレなしの感想を言うと、
・恋人同士で見る映画
・「美女と野獣」「アラジン」が比較に出される。
この二つのキーワードがとても重要というか、この作品をよく現している。逆に言えば、、、
・ピクサーではない
・アドベンチャーでもない。
だから、CMにあったような派手なアクションシーンを期待して見ると、結構裏切られるかも知れない。正直僕も「やや」裏切られた気になった。
が、
前述の2作品も嫌いなタイプではないので、差し引き評価は「まあまあ」。★で言えば★★くらいかな。「魔法にかけられて」も似た印象があるけど、正直そっちの方が好きだし、楽しめた。だから、ここまで読んで「自分が見る映画じゃないかも、、、」と思った人は、
かなり期待を下げて見る方がいいかもしれない。
・・・
そんなわけで以下ちょっとずつネタバレ。
とにかく「ミュージカル仕立て」のシーンが鼻につく。美女野獣でもそうだったけど、冗長な歌の場面はテンポも崩れるし、かといって歌詞がセリフを兼ねてしまうので、無下に飛ばすわけにもいかない。昔はそれでもCGの新鮮さや、「ディズニー映画」という肩書きでモチベも維持できたけど、昨今のようにのべつまくなし「それっぽい映画」が作られている今となっては、
個性はあるがそれは良い意味ではない。
とバッサリ落としたくなる。
時間的に100分という上映時間は、ディズニーアニメとしては短い方ではないが、これら歌のシーンをバッサリカット(もしくはセリフのシーンに置き換えて)90分映画にした方が、むしろ(個人的な)評価は上げられた。
そのくらい今のご時世では浮きまくってる>歌のシーンが。
特に魔女が歌うシーンが、、、
なんでここまで引っ張る必要があると判断したのか理解に苦しむほど。
全編通して「憎まれ役」をこれでもかと演じているので、別段歌でまで「イラつかせなくても」よかったんじゃないの?って思った。っていうか、
こういうのを「誰得」って言うんだろうなぁ・・・
って感じ。「ヅカファン」とかが喜ぶのかしら。わからない。
でも、
それを除けば、僕的にかなり楽しめた。
ラプンツェルの声優がショコタンだってのも完全に忘れていたし。
「誰だろうな~でも割と合ってるからいいか」ってくらい普通に見れた。
※ちなみに自分は割とジブリの「ネタ声優システム」は嫌いじゃないです。キムタクのハウルも別に普通でしたし。
っていうかむしろ、「ショコタン芸達者過ぎ」
そのくらい良く出来てます。いやホント。あの子が本気になったら空だって飛べるだろって思う。
ヒーロー役をやってた畠中洋さんって人はよく知らなかったんだけど、奇しくも「魔法にかけられて」の王子もこの人ってわかってちょっと親近感。つかそれより何より、
金城武に似すぎだろ。
もう「似顔絵」とか「モデル」ってレベルにそっくり。声が違うのはわかるけど、魔法にかけられて、みたいに実写アニメ混合だったら普通に使われそうなくらい
※実際使われたら違和感が残るんだけどね。アジアンな顔立ちだから。
似てた。
それから、全編通して「素晴らしく良い」と感じさせたのは、
白馬マキシマス(通称マックス)。
これぞディズニーの真骨頂。っていうか、
むしろ影の主役。
彼のおかげで物語にコミカルなエッセンスがちりばめられたし、彫りの深い?表情は人間味?満点で見る者を虜にする。まともなセリフがないのがちと残念ではあるが、後半はもう出てくるだけでテンションが上がる、「美味しすぎる役回り」。言っちゃ悪いがシュレックのドンキーとは全く扱いが違う。
ビジュアルはCG映画ではあるものの、技術の進歩か、背景も人物もかなりのクオリティ。デジタルっぽさが薄く、アナログ感が強い。「記念すべき50作品目」ということと、映画館では3Dで上映ということで、「鳴り物入り感」を出そうとする側面もあるが、スタッフ的にはむしろ、
ピクサーとディズニーの違い。自分たちが作ってきた歴史へのオマージュ。
そういった意味合いを抱いていたのではないかと思わせた。
ただ、まぁご都合主義の展開も多いし、「カップル向け」なのも間違いないところで、休日雨戸を閉めてアラフォー男が一人で見る映画でないことだけは確か。つっても自分の過去の人生において、この作品を素直に楽しめるシチュエーションが果たしてあったのかって聞かれたら、、、答えに窮するけどさ。
・・・
おまけの「予告」で見た「カーズ2」がことのほか面白そう。っていうか、
なるほどこう来たのか。
ってくらい予想の斜め上空2000フィート(1フィートが何㍍かは知りません)
って感じの作り。見に行くつもりがなかったけどちょっとグラついてる。あとティンカーベルもちょっとグラつき気味。ぶっちゃけ、
彼女の関連商品(ウチの店で扱える範囲=タオルやハンカチ)は売れない
ので、決して好きなキャラではないのだけど、なんかちょっとフックした。
・・・
ラプンツェルの監督バイロン・ハワードは、他にボルトを撮ってたみたいだけど、こっちは未見。ジブリよりはディズニーやピクサーの方が(現時点では)見る気にもなるのだけど、本命はブラッド・バード(Mr.インクレディブル、レミーのおいしいレストラン、アイアンジャイアント)かな、、、って思ってつい検索したら、
バード監督、なんと今は「ミッションインポッシブル4」。
ブラッド・バード×トム・クルーズ!12月公開!これは見なきゃな!っていうかラプンツェルの話じゃなかったのかよ!?
・・・
ブログを書き終えた直後に娘が友達と部屋に入ってきたので、
見る?
と勧めたらすんなりYES。
僕もつい2回続けて見てしまった。
2回見てもやっぱり歌のシーンは冗長で、マックスはかっこよく、ユージーン(ヒーロー役)は金城武。ショコタンは「かなりラプンツェル」で、素人臭さは全然感じなかった。つか、さっき★★って書いたけど、やっぱ★★☆にしとくかな。
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