他人(よそ)んちの子供
「他人」と言ってもそれは僕の妹の話。娘二人と息子(末っ子)が一人いるのだけど、上二人はともかく、末っ子の息子があまりにも傍若無人で、人ごとながら凄くイライラする。
体格はそれほど大きくなく、歳は2歳か3歳。まぁ見た目は普通にかわいい男の子なのだけど、仕事中と言わず何と言わず、「ママ」「ママ」とうるさい。「お仕事中って言ってるでしょ!」と言ってもほとんど聞かず、横で見ていて、
これが反抗期か。
と思う。
僕自身は幼少の頃の「第一次反抗期」はかなり派手で、部屋中をトンカチで叩いたり、泣くわめくも激しく、夜は父親が毎晩のようにドライブに連れて行っては寝かしつけていたと聞いた。もちろんその記憶はないが。
ただ、結構母親にビンタされた記憶はある。妹とケンカをしてはたかれ、ダダをこねてもはたかれた気がする。特に覚えているのは、
泣き止まないことに関してはたかれたこと。
僕はマザコンではないつもりだが、この「まだ泣くか!」とビンタされたことに関しては、
誠に筋が通っていたと思う。
泣きわめくことが「良くないこと」だからはたかれるわけで、それを継続するということはすなわち「悪行を重ねていること」になる。お客様がいる自営業で、泣き続けるという悪を成敗するには(「成敗」って生まれて初めて使ったよ(^^)、時に力でねじ伏せるのもアリだと思う。
だが妹はそれをしない。
未就学児というのは、犬や猫と大差ないと思わせる時がままある。要は「何が悪いことで何が良いことなのかの認識が出来ていない」。だから周囲の人間はそれを少しずつでも教育していく必要があると思うし、妹も全くしていないとは言わない。が、
やり方が甘かったり間違っていては、結果もズレてくるのではないかと思う。
ただこんな上からのことを言いつつ、僕の家でどうなのか、将来的にどうなのかという話になったら、それもまた何とも言えない話ではある。今わがままし放題の彼が、将来的に穏やかで人の痛みのわかる人格者にならない保証はないし、僕の子供が道を踏み外して犯罪者にならないという保証もない。
ただ、少なくとも、自分は自分の子供に、自分の思う正義と理屈を教え、(受け入れる受け入れないのジャッジは本人が決めることと思いつつ)理解はしてもらいたいと思う。
今僕の長男は高一で、娘は小六だが、反抗期らしい反抗期はほとんど記憶にない。「第一次反抗期」も、長男には全く記憶がないし、娘の場合は、多少泣いたりしたところで、それが普通だと思っていたから、特に(反抗期が)激しかったとは思えない。
何か道理に沿わない言動や行動を取ったときは、有無を言わさず言いくるめて来た気もするし。
「父ちゃんが間違っていることを言っているか!?」
という問いに、
「でも、、、」とは言わせない。
「でも」「だって」と言わせるのは、そこにつけいる隙があり、甘さがあるからだ。もっと言えば、「子供の話をよく咀嚼し、理解し、聞いてない」からだ。
だからある面では、子供達は僕と話すのを嫌ったりもする。「正解に近い答え」を出してはくれるが、時として「正論・正解が最も求められる答えではない」ことも、子供達はうすうす感じ始めて来ているからだと思う。自分の中で理に適った答えを求め、それが難しい時には助言も求めるが、そうでなければ自力や友達に相談するだけで事は足りる。
まぁ娘は大なり小なりの捨て台詞を吐くけどね。
ウチの子に限らず、子供と対等に話す時は、極力その目線を自分の中で構築するようにしている。自分が小学生だったとき、中学生だったとき、勉強していたとき、作文を書いていたとき、当時どうだったのかを思い返し、クラスメートに話すような感覚で話す。時に自己中のジャイアンに見えるかも知れないし、時に嫌みなスネ夫に見えるかも知れないが、対等であればそこに「反抗期」は存在しない。まぁケンカはするかも知れないけどさ。
ただ一周して思うのは、やっぱこれは親の姑息な自己防衛の結果なのかなってこと。素直に育つ、と言えば聞こえはいいけど、要は反論、反抗させないように外堀を埋めてるってことでもあるし、実際底の部分で本当に理解し合えているかどうかなんて、わかったもんじゃない。というか、「理解し続けられる」ことがそもそも難しいとすら思う。同じ物を見、同じ音を聞き、同じにおいをかいで、同じ人を好きになる人生を送ってきたわけじゃないんだから。
まぁアレだね、そういうスタンスで子供と向き合い、子供もまたそこに理解を示してくれれば、お互いの関係は、そうそうひどいことにはならないとは思う。お互いがお互いを理解しようと歩み寄ることで、ちょうどいい着地点も見つかるんじゃないかと思うし、それこそが子育てってことなんじゃないかとも思うし<だから何でそんなに上から目線なのか!。
長男が高校に入って距離が出来て、来年は娘も中学生。一般的な女子中学生なら男親とそうそう仲良くしたりはしなくなるもの。案外そうなったら、「反抗でもいいから父ちゃんの相手してよ」って思うようになるかも知れないけどね(^^;。
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